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平成27年12月定例会 環境産業観光委員会【環境部関係】質疑要旨
無料回収業者について

【本郷議員】
 無料回収業者問題への対策の実効性が上がっていないのではないか。廃棄物条例による規制の前に対応可能な対策について、環境部長と資源循環推進課長の所見を伺いたい。

【青柳環境部長】
 無料回収業者は毎年問題になっており、産業廃棄物が混入している事例や料金を取っていることもあると聞いている。市町村と一緒に立入検査や指導を行ってきたが、解決までには至っていないものと認識している。他県の事例を参考にしたり、これまでの取組を強化するなどして、実効性ある取組を進めていく。

廃棄物を利用した二次製品の利用促進について

【本郷委員】
 コンクリートや砕石等のリサイクル製品について、利用が進まず、在庫が増加して困っているという事業者の指摘があるが、どのように考えているか。

【宮村資源循環推進課長】
 県では、従前から信州リサイクル製品普及拡大事業に取り組んでいる。今年度から建設業協会等、リサイクル製品を利用する側の関係団体と一緒に協議会を設置して、民間のノウハウ等も活用しながら利用拡大を図っていく体制を整備した。今後、協議会で普及拡大策を協議してまいりたい。

生物多様性の確保について

【本郷委員】
 生物多様性にの国際的な動向と、わが国を含めた世界的な生物多様性の状況についてどのように受け止めているか。また、本件においての生物多様性の確保については極めて急務である。「生物多様性ながの県戦略」策定から2年経過したところ。これまでの取組の成果と今後の課題について伺う。

【山﨑自然保護課長】
 読売新聞の朝刊に気温が3℃上昇すれば、影響を受けやすい高山帯の鳥類は絶滅するという記事が掲載されていた。現在地球誕生以来6度目の絶滅時代と言われているが、その原因は人類と言われている。最大限の知見を発揮しながら希少種が生き残れるような環境をつくっていく必要がある。県としても「生物多様性ながの県戦略」に基づきながら対策を講じていきたい。戦略の中でライチョウの保全に関しては、高山帯に対してしっかりとした保全対策を講じていくという位置付けをしている。県としても山岳トイレの改修、登山道の整備、防鹿柵の設置等も進めているところ。

【本郷委員】
 生物多様性ネットワークを設立する旨の報道があったところ。このネットワークの内容と今後の展開について伺う。

【山﨑自然保護課長】
 今年2月、「生物多様性のネットワークきずな」を設立、縦横の連携を取りながら、持続的に生物多様性を保全していく受け皿を作る取組である。零細なNPO等は活動費の捻出等の課題があり、そこをきずなという枠組を使いながら様々な研究費等の獲得などが考えられる。具体的な支援としては、既にミヤマ株式会社がミヤマシジミの保全のために経費を5年間支出いただく事例ができた。

【本郷委員】
 県政にとっても生物多様性は重要な課題であるため、部長の生物多様性に対する基本的な考え方を伺う。

【青柳環境部長】
 人間にとって過ごしやすく生きていくことがあるべき姿だが、同様に動植物も居心地が良い場所で生きていけることが生物多様性の原点だと考えている。棲みづらくなった、追いやられた原因が人間側の社会にあるとすれば、人間が自然に対して尊大になっているということで、人間についても生物多様性を擁護していかなくてはいけないのが基本原則である。長野県は地形的に南北に長く、標高差もあり生物多様性が高い県である。環境部としては生物多様性を守り、さらに広げる取組みを行う。生物多様性を守ることが最終的には人間社会にとっても心地よい世界に繋がると思うので、引き続き丁寧な取組を行っていきたい。国、県、市町村、住民の皆さんがそれぞれが連携し力を合わせて前進していく取組を行っていきたい。

ライチョウの保護対策について

【本郷委員】
 現在、79,837種のうち3割にあたる23,250種が絶滅危種である。したがって国際的な大問題になって、平成4年にリオで地球サミットにおいて生物多様性条約が採択されたという流れがある。県民のシンボルであるライチョウの保全をどのように位置付けてきたのか。

【山﨑自然保護課長】
 「生物多様性ながの県戦略」を平成24年に策定し、様々な取組を行っている。その中でライチョウは高山帯の象徴と位置付け、保全している。

【本郷委員】
 ライチョウを取り巻く現状と県が取り組んできた保護対策について回答いただき
たい。

【山﨑自然保護課長】
 1980年代の推定生息数3千羽から、現在では、2千羽を切る状況になっている
と推定されている。北アルプスの山域では両端の山域の一部で消滅した地域も確認
されており、レッドリストのランクが上昇した。県としては減少要因を探るため、
調査を進めている。

【本郷委員】
 ニホンザルによるライチョウの捕食について、今後どのような対応を考えているのか。

【山﨑自然保護課長】
 北アルプスの高山帯に進出したニホンザルの存在は、1986年に信州大学の泉山先生によって確認されたが、当時の生態調査では、ライチョウが襲われる行為は確認されていない。ここ数年は、常念岳周辺で捕食情報が寄せられており、この度中村先生によって捕食が確認された。今後、登山者と連携した監視活動の継続と追い払い等の対策を検討する。

【本郷委員】
 環境省におけるライチョウの域内保全や域外保全の対策の取組について伺う。

【山﨑自然保護課長】
 生息地域の中での対策、所謂「域内保全対策」は、天敵に襲われやすく、荒天時の低体温で、死亡する確率が極めて高い雛の時期に、ケージで夜間や荒天時に保護する対策であり、今年度から南アルプスで始まっている。また、絶滅に備え、生息地域外に卵を持ち出し、繁殖させる、所謂「域外保全対策」は、乗鞍岳で採取した合計10個の卵を上野動物園と富山ファミリーパークで飼育する取り組みが始まったが、結果としては、富山ファミリーパークで雄の雛3羽のみ生息している状況。なお、大町山岳博物館は、ライチョウを40年間飼育した実績を有しており、危険分散の面からも大町山岳博物館での飼育再開を国に要望している。

【本郷委員】
 今年度事業として取り組んでいるライチョウサポーターの登録状況や今後の活動で期待することについて見解をいただきたい。

【山﨑自然保護課長】
 県内外から67名が登録をいただいた。自然保護レンジャーなどが多いが、中にはライチョウそのものに憧れて手伝いをしたいという方もおり、まずはライチョウの置かれている現状を広く理解いただき、ライチョウ応援団として、それぞれの地域で普及啓発に取組んでもらいたい。

【本郷委員】
 県民参加による、ライチョウ保護対策の推進に関する部長の所見を伺う。

【青柳環境部長】
 ニホンザルとライチョウの生息域は、本来重なっているわけではなかった。それが重なり今回の事故が起きたと承知している。その原因が、地球温暖化であり、その生息域のボーダーラインが変化することは由々しき問題である。今後、温暖化対策とライチョウ保護についてはしっかり取組む必要があり、皆で総ぐるみで全体的な取組みとして進めて参りたい。

地球温暖化対策の普及啓発について

【本郷委員】
 COP21がパリで開催されている。環境問題が地球文明の中で最も重要な問題となってきている。県民に対する地球温暖化対策の普及啓発の状況はどのようになっているか。

【長田環境エネルギー課長】
 地球温暖化が生態系の変化に大きな影響を与えている中で、県としては県民の方の意識を高め、県民が行政と共に取組むことが大切であり、県民への普及啓発を重要視している。日常的には、出前講座を始め地球温暖化対策活動推進員という100名近いボランティアが地元の公民館活動などに講師として参加し温暖化の状況や県の取組を伝えている。また、大きな取組としては、県民対象のシンポジウムやセミナーを開催している。来年の1月にも環境省と協働して、地球温暖化適応策のセミナーも企画している。

平成27年12月定例会 環境産業観光委員会【産業労働部関係】質疑要旨
産業政策全般について

【本郷委員】
 日本を代表する地方官僚として大変御尽力いただいていることに深く敬意を表する。中東やバルカン半島など世界の状況が極めて不安定化しているなか、日本はどうするべきか。ロシア機が撃墜された日が第2次冷戦のそのスタートになるのではという仮説があるほど、政治経済が流動化している。GDPは日本が500兆円、中国が1,300兆円、米国が2,000兆円だが、購買力平価では1位が中国、2位が米国、3位が日本となる。2022年には中国は名目、実質ともに米国を追い抜くということだが、内在化している問題はある。一人っ子政策の廃止と戸籍の移動が来年から自由になる。中国との距離感は非常に難しい問題。先程の各課長からの説明でも、中国経済が非常に不安定であると言われている。データやエコノミストの意見では、(GDP)8%を切った中国はもたないと言われていたが、中国政府の発表数値は7%、6.5%と下がってきており、大変な量を抱えている在庫を放出しているため、労働力を含め、色々な功罪がある。そういうなかにおける日本経済。
 まず部長に伺う。これから都道府県間競争が激しくなると思うので、中期計画や地方創生の総合戦略をみても、俗にいう「大戦略」というものがやや薄いと感じる。地方政府は大統領制であるので、大胆な大戦略を持たなければならない。それを皆様方のように優秀な地方官僚が事務的に処理していく。
 MRJ(三菱リージョナルジェット)もいずれマーケットに出てくるが、先日メディアで見たが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は音速の1.6倍でシンガポールまで3時間で日帰りできるという次世代の航空機に着手したという。また、軍事用ではないが、災害時用等に72時間飛行できる無人の航空機や垂直離陸型、電動航空機も視野に入れている。通常のヘリは220〜230km/hが限度だが、500km/h以上出す高速ヘリコプター、ドクターヘリについても視野に入れてやっていくと聞く。
 私が言いたいのは、皆様方が緻密にやっている長野県の経済戦略の上に、10年スパンくらいで花が咲くような大戦略を打ち立てなければならないということ。意味は違うが、レトリックとして言うと、ケネディ大統領が5年度には必ず月へ行くと言って実現した。マルクスについて唯一私が評価するのは、政治は上部構造、経済は下部構造と明確に言った点。これは経済を卑下するものではなく、今のアジア太平洋の新興国は簡単に言えば、国家資本主義。国家戦略、政治、行政と経済界とが両輪となって日本全体をどのようにしていくのかというときにおいて、都道府県間競争が激化する。とりわけ秀でた大戦略をもたなければならないというのが私の全体の印象。
 もとよりロボットや人工知能、自動運転、医療、創薬、医療機器、介護、ナノテク等々、挙げればきりがないが、小池先生の地元である飯田下伊那地域では航空宇宙のクラスターをやっているが、一丁目一番地といってもまだまだあのくらいの規模。そういう視点も含めて大きな意味での長野県の大戦略を打ちたて、私どもの孫の時代に花が咲くようなことをしなければならない。私が当選1回か2回のときに、神戸にある医療特区について質問したら、行政当局が分からなかったが、現在そこは日本一の医療特区になっている。そういう意味において、10年後に花が咲いている。パンチの効いた話を石原部長のご所見として伺いたい。

【石原産業政策監兼産業労働部長】
 大きな視点で捉えて、今後の産業振興の方向付けをどうするのか、具体的な施策としてどのようなものを考えているのかという点についてお話しする。
 まず産業政策として、私どもが一番大切にしているのは雇用の確保。県民が安心して子育てができる、生活ができるための雇用をしっかりと確保するべく、私どもは産業施策を行っているところ。
 産業施策としては具体的に3つの方法がある。1つ目は全く新しいものをつくること、2つ目は外から連れてくる「企業立地」、3つ目は既存企業に頑張ってもらうということ。この3つの方向から私どもは様々な施策を展開してきた。
 例えば、創業については、先程も説明したが、ようやく開業率が廃業率を上回るという状況まで漕ぎつけた。
 また、既存企業の頑張りについては、それぞれが培ってきた強みを持ち寄って共同という形でこれからはやっていくべきかと考えている。
 次に、先生がおっしゃる「大きなもの」については、私どもは現在3つのものを考えている。例えば、北の方では信州大学のカーボンの力を使ったアクアイノベーション推進拠点が1つある。これについては、3年後を目途に社会実装するということで、県内の中小企業の方々の参画をお願いしようと考えているところ。
 2つ目は中信地区を中心に進めているヘルスケア産業づくり。地元の松本市や信州大学としっかりと連携してまいりたいと考えている。
 3つ目は航空機関係の産業づくり。先生からもお話があったが、先月、三菱リージョナルジェット(MRJ)の飛行が成功した。これはYS−11から考えると約半世紀ぶりのもの(国産飛行機)ということで、私どもも熱い眼差しを注いでいるところ。このMRJは約70〜90席。燃費の性能は他の機体に比べ2割ほど優れているとのことでかなり期待をしているところ。また、この民間航空機市場は今後20年間で500兆円の需要があると言われるなかで、MRJ級の機体が5,000機求められると考えられる。これがうまく成功すれば、国内経済はもとより、長野県の力として新しい原動力が生まれるのではないかと考えているところ。
 また、私どもがこの航空機産業に注目したのには、大変裾野の広い分野だということがある。このMRJは自動車の100倍の部品がある。実数で言うと、約300万点の部品があるときく。また、それぞれの部品は絶対的な安全性が求められるため、技術の強化ができると考える。
 私どもはこれまで、自動車産業の部品供給と基地として培ってきた技術を更に伸ばすことによって、この航空機産業においても私どもの力を発揮できるし、また他の分野にも活用できると考えている。実際、長野県企業の多摩川精機(株)、ミネベア(株)や下伊那地域の中小企業の方々が集まった共同体の約21企業が実際にMRJの飛行機に部品供給をしている。このような動きをしっかりと下支えするような施策を地元としっかりと連携してやってまいりたいと考えているところ。

【本郷委員】
 明確なナノテク、ヘルスバレー、航空宇宙クラスターの3本柱だと思う。県政のリーダーシップが非常に問われるので、5年計画とはいえ、実際に花が咲くのは10年先という視点から、ぜひダイナミックにお願いしたい。
 ノーベル賞は、平和賞や文学賞などはやや抽象的であまり裏付けがないが、自然科学分野ではヨーロッパ全体よりも日本の受賞者の方が多い。それをいかにマーケットに結びつけるかという点について、日本は比較的遅れを取っている。ビルゲイツなどはしたたかで、早めにパテント(特許)を取ってあのような世界一の企業にしていく。
 いずれにせよ、今の石原部長の話に尽きるが、県政は77市町村の統合的な立場であることも踏まえ、ぜひ大きな視点から、事務的なことは事務的なこととして足元の基盤を押さえつつ、5年、10年で相当の差がつく。そういう視点から、なお一層のご精励を願いたい。

中央会と商工会議所への補助金について

【本郷委員】
 昨日、中小企業団体中央会と環境産業観光委員会全員とで話をしており、その中で2点要望があった。
 組織人員強化と県内中小企業経営基盤強化に期するため、中小企業連携組織対策事業費補助金1.8億円の維持拡充を図り、プラスアルファも視野に入れてご努力願いたい。議会としても対応したい。販路拡大を図るため、展示会・商談会への共同出展へのサポートをお願いしたい。

【内田産業政策課長】
 中央会は、組合が取り組む事業の共同化や経営資源の相互補完等について、相談・助言等の支援を非常に前向きに取り組んでいただいている。目標としている相談助言8,000回、セミナー等の参加者2,000人という数値についても達成していただいているなど大変頑張っていただいている。来年度の予算の確保については最大限努力していきたい。
 販路拡大支援については、県内の中小企業の皆様に商談会の機会の提供などの支援を行っており、引き続き多くの販路開拓が実現するように努力して参りたい。

【本郷委員】
 商工会議所についても、最大20人の広域専門指導員の配置について、引き続き早期の実現を目指して配慮をお願いしたい。大変努力をいただいていることを承知しているので要望だけしておく。

輸出の促進について

【本郷委員】
 輸出額の増に向け、どこの地域をターゲットにどのような取組を行うのか。

【仁科サービス産業振興室長】
 先に設置したタスクフォースで詳細な議論をしていくが、今考えられる範囲でお答えする。工業製品分野での例としては、日本からの輸出の強化を考えている諏訪市のライト光機は、アメリカの関税14.9%が撤廃されると競合する韓国、フィリピンとの価格差がなくなることから、ライフルスコープの技術者を10人以上増員するとしている。
 また、TPP締約国以外に進出している企業は、関税がなくなれば、日本から輸出しても伍していけるようになることから、海外拠点を置く必要がなく場合もあるなど、様々なことが想定されるので、まずは国やジェトロなどからも情報収集していく。
 また、今年度は、4回の海外展示会の出展支援をしたが、うち2回は、TPP参加国であるメキシコとベトナムの展示会だった。こうしたところに、今から入り込んで、現地の状況調査やバイヤーとの情報交換をしているところ。来年度も引き続き、そうした取組のもと、輸出の促進を図っていく。

他分野との連携について

【本郷 委員】
 農業などの他分野との連携について、具体的にどのような形で図っていくのかお伺いしたい。

【内田産業政策課長】
 農業との連携について説明をさせていただく。産業労働部でもこれまで農政部と連携を図り、農商工連携や6次産業化の推進に取り組んできたところ。
 また、TPPの合意ということで農業には色々な影響があるのではないかということからも、産業労働部と農政部が連携を図りながら産業全体を視野に入れながら一層の振興をしていくことが重要であると考えている。
 具体的には、今年の4月に「しあわせ信州食品開発センター」がオープンし、高付加価値食品や高齢者向け食品の開発の支援をすることによって、信州の農林業の高付加価値化に取り組んでいる。
 また、農業改良試験場や林業総合センター、信州大学などの色んな機関と連携して、部局横断的な支援ネットワークである「しあわせ信州食品産業応援隊」を設置した。この中で、商品企画から販売促進まで事業者の取組を結合的に支援、牽引するというような体制を整備したところ。
 地域資源開発支援センターにおいても、地域のブランドに競争力を持たせてやっていかなければいけないということで、企画の段階から一括して支援している。
 創業についても、日本一創業しやすい県づくりを目指しており、サポートオフィスの相談員を増員させたり、県制度融資の創業支援資金の強化も図っていきたいと考えている。これらの取組により、農商工連携や6次産業化を推進して地域経済の活性化を一層推進していきたいと考えている。

企業がイノベーションを推進する上での阻害要因の克服について

【本郷委員】
 企業がイノベーションを進める上での阻害要因をどのように克服していくのか。

【林産業立地・経営支援課長】
 阻害要因の話を企業から聞くと、従業員の不足と技術者の確保、続いて技術開発、市場開拓等が課題となっている。今回プロフェッショナル人材戦略拠点を設けたが、県内には11万事業所があり、その1社1社の成長を促せるような取り組みを実施しなければならない。
 技術に関する支援は、モビリティ、メディカル、ロボット、センサー色々な分野があるが、工業技術総合センターが支援していくとともに、中小企業振興センターの受発注開拓推進員5名、よろず支援拠点のコーディネータ13名、経営革新等認定支援機関380者などの支援者、そこに金融機関、商工会議所等全体で連携をとり、県内11万事業所をオール信州でサポートしていく。

若手人材の確保、育成について

【本郷委員】
 県内の高校卒業生の8割以上が県外への進学などで流出し、大学卒業後は、4割弱しか県内へ就職しないという実態があり、今後、若手人材の確保・流出防止について、どのように取り組んでいくのか、雇用・就業支援担当部長に問う。

【山本雇用・就業支援担当部長】
 まず、高校卒業後の進路について概略申し上げると、毎年、約19,000人が高校を卒業しており、県内への就職者がそのうち約3,000人。進学者については、大学、短大、専門学校をあわせて、約5,000人が県内へ進学しており、残り約10,000人が県外へ進学しているといった状況。県外への進学者、約10,000人のうち、約4割の4,000人が県内に∪ターン就職をしているという実態。
 こうした実態の中で、若手人材の確保・流出防止を進めていくためには、まず、県内の進学先の収容力や、魅力を高めていくということが一つの方策で、県では、県立大学や南信工科短大の設立を進めるとともに、地方創生の総合戦略でも、信州高等教育センターの設置を盛り込んでいるところ。
 もうひとつの方策については、申し上げるまでもなく、県外進学者の∪ターン就職の促進。県では、長野県の企業や産業の魅力を高校卒業するまでに十分に生徒に知ってもらうことが必要であることから、総合戦略の中でも小・中・高校におけるキャリア教育の充実、あるいは信州学の導入を進めることとしている。
 また、近年、学生が就職先を選択するに際して、インターンシップが果たす役割が、大変高まってきているということで、県内企業のインターンシップの拡大、学生のインターンシップへの参加の拡大を進めていくことが重要と考えている。このため、信州産学官ひとづくりコンソーシアムにおける取組を進めるとともに、インターンシップの経費負担の軽減を検討しているところ。
 また、県外進学の学生に、本県の企業の魅力や就職情報を、より効果的に発信するために、現在32校になった∪ターン就職促進協定校には、長野県出身学生が5,000名以上在籍しており、この協定校との取組を強化していきたいと思っている。また、県内各地のさまざまな業種の30社の企業の若手社員をシューカツNAGANO応援隊ということで委嘱し、銀座NAGANOでの交流会などを行うこととしている。
 県としては、こうしたさまざまな取組を重ねることにより、若手人材の確保・流出防止につなげていきたいと考えている。

キャリア教育の方向性について

【本郷委員】
 産業教育などに視点を絞ったキャリア教育について、偏差値教育における偏差値秀才が世の中に行ってあまり役に立たないというのはご承知のとおりで、東京大学(帝国大学)は当時の近代化のなかで致し方なく作ったのですが、現在は全くそういう観点は喪失しているわけである。真のキャリア教育をどうしていくのか、特に小中高校生の生徒に対して、どういう哲学を持って、真の社会のリーダーを育成していくための基礎教育をするのか、人材育成課長にお伺いしたい。

【鈴木人材育成課長】
 私のほうからは、子供たちに対するものづくり教育についてのご質問に対して、お答えをさせていただく。これからのものづくりを支える人材の確保・育成、非常に重要な課題であり、特に昨今のものづくり離れが言われている中で、小中学生、高校生のうちから、しっかりと職業観を身に付けてもらう、また、ものづくりに触れて楽しいと感じてもらう、こういったことは大変重要だと思う。
 現在、教育委員会においては、キャリア教育ということで職場見学、また、職場体験といった取り組みをしているが、産業労働部でも、ものづくりマイスターの派遣、また、スキルアップ講座を通じての技術指導等を通じて、取組みを進めており、職業能力開発協会においても、国のものづくりマイスターやものづくり体験教室、ものづくりフェアといった取組みを行っているところ。
こうした取り組みによりまして、技能検定を受ける高校生が年々増加する等の成果も見えている。
 今後についても、信州ものづくりマイスターの派遣をはじめとして、優れた技能・技術を持った方々から、講習や体験を受ける機会を増やすとともに、子供たちがものづくりに触れて、ものづくりを楽しいと感じてもらう取り組みをさらに拡大をしてまいりたいと考えている。

伝統的工芸品について

【本郷委員】
 伝統的工芸品はまさに、ある観点からすれば地方創生の最も重要なキーワードである。長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略の中で地域資源としてイノベーションとは違う哲学でキープしなければいけない。そういう意味において基本的理念をどう考えるか。

【上原参事兼ものづくり振興課長】
 現在存在している伝統的工芸品は、江戸時代、明治時代から、常にその時の人々の生活様式や嗜好の変化に応じて、新製品等を開発し提案してきたからこそ残っているのではないかと考えています。
 従いまして、伝統的に使われてきた材料や技法は使いながらも、製品のデザインや用途は常にその時代の顧客ニーズに合わせて変化させることが、伝統を守ることではないかと考えています。

【本郷委員】
 また、後継者の確保・育成が、匠の技を含めて喫緊の課題であるが、どのように進めていくつもりか。

【上原参事兼ものづくり振興課長】
 また、人材の確保育成は、どの産地も非常に大きな課題であり、県内又は産地内だけでは、探すことが非常に難しい状況である。そのため、首都圏などの関係する大学や芸術家を目指す方、あるいは移住を目指す方に銀座NAGANOで説明をしてマッチングをしながら体験する場を産地で作っていきたい。そういった中から就業した人達を支援するようなことを考えていく。

【本郷委員】
 また、消費拡大を図るという意味で、地消地産の観点から、施策を組み立てたらどうか。

【上原参事兼ものづくり振興課長】
 地消地産に対する新しい取組みとして、県の旅館・ホテル組合にオール信州でおもてなしということを提案している。旅館では地元の食材を使ったことで観光客におもてなしをしているが、それを盛る器とか箸、テーブルやイス、あるいは部屋とか玄関とかに県内の伝統的工芸品を出来るだけ使ってもらうよう要請した。今後一緒に地消地産を進めていく。

質問のまとめ

【本郷委員】
 時間でございますのでご要望だけ言っておきます。それぞれの部課長から大変的確なる、地の足ついたご答弁をいただきありがとうございました。マクロ的にはデフレはほぼ一丁目一番地で脱却しつつある、というのが日銀の判断でございます。かつて、9兆円近かったわが県のGDPが今は8兆を割るというようなことであります。政府は490兆円を名目3%、実質2%で、2020年までには600兆円にする、だいたい2割増やすということであります。長野県もそういう意味においては単純計算すれば9兆円を超える目標値を持たなければいけない。フリードマン的な意味で市場がそれを決めるということではなく、先ほどお話したとおり新興国は国家資本主義できているので、政治経済が表裏一体となって、大戦略を組んで日本を追いかけている。そういう意味で都道府県の果たすべき役割は、市場に任せておくということではなく、もっと力強い、より一層の力強いリーダーシップを発揮していただきたい。そのためには石原部長、大変優秀な方でございますから、何の心配もございませんが、是非GDP9兆円を目標に、なんとしても、達成するにはどうするというプログラムを立てなければならない訳で、民間企業の方にそれを言っても、自分の企業のことだけでいっぱいでございます、それを戦略的に持っていくのが、行政なり議会の役割でありますから、そういう意味を含めて、時間が1分経過いたしましたが、ご要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

平成27年12月定例会 環境産業観光委員会【観光部関係】質疑要旨
今後の観光施策について

【本郷委員】
 残念ながら、観光部の努力にも関わらず長野県観光は衰微傾向であることは共通の認識であるところ。ここで反転攻勢に出なければいけない。観光部では、いろいろな戦略を練っていると拝察するが、来年からはいろいろなイベントがあるので、反転攻勢に出て、新たなスタートを切ると言う意味で、吉澤部長の所感を述べていただきたい。

【吉澤観光部長】
 観光地の利用者数、消費額については、長期的に見ると減少傾向になっている。しあわせ信州創造プランにおいても、プロジェクトを結成して進めているところ。
 10月に策定した地方創生総合戦略の中では、観光産業の成長産業化を目指していきたいということで、消費額、延宿泊者数については、26年数字の10%増、重点分野であるインバウンドについては、倍増という目標設定をさせていただいた。
 現在、これをどのように達成させるかということで、いろいろと考えているが、大枠とすると5点ある。
 1点目は、総合計画の中で「しあわせ信州」ということで進めているが、観光を軸にブランド戦略を立て直して、ブランド戦略と誘客プロモーションを完全にリンクさせる形でやっていったらどうかということが考えられる。
 2点目は地域での観光・地域づくりの主体づくりということで、現在、国で「日本版DMO」をつくりたいという話もある。これについても、県全体の観点と地域支援の観点から県としても取り組んでいく必要があるのではないかと考えている。
 3点目は、観光プロモーションに関しても客観的なデータに基づくマーケティング分析という手法を取り入れて、それに基づき効果的にやったらどうかと考えている。
 4点目は、インバウンドについては、これからの趨勢として期待ができるので、本県においても他の県に負けないように積極的に取り組んでいくことが非常に重要である。新ゴールデンルートも含めて新たな施策を多面的に取り組んでいきたいと考えている。
 5点目は、観光は総合的な行政分野なので、基盤整備、環境整備が大事である。道路、景観、二次交通の整備と多面的な部分があるので、庁内連携を深める形で強化していきたい。
 このような施策を総合的に展開することで、目標にしている観光地域づくり、観光業の成長産業化を強力に進めていきたいと考えている。

【本郷委員】
 吉澤部長の高い志のもと、5つの柱を有機的に結合させて28年に反転攻勢のスタートラインに立っていただきたい。

北陸との連携と「縦軸のゴールデンルート」について

【本郷委員】
 富山や石川といった北陸との連携は、長野県全体への波及効果も大きい。この「縦軸のゴールデンルート」について、具体的なプラニングがあれば、ご提示いただきたい。

【花岡国際観光推進室長】
 長野県内での外国人宿泊者数の状況は、国の統計で、昨年66万人、全体順位13位となっている。今年、中国からの入国者数は倍増しているが、東京〜京都〜大阪といったゴールデンルートに集中している。この中国からのお客様に、石川や富山等と協力して、いかに今のゴールデンルートではない定番ルートを認知し訪れていただくかということが、大きなテーマである。
 11月から、石川・富山と協力し、中国本土の約10の主要都市をまわり、旅行会社訪問や旅行雑誌の読者会に参加するといったローラー作戦を行っている。今後は、メディアや旅行会社を招請し、商品造成を促すとともに、現地メディアを使った知名度アップを図ってまいりたい。
 また、アジアからのLCC利用者が増えているが、羽田・成田は発着枠が厳しいため、名古屋・静岡・関空がゲートウェイになっている。セントレアが近いということもあり、雪遊びをメインテーマにした県内を周遊する中国からのツアーが、今冬、月15〜18本催行されることになっている。
 こういったものが外国で認知され、長野県内を周遊するルートを強く打ち出すことで、広い意味での「新ゴールデンルート」を働き掛けてまいりたい。

【本郷委員】
 質問に対して、ダイナミックな発想力をもってお答えいただいた。県内10圏域を回遊し、消費を還元するため、「縦軸のゴールデンルート」を、発信力をもって、戦略的に打ち出していただきたい。

登山安全条例について

【本郷委員】
 登山条例については議会でも色々議論し深く理解しているところと認識している。
 登山計画書の提出の義務化については、山岳遭難が急増していること、御嶽山の噴火災害において被災者の特定に非常に時間を要したこともあり、理解できるもの。ただし、罰則がないということは、長野県の一つの理念だが、実効性を担保する手段についてどのようにお考えか。

【玉井山岳高原観光課長】
 登山は本来自由な行為であり、規制を最小限にしたいということで罰則を設けていないが、ご指摘のとおり実効性の担保は非常に重要。これから啓発をしていく予定だが、その中身も、単に計画書を出してほしいということではなく、予めしっかりした登山計画を立てることによって山岳遭難の防止につながるという面を強調しながら啓発していきたいと考えている。
 啓発手段についても、登山者が読む登山雑誌やインターネット、登山用品の販売店舗といったところで発信していきたいと考えている。今後作成するガイドラインにもきちんと記載したいと考えているところ。

【本郷委員】
 条例の制定後、登山計画書の管理・回収の体制が非常に重要であるが、どのように考えているのか。

【玉井山岳高原観光課長】
 登山計画書の管理・回収については、義務化の後は知事宛の文書ということになる。個人情報も含まれることから管理は厳重に行わなければならないと考えている。登山ポストに出されるものがほとんどだが、 ポストの管理は市町村、地区遭対協を中心に行っていただいており、登山ポストの状況についても伺っている。状況によっては改善するなどの措置をとってまいりたい。また、登山ポストから回収して保管するという面についても、地区遭対協などが中心になると考えているが、個人情報の守秘義務付きの協定を結ぶなどして対応していきたい。
 保管についても、地方事務所で行うことになるが、一定期間経過後には溶解処理するなどして管理の徹底を図っていきたい。

【本郷委員】
 条例の「指定登山道」の指定をどのようにしていくのか、パブリックコメント含めて専門家の意見も必要だと思うが、お考えを伺いたい。

【玉井山岳高原観光課長】
 「指定登山道」については、条例をお認めいただいた後に原案を作成する。まず、山岳関係者のご意見を伺いながら、原案が出来たところでご指摘のように広く県民の皆様のご意見をお聞きするということも行いながら定めてまいりたい。

「真田丸」等の大規模行事に係る観光誘客施策について

【本郷委員】
 「真田丸」、「飯田お練りまつり」、「諏訪大社御柱祭」と続き、そして、6月には「全国植樹祭」、8月には国民の祝日「山の日」の全国大会、9月にはサミットの交通大臣会議が軽井沢で開催される。
 全国規模、世界規模の行事が目白押しであり、これを一過性のイベントに終わらせることなく、いかに中長期的な長野県の施策として取り組んでいくのか考えをいただきたい。

【戸田観光誘客課長】
 来年は大きな事業が続くことから、これを一過性で終わらせることなく、中長期的な観点から有効な対策をとっていきたい。
 「真田丸」については、高速道路を使った県内の周遊など、1年間を通じてPRをしていきたい。
 「諏訪大社御柱祭」、「飯田お練りまつり」、「全国植樹祭」、「大臣会合サミット」については、短期間だがいずれも抜群の集客があり、多くの方が長野県に来る機会である。
 これまでも大都市圏において、旅行商品の商談会や、メディア懇談会等を通じ、こうした大型イベントをPRしてきたところである。
 来年もこうした大型イベントを活かし、情報発信を強化していくとともに、長野県へのリピーターを増やす取り組みを行いながら、今年、来年、再来年と、ホップ、ステップ、ジャンプと進めていき、デスティネーションキャンペーンに繋げていきたいと考えている。

免税店について

【本郷委員】
 インバウンドの絡みになるが、昨年10月に免税制度が改正され、食料品のような消耗品も対象となった。長野県には、日本酒やワインといったグレードの高いものもあり、免税制度の改正は、消費拡大に寄与するものと考えている。そこで、現状の免税店の登録状況と今後の拡大施策について伺いたい。

【花岡国際観光推進室長】
 免税制度の改正は、地域の消費拡大ともに、事業者の意欲拡大に非常に重要であると理解している。県内の免税店登録状況は、制度改正があった昨年10月で88店舗、1年後の本年10月には341店舗、年間で3.9倍に増加しており、それだけ高い関心を持っていただいていると理解している。
 拡大策として、昨年10月の制度改正に先立ち、県単独での説明会を県内2箇所で開催し、免税制度に対する敷居の高さを感じさせないよう、国税局の職員を招いて実際の様式等を使いながら、普及を図った。今後も、地域の要望に基づき、説明会を繰り返しながら、拡大に取り組みたい。
 また、免税店がどこにあるかという情報を知り易いことも、大きなポイントである。希望する事業者は、日本政府観光局(JNTO)のホームページに掲載されており、長野県でも、公式外国語観光サイト「Go! Nagano」の改修に合わせ、希望する店舗の情報を掲載することとしている。
 今後も、このような形で、県内を訪れる外国人旅行者の消費拡大を後押ししてまいりたい。

平成27年9月定例会 環境産業観光委員会【環境部関係】質疑要旨
地方創生における環境関係の取組について

【本郷議員】
 長野県の環境は良好で恵まれているが、中国のPM2・5の影響が心配されている。長野県への影響はどうか。

【中山水大気環境課長】
 PM2・5は工場からのばいじんや、排ガスなどが原因となっており、越境汚染と国内で発生するものがある。環境省によると日本への越境汚染による寄与割合の推定は、西日本の九州地方では約7割、関東地方では約4割とされ、長野県への影響は少なからずあると考えている。
 また、全国的にPM2・5の平均濃度は減少傾向にあるが、環境基準の達成率は低く、平成25年度の全国のPM2・5の環境基準の達成率は一般局で16・1%である。
 一方で、本県では、平成21年のPM2・5の環境基準設定以降、環境基準を超過したことはなく、平成26年度までの6年間で100%の達成率である。
 更に先の環境省の公表資料によると全国47都道府県のうち、25年度に各都道府県内全ての地点で環境基準を達成したのは、長野県のみである。

【本郷議員】
 引き続き、県でもデータを厳粛にとり、対応策を願いたい。
 本県と中国の河北省との間には、友好都市30年の交流の歴史があり、2022年北京冬季オリンピックにおいて、競技会場が設けられることになっており、大気環境の改善に対する技術協力について、本県への期待も大きいと思われる。
 本年1月26日、知事と河北省長とが「友好協力を一層強化させる覚書」を締結し、冬季スポーツ、医療・介護、環境の分野で交流を進めていくと聞いているが、河北省との環境分野おける交流の方針はどうか。

【中山水大気環境課長】
 河北省との覚書を受けて、その環境汚染改善の交流を実現するために、河北省環境モニタリングセンター長代理以下4名が本年3月24日に来県し、県環境保全研究所と河北省環境モニタリングセンターが「環境技術交流提携枠組協定」を締結した。
 協定の目的は、環境モニタリング分野における交流・提携を一層強化し、環境保全技術の協力を促進することで、内容は、「大気汚染の環境モニタリング技術の共同研究」、「環境政策・新技術に関する資料の共有」、「技術者・専門家の相互研修」等を3年間実施するもの。現在は、今年6月17日から11月13日までの約5か月間、河北省の2名の分析技術者が、環境保全研究所において、PM2・5などの大気汚染分析測定技術を習得している。

【本郷一彦委員】
 中国の大気汚染問題については、国の果たすべき役割も重要であり、本年4月には、北東アジアの環境管理において主導的な役割を果たしてきた日中韓三か国環境大臣会合の17回目の会議、いわゆるTEMM(テム)17が中国の上海で開催された。
 この会議では、2019年までの5年間の「アジア地域の環境協力に係る日中韓三か国共同行動計画」が採択されている。
 行動計画の内容及び行動計画における都道府県の役割はどうか。

【中山水大気環境課長】
 行動計画は、大気環境改善をはじめとする環境に係る9分野について、日中韓の三か国の協力を着実に実施するというもの。
 とりわけ、大気環境改善は、対策に関する科学的な研究、大気のモニタリング技術及び予測手法に関する協力 に関してワーキンググループを設置するなど強化するとしている。
 協力の強化にあたり、特に日中間については、日中の自治体間で協力を進めている都市間連携協力への中国からの支持、期待が示されている。
 都道府県では、現場において監視を行っており、分析手法やデータ解析など、蓄積されたノウハウがあり、そのノウハウを活かすことが、円滑な技術交流を進めることになる。
 その役割を果たす上でも、都道府県の大気環境監視の体制を維持整備することは重要である。

【本郷一彦委員】
 中国の技術力はどうか。
 
【中山水大気環境課長】
 中国では測定機器は整備されているが、技術的なバックアップをしていく必要がある。長野県から現地へのセミナーの予定もあり、それらを通じて、技術的支援を行っていく。

【本郷一彦委員】
 長野県の大気環境の監視体制はどのようになっており、課題はあるか。

【中山水大気環境課長】
 県内の一般環境大気について、県では12測定局、道路周辺大気を5局を固定局として測定している他、移動コンテナ局として2局、大気環境測定車1台の計20測定局の体制で県内をカバーしている。
 この測定局は、基本的に365日24時間連続して稼働しており、そのデータは1時間毎に県のホームページで速報値として公表している。
 課題としては、長時間の稼働による機器の損耗や老朽化が激しく、故障も頻繁に発生するようになってきているため、計画的な機器の更新が必要であると認識している。

【本郷一彦委員】
 県民の健康に直接関係あるので、監視は重要であり、予算付けには協力したい。
 大気に加え、水質の保全も基本である。水質保全について、重点的に取り組んでいることはなにか。

【中山水大気環境課長】
 県内の河川湖沼の環境基準達成率は、河川が94・4%で良好な状態となっている。一方、湖沼は40・0%で対策が必要と思っている。特に県内で最大の湖である諏訪湖の環境改善が重要な課題であると認識している。諏訪湖については、行政機関、関係団体、地域住民の取組みにより、CODなどの水質指標は改善している。しかし、ヒシの大量繁茂、湖底の貧酸素などが新たな課題としてでてきている。このため、ヒシの除去や湖底の貧酸素の拡大要因の調査に取り組んできており、今年度からは環境部、農政部、建設部の3部連携による「しじみが採れる諏訪湖」ということで環境改善の検討に取組みを始めたところ。
 これまでの下水道の整備を始めとした生活排水対策を中心とした対策に加え、水生生物の保全や水辺環境の保全のなど総合的な環境改善に取り組んでいく。

【本郷一彦委員】
 諏訪湖については、環境委員会の現地調査で、アレチウリとヒシが猛烈に繁殖している状況を確認した。なお一層の努力をお願いしたい。
 国とも相談し、本格的な駆除をしないと長野県を代表する観光名所である諏訪湖が大変な事態になるので是非ご努力を頂きたい。
 大局的な観点から大気、水質の保全の戦略について、御所見をいただきたい。

【青柳環境部長】
 長野県の基本的な魅力の根底をなすものは空気の美しさと水のきれいさというものだろうと思っている。これは、住民の皆さんを含めて一緒になって取り組んだ成果であり、これからも続けていかなければならないだろうと思う。
 大気も水も、地方創生をむかえるにあたり、県の基本的な魅力として高めていかなければならないし、それを打ち出していかなければならないと考えている。
 そのため、きちんとした監視体制をとり、情報を公開して、その魅力をしっかりと伝えられるよう、取組みを進めていきたいと考えている。

平成27年9月定例会 環境産業観光委員会【産業労働部関係】質疑要旨
長野県経済の展望について

【本郷委員】
 第4次産業革命の中における、長野県の経済の展望について、産業労働部長はどのように考えているか。

【石原秀樹 産業政策監兼産業労働部長】
 新しい技術への対応について、委員からは人工知能という話があったが、私どもとしては、イノベーション推進本部というものを置いて、その中で検討しているところ。
 なかなか長期の見通しを立てることが難しいが、現在ある課題を、どうしたら新しい技術で解決できるかということで、短期的、または中期的な展望に立って作業を進めている。
 また、現在、科学技術の指針を作っているが、今回抜本的に見直しをかけ、現在ある課題を解決するためのものとしている。国のように新しい技術を開発するためにお金と時間をかけることはできない。したがって、地方の政府においてできることをまずやろうということで現在動いている。
 具体的にお話のあった人工知能関係ついて、私どもが着目しているのが自動運転。来年9月にG7の交通大臣会合がある。今年ドイツのフランクフルトにおいて、この人工知能関係では自動運転が1つの大きなテーマとして取り上げられたので、来年もそれに沿った形で行われるのではないかと私どもは考えている。
 サミットの大臣会合の開催をきっかけに、日本国または先進国の中における自動運転の分野での最新鋭の技術を、しっかり産業化できるかどうかの見極めをそこでしっかり立てていきたい、そして産業づくりに活かしていきたいと考えている。

総合戦略と総合5か年計画との整合性について

【本郷委員】
 人口減少の問題については、210万人が放っておけば40年後には130万人になる、それを何とか160万人で歯止めをかけたいという総合政策課の説明であるが、産業振興面における総合戦略案と「しあわせ信州創造プラン」との整合性はどうなっているか。

【石原秀樹 産業政策監兼産業労働部長】
 現在進めている総合5か年計画と、現在作成中の県の総合戦略との関係。
 計画年で見ると、総合5か年計画は平成25〜29年度で、ほぼ半分済んだところであるが、この半分のところから新しい5か年計画がスタートする。
 ただ、この2つの計画は、全く別というわけではなく、現在進めている「しあわせ信州創造プラン」の中の人口減少や地域社会の維持にフォーカスし、それをさらに深化するという形で進めている。
しあわせ信州創造プランでは、9つのプロジェクトが動いている。産業労働部では、「次世代産業創出プロジェクト」と「雇用・社会参加促進プロジェクト」の2つを軸に進めており、この軸は今後も変わらないが、「次世代産業創出プロジェクト」においては、「県内産業の競争力強化」と「地域資源を活用した自立的な経済構造の構築」をつくることを1つの目標としている。
 また、山本部長が担当している「雇用・社会参加促進プロジェクト」については、「経済の自立的発展を支える担い手の確保」を大きな課題として、現在取り組んでいるところ。

総合戦略案のうち産業施策面での今回のポイントについて

【本郷一彦委員】
 産業振興に係る中小企業支援、創業、人材の確保・育成、雇用、極めて多岐にわたり大変だと思うが、実現すれば複合的に大きな成果が出てくるので、産業施策面に関しての今回のポイントは何か、重ねて部長に伺う。

【石原秀樹 産業政策監兼産業労働部長】
 現在の総合戦略案のうち産業施策関係についてのお尋ね。
 これについては、4つの施策展開のうち「仕事と収入の確保」が、私どもが担当する大きな課題。
 この中には2つある。
1つは、「県内産業の競争力強化」、簡単に言えば「稼ぐ力」を強化したいと考えている。長野県の強みである「ものづくり産業」を中心に、優れた製品を県外または海外に出して「外貨」を稼ぐことを大きな目的としている。
もう1つは、「地域資源を活用した自立的な経済構造の構築」。具体的には、長野県で作るものは、なるべく県産品を使って県内に落ちるお金の量を多くしよう、県内総生産を高めようということを考えており、その中において「地消地産」など様々な運動をこれからやっていきたいと考えている。

総合戦略案の目標設定の考え方(労働生産性)について

【本郷委員】
 総合戦略案では、重要業績評価指標がそれぞれ挙げられている。
 その中で特に問題になる、GDPの60%は第三次産業であるが、「労働生産性」において、今後、目標設定をどう考えているのか、産業政策課長に伺う。

【内田雅啓 産業政策課長】
 今回の総合戦略でのKPI、数値目標であるが、この中で産業労働部として労働生産性を新たに挙げたので、こちらの説明をさせていただく。
先ほど部長からお話しした5か年計画「しあわせ信州創造プラン」では、「1人当たりの県民所得」という形で、県民が生み出した付加価値の1人当たりの分配額を高めていこうという目標を設定している。
 一方、今回の総合戦略の中では、県民の確かな暮らしを維持しながら発展させていくためには、雇用を確保しなければいけない、それから就業者の能力や効率もアップしていかなければいけないというところに着目し、就業者1人ひとりの付加価値を生み出す力そのものを高めていくことが必要であるということで、「労働生産性」を指標とさせていただいた。
 労働生産性は、県内総生産を就業者数で割ったもの。
分子である県内総生産は、国の成長戦略やGDPの成長率等を踏まえながら、計画最終年度である平成31年度に実質の成長率を2%まで伸ばすように設定してある。
また、分母である就業者数については、この後、労働雇用課長から説明するが、平成31年度末の就業率を60%まで維持できるように、雇用の確保に配慮しながら設定。
今後も県としては、「労働生産性」を高めるよう、総合戦略に基づく各種施策を進めながら、足腰の強い産業構造への転換を図ってまいりたいと考えている。

総合戦略案の目標設定の考え方(就業率)について

【本郷委員】
 総合戦略案では重要業績評価指標をそれぞれ挙げている。その中で、特に問題となる指標において、目標設定をどのように考えているのかを伺う。
 就業率については労働雇用課長にお願いしたい。

【酒井裕子 労働雇用課長】
 人口減少・高齢化社会が進行する中で、労働力人口を確保するためには就業率を高めることが必要と考えている。
 就業率の目標設定に当たり、しあわせ信州創造プランの「雇用・社会参加促進プロジェクト」における達成目標である就業率全国1位と整合をとり、労働力調査モデル推計値の過去5年間の1位の数値の目標値の平均値から、60%を設定したところ。
 生産年齢人口が引き続き減少すると見込まれる中で、この目標を達成するには、これまで以上の多様な人材の雇用を促進することが重要と考えている。
 具体的には、若者・女性の就業促進をはじめ、高齢者・障がい者の就労等の支援を行うとともに、男女ともに育児や介護と仕事が両立できる職場環境づくりに取り組んでまいる。

本社機能の移転について

【本郷委員】
 一流企業455社のうち9割が、税制的な配慮がされていないとして地方に移転したくないと言っている。東京には政治、行政、経済、金融等の全てが集約している。東京都のGDPが90兆円台、大阪が30兆円と3分の1で商都大阪の面影が全くない。そのような視点から、本社機能移転というのは、作文としてはよいが、実態権力としては、永田町や霞が関の動きを分からずに国家戦略が明確に分かるわけも無く、関西の一流企業の本社は全部東京にあって、オーナーの半分くらいは東京にいるような時代になった。 そうはいっても、努力しなければならないので、本社機能の移転について、具体的にどのような取組みをしているのか。 また、市町村とは、どのような連携をしているのか、産業立地・経営支援課長にお聞きする。

【林産業立地・経営支援課長】
 本社機能の移転に係る取組み、市町村との連携に関する質問でございます。本社機能の移転に関する経団連の調査は、大変厳しいものだが、それが実態だと受け止めている。一方で、長野県の状況を見ますと、民間の調査会社で、過去10年間に本社がどれだけ動いたか調べていただいたところ、転入158に対して転出が116と、転入が42件多いという実態が分かった。その中を調べると、製造業は本社がむしろ出て行っている。グローバル展開をしようとすると、どうしてもそのような傾向になるが、地域の中で消費が生まれるところ、サービス業は逆に増えているという視点もある。私どもは、本社機能については、特に国内に残してもらえる可能性が高い分野だと考えている。もうひとつは、経営の中核や開発を担う人材が地域の中に残っていただけることが、まさに地方創生の求める、人や仕事に着目した施策であると受け止めている。そこで、具体的な取組みとして、過去の移転事例を見ると生産や物流などの主力事業所、例えば県内に工場や物流センターがあるといった企業が、本社機能を移転するという事例があったので、そういったところにターゲットを絞って、市町村と一緒になって、トップセールスを絡めながら誘致していきたいと考えている。

地酒振興について

【本郷委員】
地酒の消費拡大について、伺いたい。

【ものづくり振興課長】
 信州の地酒振興条例については、佐々木委員が中心となって進めていただいており、現在、要綱案が採択され、パブリックコメントを実施中で、制定に向けて進めていただいている。
 県としても、条例制定の動きを受け、消費拡大の方策を検討している。
 原産地呼称管理制度については、農政部と連携し、更に消費者又はワイナリー、造り酒屋に意見を聞き、充実した制度に変える等、今後も強力に進めてまいりたい。
 また、日本酒については、「若者」にターゲットを絞り、7月に若者を中心とした研究会を立ち上げた。若者に日本酒の魅力を伝え消費拡大を図る方策を検討しており、2月には発表会を行う予定。
 農政部では、長野県を全国一の吟醸酒の産地とするため、酒米の研究も実施しており、その酒米をしあわせ信州食品開発センターで試験醸造している。
 ワインについては、農政部・観光部と連携し、信州ワインバレー構想を進め、具体的にはワイナリーの創業支援や、新規参入したワイナリーの技術高度化、銀座NAGANO等でのPRを実施している。
こうした取組を総合的に進め、地酒の振興を図ってまいりたいので、御協力をお願いしたい。

平成27年9月定例会 環境産業観光委員会【観光部関係】質疑要旨
外国人観光客マナーについて

【本郷議員】
 インバウンドは各方面で観光面に好影響を与えており、長野県の経済成長戦略において、観光の果たす役割も非常に大きい。
 一方で、長野県旅館ホテル組合から、特に白馬方面で、外国人旅行者によるゴミの投棄、マナーの指摘、犯罪の問題等も起こっていると聞いている。
 外国人旅行者との共生の理念を大事にしながら、然るべきルールを徹底して守ってもらうように、行政指導も必要ではないか。

【吉澤観光部長】
 8月25日に旅館ホテル組合会と本件について懇談をさせていただいており、確かに、白馬方面で外国人旅行者等が原因で110番通報がなされ警察が出勤した事態もあると聞いている。
 規制自体は、地元の警察の所管であり、法令に基づいた対応を改めて要請させていただく。
 また、以前は、白馬地域に英語が分かる警察官がおり、そうした警察官の配置についても要望があり、改めて要請させていただく。

民泊について

【本郷議員】
 旅館業法の許可を得ていない民家等による民泊が増えている。
 外国人資本による不動産の買収や非居住者による事業経営、スノーシーズン以外の管理者不在の家の増加により、防災・防犯の観点から不適切な状況が見受けられる。
市町村も正確な情報や数量を把握しておらず、旅館業法に基づく規制の徹底をお願いしたい。

【吉澤観光部長】
 長野県旅館ホテル組合会から、協議会の立ち上げに向けた会議の開催について要請を受けている。
 反復継続的に料金を取る場合は、旅行業法の許可の対象になる。一番規制が緩いものが、簡易宿泊所になり、客室の延べ床面積は33?が限度になっているが、実際には届け出が行われていない施設も多くあると聞いている。
 本年度、国は関係省庁で実態調査をしており、来年度方向付けをしていく予定になっており、県も旅館業法の許可を行っている健康福祉部と連携し、今後の対応を検討する。

廃旅館・ホテルについて

【本郷委員】
 上山田温泉などで観光地の廃屋問題がある。危険防止や景観維持の観点で、国・県・市町村を含めてこの問題に対する連携した対処が必要。鬼怒川温泉でも、多くの大規模施設が廃墟になっており温泉地に大きな影響を及ぼしている。長野県もそういうところがいくつかあるので、協会や個人のレベルで対応できない問題でもあり、簡単にはいかないが、観光業界から指摘もあったので、これについての見解を伺いたい。

【吉澤観光部長】
 委員ご指摘のように県内の観光地において景観上非常に大きな課題と認識しているところ。観光部としては、平成24年から上山田温泉のある千曲市や茅野市の関係について実際に実態調査もさせていただいている。空き家に関しては「空家等対策の推進に関する特別措置法」が昨年11月に施行され、空き家を除却する場合には全体の10分の4、活用する場合には2分の1という形で国の助成制度も設けられているところ。県内では空き家対策の市町村連絡会を組織させていただき、連絡会とワーキンググループを中心にして検討を始めさせていただいている。地元市町村の意向が大切であるため、市町村と一緒になりながら前向きに進めていきたいと考えているところ。

旅館・ホテルの耐震改修について

【本郷委員】
耐震改修促進法の改正によって旅館・ホテルも5000平方メートル以上の施設については耐震診断が義務付けられているが、改修のための重い経費負担に耐えられない所もあり、助成制度を充実したいと考えるが、見解を伺いたい。

【吉澤観光部長】
 委員ご指摘のように、旅館ホテルで5000平方メートル以上の施設については耐震診断が義務付けられているところ。旅館ホテル組合からは改修自体にも重い負担があるのでなんとかしていただけないかという話をいただいている。旅館ホテルの早期の耐震化については、観光立県を推進している当県として大きな課題と認識大規模施設の耐震改修については大きな費用がかかるということで、どう対処していくかは簡単には進まない問題。国の耐震改修の補助については、国が11・5%、県・市町村が5・75%ということで、他の県では必ずしも県の負担を設けていないなかで、長野県としては制度としては設けているところ。国の補助率の嵩上げ・増額につきましては、建設部中心に国へ要望させていただく。県としても前向きに取り組んでいきたい。

長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略(案)について

【本郷委員】
 「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略(案)」での観光の位置付けはどのようになっているか。
 また、観光消費額の減少傾向が続いている中で、「総合戦略」では具体的な施策をどのように位置付け、今後どのように取り組んでいくのか。

【玉井山岳高原観光課長】
 地方創生の「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略(案)」では、基本方針として6本の柱が立っている。観光については、その中の「活力と循環の信州経済の創出」ということで、経済を元気にする「稼ぐ力」として位置付けられているところ。
 また、信州らしさを伸ばすということで、世界水準の山岳高原観光地づくりやアウトドア・アクティビティの推進、インバウンド、組織としてのDMOの整備により、多種多様な観光需要に対応する観光業の成長産業化を目指すと位置付けられている。
 具体的な事業としては、「仕事と収入の確保」の中に多くが位置付けられている。単に観光PRをするだけではない、観光を軸とした地域経営を目指すDMOについて国もうたっているが、そういったものの設立を促進していく。あるいは、観光消費額が減少している中で、金融機関と意見交換をさせていただき、旅館・ホテル業の経営改善への取組を支援するという位置付けになっている。
 また、世界水準の山岳高原観光地づくりを進めていくということもある。宿泊を伸ばすために、アウトドア・アクティビティを体験していただき、長く滞在していただければ宿泊をするので、そういうことも進めてまいりたい。
 さらに、DCという風をうまくつかまえ、それを回転させていくということ。インバウンドでは、新ゴールデンルートの構築や受け入れ環境整備のための無料公衆無線LANの整備など、様々なことを位置付けている。
 目標としては、観光消費額を3300億円に伸ばしたい。

【本郷委員】
 長野県は、従来は観光立県だから観光客が来るのは当たり前という空気があったのは事実。現在はそのような意識を持っているとは思わないが、相当個性と独創性のある観光戦略を打ち立てなければ、ワインにしてもお酒にしても他県にも同じようなものはある。地方創生は都道府県間競争が激化するということ。インフラ整備、インバウンドも含めて、観光には期待が大きいので、新たな視点を含めた観光戦略をお願いしたい。

二次交通の体系化等に係る要望について

【本郷委員】
 長野県の二次交通の戦略等は体系化されていない。新幹線の効果も二次交通がなければ、そこで止まってしまう。
 それから、貸切バスの規制の問題。高遠の80%減をはじめ、県内各地でズタズタな状況。
 出発地の変更やJRからの乗継等、いろいろと試しているが、利用者には煩わしい。
 この問題の根源的な解決は国の役割であるが、放置しておくと長野県は被害が深刻化する。議会としても当事者意識を持つべきと認識しているが、観光部としても関係事業者と連携を取って議論を深めていただきたい。

訪日教育旅行について

【本郷委員】
 観光立国実現に向けたアクションプログラム2015において、未来を担う若い世代の訪日促進の取り組みが始まっている。
 長野県の訪日教育旅行の現状とその効果はどうなっているのか。

【花岡国際観光推進室長】
 平成18年頃より訪日教育旅行の拡大を行っており、当時は16団体であったが、近年増加している。 
 平成25年は122団体、人数で4457人、2泊すると約9000泊となっている。26年度は114団体であり、今年度はすでに予約分を含めると90団体となっている。
 教育面の効果としては、これまでの単発での交流だけではなく、姉妹校提携が活発になり継続的に同じ高校が交流を行う基盤づくりが進んでいる。
 また、工夫をこらした交流活動も活発化しており、台湾の学校と交流する上田の高校が、上田市の商店街の文化や歴史をテーマにしたカリキュラムを組む取り組みや、インターネットのスカイープを活用して相手の顔を見ながら意見交換を行うといった交流も行われている。
 教育現場の意識も変わってきており、今年度は県内の高校から8校が台湾を訪問し交流する予定である。
 観光面の効果としては、訪日教育旅行者の4500人に来ていただくと、宿泊は約9000泊と、全体の外国人旅行者の宿泊数の1%を超える規模になっているため、同水準を保ち、観光面への好影響を維持していきたい。
 また、今年度初めて、訪日教育旅行で県内を訪れた学生が親子で県内を再訪するツアーが催行され、11ツアー、約400人にお越しいただいており、こういった流れを加速させていきたい。訪日教育旅行の誘致競争が激化しており、県としても工夫を凝らし、学校と協力しながら発展させていきたい。

木曽の復興支援方策について

【本郷委員】
 地元の町村長、観光関係幹部と現状を視察してきたが、マイナス70%、80%。特に御嶽山を中心に、周辺が直撃を受けており、危機的な状況。
そういった状況を知事や観光部長も認識した上で対策をとられているが、現状のままでは大変な危機的状況。改めて今後の見通しと支援方策について伺う。

【戸田観光誘客課長】
 ご指摘のとおり、御嶽山周辺は大変厳しい状況。木曽地域の大きな観光の柱である御嶽山が、頂上まで登山できないことは、本当に大きな影響がある。これに代わる新しい魅力を検討しているが、そう簡単にいかないことから、長期的な支援が必要ではないかと感じている。
 今回の補正予算では、地元の要望を踏まえ、現状で考え得る対策を盛り込んだところ。
 今回は、秋から冬にかけての宿泊者を維持のため、宿泊客に優待券をプレゼントする事業を軸とし、多くの方に木曽にお越しいただきたいと考えている。
 当面は、全力を挙げて取り組むとともに、状況を検証し、必要に応じ、更なる対策を検討し、地元と一緒に効果的な対策を考えていきたい。

観光とまちづくりについて

【本郷委員】
 長野県の観光において一番の問題は平地観光である温泉とまちづくり。
 県内市町村のまちづくりが変化しておらず、まちの顔である駅を降りた時の印象があまりよくない状況。首都圏にあるような高度な都市政策・戦略を持たないと魅力ある長野県が衰退していってしまうと懸念している。
 本格的なまちづくりを10年スパンで行政がリーダーシップをとって、商工会、経済界、市民と一体となって実施していかなければならないと考える。
 ただし、膨大な都市計画を実施するとすれば10年以上、1000億円以上かかるが、そういったことに財政投資するかどうかという問題も出てくる。
市長会と連携するなどアイデアをだしながら個性的で魅力のあるまちづくりをしていただきたい。

平成27年6月定例会 環境産業観光委員会【環境部関係】質疑要旨
地方創生における環境関係の取組について

【本郷委員】
 経済政策も環境的側面、経済的側面、社会的側面、
 を統合的に視点にいれないと、21世紀の新しい成熟社会における経済成長はない。
 地方創世をどうしていくかということについては、地域社会を担う個性豊かな多様な人材を確保する事、地域における魅力ある多様な就業の機会を創出することが重要。
 第1に安心して子育てができる地域を構築すること、第2はイノベーションの誘発、第3として地域の資源や人材を活かした産業構造の構築が大事である。
 豊かな自然環境や大都市からみて極めて魅力的な子育て環境が長野県にはある。自然エネルギーのような眠っている地下資源を上手に活用すれば新たな地域産業の創造につながる。
 そういった中で、環境部としては、大局的な視点から、庁内での地域創生の取組みに、どのような姿勢で関わっているのか。

【青柳環境部長】
 地方創生の取組みについては、全庁的に取り組んでおり、環境部もそれに加わって検討を進めている。
 環境部としては、大きな2つの視点で進めていく。
 まず、少子高齢化人口減少対策については、長野県が本来持っている自然環境や、地域の魅力を大都市圏の皆さんに訴えることで高齢者になってからも、子育ての世代からも地域に移住していただけるよう、地域の魅力を上げる役割を担っていきたい。
 もう一点は、化石燃料を中心としたエネルギー問題で、日本からあるいは長野県から海外の化石燃料を購入することによって、資金が海外に流出していくことを避けるためには、できるだけ、地元で作り出し、地元で消費していくことが大事である。長野県は従来から、水力発電等で域内にエネルギーを産出している。自然エネルギーについては、太陽光発電をはじめとして、バイオマス、小水力、温泉熱など地域で産出できるエネルギーを地元で使って、地域に力をつけていく側面があることから、自然エネルギーの推進を図ることで、地域創生の基礎的部分に貢献していきたいと考える。

化石燃料の使用に伴う本県から海外への資金流出

【本郷委員】
 化石燃料の使用に伴う、長野県から海外への資金流出額はどのくらいと推測しているのか。また、海外への資金流出を減らし、域内での資金循環を拡大する視点をどのように持っているか。

【長田環境エネルギー課長】
 化石燃料の使用に伴う本県から海外への資金流出額は、2008年度(平成20年度)の数字では、日本全体の化石燃料の輸入総額は約26兆円。これを基に、長野県の全国に占めるGDPの割合で按分して計算すると、長野県が化石燃料の輸入のために支払ったお金は、約4,000億円という大変大きな額になる。
 こうしたことから、「長野県環境エネルギー戦略」では、戦略の基本目標を「経済は成長しつつ、温室効果ガス総排出量とエネルギー消費量の削減が進む経済社会構造の実現を目指す」とした。
 資金流出から域内循環に転換させることによる、地域経済のメリットを重視するために、このような目標を考えているところ。
 次に、海外への資金流出を減らし、域内での資金循環を拡大する視点での取組については、まず、自然エネルギー事業を拡大することによるエネルギーの購入・資金流出から、エネルギーの売電・利益獲得に転換する必要がある。多くの利益が地域にもたらされるよう、地域が担い手、事業主体となる自然エネルギー事業すなわち地域主導の自然エネルギー事業に対し、集中的に支援策を講じている。
 例えば、固定価格買取制度を活用した地域の自然エネルギー発電事業に対し、金融機関の融資と協調して資金調達支援を行う補助制度を、昨年度新設。本年度から補助対象をハードまで拡充した。
 また、省エネルギーの設備投資を促す施策としては、事業活動分野では事業活動温暖化対策計画書制度、建築物の分野では建築物環境エネルギー性能検討制度という省エネ制度を設け運用している。
 計画書制度では、本県では、工場、事業所を巡回し、省エネの取り組みに関する助言を行うなど事業者への積極的な支援を行っている。
 建築物環境エネルギー性能検討制度は、建物を新築するときに、断熱性能など省エネ性能と自然エネルギーの導入の検討を条例で義務化したもの。本年度から戸建て住宅を含む全面施行となった。戸建て住宅まで義務化した点で全国初の試み。
 環境と経済の好循環は、環境エネルギー政策に大変重要な視点である。また、自然エネルギーは地方創生の有効な手段となる。今後ともこの視点に立った施策を推進してまいる。

平成27年6月定例会 環境産業観光委員会【産業労働部関係】質疑要旨
一人当たり県民所得(プロジェクトの進捗状況)について

【本郷委員】
 しあわせ信州創造プランの中間年を迎えるが、「次世代産業創出プロジェクト」、「雇用・社会参加促進プロジェクト」の目標の達成度はどうか。
 残念なことに、一人当たり県民所得は目標(全国10位以内)を下回っているが、その理由について分析をしていればお答えいただきたい。また、今後どのような施策を展開していくのかお聞きしたい。

【石原産業政策監兼産業労働部長】
 「次世代産業創出プロジェクト」については私から、「雇用・社会参加促進プロジェクト」については山本雇用・就業支援担当部長から説明させていただく。
 「次世代産業創出プロジェクト」には3つの目標がある。1つ目は一人当たり県民所得を全国10位以内とするもの、2つ目は創業支援資金利用件数を5年間で2,400件以上の利用とするもの、3つ目は企業誘致を5年間で200件以上とするもの。
 これらについての現在の状況を達成しているものから申し上げる。
 創業支援資金利用件数は、2年間を経過したとこで、約1,400件となっている。年換算だと700件なので、2,400件の目標は十分に達成可能な範囲内と考えている。
 企業誘致の関係では、200件が目標だが、2年間ですでに115件成功している。従ってこれもほぼ達成可能と考えている。
 問題は一人当たり県民所得。全国10位以内を目指すとしているが、現在は残念ながら29位。主な要因の一つは、統計の取り方の変更。私どもが計画を策定した時よりもかなり不利な算定となっている。しかし、我々は所期の目標を諦めたわけではなく、これからまたしっかりとやっていこうと考えている。
 特に我々が力を入れていきたいのはサービス産業。製造業においては今までどおりに支援をしていこうと思っているが、サービス業は雇用面でも生産額の面でも長野県の半分以上、6〜7割を占めている。従ってサービス業の生産額を大きくするとともに、生産性の向上をしていきたいと考えているところ。サービス産業の振興については、仁科室長から詳しい説明があると思うが、我々は新しい計画に基づいて、しっかりと進めてまいりたいと考えている。
 
【山本雇用・就業支援担当長】
 雇用・社会参加促進プロジェクトには4つの指標がある。最も大きな指標の、「就業率全国1位の維持」は、今年度行われる国勢調査の結果が出ないと順位が出てこないが、総務省の労働力調査モデル推計によると、本県の平成26年の平均就業率は59.5%で前年の58.5%より1%伸びている。
 2つ目の「自分の能力が仕事や公共的活動の場で発揮できていると思う人の割合」は、最終目標75%ですが、25年度は70.2%で、26年度はそれを3ポイントほど下回る67%だった。これについては、県政モニターアンケート調査の結果で、2年ごとに変わるモニターが新しい人に入れ替わったということがあり、年齢構成が変わったことが影響したと思われるが、現在要因を分析中。
 3つ目の「就職内定率」は27年3月末時点の県内高校生の就職内定率は99.1%、県内大学生の内定率95.5%と、ともに前年を上回る状況で、景気の動向を反映して、順調に推移しているものと考える。
 4つ目の「障がい者の就職率」についても、昨年を2.4ポイント上回る55%ということで、毎年上昇している状況。
以上のようにこのプロジェクトの指標の達成状況については、現下の経済雇用情勢を反映しておおむね順調に推移しているのではないかと考える。しかし、本会議でも何人かの議員さんからご質問があったとおり、県外へ進学した大学生の県内就職の促進、あるいは子育て期の女性、働く意欲を持つ高齢者の就業促進、こういった点で課題はまだ多くあるため、新規事業も含め様々な施策を展開しているところ。今後も県の関係部局はもちろんのこと、国や市町村、関係団体の皆様と一層連携を密にしながらこのプロジェクトを推進していきたいと考えているので、委員の皆様にも引き続きご支援いただきたい。

【内田産業政策課長】
 先程、部長からご説明した一人当たり県民所得について補足させていただく。
 我々も、なぜ目標を達成できなかったのかをいろいろな数値から分析してみた。
 「業」別に所得を比べた場合、製造業は全国平均より少し高い状況にある。一方、卸売業・小売業は低いレベルにあり、サービス業は全国と同レベルということで、第3次産業が少し弱いという認識。
 今後の施策展開については、長野県では製造業の就業者が多いので、そのレベルを高めていかなければならない。また、第3次産業を全国レベルより高くし、もっと活性化していくことを考えていきたい。
 具体的には、製造業では、現在成長期待分野として位置づけている健康・医療、環境・エネルギー、次世代交通などの次世代産業の創出を図るとともに、創業や既存企業の医療系分野などへの新分野進出をやっていかなければならないと考えている。
 また、卸売業・小売業、サービス業を含む第3次産業については、県内総生産の3分の2を占めるような形になってきているので、雇用などを通じて地域経済や社会などに非常に重要な役割を果たしている。
 今年3月に長野県サービス産業振興戦略を策定した。その中でも特に情報技術、ヘルスケア、スモールビジネスの3つを重点軸としているので、その辺りの付加価値や就業者の増加を図りながら、製造業と肩を並べるくらいに上がっていくように取り組んでまいりたいと考えている。

ヘルスケア産業について

【本郷委員】
 松本市はヘルスバレー構想といっているヘルスケアについて。
 先程ご説明があったように、経産省の事業が2つ長野県内で採択されているが、今後、どこに重点をおいて取り組んでいくのか。
 また、松本市とのコラボレーションをどのようにしていくのか。

【内田産業政策課長】
 ヘルスケアについては、次世代産業の一つとして位置づけて取り組んでいるところ。長野県産業イノベーション推進本部にタスクフォースがあるが、その中の健康医療のタスクフォースの一つとしてヘルスケアを位置づけている。特に、健康長寿日本一という長野県の強みを活かす「健康」と「サービス」、「観光」、「食」、「ものづくり」を組み合わせて、それぞれ具体的な取組を推進し、成果も上げていかなければならないと考えている。サービスの面、ものづくりの面からなど、いろいろな面から部局横断的に進めていかなければならないと考えている。
 ヘルスケアということなので、主体となる県民の方々が、自分の健康意識を醸成していかなければならない。健康福祉部では「信州ACE(エース)プロジェクト」を始めているが、そちらとも連携を図りながら、決して産業労働部だけが行うというのではなく、ヘルスケアとACEプロジェクトとが一緒になって、部局横断的に進めてまいりたい。
 松本市の取組について。松本市はヘルスケアについて先進的に取り組んできているので、かなり実績がある。その中の「松本ヘルス・ラボ」という市民参加型のリビングラボ事業は、日常生活の中でいろいろな数値を取って、それを次につなげていくという形のもので、県民の生活に密着した大事な指標になるもの。私どもも共通で使用可能なリビングラボという形のデータを取りながら、松本市とも連携して進めていきたいと考えている。決してお互いが別々に進めるということではなく、補完しあえるところは補完しあいたい。
  先日の長野県産業イノベーション推進本部会議にも松本市の平尾(健康産業・企業立地)担当部長にお越しいただき、ヘルスケアについていろいろとご説明いただいた。平尾部長からも、県とも連携して進めていきたいというお言葉をいただいた。私どもも松本市と密接に情報交換等しながらやっていきたいと考えているところ。

事業承継の促進について

【本郷委員】
 事業承継を促進する支援体制どうなっているのか

【林産業立地・経営支援課長】
 創業と同時に廃業を少なくすることが重要である。
 H26年2月に全国で9番目となる「事業引継ぎ支援センター」を長野県中小企業支援センター内に設置して、事業承継のための専属のスタッフを置いて対応している。
 開設以来の相談件数は374件で、取組みを始めたばかりのため、成約件数は現在4件であるが、今後、成果を増やしていきたい。

次世代産業創出、本社機能誘致について

【本郷一彦委員】
 本社機能誘致については、発想としてはよいが、実際問題として総合的な視点から本社機能の移転は難しいと思うが、どのような戦略的思考をもっているか。あわせて、市町村との連携についてどう考えているか。

【林産業立地・経営支援課長】
 他県の事例からも、マザー工場がある場所や創業者の出身地など縁のある場所への立地が多くみられることから、県外に本社があり、生産拠点を県内に持つ企業26社をターゲット企業として定め、現在企業誘致に取り組んでいるところである。
 指摘のとおり、地元市町村との連携は非常に重要となってくる。連携して誘致をすすめてまいりたい。

日本一創業しやすい環境づくりの戦略について

【本郷委員】
 日本一創業しやすい環境づくりを目指していると知事も言っているが、税制や資金面の支援実績とどのような目標を設定しているのか。

【林産業立地・経営支援課長】
 委員会の資料でソフト面については先ほど説明したが、その他に補助金、減税、制度融資で支援している。
 国の創業補助金を使った実績は、H24年度補正予算以来132件が創業している。
 県の創業資金については、昨年度のあっせん件数は390件、対前年比122%と伸びている。
 総額も14億6,493万円で金額的にも107%と伸びている。
 今年度は、まだ年度当初であるが、伸びが見られている。
 創業応援減税については、H15年度〜26年度の累計で1,682件のうち免除件数が1297件、4億3,900万円程の減税となっている。
雇用者数は4,485人で雇用の点でも成果が出ている。

サービス産業の支援について

【本郷委員】
 GDPの約60%を占めるサービス産業をどのように支援していくのか。

【仁科サービス産業振興室長】
 サービス産業振興の概要については、部長及び産業政課課長から説明があったので、私からは具体的な取組について説明する。
 3つの重点軸の一つにスモールビジネスがある。委員から雇用の重要性についても話があったところだが、スモールビジネスでは、女性、若者、シニア、障がい者等が活躍できる分野。その取組として、クラウドファンディングを活用した事業に取り組んでいる。これまで松本市と上田市で2回のセミナーを開催したが、その出席者が約90名おり、大変関心が高いと考えている。この中から出てきたビジネスプロジェクトをアドバイザーによる支援を通じて具体的に展開していきたい。こうした方々をビジネスのステージに持っていく上で、サービス産業は有用であると考えている。

平成27年6月定例会 環境産業観光委員会【観光部関係】質疑要旨
今後の観光戦略、方向性について

【本郷委員】
 世界的な都市の中でどこが魅力的かという調査で、1位が京都、その他がフィレンツェとかローマがあがっている。いかに固有の伝統文化や文明に関するものにインバウンドの力があるかということが分かるデータだと思う。長野県でも、固有の伝統文化というものを戦略的な観光振興策の中で精神的な基軸として考えていくことが大切ではないか。
 従来の長野県の観光戦略は、いささか総花的でアクセントが弱い部分もあったと思う。部長は、従来、産業の仕事に注力されてきたが、GDPの60パーセントが3次産業でもあり、大きな柱が観光だと思うので、戦略的な観光施策について力を入れていっていただきたい。
 観光利用者と消費額が3年振りに減少しているということだが、これは明らかに災害の影響ということだと思う。問題は、貸切バスの規制。国との関係もあるとは思うが、対応策をよく検討いただきたい。
 従来の長野県の観光戦略は、いささか総花的でアクセントが弱い部分もあったと思う。部長は、従来産業の仕事に注力されてきたが、GDPの60パーセントが3次産業でもあり、大きな柱が観光だと思うので、戦略的な観光施策について力を入れていっていただきたい。

【吉澤観光部長】
 利用者統計は8,400万人余。平成3年をピークに長期的に減少している。観光消費額も平成10年をピークに減少。観光消費額を上げるためには宿泊の割合を高くする。現在は日帰りが全体の66%。宿泊客を増やすことが課題。外国人旅行客については66万人、前年比22%増で過去最高。東アジアはもちろん、長野県の特色としてオーストラリアが多い。今後アジアの発展に伴って増加が期待できる。
 地方創生の観点から捉えると、最終的には社会的な人口増を図る必要があり、そこに観光として絡む。来訪者を増やして、域外からの資金を流入させ、それを地域経済内で循環させる。現在の観光が観光地点の単位からまち全体を楽しむ、そういった観光地づくりを日本から進めなければならない。
 6月30日に国の基本方針が出て、DMO構築支援や滞在型コンテンツづくり、受入環境支援が出されている。基本的な方向としては、国内旅行者は減少してはいるが依然観光客の多くを占めているため、まずはこれを下げない取り組み、逆に言うと宿泊旅行を増やす仕掛けをしていく。県では世界水準の観光地づくりを進めており、アウトドア・アクティビティ、農業体験などを中心とした仕掛けをしていきたい。
 もう一つはインバウンド。今後期待できるため、選ばれる観光地づくりとして、新ゴールデンルート、情報発信、基盤整備に取り組む。
 今年は北陸新幹線の開業、善光寺御開帳、来年が大河ドラマ真田丸、諏訪大社御柱、再来年がDC。観光部はじめ各部局で取り組み、ホップ・ステップ・ジャンプの3年間にしていく。

貸切バスの制度改正について

【本郷委員】
 貸切バスの運賃制度の改正が大きな問題となっており、国との絡みもあるが、これに対する対応策をお伺いしたい。

【吉澤観光部長】
 委託調査の結果から、貸切バスツアーの日帰り圏内は出発地から160?程度となっている。
 県としては、制度改正に対応した新しい貸切バスツアーに対して助成を実施しており、今後、助成制度の実施状況をふまえて全体を総括し、観光事業者へフィードバックしていきたい。
 飯山駅周辺の観光事業者、市町村などから率直な御意見も伺っているが、長野県の観光における課題としては「二次交通の確保」が挙げられる。二次交通確保の支援としては周遊バスも考えられることから、情報収集をしてまいりたい。

長野県登山安全条例(仮称)について

【本郷委員】
 登山安全条例の基本的な考え方について、登山計画書の提出義務化が盛り込まれているが罰則がないということなので、その実効性の担保するためにどのようにやっていくか。

【玉井山岳高原観光課長】
 ご指摘のとおり罰則がない場合の実効性の担保は非常に重要な問題と考えている。
 現在、骨子案のパブリックコメント中であるが、事前に多くの山岳関係者からご意見を伺い、登山計画書の提出義務化に罰則を規定しないようにした。
 実効性の担保としては、組織化された登山者については、山岳会等の団体を通じて全国的に周知していきたい。現在、未組織の登山者が非常に多くなってきているが、そのような方には、登山関係の専門誌への広告の掲載や、登山用品店を通じてのPRといった登山者にしっかり届く方法により啓発を行っていきたい。
 さらに、登山者と直接顔を合わせる対応として、登山口や登山相談所で登山計画書の提出や必要な装備も含めて伝えていきたい。
 また、山岳は他県と境界を接している場合も多いので、隣県とも連携をとりながらしっかりと対応していきたい。

銀座NAGANOによる長野県への波及効果と今後の展望について

【本郷委員】
 銀座NAGANOが大変ブレイクしているが、現時点における県内経済への波及効果をどのように捉えているか。
 これからの戦略的な、展望や方向性について、ご見解をお願いしたい。

【中村信州ブランド推進室長】
 長野県への波及効果について、直接的には商品の販売、銀座NAGANOを活用した商談(昨年度の実績が1億3千万の成約)のようなものがある。
 その他に、お取り寄せという形で、県内の業者さんを紹介するという方法も効果があると考えられる。
 観光という面では、観光情報を提供することによって、県内への観光旅行客がどれだけいるか、営業活動による、旅行商品の造成により、旅行商品のツアーになってどれだけ送客したか、スポーツ合宿・MICE誘客推進員により合宿等の誘致がどれだけできたか、そして、移住相談によりどれだけ県内への移住に繋がったかといったことが挙げられる。
 ただ、こういった部分は数字に表しにくいので、ある程度の期間データを蓄積しながら、数値に換算し、効果を検証していく。
 また、今後の方向性について、情報発信という部分が非常に大切であるが、アンテナショップという位置付けの中でマーケットリサーチという、県内の事業者や市町村の皆様に情報をお返ししていくということも非常に大切であるということを再認識している。
もう1点は、市町村の皆様や事業者が銀座NAGANOで単に“イベントをやった”ということではなく、どのように伝えられたか、効果的に発信できたかという点について、県として支援をしていきたい。

ゴールデンルートに集中する外国人旅行者の地方への誘客について

【本郷委員】
 ゴールデンルート上の東京、千葉、神奈川、山梨、静岡、愛知、京都、大阪の8都府県に国全体外国人宿泊者の7割近くが集中している。ゴールデンルートからの誘客戦略をどのように行うのか。外国人旅行客のトップがフランスの8,000万人でありヨーロッパ諸国が3,000万人〜4,000万人など、日本は1,300万人で東京オリンピックまでに2,000万人へ、将来は3,000万人にするとしているが、それでも先進国では平均程度である。観光立県長野県として、ゴールデンルートを接点とした長野県内への誘客をどのようにしていくのか。

【花岡国際観光推進室長】
 ゴールデンルートへの集中、ゴールデンルートを接点とした誘客について、委員ご指摘のとおり、現在、外国人宿泊者の7割程度がゴールデンルート上へ集中している。我々としても、こういった旅行者に長野県に来ていただくことが目標である。考え方としては、2つ。長野県の中で、既存の観光地だけでなく例えば食、祭りなどの伝統文化等を磨き上げ、ゴールデンルートに負けない魅力をつくり、発信をしていくことが重要だと考えている。こういった考えに基づき、本年度は東アジア、東南アジアでの集中的なプロモーションの展開、インターネットを通じた強力な情報発信、公衆無線LAN等の受入環境整備を進めているが、一方、単独県だけでできることは限られる。ゴールデンルートの大阪、京都、東京等を上手く使う考え方も重要ではないか。その中で、ゴールデンルートに負けない魅力のあるルート、そして選んでもらえるルートを地方につくっていくことが必要である。具体的には現在中部圏でルート化を進めている昇龍道プロジェクトの充実、更には北陸新幹線の延伸を契機とした新ゴールデンルートの造成など各県と連携し取り組んでいきたい。また、現在、格安航空会社が地方空港へ便を飛ばす動きがある。先月、中部国際空港へ中国の春秋航空が一気に5、6線便を拡充するという話もあり、こういった状況も注視しながら、ゴールデンルートや増加する外国人観光客を長野県に誘客してまいりたい。

平成27年02月定例会 環境産業観光委員会 質疑要旨
長野県経済に貢献する観光のあり方について

【本郷委員】
 観光は宿泊業、運輸、小売りなど幅広い分野を包括している裾野の広い総合産業である。観光庁の調査によると、全国の観光消費額の波及効果はおよそ2倍という大変な倍率である。
 長野県の主要産業であるとともに、長野県地域活性化のフロントランナー、大きな大黒柱になると予想される。
 したがって、新たな観光需要の創出は、地域経済の具体的な貢献の一つの方法として、観光と他産業との連携があるのではないか。農業の6次産業化の問題も同様である。例えば、農林業と観光、環境と観光、スポーツと観光、いろいろ複合的な組み合わせができるわけで、県では、地域経済への貢献を、戦略、戦術含めて具体的にどのように進めていくのか。これが長野県の観光の再興につながると思うので、方法論について御所見をいただきたい。

【浅井参事】
 国内外からの観光客に、地域で消費していただく仕組みを作っていかなければいけないと思っている。
 委員から観光×他産業というご提案があったが、こういった取組は、新たな魅力づくりとして、私どももしっかりやっていかなければと思っているところ。
 6次産業化により土産品を作っていく、旅館・ホテルで地場産品を使う地産地消の推進、NAGANOワインやジビエなど、従来からの観光だけの取組ではなく、他産業との連携をしていかなければいけない。
 今は健康ブームなので、森林セラピーの取組や、長野県は食も魅力なのでそういうものを活かした旅行商品も造成しながら振興していかなければいけない。
 そうした取り組みによって、地域の滞在時間を長くしていかなければいけない。

【本郷委員】
 ち密な青写真を描いて、それを実行に移すようにお願いしたい。
 湯布院にしても、お隣の高山にしてもああいったものは多少ニュアンスが違っても、長野県内にはあるわけで、長野県の持つポテンシャルは、無限の可能性を秘めている。しかし、時代の推移の中で、とんがった個性的なものが足りない。これは他の経済政策全般についても言える。21世紀の新しい成熟社会の日本観光のあり方について、複合的に組み立てて、日本一の長野県観光になるように積極的な観光施策をやってもらいたい。議会としても精一杯お手伝いをしていきたい。

地方創生と観光戦略について

【本郷委員】
 今年は地方創成元年、地方が主役の時代になるスタートラインに、経済全般にとっても大事な時代。とりわけ、経済活性化が最大の眼目である。特に産業構造の変化で、ものづくりがGDPの20数パーセントの状況の中で、第3次産業が6割近い。果たすべき役割は非常に大きい。今後、 野池部長の下で一層プライドを持って進めてもらいたい。
 地方減少は一番問題で、地方活性化と連動しているわけですが、地方再生政策は2020年までに地方で計30万人分の雇用を生み出す数値目標を掲げている。
 昨年成立した地方創生法では、県や市町村に地方版戦略の策定を努力義務として課した。これが一番の問題だと思う。本県における観光産業のウェートは非常に高いわけで、地方版戦略の位置付けが大事。今年度中に、地方創生の地方版戦略を作成することになっているが、現時点での観光の位置付けはどのように考えているのか。

【野池部長】
 観光産業は非常にすそ野が広く、この成否が長野県経済の活性化の大きな鍵を握ると思っている。長野県の観光資源を見渡すと、国内、インバウンドに通用する素材がどの地域にもある。工場誘致、企業誘致などは長い時間がかかるが、チャンスという意味では、観光はどこにでもそれを活かす機会がある。そういう意味で、長野県にとっては非常に重要な分野を担っており、観光の責任は重いと思っている。
 来年度中に地方創生の戦略を作るということで、現在は、中間とりまとめを出したところだが、その中でも観光に深く関わる柱が掲げられている。
 私どもも長野県らしさに光を当て、一過性ではない、地方創生を契機に長野県観光の財産として残るものを戦略の中で推進していきたいと考えている。

【本郷委員】
 海外から来るインバウンドは東京と京都を軸にして、地方に次の段階、フェイズが来ていると私たちの皮膚感覚でも感じている。外国人はリッツカールトンとか、ああいったホテルに泊まることには何の興味も示さない。地方が文化性、ストーリー性を、知恵を使って作らなければいけない。ハンチントンやトインビーも言っているが、世界6大文明または7大文明の中で中国と日本は別と明確に言っている。ある意味自信を持たなければいけない。日本が持っている文化性は非常に吸引力がある。
 大きな地方版戦略の中で、長野県は全国トップクラスの観光立県であるので、地方版戦略の中で平地観光も含めて、新しい発想力をもって、インバウンドにも対応できる独自性を担保してもらいたいと希望する。

ものづくり産業振興戦略プランについて

【本郷委員】
 地方創生元年の今年は、地方創生関連が1兆円、地方財政計画が1兆円ということで、本格的な地方創生元年であることは間違いない。
 長野県は非正規の問題など、色々内在しているが、何事も100点満点というわけにはいかない。企業のオーナーも必ず正社員にしたいわけで、プロセスの中で企業の体力をつけないといけないが、その辺で時差があり、直感力で5年はかかると思っている。そうしないと15年のデフレを脱却できるわけがないが、ただあまり焦ってはいけない。
 そういった視点から長野県の企業は、下請け型、受注加工型が大多数を占めているのが現状である。従って、提案型、研究型の底上げを図ることが一番重要で、中核的な企業をいかに産業労働部としてもインセンティブを働かせるか、議会にも共通の責任がある。
 熊本県の西原村が内閣府の市町村別経済指標で高い競争力で全国第1位と出ており、非常に印象的であった。これは分析・計数機械の大手で京都に本社がある堀場製作所の子会社であるが、世界の半分のシェアを占めている。従って、生産技術、ハイテクノロジーを軸にして、全世界工場のマザー工場的な役割を担っている。
 こういったものを長野県の中で、どのような形で戦略的な計画を立てて持ってくるかが、産業労働部の非常に重要な役割だと思っている。
 本社機能を東京23区から地方に移転した場合の税制上の優遇策等、メディアにも色々出てはいるが、ものづくり産業振興戦略プランが策定されてから3年が経過している中で、今後強化すべき取組とプランニングがあればお聞きしたい。

【吉澤産業労働参事兼産業政策課長】
 長野県の産業において、ものづくり産業が県内総生産に占める割合は2割を超えている。
 長野県では、ものづくり産業振興戦略プランを、平成24年から28年度を対象に進めてきている。
 現状について、製造業の付加価値額は目標を2.5兆円に設定しているが、県内の一部企業の海外展開に影響を受け、現状は1.8兆円になっている。
 有効求人倍率については、1.0倍以上を目標にしているが、昨年の平均は1.09で、着実に良い状況に進んでいる。
 また、工場立地件数を5年間で200件を目標にしているが、26年の上期まで入れると115件。26年上期の2年半経過した時点で、57%ということで、順調に進んではいる。
 付加価値額については、乖離があり、まだ2年あるが、あらゆる施策を動員して目標達成したいと考えている。
 現在のプランについては、28年に終わりになるが、同じ様な形で、ものづくりを真ん中に据える形で考えていく場合には、大都市圏から地方への誘致という策も出ている。北陸新幹線の金沢開業ということで、石川県や富山県については、大手の立地が進んでいるという話もある。地域間競争が激しくなってきている中で、県としてもどのようにして企業集積を図るかを考えていかなければならない。
 また、世界の競争の少ないところ、ニッチなところでグローバル展開する企業が出てくることで、県としても中核企業に育成していく。それを中心として、裾野の広い産業を創るのが良いと考えている。
 そして、IOT(Internet of Things)ということで、第4の産業革命がドイツやインドで始まっているが、インターネットを通じて工場同士の連携や、工場と消費者を結びつけることで新しい革命を興すことを踏まえて、これから長野県としては、ものづくり産業振興戦略プランを更にいいものにしていきたいと考えている。

【本郷委員】
 振り返ってみれば、長野県も農業県ではあるが、工業面から見れば、養蚕業、精密機械、電子と続き、第4世代をどうするかということで、産業構造がものすごい勢いで変化している。
 政治の立場から言えば、未来の世代に対する責任が大変強いものがあり、次世代産業については、私たちの子供や孫たちのために、今からシーズ、種をまいておかなければならない。
 そのための戦略性が問われる中で、中長期的な視点を常にもって、20年、30年、50年先を見据えた産業施策をどうしていくかを今から考えていく責任がある。
 今、新しいエコノミストの概念でグローバル圏とローカル圏というものがベストセラーになっている。現実にはGDPの7割、雇用の8割がローカル経済圏で担保している。つまり地方創生の一番の基軸は、そこにあるわけで、地方再生なくして日本の再生はない。そういった意味でローカル経済圏の認識を深くしなければならない。

予算編成の考え方について

【本郷委員】
全体の経済は回復基調にあることは間違いない。エコノミストの言葉を借りれば、好循環のメカニズムの段階に入ってきたと思っている。
 プライマリーバランスの問題をよく論じるが、戦後それに成功したのはクリントン大統領だけ。ICTによってプライマリーバランスをクリアしたもの。
 一に経済、二に経済、三に経済とまでは言わないが、経済成長がいかに重要であるかということ。115兆円の社会保障制度を担保するにも、経済成長がなければ、年金・医療・介護・福祉はとても動かない。また、消費税は1%で2.5兆円なので、仮に将来いろいろなことが起きたとしてもやはり2%程度の経済成長をしていかなければならない。
 OECDはこの20年間、約2〜3%前後の成長だった。中国については言うまでもないが、その間、日本はずっとマイナス成長だったので、今、マクロ的に一番重要なこととしてはデフレからの脱却が全て。中国の現在のGDPはご存じのとおり1,200兆円。日本はかつて530兆円までいったが、現在は1割減って480兆円。いかにデフレが怖いかということだが、政府の異次元の金融政策は当たりである。諸々言う人がいるが、デフレスパイラルに陥ったら、日本はほぼ立ち行かなくなる状態が予想されるので、財政出動、経済成長ということになる。リーマン・ショックの際、米国は90兆円、中国は60兆円、日銀は10兆円だった。あれで更にデフレが加速した。
 そういった意味で、健全な1〜2%の経済成長を堅持しなければならない中において、石原部長や吉澤参事や、仁科室長等から66%を占める第3次産業へシフトしていくという話が出たが、製造業が20数%なので、正しい視点だと思う。
 政府がこの度、経済対策として出した総額3兆1,180億円の平成26年度補正予算が2月3日に成立した。この目玉は総額約4,200億円の「地域住民生活等緊急支援のための交付金」で、内訳は先ほど話が出たが「地域消費喚起・生活支援型」が2,500億円、「地方創生先行型」が1,700億円。本県に関しても32億7千万円で先般、早期議決をしたところ。
 先ほどのデータの通りなので、その他の話はしないが、つまりは「よい形のメカニズム」に入ってきたということ。
 そこで、石原部長に伺うが、俯瞰的な視点で、現状において政府もこれだけの手を打っている。国の補正予算も視野に入れて、どのような形で産業労働部として予算編成をしたのか、大局的な観点での見解を伺いたい。

【石原産業政策監兼産業労働部長】
 来年度の予算編成に対する我々の基本的な考え方についてお話しする。我々の新年度予算編成については、まず、現状認識からスタートした。2つ目としては、これまでやってきた施策の継続の可否の検討。3つ目としては新しいニーズがあるかどうかの確認。そして最後は限られた財源、ヒト・カネ・時間をどのように配分して効果的なことをやっていくのかという4点に絞って予算を編成してきたところ。
 本郷委員が仰るとおり、現在、アベノミクスの第1の矢、第2の矢によってかなりよい環境状態になってきたと考えている。従って、これから成長戦略という形で規制改革等も行っていくわけだが、時間がない中で、皆さんと一緒に、官民が一体となって、新しい施策を打っていく必要があると考えている。
 まず、現状認識だが、国全体の経済状況は円安と株高によって輸出企業や大企業を中心によい方向に向かっているということは皆さん確認されているところだと思う。今後は、大企業については今春の賃上げが大きなポイントとなると考えている。しかし、県内の中小企業をみると、円安が少し行き過ぎているのではないかというところ。原材料費やエネルギー費用が経営を圧迫しているという現状がある。しかし、中小企業の方々も、将来に向かってよい人材を確保するためにはやはり賃上げをしなければならないという、極めて厳しい状況にあると考えている。その状況をみる限りにおいて、企業間にも多少なりとも格差の問題があると思うが、それをいかに詰めていくかということが我々の仕事だと考えてきた。
 2つ目として、これまでの事業の継続の可否。先ほども申し上げたが、しあわせ信州創造プランやものづくり産業振興戦略プランが、現在の時代とミスマッチがあるならばそれを是正していかなければならないと、もう一度点検を行ったところ。方向性は間違っていなかったというのが結論。続けていくべき事業の継続はしっかりやっていこうと考えている。
 次に新たなニーズの確認。この中においてはご指摘いただいたサービス産業の関係、ものづくりだけでなく、2つ目のいわゆる推進エンジンとして、サービス産業をいかに付加価値の高いものとしてつくっていくかということがある。また、2つ目としてはようやく動きつつある創業支援。創業をしっかりとやっていこうと我々は考えているところ。
 次に、効率性について考えた。重点的に取り組むことは何かということ。新しいニーズに基づくサービス産業振興については、走りながらしっかりと考えていこうということで、様々な方からご意見をいただきながら、ここまでつくってきたところ。
 また、産業イノベーション推進本部の議論の中において、健康・医療の分野についてもしっかりと対応していかなければならないと考えている。
 また、雇用面においては、昨年までは若者を中心にやってきたが、「若者+女性」ということで、特に子育て期を終えた女性、又は子育て中の女性、この方々が県内に約2万人いる。仕事をしたくてもなかなか仕事に入れない方、この方々への支援をしっかりとやっていこうということで積み上げてきたところ。
 その中においては、今回の国の交付金制度を有効活用して、県内経済の下支え、消費の拡大もしっかりとやっていこうと予算をつくりあげた。

長野県の海外誘客戦略について

【本郷議員】
 国際経済は国際金融資本が大きな影響力を及ぼす極めて不健全な経済状況になっていて、フランスの経済学者の著書が大変話題になっている。
 製造業が日本経済をけん引してきた時代から、1990年以降中国、台湾、韓国、シンガポールなどに優位性を取られている。また、先進国に例のない少子高齢化と人口減少は、我が国の経済にとって大きな課題である。アベノミクスによる円安の効果により、外国人観光客の誘致は成長戦略の中で評価されており、かつては700万人であった訪日外客者数が1300万人と、ほぼ倍になった。しかし、フランスの外客者数は8000万人であるが、日本は世界では座念ながら27位、アジアでも8位とこれから伸びる余地が残っている。マクロ的に見ると、世界観光機関によると全世界の旅行客数は増加の一途をたどっており、平成22年は9.4億人であるが、平成32年は13.6億人、平成42年は平成22年の倍の18.1億人と推計されている。
 県内は20数パーセントを占める製造業は基軸であるが、ボリューム的には製造業から観光に大きくシフトしている1丁目1番地であり、長期的には両にらみをしながら施策を進めなければいけない。こういった流れを着実につかむことが重要であり、外国人旅行者10人の消費額は、定住人口1人分の消費効果があるとされている。
 インバウンドに積極的に取り組むことは、内需や雇用の拡大にとって大きな貢献となる。観光資源を世界に発信し、外国人旅行者の誘致拡大を図ることは長野県の経済成長の最大の柱となることは言うまでもない。長野県の海外誘客戦略について、観光部長に伺う。

【野池部長】
 海外からの誘客戦略について、ビザの緩和や和食の日本としての発信、国を挙げての海外プロモーションなどの効果を実感している。各県がこの恩恵を受けているが、そういう中で全国平均以上の誘客を長野県は実現しなければいけない。そのためには、こういった風は、全都道府県に満遍なく吹くわけであるので、長野県独自の努力をしていかなければならない。これまで長野県は海外の市場に一歩遅れて入っている状況もあるので、東南アジアなど新市場に積極的に参入していきたい。
 情報発信も変わってきており、ホームページをご覧くださいではなく、県のレベルでも詳細な問い合わせがあるため、迅速にコミュニケーションをとる形でレスポンスをすると長野県ファンが増える。来年度予算をお願いしている情報発信員を含め、コミニュニケーション型の情報発信をしていきたい。
 また、外国の方が来て移動にストレスがあると1回だけの来訪で終わってしまう。一番要望が多いのはインターネットに繋がる環境であるので、宿泊施設や駅などにおいて無料公衆無線LANには補助制度を設けるが、多言語案内板の整備などを含め、行政だけでなく、地域ごと水準をあわせる「つながるNAGANO協議会」を設けて、地域全体で足並みを揃えて受入環境を整えてまいりたい。

【本郷議員】
 外国人旅行者は東京と京都を結ぶゴールデンルートから次の段階で地方に来ており、突出した長野県にならなければいけない。日本は時間に正確だから、外国の方はどこの路線もスマートフォンで調べ、バスや電車に乗って移動する。話に出たSNSを含めてきめ細かな情報を提供することは大事。先般、高山市に行った際に駅から10分程度の和風の旅館に泊まったら、宿泊客の3分の1程度は外国人だった。おかみさんに聞いたら英語で通常会話をしている。政策として高山市なり商工会議所なりがやっているという。そういった受入環境整備を行わないとリピーターにならない。長野県には13年後にはリニアも来るので、中長期的な観点も含めて、きめ細かな対応をお願いしたい。

松本山雅を活用した観光PRについて

【本郷委員】
 3月14日、北陸新幹線が金沢駅まで延伸開業する。出発式や大きなセレモニーが開催されるようだが、松本市でも大きな行事が行われる。
 JR東日本の社長は松本からバスに乗って上高地へ行き、高山や飛騨、金沢、東京と周遊する好循環がいいのではないか、とインタビューで答えていた。いい形にしなければいけない。
 サッカーの松本山雅は明後日、豊田スタジアムでJ1の初戦を、3月14日にホームでサンフレッチェ広島と戦う。観客数は年間26万7千人とJ2ではトップだった。向こうの受け入れ態勢も最大限の余地を与えている。松本山雅がJ1に昇格したことは、県内及び地元松本の皆さんのハードとソフトがいいように絡んだわけであり、北陸新幹線や善光寺御開帳とともに、きわめて発信力、吸引力があるJ1昇格である。文化性、社会資本の整備、そしてスポーツ、さらにはセイジ・オザワ松本フェスティバルを含めて、重層的に重要な位置付けになってくると思われる。松本山雅の試合を活用して、全県の観光情報を提供し、効果を全県に波及させることが重要。PRのための総合的な予算編成をしているのかお聞きしたい。

【戸田観光誘客課長】
 松本山雅の試合には県外から多くのサポーターが集まる非常に貴重な機会と認識。昨年よりもさらに多くの方に来ていただける状況にある。昨年は松本地方事務所を通じ、ホームゲームと隣県のアウェイゲームで全県の観光PRを行ってきたところ。
 今年は、更に多くの集客が見込まれることから、地元と調整し、より効果的なPRに努めてまいりたい。
 また、九州で行われる試合については、信州まつも空港の利用促進の観点から。空港と連携した周遊観光推進事業で予算を盛ってあり、5月には佐賀でPRする予定。10月には逆に佐賀からこちらに来ていただく。そういったときに、県外から訪れるサポーターに文化も含めた長野県の情報を発信し、再度、長野県に来ていただけるよう努めてまいりたい。

環境分野における人材育成について

【本郷委員】
 人類文明は長い道のりを歩いてきたが、大きな分かれ道にある。それは終焉か未来への道とするかという有名な言葉がある。
 今日の環境問題はあらゆるカテゴリーの中で、最も重要な問題だと思っている。気候難民、気候変動と中東やアフリカで起こっている紛争等も、気候変動に起因するものが内在している。環境問題は今後の政治の最大の問題になると思っている。特に今年、COP21が12月にフランスのパリで開かれるが、環境と経済成長の両立の合意をいかにとるか。消極的な視点での新しい未来への選択、または新しい未来への文明論を私たちが持たなくてはいけない。
 知事も申していたけれど、最後は人材、環境分野における人材育成について、お伺いしたい。
 持続可能な開発のための教育、これをESDというが、昨年11月、愛知県と岡山県において「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ国際会議」が、皇太子殿下のご臨席のもと、ユネスコと日本政府の共催により開催された。
 会議には「持続可能な未来に向けて今学ぶ」という理念の下、1,000 人以上の参加者が集まり大きな反響を呼んだ。
 会議の最後には「あいち・なごや宣言」が採択された。
 ESDを理念として、環境開発など現代社会の課題、複合的な問題を視野に入れながら持続可能な社会をいかに造形していくかという学習活動が重要である。特に重要なのが、環境分野の人材育成である。
 18世紀半ば、産業革命以降に高い経済成長を成し遂げた結果、地球環境に大きな負荷を与え、地球的規模での問題となっている。
 環境の取組みを行う人材の育成は地域から始まる。そうした視点から、環境分野での県の人材育成についてどのような認識を持っているか環境部長に聞きたい。

【山本環境部長】
 昨年11月の「ESDに関するユネスコ国際会議」については、環境部の取組にも関係することから、注目していたところ。議員お話のとおり、我が国の提唱によって始まった国際的な取組であり、世界各地でESDの取組が広がっていることを大変喜ばしく思う。
 現在、我々は、様々な課題に直面している。例えば、気候変動問題について、昨年9月には国連気候サミットが開催され、新たな枠組みの構築に向けた各国の政治的意思が確認されるなど、世界全体で克服していこうという気運が高まっている。
 長野県でも、予算案でお示ししているとおり、地球温暖化に適応した技術等の開発を促進するために関係機関でデータベースを構築する取組や、しじみが取れる諏訪湖を目指すための再生手法検討事業、登山道の修繕など山岳環境を整備するためのパイロット事業など、来年度は環境部の取組をさらに前進させる。
 環境分野の人材育成については、持続可能な社会の実現に向けて具体的な行動に結び付けることが目的であり、長野県環境基本計画の基本テーマ「参加と連携で築く 豊かな環境・持続可能な信州」は、まさにESDの趣旨と合致すると認識している。そのためには、単なる知識の修得だけではなく、自然体験、社会体験、生活体験などの実体験を通じた経験が重要と考える。
 環境部には、技術職員や研究員など環境問題に造詣が深い職員が多く在籍している。今後も、職員の専門的な知識を活用し、あらゆる機会を通じて県内に知見を普及するとともに、環境保全活動の実践を支援していくことにより「参加と連携」の輪を広げてまいりたい。

【本郷委員】
 今、部長から重要な発言をいただいた。大切なところは、単なる知識の習得だけでなく自然体験、社会体験、生活体験の実体験の経験が非常に重要だということで私どもと共通認識を持っている。多くの県民が様々な環境問題に対して、山本部長からあった参加と連携による取組がポイントであるという指摘である。実践的に取り組むことが重要であり、来年度参加と連携にかかわる取組について、具体的に各課長から説明いただきたい。

【塩谷環境政策課長】
 参加と連携にかかわる実践的な取組ということでご質問いただいた。本日最初に説明した施策体系の中でも参加と連携による環境保全については、施策の1番上に掲げており、重要な柱と考えている。
 各課の役割分担については、環境政策課では個別の分野に関わらない共通の取組の応援を、各課ではそれぞれの個別の分野ということで、役割分担をして進めている。
 環境政策課で所管している大きな事業は、環境フェアの開催ということで、来年度地域での出展を3か所から6か所に増やすという形で、充実をして進めてまいりたいと考えている。
 また、環境保全研究所では、広く県民の皆さん向けに身近な環境体験、情報提供、講座も行っている。来年度についても工夫しながらこういった活動を進めてまいりたい。

【長田環境エネルギー課長】
 2つの事業について御説明したい。
1つは、資料2に記載の、環境エネルギー戦略推進事業の一つである「信州自然エネルギー・環境教育支援事業」について。
 教育委員会が自然エネルギー地域基金を活用し、県内の高等学校等が行う自然エネルギーや環境に関する教育活動に対して支援するもので、平成26年度は、岡谷工業高校のバイオマス燃料の製造等をはじめ8校の活動に助成した。将来地域の自然エネルギー事業を担う若者を育てること、中長期的な人材育成を目的に推進している。将来自然エネルギー等の環境に係わる活動が地域で盛んになることを目指している。
 2つ目は、信州省エネ大作戦について。
長野県は、震災以来、夏と冬に県民総ぐるみの節電・省エネ運動として、省エネ大作戦を展開している。
最大電力需要を削減する県独自の数値目標を掲げ、県民の皆様と目標を共有し、県民との協力や連携をしながら省エネの取組を行う事業となっている。
 当課が担当する施策は、広範な県民の参加や取組が不可欠であるため、来年度もこの点を重視しながら施策を進めてまいりたい。

【村田水大気環境課長】
 子供たちをきれいな川に連れ出して、川の環境を見ていく事業として、本県では「せせらぎサイエンス事業」という事業があるが、県として直接行う事業として、そうした活動を行うリーダーの養成を行っている。毎年10名程度が受講していただいており、受講された方がリーダーとして活動を行っていただいている。毎年、概ね20グループで、1,000名程度が参加している。
 また、本県を代表する湖である諏訪湖や野尻湖の周辺では、小学生が水質検査等を体験していただく取組を行っている。
 また、近年問題となっているアレチウリの駆除のための研修会を行い、受講していただいた方が地域で活動をしていただいている。
 こうした活動により人材育成を図っていくほか、特に子供たちに長野県の環境を良くするという意識を持っていただきたいと考えている。

【清澤生活排水課長】
 当課に係る事項としては、多くの方々に下水道終末処理場を見学いただいており、言わば、処理場が「実体験の場」となっていることである。
 県が管理している4処理場では、年間8,000人ほどの見学者があり、そのうちの6割が小学生の社会見学である。
 排水口から消えてなくなる排水については、なかなか関心を寄せてもらえないが、その一旦見えなくなった排水を再び見ることができるのが処理場であり、それがどのように処理されているのかを見ていただくことにより、生活排水処理の役割を理解してもらえるのではないかと考える。
 その「気付き」が「水への関心」、さらには「水質保全活動」につながることを期待している。
 このため、多くの方々に処理場を訪れていただき、この実体験をしていただけるよう取組を続けてまいりたい。

【山?自然保護課長】
 登山道の持続的利用については、多くの山岳関係者が参加と連携を深めてもらわなければ成り立たない事業なので、一層強化する取組につなげていきたい。
 また、生物多様性の保全については、一部の人や一部の保護団体ではなくて、県民、企業、あるいは都市部の力もお借りするという、11月議会委員会での本郷委員からのご指摘を踏まえ、予算案につながったのが「人と生きもの パートナーシップ推進事業」である。
 このように、より参加と連携が深まる形の中で、今ある自然を将来に引き継いでいけるよう取り組んでまいりたい。

【宮村資源循環推進課長】
 来年度の第4期県廃棄物処理計画策定にあたっても、県民の皆様の環境活動への参加と連携という視点が最も大切な視点であると考えている。
 また、個別の事業でいうと、チャレンジ800ごみ減量推進事業は、県民や市町村、企業、それぞれの皆様の参加・協力をいただかないと進められない事業であり、この事業に参加していただく中で、環境分野の担い手として成長いただければと思っている。同じことは、レジ袋の削減活動にも言える。
 他に、県下で毎年、「きれいな信州環境美化運動」を実施しており、例年、約20万人の県民の方に参加していただいている。
 こうした誰もが参加できる身近な環境活動の促進により、環境分野の担い手の育成に努めてまいりたい。

【本郷委員】
 各課長から簡にして要を得て短時間でまとめていただいた。
 最後は部長に聞きます。各課に置いて実践的な施策に取り組んでいることを深く認識したところ。次世代を担う子どもに対する期待も大きいわけなので、環境部の果たす役割をさらに認識していただきたい。昨年度、私は屋代高校付属中学校で、小松副議長や広報委員の皆さんと約80人の生徒が参加して「こんにちは県議会」を開催し、子供どもたちの皮膚感覚でいろいろとフランクな討論をしてきた。地域づくりの中における子どもたちの将来の責務が大きいか、同時に議会の責任も感じた。環境分野の育成の観点から、教育委員会とも一層密に連携を図ってほしい。
 そうした意味から、長野県の自然環境の保全を担っていく子どもたちに対する環境部の取組を通じて、環境部長はどんなことを期待しているのか、所見を伺いたい。

【山本環境部長】
 自然環境の保全を担っていく子どもたちに対して、各取組を通じて期待することは何かというお尋ねかと思う。
 各課長からいろいろな話をさせていただいた。県は、広く県民が関心を持ってもらう、環境保全活動に参加する意欲、環境問題を解決する能力を高めるために、それぞれの年齢層に応じて参加と連携の取組を進めている。 
 特に子どもへの取組については、小中学校の理科、それから総合的な時間を取り入れてもらうなど、環境部だけではなくて、各部が連携して取り組んでいる。子どものころから親しんでもらう中では、今、小学生が県庁を訪問して、様々な取組をしているわけですが、それを見てもらう、学んでもらう「こども記者体験」を行っている。昨年6月から本年1月まで全体では466件、4,060人が参加している。環境部の取組については、59件、500人以上の方が参加してもらっている。健康福祉部、農政部に次いで第3位と、大変多くの小学生に実際に見てもらっている。
 参加と連携により持続可能な地域をつくるためには、御指摘のとおりに息の長い取り組みが何よりも大切。特に子どもたちには県の取組をはじめとするあらゆる機会を通じて、長野県の自然の豊かさ、大切さを理解してもらいたい。また、地域の環境を自分たちで守り育てていく気持ちが、意識の涵養が何よりも重要であって、環境保全の取り組みが引き継がれて、発展されていく、大きくなっていくことを強く期待したい。

退職に際しての思い等について

【本郷委員】
 今年度をもって山本環境部長、村田水大気環境課長がご退職とお聞きしている。
 山本部長におかれましては、市町村課長、諏訪地方事務所長、企業局長、そして現在の環境部長と県の中枢で様々な要職を務めて、県政発展のため大変なご尽力をいただいた。また、村田課長におかれましては、下水道公社南信管理事務所長を経て、平成24年から現在の水大気環境課長を務めている。大気保全や水質保全の分野を中心に長年にわたり環境行政にご尽力いただいた。この場を借りて深く感謝を申し上げるとともに、御退職後のますますの御活躍とご健勝を心からお祈り申し上げる。
 これまでのご経験から、今後の県政、後輩の県職員に対し何か申し述べることがあればお聞かせいただきたい。

【山本環境部長】
 昭和52年に採用されて以来38年間勤務し、環境部は最後の2年間お世話になった。この2年間を通じ、環境行政の重要性を改めて認識した。
 これからの県の最重要課題である地方創生、人口減少対策等において、環境部の占める役割はますます大きくなっていくものと考える。
 そのように大変重要な環境行政に携わる中、職員の皆さんに支えていただき一緒に仕事ができたことに大変感謝している。
 職員の皆さんにはこれからも一致団結し、環境行政の推進に一所懸命取り組んでいただき、長野県が一層発展されるよう心から願う。
 委員の皆様には常に大所高所からご指導賜り感謝。
 今まで環境基本計画のテーマである参加と連携について、県行政の一員として推進してきたところ、これからは一市民として実践にあたっていきたい。

【村田水大気環境課長】
 3年間、環境委員会でお世話になったが、一番思い出に残っているのは、本郷委員からも21世紀は水の時代であるとその重要性について御指導いただきながら「長野県豊かな水資源の保全に関する条例」を制定したことである。ただし、条例に基づく水資源保全地域の指定が進んでいないことが心残りである。
 また、先程野澤委員から御指導いただいた、諏訪湖のシジミの再生について、もう少し取り組んでみたかった希望がある。これらの課題については、後任に託していきたい。
 委員の皆様には、これまで暖かく御指導いただき感謝申し上げる。今後とも御指導をお願いしたい。

食品産業について

【本郷委員】
 食品産業について、長野県はみそが全国シェア43%など、お醤油、ワインなども含めて発酵食品は強い。健康長寿県ならではのこと。特に凍り豆腐は約100%のシェアを占める。長野県は、ローカル経済圏とグローバル経済圏と両方持ち合わせ、良い資質をもっている。4月にオープンするしあわせ信州食品開発センタ―がその拠点となるが、具体的な取り組みをしていくのか。

【ものづくり振興課長】
 議員ご指摘のとおり、食品産業は本県ものづくり産業の中で、出荷額においても、また雇用面においても、  さらに地域に根差した産業として重要な産業である。ものづくり産業振興プランにおいても次世代を担う産業の一つ、健康・医療分野の中に機能性食品を掲げており、県ではその開発拠点として工業技術総合センター食品技術部門にしあわせ信州食品開発センターの整備を進めてきた。
 当センターは4月にオープンするが、ここを拠点とし、県内の食品企業と県では産業労働部、農政部、林務部、健康福祉部、観光部そして各部の試験場、さらには信州大学や関係機関を加えた産学官連携体制を整え、長野県の健康長寿を支えてきたと言われている発酵技術等を活かして、具体的な新食品開発を進める。
 現時点での計画案としては、ターゲットを2つに絞っており、一つは有望な販路向けで、コンビニや新幹線内で販売できる商品、もう一つは増加している外国人観光客、特にサミットや東京オリンピックに向けた商品開発を進めたいと考えている。

伝統工芸品について

【本郷委員】
 歴史伝統のストーリー性は観光戦略とも絡んでくるわけで、新幹線で早く着けばいいというものではない。長野県の持つ可能性は非常に強いものがある。
 昨年は、飯田水引、松代焼、栄村つぐら、信州からまつ家具が新たに長野県伝統的工芸品として指定された。
 県内の伝統的工芸品のブランド力向上と活性化を目指して将来を見据えた振興策についてお聞きしたい。

【ものづくり振興課長】
 伝統的工芸品は、年々生産額が減少しており、産地によってはほとんど後継者がおらず継続が困難なところもある。
 しかしながら、小規模ながらも雇用を生み出し特定の地域の経済を支える重要な産業である。これらの伝統的工芸品を今後も地域を担う産業として活性化して行くためには、古いものをそのまま継承するのではなく、基本的な伝統技術は活かしながらも、その時代の生活様式や消費者ニーズにマッチした新商品により新たな提案をし続けることが生き残るためには必要と考えている。
 2月には、ながの東急シェルシェで伝統的工芸品指定産地と県内のクラフト事業者とのコラボ展「信州の手しごと博覧会」を開催し、大勢の方々に実施に見て、触れていただき、消費者ニーズの把握に努め、また出展者同士の交流を行ったところであるが、今後は、各産地の実情を把握しそれぞれの産地の課題に沿った形で、意欲的な産地に対し具体的な支援をしたいと考えている。
 また、平成27年度新たに東京の富裕層や外国人向けの新商品開発を進め、東京などで展示即売会を開催する方向で検討を始めたほか、食品と合わせた提案、あるいは石川県など他産地と共同でPRすることも、関係部局と一緒に検討したいと考えている。

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