県政フォトレポート
|
県政レポート
|
リンクURL
県議のコラム
|
プロフィール
|
お問い合わせ
県政レポート

令和4年の記事 令和3年の記事 令和2年の記事 令和元年の記事 平成30年の記事
平成29年の記事 平成28年の記事 平成27年の記事 平成26年の記事 平成25年の記事
平成24年の記事 平成23年の記事 平成22年の記事 平成21年の記事 平成20年の記事
平成19年の記事 平成18年の記事

令和3年11月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
国際情勢と本県の経済対策について

【本郷委員】
 100年に一度の歴史的な転換期である。従来の経済戦略の発想を超えたものでなければいけないが、そのような視点から、最初に国際経済における日本の今の位置付けを申し上げる。
 日本では、1990年から2020年の約30年は、「失われた30年」という表現がマスコミで使われている。その間、日本は、名目GDPが16.5%増加したが、アメリカでは3.5倍、中国に至っては53.6倍という急拡大である。世界的なシェアの視点から見ると、日本は13.5%から6.0%へとダウンし、中国は、1.7%から17.4%へアップした。したがって、今、NHKのテレビでやっているが、かつての渋沢栄一、戦後における松下幸之助、あるいは、本田宗一郎という大変力強いオーナー経営者が、どちらかと言えば、希薄になっているのが、現状の日本の位置付けではないかと思う。
 株価を見ても、最近、上下しているが、この30年間で日本は、15%上昇した。対する中国は、上海ではあるが、11.9倍である。さらに賃金だけを見ると、岸田内閣は、新しい日本型の資本主義を理念としているが、現在、日本は3万8千ドル台、アメリカは6万5千ドル台、ドイツは5万3千ドル台、それどころか、隣の韓国は4万2千ドル台ということで、日本を追い抜いている。
 こうした状況を観点に入れながら、長野県の経済をどのように牽引していくか、当委員会は非常に重要な位置付けにある。その中でも、特に米中の安全保障問題、あるいは、経済安全保障も含めて、今、大変難しい時期に来ている。したがって、米国・中国では、感染再拡大の影響を受けて、最近、ここ1週間程度、回復の動きがやや鈍化している。第6波のオミクロン株についても、最近のメディアの報道は、当初とは大分変化していて、そういうものを予測しながら、長野県経済の再生復権、長野県の向上のために、今後とも一層、林部長を中心に、議会も協力しながら頑張っていきたい。
 具体的には、米国の7~9月の実質GDP成長率は、前期比年率プラス2.0%に鈍化している。特に、自動車などの耐久財を筆頭に、個人消費が大きく減速している。つまり、個人消費がGDPの60%であるから、大きな影響を受けているわけである。2020年の第2四半期に戦後最大の落ち込みを記録して以降、今回の成長率は、データ的には最も低いものとなり、大変心配されるところである。中国も、前年同期比ではプラス4.9%と急激に鈍化した。北京五輪を控えて、複合的な要素があるが、成長率はさらに鈍化するだろうというのがエコノミストの判断である。
 一方、日本国内の7~9月の実質GDP成長率は、前期比年率でマイナス3.0%と、2四半期ぶりのマイナス成長となっている。そういう事態で、特に、個人消費が大きく落ち込んだこと、また、よく言われているとおり、半導体不足による自動車生産量が減少したこと、それから民間設備投資が減少したこと、これらが多角的に絡んで、皆様方の経済戦略に大きな影響を与えている。飲食店における通常営業や、都道府県を跨いでの人々の往来が可能になり、サービス消費の増加が期待されることなどから、10~12月期のGDP成長率がプラスになると期待されている一方で、盛り上がりが期待されているリベンジ消費は、オミクロン株の感染拡大の警戒感や資源高、それから円安を背景とした物価上昇による消費者マインドの悪化により、勢いに力強さが欠ける恐れがあることが十分推測される。
 大まかに世界経済と国内経済、特に米中と日本との絡みを話したが、こうした中で、県では、ワクチン接種の進捗等を踏まえた経済活動の活性化取組方針により、感染状況に応じた需要喚起が、マクロ経済でも非常に重要な問題であるが、感染拡大防止と経済活動の活性化の両輪を視野に入れながら進めなければいけない。とりわけコロナ禍において、都道府県行政、あるいは、都道府県議会の重要性は、大変高くなってきているため、本県経済の足元の状況と、今後の見通しについて見解を伺う。

【林産業政策監兼産業労働部長】
 経済情勢は、本郷委員が話したとおりだと思っている。先日、パウエル議長がオミクロン株の出現が雇用と経済活動に下振れリスクをもたらす恐れがあり、労働市場の改善が遅れ、サプライチェーンの混乱を増幅する可能性があるという見通しを、米国でも出している。先ほど産業政策課長が説明したが、本県の産業の輸出の状況を見ても、主に米中が中心であるため、そうした影響をしっかり踏まえながら対策を講じていきたい。
 足元の経済情勢は、製造業では、自動車の減産や原材料の調達の遅れの影響も見られるが、比較的堅調に推移し、雇用情勢も求人等を見ると、投資は進んでいると見ている。一方で、飲食・宿泊業は、大変苦しい状況になっている。こうした中で、実態を聞くと、例えば、家族連れの少人数のお客は戻ってきたが、合宿や宴会の団体予約が入らない、土産物の在庫が売れ残って困っている、それから、燃料代と仕入れ価格が高騰して収益が悪化しているなどの話を聞いている。雇用面を見ても、女性の非正規労働者の割合が高い飲食業などで、休業やシフト減に伴う収入減が深刻だという声も聞いている。
 こうした中で、どうやって経済を回していくか、大変重要な時期に来ている。感染が拡大する時期の恐れもあるが、しっかりと経済活動を継続できる形にしていきたいということで、現在、ワクチン・検査パッケージの活用を検討しているが、事業者の皆様がしっかり理解しながら、一緒に活動できる仕組みを取っていくためには、寄り添った説明や支援が重要である。今後とも経済団体と連携しながら、スムーズな経済活動に移行できるようにサポートしていきたい。
 また、アフターコロナに対応すべく、ニューノーマルへの対応は、非常に重要であるため、プラス補助金等でしっかりとサポートさせていただく。人材育成の活用も含めて、将来世代への投資も大変重要である。この辺りも大事にしながら、産業振興に当たっていきたい。

【本郷委員】
 今の話が実現するようにお願いしたい。歴史的に見ても、昭和恐慌のときに、高橋是清は、大蔵大臣を5回拝任し、内閣総理大臣もやって、積極財政を徹底的に行い、先進国の中で、日本が一番早く脱出した。こういう100年に一度なり、あるいは歴史的な分水嶺のときには、財政金融で支える以外に手がなく、今、財政再建の話をしているときではない。そういう意味で、黒田総裁以下、全て一致しており、霞が関や政府与党ともよく連携をとって、長野県の発展のために全力で努力していただきたい。

感染状況が落ち着いた現在の営業活動について

【本郷委員】
 県産品の販路拡大に向け、この時期に営業活動を展開することが非常に重要であるが、その辺りの所見を金井局長に伺う。

【金井営業局長】
 現在、感染状況が非常に落ち着いているため、我々としても、今が営業活動のチャンスだと考えている。私も10月中旬から11月にかけて、東京、埼玉、名古屋、大阪に参り、フェア、あるいは長野物産展に参加したり、ウェブ商談会に参加したバイヤーの方に直接会って、面談等をしたところである。また、沖縄へ行って、長野フェア、あるいはリゾートホテルへの食材提供を実施したほか、実際に沖縄で十数店舗展開しているスーパーマーケットの経営者の方と、直接、面談して話をした。
 やはりオミクロン株は非常に心配であるため、現場へ直接行ったり、あるいは、相手方に直接会うという営業活動は、これから1、2か月が重要な時期だと考えている。幸い、1月から今まで準備してきた商談会や大規模見本市の出展を予定している。大都市圏での大物産展も、今月は池袋、1月には札幌・横浜・岡山の百貨店での開催を予定している。この大物産展では、長野県の特産品の出品・販売・展示だけではなく、県内のお土産品も一部持って行って売ったり、あるいは、長野県の観光パンフも一緒に持ってPRするということも併せてやっているため、これらの機会をしっかり活用して、この時期に長野県産品の販路拡大と事業者の支援をしっかりやっていきたい。

【本郷委員】
 政治行政は、社会工学的に、最も影響力を持っている。そういう観点から、行政の方々が営業活動をするということは、従来あまりなかったことであるため、大変だが、局長には一層の努力を願う。

長野県の雇用問題の見通しについて

【本郷委員】
 一般論として、製造業の一部では、上向きの状況が出てきて、むしろ労働力が足りないということであるが、片や航空業界、あるいは飲食・サービス業や宿泊業は、需要喚起のところに入っていなく、大変苦労している。雇用調整助成金も、去年は平均700万前後であったが、今年は控えているようである。無担保・無利子の金融情勢であっても、返す見通しが全くなく、今年も借りれば今度1,400万円という状況の中で、バランスの取れた経済戦略を持っていかなければいけない。
 雇用の問題も行政が発表するものがいけないという意味ではなくて、母子家庭、あるいは、非正規社員は、全産業を平均すると、40%が非正規であるから、顕在化しない問題が実は内在化している。私も子ども食堂を少しお手伝いしたり、里親制度についても、今、お手伝いしているが、日本の全世帯における格差問題が、前以上に顕在化してきて、大変な事態である。大学、特に私学に行く場合には、4年間で両親が1千万円くらい用意しないと、合格しても行けないという状況が起きて、極めて不健全な状況が続いている。
 そういう意味で、岸田総理は、日本型の新しい資本主義を構築するということで、都内において、プロジェクトチームを作ったので、これを何とか実現しなければいけない。非常に複合的で難しい問題が山積しているが、雇用に関する課題が、コロナ禍によって、極めて顕在化してきている。県としては、正確にデータとしては把握しているが、その状況について、先ほど私が部分的に触れた問題も含めて、今後どのように対処していくのか。つまり、より平準化した社会構造にしなければならない。これは、長野県だけの責任ではなく、政府与党の責任でもあり、また、国会議員、県議会議員全体の責任でもある。その辺りを含めて、これからの見通しについて伺う。

【西沢産業労働部次長】
 産業労働部としても、就業促進・働き方戦略会議の地域会議の場や関係団体・労働者の皆様との意見交換の場を通じて、新型コロナウイルス感染症が雇用に与えている影響等の把握に努めている。その中で、女性の非正規の方を中心とした大変厳しい状況や、雇用調整助成金については、現在、雇用調整助成金で何とか雇用を維持しているが、今後、この特例措置が終了した場合には、雇用の維持に不安を抱えているという声も聞いている。それから、専門の技術者を望む企業側と事務系の希望者が多い求職側のニーズとのミスマッチが生じているといった声も多く聞いている。やはり、労働力の余剰が生じている産業から人手不足産業への労働力の移動支援が必要であると改めて認識した。正規・非正規問わず、職業訓練と再就職支援等を組み合わせて、労働移動やステップアップを支援する取組を強化していく必要がある。

令和3年11月定例会 産業観光企業委員会(観光部関係)
Go To トラベル再開を見据えたプロモーション及び学習旅行について

【本郷委員】
 長野県の延べ宿泊者数が82万人で、マイナス23.7%という大変な事態である。特に、第6波のオミクロン株の状況が極めて流動的で、どのくらい全国的に拡散するか分からない現状の中、ワクチンを作るのにも数か月かかるという情報が出ている。そのような中で、観光部は、ある意味で最も注目されている。部長を中心に、我々議会も同じ気持ちになって、この難局を乗り切らなければいけないという認識を持っている。
 旅行マインドは、まだ十分に回復していない。特に、修学旅行などを多く受け入れる規模の大きな宿泊施設は、中止や延期が相次いだことで、非常に厳しい経営状況が続いていると認識している。冬のアクティビティ割引や近隣県割引などの説明があり、また、先般公表された国の経済対策には、新たなGo To トラベル事業が盛り込まれている。
 さらなる観光需要喚起を図るため、Go To トラベル再開も見据え、県が実施する各種割引事業について、今後どのようにプロモーション等を進めていくのか。また、県外からの学習旅行の実績と、県の支援状況について伺う。

【丸山観光誘客課長】
 国の発表では、Go To トラベルは、年末年始の感染状況を踏まえて再開するとされ、報道等によると、早ければ1月中の再開も想定される。県としては、まず、信州割の近隣県への拡大をしており、需要喚起を図ることで、切れ目ない支援を続けていきたい。また、冬のアクティビティ割については、信州割やGo To トラベルとの連動を想定した広報の実施なども予定している。そこに併せて、来春の大型催事を見据えた旅行商品の造成支援などもしている。こうしたものをまとめてプロモーションすることで、効果を発揮していきたい。
 また、県外からの学習旅行については、令和2年度学習旅行実態調査によると、来訪学校数は807校で、前年度が4,633校だったので、82.6%と大幅な減少をしている。県の支援状況については、昨年度の9月補正で、安全・安心な修学旅行等サポート事業を創設して、県内で行われる修学旅行等が安全・安心に行われるよう、バスの借上げや部屋数の増加について支援し、228校、県外は27校を支援している。今後も、こうしたものを活用しながら、引き続き支援するとともに、県観光機構が運営している総合サイト「長野県学習旅行ナビ」などを使って、情報発信していきたい。

【本郷委員】
 水際の問題についても、状況が非常に大きく変化している。そういう意味では、中長期的よりも短期的に、県行政として、財政金融や企画等について、今後も適切な対応をお願いする。

来春の大型催事に向けた各部局との連携について

【本郷委員】
 知事も度々話していたが、善光寺の御開帳、諏訪の御柱、飯田のお練り祭りなど、知っている範囲だけでも、これだけ大型の催事がある。こうした催事に訪れる多くの旅行者に、広域周遊や長期滞在を促し、その効果を県内全体に波及することが、現時点では、非常に大事な立脚点ではないかと思う。そのために、開催市の自治体と連携して、感染状況を見極めながらという難しい問題があるが、観光プロモーションを展開する一方、多くの観光客が訪れる開催地に適切に感染防止対策を講じることが重要と認識している。
 観光振興と感染防止対策の両立を図るため、庁内関係部局が横断的に連携して、開催地の地元自治体との連携を図っていくべきと考えるが、所見を伺う。

【宮島観光部次長】
 来春の御柱や御開帳といった大型催事は、経済活性化という観点で見ると、大変重要な行事であると認識している。コロナ以降、このような大型行事が行われてきたことは、全国的にない状況である。今回、長野県が初めて対応を図るという、前例がないことをやらなければいけないので、我々も非常に重要だと思っている。そのためには、委員の指摘のように、関係部局や地元市町村との連携体制の構築が大事だと考えている。この9月に危機管理部と一緒に、特に大型である御柱と御開帳が開かれる諏訪市と長野市を訪問して、連携について確認した。また、各主催者においては、主体的に危機管理部とも連携を取りながら、感染対策を取って、安全・安心な開催に向けて努力していただく。
 御柱の関係で、一部の新聞等に誘客をしないかのような報道があったが、全体とすれば、密になるところでは、氏子と観光客をしっかり分けて、安全に開催できるという本質に向けて、現段階で考えたことを発表したまでである。昨日も、善光寺の御開帳の報道もされたが、同様に場合によって主体的に考えていく形になっている。
 私どもも、引き続き、関係部局、市町村、主催者、地域振興局等との連携を密にして、安全・安心な開催ができるように、そして、地域の活性化につながるように努めていきたい。また、臨機応変な対応ができるように努めていくので、協力願いたい。

【本郷委員】
 垂直的よりも水平的な連携を取って、絶対成功させるという意気込みで、県行政が指導的役割を果たさなければいけない状況にあるので、一層の努力と成功を期待している。

来年度の観光施策の方向性について

【本郷委員】
 昨年の2月からコロナ禍が始まって、パンデミックになったが、当時は、全治3年かかるだろうという有識者が多かった。したがって、来年の1月で、2年が終わるが、第6波がどういう方向性になるか、国レベルでもまだはっきりつかめず、ワクチンを作るにしても、大体数か月はかかるという状況である。まだ流動性が非常に高い状況であるが、来年は、長野県観光にとって、大変重要な年になるという認識を持たなければいけない。そういう観点から、財政面で、来年度の当初予算編成が本格化する時期を迎えて、ウィズコロナ・アフターコロナの両方をにらんだ政策を構築することが非常に重要であるが、来年度の観光施策の大きな方向性について、財政的予算の裏付け等を含めて、観光部長に見解を伺う。

【渡辺観光部長】
 今、次長や課長から、それぞれウィズ・アフター等の取組を申し上げたが、私からは3点ほど申し上げる。
 1点目は、心構え的なものになるが、我々は、今、需要喚起策を盛んにやっている。ただ、これを一過性のものにしたくない。次のアフターにつながるように、商品造成であっても、切れ目のない施策にしたいという思いである。
 2点目は、長期滞在やリピーターの関係が方針としてある中で、ぜひこうしたものを生かすような取組、例えば、デジタルトランスフォーメーションを使って、しっかりニーズを把握して、リピーターにつなげていったり、今、コロナ禍でも人気のあるアウトドアを生かした素材を作っていく。
 3点目は、切り口が変わるが、委員の話のとおり、今、コロナ禍の2年の中で、事業者の方が非常に苦しんでいる。厳しい状況にある中で、事業者支援的なものを今後どう展開していくのか、経営支援をやっていくのかといったところも含めて、産業労働部等と連携して、支援していきたい。
 あと1点、予算等の関係については、国の補正等も最大限活用して、取組を進めていきたい。

令和3年11月定例会 産業観光企業委員会(企業局関係)
企業局電気の価値と将来性について

【本郷委員】
 電力・水道は、現代社会の柱であるので、ライフラインの堅持のために、企業局は、小林公営企業管理者の下、極めてアクティブに活躍していることに深く敬意を表する。
 2050年のゼロカーボンと長野県脱炭素社会づくり条例の具現化を進めるために、先月、有識者会議を開催したとの説明があった。人類の文明の進化とともに、こうした問題が起きているということで、脱炭素化における企業局への期待も大変大きい。脱炭素化の流れや電力システム改革の進展の中で、現在、企業局の電力はどのような価値があり、将来に向けて、どのような方向性を持っているのか、竹花経営推進課長に伺う。

【竹花経営推進課長】
 有識者会議において、水力発電は、純国産のエネルギーであることに加えて、太陽光や風力など他の再エネと比較しても、気象条件の影響を受けにくく、夜間も発電できることから、安定性の面で、ベースとしての電源に位置付けられていること、また、ダム式の発電所は、電力の需要に応じて、一定程度出力の調整が可能であることから、柔軟性の面でも優位に立つなど、2050ゼロカーボンに向けて、省エネの普及拡大が要請される社会情勢の中で、水力発電は大きな価値を有しているとの意見をいただいている。
 現在、企業局の電力は、入札で決めた卸売先の小売事業者と連携して、再エネを商品としてブランド化することができるようになった。このように、今後は小売事業との連携、例えば、地域の太陽光など他の再エネと連携して、RE100を目指す県内の企業、また、自治体等への安定供給に活用していくことなどにより、企業局電力の将来性はより高まっていくと考えている。企業局の経営戦略で掲げた地域貢献、地域との連携という視点も踏まえて、今後も有識者の知見をいただきながら、検討を進めていきたい。

【本郷委員】
 国連で、17項目にわたり、SDGsを取り決めた。また、COP26の中においても、プラス1.5度以内に収めるという方向性で、世界の先進国を中心として、全く新しい次元での価値観が醸成されつつあるので、ぜひよろしくお願いいたい。

施設や水道管の老朽化対策や耐震化について

【本郷委員】
 10月上旬に、和歌山市内で水管橋の事故により、断水が発生して、住民生活に大きな影響が出た。水道管をはじめ、浄水場などの施設の老朽化は、水道事業共通の問題となっている。
 現在、企業局では、お客様への安全・安心な水道水を安定的に供給するために、施設や水道管の老朽化対策や耐震化に取り組んでおり、松本市では、各地区で、地震にも耐えられる水道管に取り替えるために、交通規制が何か所かで行われている。施設や水道管の老朽化対策や耐震化に取り組んでいるところではあるが、改めて、現状について伺う。

【塩沢水道事業課長】
 施設の老朽化対策や耐震化は、水道事業全体の大きな課題であるが、県営水道としても、現在、そうした対策に取り組んでいる。
 老朽化対策については、更新の基準を独自に定め、それに基づいて行っているが、常に状態の監視・把握に努めながら、順次行っている。
 耐震化については、例えば、末端給水の浄水場は、令和元年度に完了している。その他の基幹的な施設や管路についても、先般の改定後の経営戦略で、完了の目標を前倒しして、積極的に取り組んでいる。例えば、末端給水の基幹管路は、6年度完了目標のところ、昨年度、令和2年度末までに95%終えるなど、現在まで、全体的に順調に推移・進捗している。今後とも、目標達成に向けて、しっかり進めていきたい。

【本郷委員】
 県行政は、77市町村の基礎自治体に対する大局的な観点での戦略・戦術を指導している。最近、地震が非常に頻発している。地球の歴史はだいたい46億年前後であり、日本列島は、四つのプレートがぶつかってできた。そういう意味からも、いろいろな対応を常にお願いしたい。

今後の水道事業広域化の検討及び他の地域への横断的展開について

【本郷委員】
 長野市、上田市、千曲市、坂城町とともに、企業局が進めている水道事業の広域化等の検討について、理解を深めることを目的として、11月17日に上田長野地域水道事業広域化シンポジウムが開催された。今回のシンポジウムの開催を踏まえて、今後どのように検討を進めていくのか、これからが大事なところである。また、他の地域への横断的な展開も必要だと思うが、この辺りについて、関スマート化推進センター所長に伺う。

【関スマート化推進センター所長】
 このシンポジウムについては、関係市・町の議会議員の皆様をはじめ、延べ283名の方が参加したが、当日、会場で行われたアンケートの結果でも、概ね、広域化の必要性について理解が深まった、住民の理解促進に向けたより一層の取組が必要という趣旨の意見が多かったと認識している。
 今後、検討を進めるに当たり、一層の住民理解の促進と機運の醸成のための取組が必要不可欠であると考え、説明会やお客様への広報チラシの配布、意見交換の場の設定などにより、住民や議会の皆様等への丁寧な広報と広聴に努めるとともに、いただいた意見は検討に生かしながら進めていく。こうした広域化の検討を進めるために、局全体で体制を整え、庁内や関係市・町との連携を図るため、11月26日に企業局内に水道事業広域化推進本部を設置したので、今年度中に広域化の方向性の報告案がまとめられるよう取り組んでいきたい。
 また、他の地域への横展開という点については、今回の検討の契機となった、厚生労働省による全国のモデルケースとしての検討業務が、企業局も用水供給を担っている松本地域においても、今年度からスタートした。関係市町村とともに、企業局も協力することで、検討が進むように取り組んでいく。
 これらの広域化の取組に対しては、県内の市町村長の皆様からの関心も高まってきたものと考えているため、環境部や企画振興部と連携して、県内全ての市町村等が参加して設置した長野県水道事業広域連携推進協議会において、県内共通の課題である水道情報の共有や専門人材の確保・育成に対して、全県的に取り組むことによる横展開とともに、車の車輪として、県内水道事業の経営基盤の強化に向けて、県企業局として支援に努めていく。

【本郷委員】
 水は、現代社会における基本中の基本である。今、前向きな話があったので、生活の安定、命と暮らしを守る長野県行政として、一層御精励いただきたい。

脱炭素社会への実現及び持続可能な水道経営の確立に向けた方向性について

【本郷委員】
 今年度、経営の安定と未来への投資を基本方針として定めた新たな経営戦略の下、電気事業・水道事業ともに、未来を見据え、様々な取組を進めている公営企業管理者に対して、改めて、脱炭素社会への実現に向けて、また、持続可能な水道経営の確立に向けて、企業局の進むべき方向性について、戦略的な観点から伺う。

【小林公営企業管理者】
 脱炭素、ゼロカーボンは30年後の2050年で、今回、上田長野地域での広域化の水道施設の統廃合は、50年後の2070年ということで、長期的な展望に立って、やっていく必要があるが、まず第一歩を、着実にスピード感を持って取り組んでいくことが非常に大事である。平成28年度時点で、企業局の発電所は14であった。今、新しい発電所を含めて、23となって、これを令和7年度に、事業着手ベースで36まで持っていきたい。平成29年から2か所増やしたが、早めに事業に着手していったことで、今回、事業を加速化できていることにつながっている。
 また、平成30年12月の水道法の改正を受けて、令和2年10月に第一回の長野県水道事業広域連携推進協議会を開催して、厚生労働省が参加した。そこから全国のモデルとして、調査が入って、今の上田長野の取組になっており、全国的にいち早く研究に着手できていたことが、良いスタートになった。
 企業局は、元々新進の精神で、一般会計でも企業でもできないことをやるところがあるので、今後とも、そうしたものを常に胸に、念頭に置きながら、積極的に取り組んでいきたい。


令和3年9月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
感染拡大防止及び経済成長の両立について

【本郷委員】
 コロナの問題は、昨年の2月くらいの時点では、3年から4年かかるだろうと言われていて、今日の日経新聞の一面トップに2023年くらいに最終的に終局するだろうと書いてあった。中長期的な視点からそれぞれのセクターで説明があったが、それが地に足がつくようにしてほしい。
 また、NHKの全国版の番組の中で、クイーンルージュについて数分間放送していて、担当の責任者が三、四回、回答していた。クイーンルージュは、一房6800円ということで、今、需給バランスが狂い、東京や関西の富裕層に行き、長野県には物がないようである。これは営業局が大変苦労して、マーケットに出ているが、産業労働部という広い視野から見たときに、経済の見通しは、簡単に言えば持ち直しという結論が出ている。しかしながら、横ばいで、足踏み状態という表現の経営者の方もたくさんいるため、しっかり地に足がついた形で進めていくことが大事である。
 いずれにしても、今回は、戦後初めての緊急事態で、100年に一度の事態であるので、財政と金融によって、最悪の状況を避けて、コロナ対策と経済再生を両輪として持っていきながら、落ち着かせることが結論であるので、一層御精励願いたい。
 今は、グローバル経済であるため、アメリカの場合、バイデン大統領が数十兆円の経済対策を打ち出していて、4月~6月の実質GDP成長率は、前期比年率でプラス6・5%になっている。その効果も出て、個人消費が高い伸びとなっているほか、設備投資も好調に推移していると認識している。一方、中国も新規感染者の抑制により、経済活動の再開が本格化して、公共投資や公共企業による設備投資の積み増しなど、総合的にいい方向へ行き、4月~6月の実質GDPは、前年同期比プラス7・9と、5期連続のプラスである。部品が足りないということは、それだけ経済が動いている証左だと先ほど林部長から指摘を受けたが、日本を見ると、前期比プラス1・3%、二四半期ぶりのプラス成長となっている。これは、マクロ経済から見ると、G7の中で日本が一番低く、GDPでは世界第3位であるが、個人に還元すると、現在23位である。かつては、世界で第2位であった。今回のコロナ禍を契機として、日本の経済戦略にもう一度パラダイムシフトが起きているため、これは県行政の責任ということではなく、日本人全体が国家の安全保障という観点からも、国民生活が豊かになっていない、デフレ傾向である。10年以上にわたって給料が上がっていないのは、世界で日本だけである。先ほどそれぞれの責任者から説明があったが、ぜひ軌道に乗せてもらいたい。個人消費も伸びているが、1・8%と僅かであり、今日の日本の状況を複合的に、繊細に分析していくことが大事である。内閣府は、2021年度の実質GDP成長率は前年比3・7%としているが、これもG7の中においては最後のほうになる。いずれにしても、年度後半に回復ペースが早まると見込まれているため、持ち直しの理念を裏付けるためにも、感染防止と経済成長の両方をにらみながら、しっかりとした対策をさらに立てることが非常に大事であるが、林部長に現時点での考えを伺う。

【林産業政策監兼産業労働部長】
 現在、世界経済は、世界のGDPの24%が米国であり、中国が16%も持っていて、日本はというと中国の3分の1程度にだんだん縮まっているため、米国・中国がたとえ1%でも動くと、大きな影響を受けると感じている。私は経済の専門家ではないが、ここ25年間ほど、幾たびか産業労働部に来て、特に製造業の皆様方の話を聞く機会が多かったが、25年前頃、1ドル80円工場とまで言われたところで、そこから海外展開がかなり進み、輸出も増えてきている。現在の県内企業の輸出の状況は、約40%が米国・中国に依存しているため、仮に両国の摩擦係数が多少高まってきたとしても、エンジンは回り続けて、その下にASEANや日本は、組み込まれていかざるを得ないと認識しているので、両国の動きをしっかりつかみながら、県内企業のサポートをしていく。そうした中で、経済活動の両立であるが、現在、製造業が比較的堅調なため、そこで得た収益をいかに地域内の経済循環に回していくかが重要である。そのためには、経済活動と感染拡大の防止に向けた、特にワクチン接種が進んできたときに、行政も併せてどれだけ経済活動を後押しできるかが非常に重要となっているので、現在、国でもワクチン・検査パッケージを活用した規制緩和を検討している。そうした中で、私どもも経済団体と連携して、県内でどのような経済的な後押しができるかを、官民挙げて取り組んでいきたい。そのうえで、今後の未来予想図も描きながら、事業再構築、デジタル、グリーン分野へのチャレンジ、あるいはリカレント教育の充実や雇用の移動という視点も入れていかなければならないので、そこに向けた支援も重ねて取り組んでいきたい。感染拡大の防止と経済成長の両立を実現して、活力ある長野県が創造できるように取り組んでいきたい。

【本郷委員】
 長野県の企業の中で、売上げが1兆円を超えているのはエプソンだけで、昔、私が経営者協会の役員の方とコミュニケーションしたとき、昭和30年、40年の頃は、第二次世界大戦によって、長野県に疎開した企業が随分あったが、港に近いほうが、輸出の関係で有利なわけであるから、今は随分静かになった。そういう意味からも航空機産業をはじめ、多角的にいろいろな視点を持っていることは十分承知している。いずれにしても、今回のコロナ禍を通して、都道府県の知事会の発言力は、官邸を動かすほどの力を持ってきた。霞が関の各省は、縦割りで垂直的な発想はいいが、水平的に横にならない。都道府県のデータを足し算して、霞が関に行き、それが官邸に入っていくことからも、都道府県の役目は非常に大きく、市町村においては、財政規模も小さいものが多くて、集約しているのが都道府県であるので、一層御精励願いたい。

消費活動の回復を見据えた営業戦略について

【本郷委員】
 垣内委員が議連の会長をしているが、議連で沖縄の話を進めているので、産業労働部としても協力をお願いしたい。また、信州まつもと空港の国際化で、私が議連の幹事長をやっているが、今、2000メートルしかなく、もう500メートルをどうするか熟議しなければいけない段階にきている。神戸と、それから、国際化は単純に飛んで行けるわけではないので、いろいろ協力をお願いしたい。
 コロナの問題では、全県のレベル4を解除して、圏域ごとの状況に応じたレベルに設定して、緊急事態宣言も9月末で解除されて、内閣府によるワクチン接種の進展によって、サービス消費が回復し、年度後半に回復ペースが早まると見込まれている。そういう意味で、先ほどから見直しと出ているわけであるが、これらの状況を見据えた営業戦略について、金井局長に伺う。

【金井営業局長】
 今月に入り、全国的に見ても、感染症は意識しながらも、段階的に経済活動を活性化するというフェーズに移行したと認識している。引き続き感染対策は行いながらも、営業局としては、例えば対面式の商談会、あるいは実際の売込み先に行って、フェアを行ったり、イベントの参加を行ったり、今月末には、沖縄の交流を行いたいと思っているが、実際にリアルで赴いてする活動を徐々に増やしていきたい。一方で、コロナ禍を契機に大きく進んだネット通販などの電子商取引にも事業者の皆様が対応できるようにしっかり支援していきたい。
 また、銀座NAGANOは7周年を迎え、今回、拠点のスペースも拡張する。全国的な情報誌の活用や、銀座NAGANOで使えるプレミアム商品券も発行して、情報発信の中心は東京であるため、しっかり東京での発信力強化を行っていきたい。
 あわせて、先行きが全く見通せないが、インバウンドも今から準備していかなければならない。外国人の来日を見据えて、今、海外のメディアへ働きかけを行ったり、海外向けのサイトを構築したり、動画の配信も今、検討している。これらを今からしっかり発信することにより、外国人の皆様に長野県に来ていただく、旅先の一つに加えてもらうことや、来たときには、動画で配信されていたので、ぜひお土産として買いたいと考えてもらえるよう、長野県のブランドイメージもしっかり今から上げていきたい。

【本郷委員】
 銀座NAGANO、沖縄、関西国際空港等々、グローバルな視点も並行的にやっていくことが、長野県のステータスを上げることにおいて、非常に重要なカードであるので、戦略を練っていただきたい。

長野県の産業人材育成戦略について

【本郷委員】
 長野県産業人材育成プラン2・0で、県内の7月の有効求人倍率は1・44倍と、11ヶ月連続して増加している。情勢は着実に見直しのほうに行っているが、今回、1919年のスペイン風邪の後、100年ぶりの産業革命が起きたわけで、私どもは歴史的な自覚を持たなければいけない。社会構造の変化に対応した産業人材育成によって、労働生産性を向上させる流れがある。産業構造のサービス経済化、あるいはソサイエティ5・0の実現に向けた構造改革等が進展していて、とりわけ新型コロナウイルス感染症の影響により、社会全体のデジタルトランスフォーメーションの加速化が進んでいる。これはまさに、第2の産業革命と同じである。社会経済の本質的な変容が起きていて、いろいろなメディアで論文を読むと、もっと本質的なことについて、理解していなければならないと書いてあった。それに伴う働き方改革に対応するリカレント教育等の職業能力開発施策が求められているが、本県の人材育成戦略をどのように行っていくのか、西沢次長に伺う。

【西沢産業労働部次長】
 今般、長野県産業人材育成プラン2・0を策定した。そこに記載した取組は、どれも重要であるが、委員が指摘したリカレント教育、学び直しについては、今後の産業人材育成を考えるときに重要なポイントになる。今までのような企業内のOJT中心の人材育成から、従業員の自律的なキャリア形成の重要性が高まっていると認識している。そうした中で、社会人の主体的なキャリア形成のためのリカレント教育の環境の充実が必要であり、具体的には、社会人が働きながら学びやすい夜間・休日、あるいはオンライン等を活用した様々な分野の講座の拡充や、技術専門校等での企業ニーズに沿ったスキルアップ講座の充実など、学ぶ場の拡充を図っていきたい。その際には、当然、デジタル・IT関連のスキル習得に配慮していきたい。また、県内の有効求人倍率は、比較的堅調に推移しているが、求職者は、事務職を希望する方が多く、製造業、IT関連、介護などの分野では、人手不足状況である。専門的なスキルや知識を持っていないという理由で、これらの分野に踏み出せない方も多いと推測している。これらの方々に、スキルや知識を学ぶ場を提供することにより、成長分野や人手不足分野への円滑な労働移動を促していきたい。こうした取組を進めていくためには、県だけではなく、産業界、教育訓練機関など、関係する皆様との連携が必要と考えているので、連携に意を用いながら、県の産業人材育成を強化していきたい。

令和3年9月定例会 産業観光企業委員会(企業局関係)
再生可能エネルギー供給拡大に向けた今後の事業展開について

【本郷委員】
 企業局としては、新規発電所の建設や基幹発電所の大規模改修に加え、菅平ダムの小水力発電施設建設工事の受託などの新たな取組も積極的に進めている。この4月には、建設部が所管していたダム管理用発電所3か所を移管したが、これらを含めて、新規電源開発などに取り組んできたことによる経験や技術を生かして、再生可能エネルギーの供給拡大を図るために、全県に向けて、今後とも事業をどのように展開していくのか、電気事業課長に伺う。

【小林電気事業課長】
 企業局では、経営戦略において、再生可能エネルギーの供給拡大とエネルギーの自律分散型で災害に強い地域づくりを基本方針としていて、現在23か所ある水力発電所を、令和7年度には工事着工ベースで36か所にすることとしているほか、地域において、新規電源開発等を計画する市町村、土地改良区等からの委託により、発電所設計段階から建設の施工管理・保守管理まで、ニーズに合わせ技術等の支援を行うこととしている。これまでにも、木島平村の馬曲温泉の小水力発電設備の建設などに技術的なアドバイスなど支援してきたが、発電施設の建設工事の受託は、菅平小水力発電施設が第一号である。菅平小水力発電所については、運転管理に関する業務を受託する予定で、菅平発電所と併せて運転することによって、より効率的な発電を実現し、再生可能エネルギーの供給を最大化していきたい。県内には新規電源開発が可能な地点が多くあるとされていることから、自ら発電所の開発をするばかりでなく、市町村や団体等の取組についても、積極的に支援していき、さらなる再生可能エネルギーの拡大に取り組むとともに、こうした取組に、県内の事業者の皆様が積極的に参加し、調査設計、工事施工などの経験を積み重ね、県内の新規電源開発をより円滑に進める技術を身に着けてもらって、ひいては、自らが発電事業者となって、県内の新規電源開発が盛んに行われ、再生可能エネルギーがさらに拡大していくことを期待している。

上田長野地域水道事業広域化研究会における今後の検討について

【本郷委員】
 水道事業の広域化について、企業局の末端給水区域関係市町とは、7月に上田長野地域水道事業広域化研究会が設立され、8月には第2回研究会で論点整理されるとともに、9月には関係する市長・町長が相互に水道施設を視察したうえで意見交換を行うなど、精力的な取組が進められている。現在、この研究会の場でどのような議論がされ、今後、どのような検討を進めていくのか、スマート化推進センター所長に伺う。

【関スマート化推進センター所長】
 研究会の今後の検討については、資料で説明したスケジュールにより進めていく予定である。当面、広域化の方向性の案について、10月中をめどに中間とりまとめを行い、住民や議会等への説明を経て、今年度中には、広域化の方向性に関する報告案を取りまとめる予定としている。水道は、大切なライフラインであるので、検討内容について広く周知を図りつつ、住民等の皆様の考えを伺いながら、十分検討を重ねていくことが重要である。現時点では、8月27日の第2回研究会において、他の形態と比べて、実現の可能性が高い事業統合を中心に据えて議論を進めるのがよいのではないかとの意見が出されている。
 しかしながら、この地域は、千曲川の上下流といった地理的条件、あるいは良質な水源を求める声の多寡など、市、町によって、広域化によるメリットへの住民等の意識や利害に、格差、あるいは温度差が生じることが想定されるので、より丁寧に議論を進めることが必要である。そのために、研究会における検討内容は、広域化の方向性の案について、中間とりまとめを行った段階以降、勉強会や講演会など、様々な機会を利用して、積極的に住民の皆様や議会の皆様等に、広報、周知していく。また、意見聴取についても、タイミングや方法等を含め、各市・町等と相談しながら、実施時期や方法を検討していきたい。

県全体の水道事業の広域化、広域連携の推進について

【本郷委員】
 県としては、企業局とともに環境部や企画振興部などの関係部局が連携し、これまで企業局の末端給水区域における関係市町村との広域化への取組が先行しているところであり、今後はこうした取組を企業局の用水供給区域をはじめ、全県に波及させていく必要があると考える。県全体の水道事業の広域化、広域連携の推進に向けては、この研究会が関係市長・町長の要請により設置されたように、市町村長のリーダーシップが不可欠と考えるが、こうした取組をどのように波及させていくのか、管理者の所見を伺う。

【小林公営企業管理者】
 これまで、市長会、あるいは町村会の場で、全県の市長や町村長に、広域化、広域連携について話をするとともに、末端の給水区域の関係市・町のそれぞれの首長とも個別に話をして進めてきた。今年度から、厚生労働省の調査で、用水供給の松本、塩尻、山形を中心とした松本広域の調査も実施してもらえる話もある。末端については、先日、上田広域に行って話をしたが、これからは、松本広域にも出向き、首長とも直接話をする中で、今後の人口減少、あるいは施設の老朽化と、様々な課題があるので、広域化の重要性について話をしながら展開を図っていきたい。

令和3年9月定例会 産業観光企業委員会(観光部関係)
ワクチン接種者を対象とした県内外の取組状況及び本県の観光振興について

【本郷委員】
 年間の観光消費額が約8000億円前後、インバウンドで来る方が2000万人前後で、長野県の経済において、観光は非常に重要な位置にある。日本の中でも長野県観光は、強いブランド力を持っていて、今回のコロナ禍の問題がなければ、5か年計画、あるいはその他の中長期計画も堅調に推移する予定であった。今、ようやくコロナ禍がやや落ち着いた様子になってきて、抗体も大分普遍化してきて、昨日、長野県の感染者数は数名で、これが第6次のリバウンドにならないよう祈っている。いずれにしても、最悪の時期に、財政・金融面からあらゆる知恵を振り絞って、各施策を出してもらって敬意を表する。
 ワクチン接種の進捗を踏まえた経済活動の活性化、経済の再生復権について、知事もメディアを通して発表している。感染対策の柱であるワクチン接種が進み、県内では高齢者が90%、全体で60%を超えてきている。ワクチン接種が進む中、必要な感染対策を講じながら、可能な限り制約のない日常生活を徐々に取り戻していくため、今後も感染拡大防止と経済の活性化をどう両立させていくかという大きな課題を認識しているし、実現しなければならない。そういう中において、ワクチン接種者等を対象とした優遇策など、県内外の取組状況はどのような状況か、また、本県でも観光振興の面から取り組んでいくべきと考えるが、渡辺部長の大局的な観点からの所見を伺う。

【渡辺観光部長】
 現在、県内のホテル、旅館、それから飲食店等では、ワクチン接種者等を対象とした割引プランを用意して、一つの商品として誘客を促進している。また、県外についても同様で、行政の面からいくと、ワクチン接種を推進する観点からプレゼント抽選を行ったり、いわゆるパスポート事業という形で協賛店舗を募り、ワクチン接種した方には、割引が受けられるということを行政がまとめて、実施しているところもある。こうしたことも踏まえて、観光振興の観点で、現在、県では商工関係の方、旅館関係の方にも入ってもらって、ワクチン接種等を踏まえた経済活動活性化検討会を設置して、振興策を検討している。ワクチン接種が事業者、利用者双方にとって、安全・安心につながるという点、それから、感染状況等が多少拡大してきているときでも、一定の経済活動が維持できる点で、大きなメリットがある。
 一方、事業者の方にとっては、接種証の確認であったり、PCR検査の確認が一つの負担にもなる。こうしたところを加味して、今月、出される検討会の結論だったり、国でもワクチン・検査パッケージが今、示されて検討されている。こうしたものを踏まえて、ワクチン接種等が効果的なツールとなって、観光振興につながるように、前向きに取組を進めていきたい。

山小屋に対する現在の支援及び今後の対応について

【本郷委員】
 北アルプス等は、全国でもトップクラスの観光場所である。スイスに行くと、3000メートルクラスのところを登山電車で入って、ユングフラウヨッホへ行くと、最終のところから、世界一の氷河が見られる状況である。そういう意味で、長野県は、トップブランドを持っているわけであるが、山小屋については、今、説明があったとおり、非常に難しい問題を抱えている。コロナ禍で迎えた2度目の夏、登山者は昨年に比べて大きく増加したと伺っている。山岳観光を支える山小屋は、水も乏しく、スペースも限られるなど、感染対策の徹底が難しい環境にあるが、宿泊定員を減らすなど、可能な限りの感染対策を講じながら営業していると聞いているし、私の選挙区にも、上高地があるので、いろいろな情報が入ってきている。また、物資の輸送に必要なヘリコプターは、メディアでも扱われたが、輸送経費の高騰が、非常に厳しい経営環境を強く圧迫していると推察される。山岳観光は、本県の重要な観光コンテンツであり、登山道の維持・補修や遭難対応など、多くの公益的機能を担っている山小屋に対する現在の支援と今後の対応について伺う。

【田中山岳高原観光課長】
 クラウドファンディングによる1900万円余の寄付金と、山小屋への応援金で一律30万円の支援をしている。さらには、山小屋も対象となっている信州の宿魅力向上事業により、感染対策やアフターコロナの施設整備も対象とした補助支援を通じて、喫緊の課題への対応を進めているのが現状である。
 今後については、アフターコロナと、おそらくウィズコロナの両面があると思っている。そういう中で、今後大事なことは、持続可能な山小屋、ひいては、持続可能な山岳環境の維持が非常に重要なキーワードになってきている。今、観光部だけの施策を述べたが、他部局との連携も非常に大事であり、既に環境部自然保護課では、登山道の維持・修繕といった山小屋が担うものに対して、今年度から労務費の一部も支援の対象としたり、産業労働部では、ドローンの技術開発で、2023年の実用化を目指して、山小屋への荷揚げの実証実験も始めている。部局連携も進め、さらには国において、今、北アルプスで実証実験が始まっているが、登山者の皆様から、協力金という形で一口500円をもらって、利用者も一体となった形での登山道整備を模索し始めているので、部内の連携、あるいは国との連携で、今後も対応していきたい。
 登山シーズンは終わりつつあるが、ワクチン・検査パッケージの国の動きもある。今、山小屋の皆様は、定員が半分以下で運営をしているので、ワクチン・検査パッケージと合わせた形の山岳の在り方も、山小屋の皆様と一緒に検証していく必要があるため、さらに取り組むべき方向性を詰めていきたい。

【本郷委員】
 山小屋については、他県にもあるが、長野県にとっては、日本を代表する財産であるので、この100年に一度の危機に対して、継続できるように、財政・金融面で引き続き対応してほしい。一旦廃業になれば、どの商売でも同じだが、特に山小屋の場合においては、復活は非常に厳しく、自己負担的な要素が登山道の整備を含めて、メディアでも度々指摘されている。ぜひ部局横断的な観点から、山小屋観光の維持のために一層御精励をいただきたい。


北京冬季五輪を契機とした中国ウインターマーケットに対する誘客策について

【本郷委員】
 東京オリンピック・パラリンピックは、いろいろな意見があったが、無事に閉幕した。世論調査では、約70%前後の方が、大会開催について評価していて、無観客等、完全な形での開催ではなかったものの、改めてスポーツの持つ力の大きさや、世界の注目度の高さを実感した。来年2月には、北京冬季五輪が開催される予定だが、中国は、国家プロジェクトとして、将来的なウインタースポーツ人口を3億人にするという目標を掲げるなど、国内ではウインタースポーツブームに沸いていると聞いている。日本国内のスキー人口が減少傾向にある中で、今後、本県にとっても、中国は巨大なマーケットになると思われる。事実、世界のGDPは、アメリカと中国で約40%というデータも出ていて、政治と経済の難しい問題はあるが、その点のマーケットを意識せざるを得ない。したがって、北京冬季五輪を契機に、中国のウインタースポーツマーケットに対して、積極的な観光誘客を進めていく必要があると現実的に考えなければいけない。非常に難しい問題を抱えて、今、連日メディアでもいろいろな角度から、いろいろな分野について話が出ているが、その辺りについての観光部としての考えを伺う。

【松本国際化推進室長】
 近年、中国では、非常にウインタースポーツのブームに沸いていると聞いている。これは、オリンピックが開催されること、2025年までにウインタースポーツ人口を3億人に拡大するという政府の大きな目標があることからと理解している。コロナウイルス感染拡大前の2019年、中国からは、21万6千人の方が来県し、台湾に次いで2番目に多く、このうちの50%が、12月から3月のウインターシーズンに来ている。これは、中国の旧正月である春節の時期にあたること、また、中国国内には上質なパウダースノーがなくて、人口降雪機の利用が高く、室内の施設が多いと聞いていて、長野県の優位性は高いと考えている。また、アフターコロナを見据えて、本県の観光業の復活に当たっては、ウインターシーズンの復活が必要不可欠であり、減少傾向が続く国内スキー人口を補っていく意味では、中国マーケットは非常に重要と考えていて、事業者の皆様と意見交換する中でも、皆様も同じような認識している。そうした中で、通常のプロモーションに替えて、ウインターシーズンを意識した中国向けの取組ということで、中国語によるスキーのインストラクター養成や人気のプロスキーヤーによるファンイベントの開催、特に今シーズンは、中国のスキー愛好者向けの県内のスキーリゾートの魅力を伝えるオンラインセミナーなどを予定している。また、中国はソーシャルメディアの規制があるので、別の形で情報発信していかなければいけないという問題もいろいろ加味しながら情報発信の強化に取り組んでいきたい。いずれにしても、今、現地に配置しているコーディネーターや海外駐在員の方と連携を取りながら、効果的なプロモーションをしっかりやっていきたい。


令和3年6月定例会(早期議決分) 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
新型コロナ中小企業者等特別応援金事業について

【本郷委員】
 輸出は、一部上場企業を中心に、先月は、6兆3000億円と大変な勢いがあるが、地方経済の疲弊度は、非常に深刻な事態である。私も定点観測的に回っていて、そういう中において、県当局は、リアリティを持って対応し、産業労働部でも、予算が2000億円ぐらいになるという事態であることは、私どもも十分認識しているが、2点伺う。
 1点は、新型コロナ中小企業者等特別応援金事業についてである。新型コロナ感染症の影響が長期化する中、去年の2月から、全治3年と言われていて、3年とは、困難を退治するのに3年ということであるため、V字型回復に入るにはもう少し時間がかかるだろうと、現時点では思っているが、大変大きな影響を受けている中小企業者等の中には、休業というよりも、事業の継続すら難しい環境に置かれている皆様がたくさんいる。
 したがって、新型コロナ中小企業者等特別応援金事業により、応援金を支給することは、大変評価でき、適切だと思うが、総合的に見て、私どもが現場を歩いてみると、この支給額は充分といえないのではないかという印象を持っている。積極財政論や積極金融論を、知事の下で、部長が全力投球していることは大変理解できるが、その辺りを伺う。

【合津産業政策課長】
 今回、この応援事業を考えるに当たり、二つの選択肢があった。一つは、対象者を絞って、いくらかでも大きな金額を応援する方法、そしてもう一つは、今回のように範囲を広げて、対象は、なるべく多くの方とし、不公平感がない中で応援することであるが、前者の場合には、再構築促進事業等で、県の上乗せもしているし、協力金等で、時短要請に応じた方にも応援しているので、既存の事業と併せてやっていくことも考えられる。幅広くということを考えたときに、今回の事業では、どうしても財源に限りがある中で、広く薄くとなってしまったことも、否めないと思っている。
 ただ今後、信州の安全なお店応援事業においては、クーポン券の配布もしていて、観光等でクーポン券の発送や宿泊割の実施もあるので、そういった他の事業と連動する中で、この効果が上がってくればと思っている。わずかではあるが、事業者の経営継続の礎になればと願っている。

県の経済戦略・経済対策ついて

【本郷委員】
 日本経済の90数%が中小企業であり、2021年の世界経済は、IMFでも、5%台の成長と評価されている。そのトップに、アメリカが走っていて、5.数%である。片や日本は、大雑把にいうと、マイナス4%で、先進国の中でリード役であった日本は、かつては、世界GDPの16%を占めていたが、現時点では、6%程度である。日本経済は、これからポストコロナも視野に入れながら、非常に大きな構造的変革を持たなければならない。戦後最大の危機が100年に一度来たということである。
 もう1点は、経済政策である。先ほどの部長の話のとおり、県内経済は、製造業では一部持ち直しつつあると、日銀の支店長が表現しているが、裾野が広い飲食業、宿泊業、観光などの交通事業や観光関連産業は、長野県の代表者が、切羽詰まって、私のところにも来た後、部長のところに直接行って、また部長から連絡がある状況で、本当に生きるか死ぬかという状況であり、多くの事業者の皆様が依然として、極めて厳しい状況下に置かれている。これらの事業者の皆様に対して、貴重な税金を、財政という形で対応しているが、県として十分な経済対策を行えているのかについては、財政論的にも限度があるが、もう一段と深堀をして、経済戦略・経済対策を持つ必要があると思うが、その辺りを伺う。

【林産業政策監兼産業労働部長】
 コロナ禍における経済対策として、昨年春以降、国における持続化給付金や雇用調整助成金、あるいは納税猶予等の活用に併せて、県では、制度融資において、無利子、無担保の融資制度のメニューの拡充などを図りながら、経営の支援に全力で当たってきた。こうした支援策と、何よりも経営者の皆様方の最大の努力で、現在、有効求人倍率も、この4月に1.30という数字まで回復するなど、経済面では一定の下支え効果が見られる。しかし、委員の指摘のとおり、依然、飲食、宿泊業を中心に、大変厳しい状況に置かれている現状を踏まえれば、経済対策はいまだ不十分と思っている。
 今回の当初予算では、経済の下支えとして、当初予算規模では最大となる、1800億円規模の予算を講じたが、本日、早期議決の審議をお願いしている特別応援金事業や、飲食業感染予防対策事業に加えて、安心なお店の認証制度を対象とするクーポン券の発行、オールNAGANOモールを活用した送料無料キャンペーンや、信州地酒の販売促進、あるいは、県民支え合いによる観光需要の喚起事業、農産物での学校給食での活用、さらには、直売所での支援の展開、バス事業者、鉄道事業者への運行継続の支援など、産業関係部局総動員で連携して、需要喚起に取り組んでいきたい。
 現在、有効求人倍率は戻ったとはいえ、毎月3万人規模の求職希望者が出ている現状を踏まえ、マッチング支援等の強化も図っていく。いずれにしても、未来に向かって経済活動を担う将来世代への投資も欠かすことができないので、そうしたところにも、力を尽くしていきたい。

【本郷委員】
 林部長においては、現状について、大変厳しく、危機感を持っていることを再認識した。
 松本市においては、浅間温泉という長野県を代表する温泉街でも、なんとか営業しているのが、3、4軒と言われている。他のところは、ほとんど休業状態であることを考えると、戦後最大の経済危機ということは、部長も十分認識しているが、現状を見たときに、財政と金融で、あらゆる手を尽くして支えているが、今年も6月で全治3年の半分が終わり、これからがいよいよ、大変重要な時期になり、コロナとの複合的な関連がいろいろ絡んでくる。そういう意味において、産業政策、経済政策は、大変重要である。とりわけ雇用については、40%が非正規であり、非正規から切られていき、そして今、正規の方であっても、一部上場企業でも切り始めている。そういう状況であるので、メディアでは、コロナの問題が前面に出ているが、勤労者の立場から見ても、戦後経験のない状態が起きていて、労働分配率から見ても、ここ10年ぐらい、実質的な給料が上がっていない。その上で、今度、職場を失うということが起きてきて、複合的な要素が絡んで、一般論ではなかなか解決できない状況は、林部長も十分承知している。県議会も7月2日で終了するが、専決だけで済む話ではないので、必要な時には県議会を招集してでも、なお一層、現場の意見をしっかり受け止めながら、行政執行をしてほしい。

令和3年6月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
コロナ収束後を見据えた経済対策について

【本郷委員】
 今、長野県の経済を含む日本経済は、世界経済と密接不可分な関係にあり、とりわけアメリカの新しい大統領によって、さらにアメリカと中国の覇権争いが顕在化してきている。安全保障の面でも同様のことがあり、つまり、政治と経済においても密接不可分な関係にある中で、政治が新しい時代に対する対応能力を持たなければいけない状況である。
 かつて、日本は、全分野において世界をリードする経済大国であり、世界のGDPの約18%を占めていたが、現在、6%まで下がっている。いろいろな識者の意見を聞くと、今のままでいくと、本格的な国家戦略が打ち出されていないため、世界における日本経済の位置づけが、下降曲線に入る可能性が非常に高いということが、一般常識になっている。ましてや、発展途上国は、いろいろな角度から大胆な対応をしており、また、バイデン新大統領は、6、70兆円の景気対策を打ち出している。そういう意味からも、大変難しい状況にきている。
 したがって、先ほどの産業労働部長の説明に尽きているが、最近のいろいろなシンクタンクの発表によれば、やはり二極分解が起きている。製造業の方は、持ち直しの兆しが、かなりはっきりしてきたのに対し、宿泊業や飲食業といった第三次産業であるサービス業においては、まさにマイナス80%、90%という非常に深刻な事態である。それらを含めて、産業労働部においては、支援策として多角的・多面的に、考えられる英知を結集して対応しているので、いい形で表面化するように、議会も両輪となって、今回の危機的状況に対応しなければいけないと思っている。
 もう一点、一番気になるのは、人口動態である。少子化と生産労働人口、それから超高齢化社会の三つにおいて、日本は世界の最先端を行っており、2000年代のある時に、日本は9000万人台になるだろうという予測も、いろいろなところで出ている。そういう意味からも、世界における日本の、あるいは、日本における長野県の経済の位置づけというものが、今のままの方法論では、非常に危惧される部分が多いということは間違いなく、一層、当委員会の役割が大きくなっていると思っている。
 コロナ禍は、世界経済に、大変大きな影響を与えているが、最近の海外経済は、米国、中国での経済活動の段階的再開や景気対策の効果により、回復の動きが鮮明になりつつある。また、欧州についても、イギリスは脱退したが、新型コロナ感染再拡大の影響により、1月から3月期は、2四半期連続のマイナス成長に陥ったものの、ワクチン接種の進展により、足元の経済指標には、改善の動きが見られるようになってきた状況である。
 一方で、日本の状況は、今年1月の緊急事態宣言の再発令後、個人消費を中心に一時的に需要が落ち込み、2021年1-3月期の実質GDP成長率は、前期比マイナス1.0%で、年率に換算すると、マイナス3.9%となり、3四半期ぶりにマイナス成長に陥った。この結果、2020年度の実質GDPの成長率は、前年比マイナス4.6%で、2年連続でマイナスになっている。世界経済は、平均でだいたい5%後半とIMFでも言っているので、日本のマイナス4.6%は、大不況の予兆と考えなければいけないし、リーマンショックが発生した2008年度の同マイナス3.6%を上回る、戦後最大の落ち込みという認識を基本的に持たなければいけない。
 また、コロナ禍は、人口の稠密という大都市の脆弱性や東京一極集中、デジタル化の遅れなど多くの課題を露呈させた。
 この経験と教訓を踏まえて、社会を単に以前の状態に戻すのではなく、地域の自主自立を基本としつつ、地域経済再生の取組を加速させなければならないと考えるが、コロナ収束後を見通して、世界第3位の日本が、今後ともこれを堅持していくための経済戦略を、長野県として、産業労働部として、どのような経済対策を打ち出していくのか、産業労働部長に伺う。

【林産業政策監兼産業労働部長】
 経済情勢について、今月、日銀の政策委員会に提出された資料を拝見しても、同様であり、海外経済は国・地域にばらつきを伴いつつ、総じてみれば回復していくだろうという中で、先ほど委員から二極化の話もあったが、やはりばらつきが懸念される。その中で、国内では、製造業を中心に回復傾向にある一方で、対面型サービスのところが非常に厳しい状況である。これを軌道に乗せていくためには、消費者マインドの悪化や、金融市場の変調を抑えながら、その間に、ワクチン接種をいかに加速させて、経済を戻していくかが重要と考えている。私どもは、健康福祉部と連携して、医療供給体制の強化や集団免疫の獲得が、経済活動を拡大するうえでの一番の基礎となるものと受け止めて、全力を投球している。
 そうした中で、この一年間に、信用保証協会の承諾件数が、約5万件で、6千億円を超えるという状況で、雇用調整助成金も現在6万件に及ぶなど、事業者の皆様に、大変御苦労いただきながら、また、そこで雇用を守ってもらっている実態を見ると、単に、去年と同じ時期だから、同じ対策というわけにいかないと思っており、皆様が大変な苦境に立ち、去年とはまた違う梅雨空を仰いでいると感じている。
 そうした中で、第一にやらなければいけないのは、雇用の維持と経済の下支えに向けて、事業所の皆様の、今、一生懸命やっている感染対策が、着実な需要に結びつくような支援策を講じる。需要喚起の部分は、非常に難しいが、しっかり意を用いて、今回の補正予算でも、需要喚起の取組を多く入れているが、効果が出るようにしていきたい。
 そのうえで、今後のアフターコロナを見据えた対策は、二つの視点があると思っている。一つ目は、コロナ禍で進展する需要の変化、パラダイムシフトというものを見据えて、次のイノベーションを加速できるような支援もしていかなければならない。成長分野で期待されている医療、次世代ビークル、宇宙やロボットといった分野は、もちろんであるが、ITバレーの促進で今やっている、県内のDXの促進やゼロカーボンへの取組の支援、あるいは、長野県の重要な産業である商業、それから観光業の分野のニューノーマル化も重要だと思っている。そうしたところも、しっかりサポートできるように事業の再構築等のサポートをしていきたい。
 二つ目が、将来世代への投資である。今回、委員からも話があったが、戦後最大ということであり、現役世代が、本当に一生に一度、経験するかしないかという経済の変化である。そして、これを背負って、次のイノベーションを起こしていくのも若者たちである。そのため、そうした次の推進エンジンを起動していく世代への支援をしっかりとしていきたい。スキルアップやリカレント教育の充実と、もう一つは、第二の氷河期世代を生まないような就活の支援にも意を用いていきたいと考えている。
 いずれにしても、この次を見据えたイノベーションと次世代の投資に、しっかりと取り組みたい。

【本郷委員】
 大変正確に御認識いただいており、ぜひ一層御精励いただきたい。
 思い出すと、リーマンショックのときには、これも戦後最大と言われたが、あのときにアメリカは90兆円、それから中国は60兆円、日本はたった10兆円しか出さず、それからさらにデフレが進化したという結果である。したがって、大きい意味で、地方の都道府県単位でも、その辺りに対して、鋭いメスを入れなければいけない。今回のような緊急事態は、やはり財政と金融で対応するより仕方がなく、先ほどのそれぞれ22項目にわたる説明の中において、きめ細かく配慮されているが、なお一層頑張ってほしい。

コロナ収束後を視野に入れた県産品のブランド力の向上等の取組について

【本郷委員】
 コロナ禍の長期化により、人の流れが滞っていることから、外食産業や観光産業に、今、大きな影響を及ぼしている。このため、農産品や酒類などの加工品やお土産などを扱う事業者の皆様が、大きな打撃を受けているのは言うまでもない。依然として、デルタ株などの変異株の懸念材料があるものの、ワクチン接種が進む諸外国では、人々がマスクなしで往来する様子や経済活動が回復している状況が、少しずつ報じられている。
 コロナ収束後も視野に入れて、県産品のブランド価値を維持・向上させ、事業者の皆様の売上を回復させていくために、県としてどのような取組をしていくのか、営業局長に伺う。

【金井営業局長】
 委員の話のとおり、世界の状況を見ると、ワクチン接種が進んだところでは、かなり経済状況がよくなっているという話をニュースでも聞いている。また、私どもは、先ほど次長から取組の報告があったように、ニューヨークの貿易会社と数回、ウェブで会議をしており、その方たちによっても、ワクチンを接種した今では、需要の拡大がかなり急激に起こっているという話があった。まだまだ日本では、我慢の状況、期間であるが、ワクチン接種が進んだ段階では、経済状況も大きくプラスになると考えている。
 私どもは、その変化に乗り遅れずに、素早く対応していかなければいけないと思っており、営業局では、一つ目として、事業者の皆様のデジタル化をしっかり進めようと思っている。オンラインによる売買は、コロナ禍で進んだが、コロナ後もかなり進むのではないかと思っており、今回の補正でもお願いしているが、オンラインによる販売力の強化を図っていきたい。
 二つ目は、特に、都会の皆様においては、オンラインと言っても、実際に見て、触れて買い物したいという思いも、かなりあると思っている。恐らく、コロナがある程度収束していくと、皆様、買い物に飢えているのではないかと思うので、そのタイミングをしっかりと活用して、これも今回の補正でお願いしているが、大都市圏での物産等をタイミングよく行い、信州の物産に触れる機会を多くつくって、信州ファンをどんどん増やしていきたい。
 もう一つ、今、巣ごもりという状態に置かれているため、私どもは、今、長野県のイメージアップのために、長野県の良さを表現した動画を作成しており、順次、アップロードしている。そういう巣ごもりのときに、長野県の良さをアピールする動画をしっかり見てもらって、長野県へのイメージをどんどんよくしてほしい。

現在の雇用情勢の認識とその対応及びポストコロナを見据えた雇用対策について

【本郷委員】
 県内の現在の業況について、半導体や自動車関連といった製造業は、非常に好調であるが、飲食・宿泊業などは、大変厳しい状況であり、業種間のばらつきが大きくなっている現在の県内の客観情勢の中で、先ほども説明があったが、県内の雇用情勢をどのように認識し、そして、どのように対応していくのか、産業労働部次長に伺う。
 また、今後、ワクチン接種が行きわたることによる社会経済活動の前進が、極めて期待されるが、ポストコロナを見据えて、県としてどのような本質的な雇用対策をしていくか。日本の全企業の4割は非正規社員で、6割が正規社員であり、非正規の方から外されていく状況があるため、そういう矛盾を解決する意味も含めて、雇用対策について伺う。

【西沢産業労働部次長兼参事】
 現在の雇用情勢とその対応について、本県の有効求人倍率は、本年の4月時点で、1.30倍となっており、昨年8月の1.02倍を底として、徐々に上昇している。そうした意味では、雇用情勢も回復傾向にあると言える。ただし、業種間のばらつきが非常にある。新規求人の状況で見ると、製造業や建設業では、コロナ前である一昨年の水準を上回ってきており、これらの分野では、人手不足感が表れてきている状況にある。
 一方、宿泊、飲食やサービス業など、コロナの影響をより強く受けている業態については、依然として、コロナ前の水準には戻っていない状況にある。
 それから、県内のコロナの影響による解雇・雇止めの状況等について、長野労働局の調べ等を見ると、6月18日時点で2208人に上っている。このうち、およそ6割は非正規労働者の方で、さらにその7割が女性が占めていると、労働局では推測している。
 求人倍率は、回復傾向にあるが、職を求めている、いわゆる求職者数は、ずっと3万人台で高止まりしている。そういったことから、現下の雇用情勢は、依然として、非常に厳しい状況にあるものと認識している。
 県としては、引き続き、緊急雇用対策事業により、正規雇用の求人を確保するほか、Jobサポ事業により、一人ひとりに寄り添ったマッチングを実施していきたい。
 二点目のポストコロナを見据えた雇用対策について、コロナ禍において、人の移動制限がかかった結果、リモートワークやEコマースの普及など、この一年間で、経済活動が大きく変わってきている。そういったことから、ポストコロナの時代は、社会全体のIT化の加速が、より一層進み、これまで以上に、IT技術に関する知識やスキルを持つ人材が求められていくものと考えている。
 また、人手不足分野を中心に、求職者の希望と求人のミスマッチが大きいと受け止めていて、ポストコロナにおいては、その解消も課題と考えている。
 先ほど、産業人材育成課長が説明した、長野県産業人材育成プラン2.0答申案の中においても、視点として、「新たな日常や産業集積等に対応したデジタル人材育成の強化」や「社会経済環境の変化に対応した求職者、在職者に対するリカレント教育の充実」が掲げられている。そうした方向性に沿って、県内産業界が必要とする人材の育成・確保に取り組んでいくことが、ポストコロナにおける雇用対策につながっていくものと考える。


令和3年2月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
県内産業の下支え及びこれから先の長野県の産業をどう描くのかについて

【本郷委員】
 コロナ禍の中において、経済再生が最大の問題であるし、一般論とすれば全治3年と言われている。そういう意味では、今年は非常に重要な年であるので、林産業労働部長を中心に管理職の皆様には、一層ご精励いただきたい。
 令和3年の予算は、106兆6097億円、プラス令和2年度の3次補正が経済対策を中心に30兆6000億円、つまり15か月予算を組んで本格的な経済対策に政府は取り組んでいて、さらに大型対策への待望論が内在している。IMF、国際通貨基金が公表した世界経済の見通しは、2021年の経済成長率見通しを5.5%と、昨年10月時点からプラス0.3%に上方修正をした。
 その大きな要因は、幾つかあるが、2つだけ言うと、アメリカがバイデン大統領の下で200兆円の新型コロナウイルス対策法案を可決した。また、約15万円の現金給付、失業保険の積み増し延長、8月末までであるが、これが一つの要因であるし、一方、中国は、中国のGDPが実にアメリカのGDPの70.4%まで達しているという大変な急成長である。世界のGDPに占める割合は約9%、17%を超える増加であって、前年比は3.0%増の14兆7300億ドルで、主要国の中で唯一プラス成長ということは、各種のメディアで承知のとおりである。
 そういう中において日本の動きは、財務省が発表した20年の10月~12月の法人企業統計は、全産業の経常利益は18兆4505億円で、対前年同期比マイナス0.7%まで縮小した。20年4~6月期のマイナス46.6%の落ち込みから回復して、ほぼ、コロナ感染拡大の前まで戻ったと認識してもよい。とりわけ、製造業の経常利益は、21.9%増と好調であって、非製造業がこれからの大きな課題ではないかと思っている。
 特に、個人消費は、日銀短観の発表では、持ち直しの動きが続いているが、一部に弱さが見られ、個人消費がその弱みの一つである。設備投資は持ち直しの動きが見られるし、輸出は増加しており、製造業は持ち直している。非製造業では弱さは見られるが、総じて見れば持ち直している。
 雇用の情勢については、有効求人倍率は1月で1.17倍、前月比プラス0.04であり、いい方向に行っているが、なお弱い動きも続いている。コロナを原因とする雇い止めは、県内で1905人、2月25日現在で増加している。全国では2月26日、9万185人。そういう意味で、大変厳しい雇用情勢が続いている。
 また、厚生労働省が発表した2020年1年間の生活保護申請件数は、計22万3622件で前年から1672件増加をしていて、家計経済も含めて、やはり二極分解をしている中において、先進国の中で見れば、新型コロナ危機後の世界経済において、日本の出遅れが顕著になると多くのエコノミストが指摘している。リーマンショックのときも同様で、リーマンショック後の5年間の平均成長率は、主要国の多くが2%台で、日本は約1.5%で止まっている。日本は、リスクマネジメント的な要件について、国家全体として、また、「一身独立して一国独立する」というごとく、全体像の国家観が非常に希薄になっているわけで、今回のようなときにそれが顕在化をしてきたと、連日、メディアに載っているけれども、先進国で最下位だった労働生産性は、さらに低下して非常に厳しい状況である。
 低付加価値などのビジネスモデルが危機に対する弱点の一番の元であると多くの識者は言っているわけで、テレワークの必要性も、コロナ前から指摘されていたが、日本企業ではほとんど導入されず、コロナ後の日本のテレワークの実施率は約31%、アメリカは61%、中国は75%、イギリスは55%、ドイツは50%、実践論としてDXの時代とマスコミではあおっているが、実態はアメリカの半分である。これから日本は、危機対応が日常的な活動の延長線にあるという現実を改めて痛感させられているという、前置きで質問に入りたい。
 ワクチンも、河野大臣も大分苦労されているが、1年以上はかかりそうであり、経済のマイナス成長はある程度覚悟しなければならない。先日のG20の財務相・中央銀行総裁会議でも、コロナ対策の財政・金融政策については、いかなることが起きても撤回を避けなければならないと、財政支出と景気刺激の手は緩めない方針で合意ができたことは、大変よかった。財政・金融によって、戦後最大の経済危機をどうしても脱出しなければならない。マイナス成長の中でもコロナ後に備えて、手を緩めることなく、事業者をしっかりと下支えして体力を持ちこたえさせるとともに、成長分野では将来を見据えたイノベーションの創出を進めるなど、下支えと成長の両面の施策を怠りなく進めることが非常に肝要である。令和3年度の施策展開は、その後の未来をつくり上げていく上での基点となる重要なものであるが、危機を乗り越えた先の未来の長野県産業をどう描くつもりか、林産業労働部長の所見を伺う。

【林産業労働部長】
 本郷委員が冒頭で触れていたが、IMFが、この1月に公表した状況、世界経済の中では、景気回復の力強さに各国で差があるという状態を指摘していて、日本の経済活動がこのコロナ前の水準に回復するには、多少時間がかかる。ワクチンの状況を見ると、2021年の後半くらいかなという見方も、外からの目線で見てもらっていると認識している。
 こうした中で、リーマン時のときとの大きな違いとして、雇用は、求人倍率が0.4を切るという状況がしばらく続き、1倍に戻るまでに4年半もかかっている。今回は、その雇用を経営者の皆さんと雇用調整助成金等の制度を使って、最大限守ってもらっているというのが今の現状であって、そういった企業努力、働く皆さんの苦労というのをしっかり受け止めながら、政策を考えなければいけない。そういう中で、しっかりと企業の皆さんの声というのを、実態を聞きながら政策を打たなければならない。
 一方で、世界の動きが、例えばカーボンニュートラルという言葉で象徴されるように、グレートリセットという言葉もあって、大きく転換すべきではないかとこの夏のダボス会議でも取り上げられるのではないかと言っている。ある意味、深刻な環境問題に対応しながらイノベーションを起こして、経済成長させるための知恵を出し合って、新しい需要をつくるしかないという動きも外では起きているので、そういったところに、10万事業所を超える各産業界がついていけるように後押しをしていくということも大事である。
 その中で、今回、予算で配慮を特にしたのが2点あって、一つは、産業イノベーションの加速化を踏まえて、しっかりとそこへの集中投資は続けていかなければいけない。イノベーション推進本部等を設置して、業界の声も聞きながら、医療、航空宇宙、エネルギー、あるいは食の安全保障も含めた取組というのを、どうやって後押しするかをしっかりと見ていかなければならない。もう一つは、このコロナ禍で得た原体験、特に若い人たちが得たこの原体験が、未来創造への力になる、糧になるだろうと思っている。将来世代への投資を欠かさずに、レジリエンスの高い、しなやかで寛容な社会構造というものをつくっていくために、ダイバーシティ等を重視した働き方改革とか、職場のテレワークの実施状況、本当にまだまだ進んでない状況であるので、改善しながら、良質な雇用を生み出していくことも、併せて取り組む必要がある。
 今回の当初予算は前例にない規模の経営支援策、あるいは雇用対策を計上している。商工費が県予算の17%を超えるということで、民生費を超えたわけだが、執行に当たっては、議会の先生方の指導もいただきながら、迅速かつ実効性のある政策につながるよう、しっかりと取り組んでいきたい。

【本郷委員】
 14世紀のペストの後に大きな歴史的な転換があったし、また、1919年のスペイン風邪の後、産業革命が起きたわけで、文明史的には、今回の100年に一度の大変大きな、本質的な社会構造の変化が、今後、ポストコロナで現れてくる。そういう中において、今、林部長が現状の分析、特に2000億円を超える大変な予算を産業労働部は獲得したわけで、逆に言えばそれだけ責任が重たい。コロナをせん滅すると同時に、新しい時代の新しい経済政策というものを出していかなければならない。愚者という言い方はいけないが、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶという有名なビスマルクの言葉があるが、そういうレベルからも。
 リーマンのときは、アメリカが90兆円、それから中国が60兆円、日本は10兆円出しただけで、それからデフレに入って、雇用の問題、全産業において、4年を超える時間がかかって、それが今日まで、労働分配率を含めても、あとを引きずっているわけであるから、今回は、それを一挙に挽回しなければいけない大きな節目の時期だと思っている。
 14世紀の後は、ルネサンスが起きて、ペストの後、ルネサンス、そしてスペイン風邪の後、産業革命。今回の後、どういう形になるか、DXを中心に新しい時代が来ると思うが、ぜひ産業労働部においては、熊谷局長、また守屋局長、連携を取って、よりよい長野県と日本になるように、一層ご努力を願いたい。

ゼロカーボンに係る技術革新、技術開発への支援について

【本郷委員】
 今、ゼロカーボンへの注目度が非常に高くなっていて、バイデン政権もこれを重視する方向を明確に提示している。日本は、現実的には再生可能エネルギーの低コストや導入で世界に大きく立ち遅れているというのが現状であって、国際社会における日本の位置づけが、今後、大きく分水嶺に来ていることは事実である。本県産業界もゼロカーボンという世界の潮流に乗り遅れることなく、これまでとは別次元の技術革新、イノベーションに取り組まなければならない。電気自動車や燃料電池などの分野で、成果に結びつく技術開発を進めるとともに、分野の垣根を越えた企業提携やESG投資、これは社会的責任投資であるが、拡大する新たな投資を呼ぶことまで視野に入れて支援する必要があると考えるが、どのように具体的に、戦略的、戦術的に進めていくのか、産業技術課長に所見を伺う。

【西原産業技術課長】
 これまで企業にとって、環境問題への対応は、コスト、あるいは成長への制約という捉え方が主であったが、ゼロカーボンへの世界的な動きの中で、新たな成長の機会として捉える時代に突入したと感じている。今、日本が何をしようとしているかと言うと、新たに2兆円のグリーンイノベーション基金を設けて、3つの分野をやると言っている。一つが次世代蓄電池、もう一つが水素の大量供給・生産技術、それからCO2の固定・再利用技術である。これらの技術は、重化学工業的な技術であって、かつ、大規模なプラントが必要になってくるので、長野県の産業界ができるかといえば、なかなか難しい面がある。
 当初予算のゼロカーボン技術事業化促進事業で説明したとおり、県内企業が貢献できる可能性が高い分野を模索しつつ、産学官連携で取り組んでいきたい。例えば、電気自動車であると、バッテリーとモーター、そのモーターを動かす制御回路でできている。長野県内には制御回路の中で、電気自動車の性能を左右するような中核的な部品を開発・製造している企業がある。また、実は、燃料電池は、まだまだ根本的な問題が多い技術であって、例えば金属というのは、水素にさらされると脆くなるという性質がある。水素脆化というが、このメカニズムも実はまだ完全には解明されていない。長野県内でも、この技術、この課題の解決に取り組んでいる企業があって、投資会社から投資という話も来ていると聞いている。
 また、世界的には、IT企業とか自動車メーカーが、サプライチェーンを巻き込んでゼロカーボンに取り組んでいる。例えばアップル社は、2030年までに取引先から調達する部品や材料のゼロカーボンを求めている。工場へ供給されるエネルギーが、全部、再生可能エネルギーになれば話は簡単であるが、なかなか、それは難しいと言われている。その解決手段の一つが、私ども、長野県の企業連携グループが取り組んでいるデスクトップファクトリーではないかと考えている。デスクトップファクトリーというのは、机の上に乗るような卓上型の小さい生産設備であって、小さくて省エネである。もし生産設備一式をデスクトップファクトリーで実現できれば、工場の上に載せた太陽光パネルだけで全てエネルギーが賄える、ゼロエネルギーファクトリーが実現できる可能性がある。
 このような県内企業が貢献できる可能性が高い分野を探索しつつ、産学官連携で技術開発に取り組み、そこに様々な施策を動員して事業化につなげ、グリーンイノベーションの創出、ESG投資の取組等につなげていきたい。

【本郷委員】
 今回のコロナ禍によって、政府が国家全体の方向性を決めるが、都道府県行政の重要性と存在感は非常に高まってきた。皆様方が日頃、苦労されている仕事が、ようやく新しいステージになってきたので、ぜひ一層ご奮闘をいただきたい。

信州ブランドのこれまでの取組の総括とこれからの展望について

【本郷委員】
 ポストコロナを展望すると、DXやAIなどによる効率化、生産性の向上が求められる社会。2番目には、公共や民間セクターともに、大きな負債を抱えるというのは難しい上、人々の都市の機能や社会の在り方への疑問や不安といった状況が現状認識であるが、非常に大事なことは、今後は、国内外へより信州ブランドを意識した形での情報発信や事業展開が必要と考えられるのは当然である。コロナ禍におけるこれまでの取組の総括を踏まえて、コロナ後を見据えた信州ブランドの展望について、営業局長の所見を伺う。

【熊谷信州ブランド推進監兼営業局長】
 今までの取組を総括してみると、1年前から、学校が休業になってしまう、給食がなくなったので牛乳や花が売れないということで、非常に短期的な対応が求められて、今までの対応のスタートが、何とかしなければいうことで、今まで経験したことのないものに対しての対応であった。それから、人と接触することができないので、オンラインとか、インターネット販売ということで、今も必死になってやってきて、おかげさまでふるさと割も1億円が達成できた。
 短期的対応の中で、本当にブランドというものと向き合うことがまず一つできた。例えばインターネットで皆さん販売しますよ、ぜひ応募してくださいと言って、事業シートをもらったりして、それをただアップしていくだけでは駄目で、インターネットのサイトに、では熊谷商事の熊谷饅頭というものを出していくとしても、PRの仕方が皆さんばらばらであって、この画面の向こう側にいる方の心を動かすような表記というものがなかなかできていないということが分かった。
 もう一つ、オンライン商談会をやって、バイヤーの人と商談をするが、その表現力、プレゼン力が弱いということが分かって、1月に入ってセミナーを開いて、200社以上の皆さんに大変関心を持って見てもらった。信州というものの、上質で健康なイメージというのがしっかり伝えられていない。ものづくりにものせられていないことが、このコロナ禍で、オンラインショップとか、オンライン商談会の中でよく分かってきた。
 一般的に、まとめ買いの中でナショナルブランドが席巻して、みんな節約の中で地域産品が売れなくなるという傾向が出ていたが、これからがチャンスだと思っている。今、家の中でいかに豊かに生活をしていくのか、また、旅に行けない中で、旅気分というものをどう味わうのかといったときに、本当に「信州プレミアム牛」だけで戦うというのは、農政部には悪いが、難しい。佐賀牛とプレミアム牛、いろいろな牛がある中で、その一品だけで戦っていくのは難しい。やるのであれば、やはり旅気分を、信州を味わってもらうなら、A足すB足すC足すDという作戦でいかないといけない。だから、肉もあり、それにはワインを合わせて、そこに合わせて地元の産品のお野菜をつけていくなど、セットでやっていくということが、重要ということが、この2点目でまた分かってきた。これはどういうことかというと、地域力を出していくときには、自分一人だけでは表現できないものがあるので、生産者同士、製造・加工品業者同士がスクラムを組んで、A足すB足すC足すDのその組合せで、この地域を表現していくことが重要ではないかと思っている。
 今後の展望であるが、信州ブランドについては、一般質問で答弁したが、長野県のこのブランドは、この山国の、谷の中に一つずつ文化があり知恵がある。その暮らしの中で磨かれてきた生きる知恵ではないかと思っている。ほかの県にもあると言われるかもしれないが、北海道は開拓かもしれない。沖縄は南国の、また、京都だとか金沢の場合は、お殿様に仕えたり、帝に仕えた文化であるが、長野県の文化は独特であって、ずっと8年間見てきたが、暮らしの中から生まれてきた生きる知恵、それが文化になっている。
 今後の展望を考えたときに、本郷先生から、AI・IoT、これから効率化がどんどん進むという指摘があった。また、これから危機管理が日常となるという指摘もなるほどと思った。AI・IoTの世界は便利ではあるが、非常に脆弱な世界であると思うし、人間の持っている生きる知恵というクリエイティビティー、いわゆる創造性というものが欠けてくる時代になってくると思っている。オンラインやインターネットは、絶対乗り遅れてはいけないものであり、最近、移住でも、かつて人気投票1位だったのが3位になったというのが、オンライン相談会をやってなかったからという話があった。そういう面では、絶対負けてはいけないものと思っている。
 ただ、インターネットがこれからの世の中のエッセンシャルワークの一つになるとした場合に、もう一つあるべきものは、やはり信州の生み出してきた生きる知恵のようなもの。こういうものが、対角線というか、反対側に必ずないといけないものと思っているので、これからの、国民だけでなくて、人類が必要なもの、ITだとかAIの反対側には必ずこういう暮らしの中から生まれてきた知恵というものを大きくしていくという可能性がたくさんあり、これからの信州ブランドの展望は明るいと思っている。表現力とか、写真力とか、発信力という、その初歩的な部分をしっかり詰めていくことによって、県民みんなでブランドを盛り上げていくことが必要になると思っている。

令和3年2月定例会 産業観光企業委員会(観光部関係)
「Go To トラベル事業」の動向と今後の見通しについて

【本郷委員】
 中村部長をはじめ課長、室長から、大変丁寧な、今後のアフターコロナも見据えた戦略をしっかり説明いただき敬意を表する。また、最も苦労の多いセクターである。100年ぶりの事態であるので、リスクマネジメントという観点で、今回の事態を大局的な観点から見ていくことが大事で、大体全治3年と言われている。2020年、特に今年の2021年は大事で、2022年くらいまで、いろいろな意味で影響が出てくる。1都3県の緊急事態宣言の解除もじき終わると、その後、リバウンドがないことを祈っているわけで、先ほどあったそれぞれの施策が実行できるように、心から祈念している。
 OECDから本年度の世界の主要国の経済成長率が発表になった。2021年は、世界は5.6%である。その中で日本が一番低くて2.7%、中国が7.8%、アメリカが6.5%、ユーロが3.9%である。来年は、その影響が出て、世界が4.0%、日本は1.8%、中国が約半分で4.9%、それでアメリカが4.0%、ユーロが3.8%と数字が出ているが、これも観光という非常に裾野の広い産業が、いろいろな意味で陰に陽に影響を与えている感じで、一層、議会も、全力で、観光部とよく密接不可分な関係になりながら、議員の立場で最大限の努力をしなければいけないと再認識をしている。イギリスはロックダウンもしているし、ヨーロッパのどこかの国は、ベンチに座ったり立ち止まることも禁止されて、罰金が4500円取られるようである。そういう状況であるので、大変苦境に立たされている観光産業の、行政としての下支えのために、感染状況が落ち着いたタイミングを捉えながら、今後とも、先ほどの説明の施策を一個一個詰めてもらいたいと思っている。
 先月の19日から県民限定で家族割、家族の宿泊割とスキーリフト券の半額割引を開始した。これは、松本市であるが、大きいホテルは、かなり影響が出ているようで、大体、稼働率が、4割くらいのが1割とか2割上がってくると、そういう傾向がある。あるホテルは休業にしてしまうと。松本で一番大きなホテルであるが、そういう状況で、行ったり来たりしているのが状況ではないかと思っている。27日からは、宿泊割の対象を県民全体へ拡大するとともに、冬のアクティビティ商品にも対象を広げるなど、段階的に誘客事業を展開している。
 今後、「Go To トラベルキャンペーン」の再開も視野に入れながら、引き続きこうした県独自の施策を実施していく必要があると考えるが、現時点で、「Go To トラベル」の再開に関する国の動向、今後の見通しをどのように考えているか伺う。

【大槻観光誘客課長】
 「Go To トラベル」の状況であるが、観光庁の発表によると、事業開始からこれまで、全国で少なくとも8781人万泊の利用で、約4100億円の割引支援額となっていて、また、地域共通クーポンも約1400億円の付与額となっている。各県の状況が未公表ということであるが、本県も、昨年の11月には、県の宿泊割引の上乗せ事業もあって、対前年比9割程度まで延べ宿泊者数が回復するということで、県内経済の再生に「Go To トラベル事業」は、一定の効果があったものと考えている。
 事業の今後の見通しであるが、先週、3月5日に観光庁からは、3月8日以降も一時停止は継続すると正式に発表があったし、また、首相や関係大臣の発言では、3月中の再開は現時点では難しいのではないかという状況になっている。また、併せて、報道等によると、再開する場合は、感染が落ち着いている都道府県や地域ブロック単位から先行実施をして、段階的に全国に広げていくという情報がある。我々、いつも情報収集をしているが、県としては、引き続き国の動向を注視しながら、「Go To トラベル」の運用にすぐに対応できるように、様々なケースを想定して、県施策をそれぞれの状況に合わせて機動的に展開できるように準備をしている。

「Go To トラベル」の再開までと再開後の観光誘客の進め方について

【本郷委員】
 「Go To トラベル」の再開までと再開後、その動きに応じて、県としてどのように切れ目なく観光誘客を進めていくのか伺う。

【大槻観光誘客課長】
 「Go To」再開までは、観光事業者とも連携する中で、宿泊割、リフト券の半額キャンペーンをしっかりやるとともに、また、バス・タクシーの交通機関も支援をすることで、県単独施策を引き続きしっかり実施していきたい。また、感染状況が落ち着いている近隣県にスキーリフト券は広げたが、誘客の範囲を拡大していきたい。
 「Go To」再開後であるが、「Go To 事業」を最大限に活用するため、「Go To」と連動した形での連泊割引事業を実施して、長期滞在のニーズを取り込むほか、本県の強みである癒し・自然・アウトドアなど、コロナ禍に即した旅行スタイルを、県外、全国にしっかりPR、情報発信することで、他県との差別化を図って、「Go To」需要をしっかり長野県に取り込んでいきたい。また、一方で、「Go To」に参加していない小規模宿泊施設があるので、引き続き小さなお宿応援事業をやって、小規模宿泊施設をきめ細かく支援するとともに、宿泊客の分散を誘導することで、密にならない誘客を進めていきたい。
 感染の拡大と収束が繰り返されるコロナ禍において、臨機応変に感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図ることは重要であるので、今後も、「Go To トラベル事業」の運用に対応しながら、県施策をうまく組み合わせて、観光県としてしっかり観光産業を支えていきたい。

【本郷委員】
 正確な状況認識と積極的な姿勢を高く評価する。いずれにしても100年ぶりの異常事態で、パンデミックであるので、何としても財政と金融によって、この観光産業を守らなければならないので、中村部長においては、これからも予算の獲得に向けてご努力願いたいし、また、議会も、よく連絡を取って、議決機関としての責務を果たしていきたい。

水際対策の状況及びインバウンドの再開に向けた取組について

【本郷委員】
 今後の大きなトレンドとしては、一般論であるが、東京オリンピック・パラリンピック、また来年冬には北京の冬季五輪が開催され、中国のウインタースポーツ人口の増加も見込まれて、長野県にとって巨大なマーケットになるという予測もできる。また、時間はかかると思うが、ワクチン効果が現れてくることで、インバウンドが徐々に回復してくることも、期待の中の一つとしてある。コロナ終局後には、こうしたインバウンド需要を確実に取り込めるような準備も、今から徐々にしていくことが非常に重要である。そこで、インバウンドを取り巻く国内外の状況、水際対策など、出入国の規制など、現在の状況はどんな状況になっているか、メディアで知る範囲のアバウトな状況しか分からないので、その辺の状況を説明願いたい。また、インバウンドの再開に向けて、どのような取組を今から準備しているのか所見を伺う。

【小林国際観光推進室長】
 委員指摘のように、今後、Afterコロナ時代を見据えた場合には、この観光機構の役割はますます重要になってくると、県としても認識をしている。先週の一般質問での知事答弁ともやや重なる部分もあるが、観光機構の機能を高めていくには、大きく3つのポイントがあろうかと思っている。一つがこの役割分担、県と観光機構の役割分担であるが、実は平成29年の11月に開催された県の観光戦略推進本部会議、観光戦略2018の骨子案が示されたときであるが、このときに県観光部の役割と観光機構の役割が示されている。県観光部の役割としては、簡単に言うと観光政策の企画立案、観光機構の役割としては、観光振興施策の実行組織と大きな役割が示されて、以後、取組を進めている。
 この役割分担として、県が企画したものを、観光機構が、場合によってはそのまま実施するという実行部隊として位置づけたようなイメージが先行していて、実態としても、やや、観光機構で受け身になりがちな面も見受けられるかなという形で、機構としての自主性が十分にまだ発揮できてない面もあろうかと思っている。このため、今後は、もう少し役割分担というものを具体化していく必要があると思っていて、例えば県観光部は、県全体の大きなその観光政策の方向性をまずは担う、決定する。観光機構は、その観光の方針を一緒に共有した上で、しっかり自らも企画立案し実施する。こういった役割分担というものを明記して、お互いが対等で、しかもコミュニケーションを図りながら、一緒になって、十分、その観光機構の機能が発揮できるように、役割分担を再整理していく必要もあろうかと思っている。
 さらに、予算についても、今は全て、実は県から観光機構に対して負担金という形で支払っているが、例えば、役割分担を整理した上で、機構が担うべきものというものは、これまでどおり負担金であるが、そうでなくて、外部に委託できるものについては、委託料として整理をする。こういった予算の整理も必要かと思っている。
 最後に組織面というのがある。やはり民間の発想で活動できるような体制が大事だと思っていて、例えば、外部の民間からもっと積極的な提言を受け入れられるような仕組みを構築する、こういったアイデアも、今、あろうかと思っていて、こういった改革をこれからも進めながら、この観光機構の機能を十分に発揮できるように、より一層、最後は観光地から頼られる存在になるように、県も一緒になって取り組んでいきたいと思っている。

Afterコロナを見据えた観光地域づくりについて

【本郷委員】
 コロナによって、旅行に対する意識や旅行のスタイルも大きく変化している。こうした変化は、コロナ後も完全に元に戻るわけではなく、ある程度定着していくものと認識しなければならない。個々の事業者による対応だけではなく、県や市町村など行政、地元観光協会、関連事業団体など、それぞれの役割を発揮して、観光ニーズの変化や課題の解決に連携して対応していくことが不可欠である。したがって、コロナ終局後を見据え、昨年、策定した「Afterコロナ時代を見据えた観光振興方針」に基づき、魅力ある観光づくり、観光地間の広域的な連携など、どのように進めていくのか伺う。

【田中山岳高原観光課長】
 コロナ禍の影響によって、3密の回避とか、テレワークの普及といった社会変革は、コロナ収束後も続くものと考えている。長野県が持つ広々とした大自然とか、あるいは都会から近い、こういった有利な条件は、今後の長野県にとっては、大きなチャンスになるものと考えている。ただ、一方で、アドバンテージだけに頼り過ぎてしまうと、その恩恵というのは一過性に終わってしまうものと考えて、危惧している。
 そこで、まず地域にある豊かな自然環境に加えて、その土地ならではの歴史とか文化をうまく組み合わせることで、さらにその地域の魅力をブラッシュアップする工夫は必要かと思っている。例えば、南信州であれば、清内路地区の手作り花火が非常に有名であるが、これをただこう見て終わる、こういった観光とはせずに、その地元の指導者の方と一緒に、そのお祭りの一環に参加する、あるいはその手作り花火にも一緒に参加してもらう。地域の人と触れ合えるようなコンテンツをつくっていくことで、再び信州に遊びに来たくなる、戻って来たくなる、信州リピーターの獲得につなげていく、こういったことをつくり出していくことを、県としてもしっかり支援していきたい。
 さらに大事なことは、それぞれの観光地が魅力を深めることによって、それを広域的な連携によって、次の観光地へつなげていくことが大事である。例えば清内路であると、天龍村の舟下り、あるいは喬木村の果樹農園など、別の魅力へつなげていくことが大事だと思っている。それによって、結果的にこのエリア全体で、観光消費額の増加につなげていくことが大事だと思っているので、県としても、引き続きであるが、観光機構の担当と一緒に地域間のつなぎ役となって、広域連携がしっかり進むように、コロナ禍の今だからこそ、この地域の魅力づくり、広域連携をしっかり進めていきたい。

【本郷委員】
 そのような認識で、これから戦略的に進めていただきたい。

長野県観光のあるべき姿について

【本郷委員】
 長野から松本に戻るときに、最後のトンネルを抜けると有名な安曇野が見えて、その正面に常念岳をはじめ北アルプスが連なっているわけで、僕らは小さいときから見ているから普通であるが、一般の方から見たときに、北アルプスの晴れたときの、特に冬の晴れた日の景観というのは圧倒的であって、私もスイスには2度ほど行っているが、スイスは登山列車で、ユングフラウヨッホやアイガーのところまで中へ入っていって、そこから降りて氷河を見せる。信州としてのほかの他県にないものすごい価値観を持っていて、この認識を私どもは再認識をしなければいけないわけで、このような観点から、国際水準並みの観光戦略ということを知事はよく本会議でも述べていて、ぜひそういう高い志を持って、観光部としては一層ご精励をいただきたい。
 最後に、県の宿泊割、「Go To トラベルキャンペーン」などの支えがなくとも、足腰の強い観光地づくり、全国のお客様から選ばれる観光づくりを着実に進めることが重要であり、今、私が余分な話をしたが、そういうものを、もう一回、再発見して、各課・室長からの答弁を総括して、中長期的な視点から長野県の将来を展望し、長野県観光のあるべき姿について、中村観光部長に俯瞰的な視点から将来ビジョンを伺う。

中村観光部長
 現在、需要喚起という局面であるが、感染の波に応じて適切な手を打つということもあって、より細かく区切らざるを得ない。今回、大分厳しい状況であるが、事業者さんと、こういうことをやるに当たっては、非常に細かい意思疎通が重要で、この意見交換を頻繁にやっていて、今回、非常に財産になっている。これをステップに、次の段階に行かなければならない。委員からも、こういったものがなくてもやらなければいけないのではないかという発言もあって、まさにそのとおりである。今は、需要喚起ということで必要であるが、これがない状態、公的なこういうものがなくても、やっていかなければいけない。これをいかに事業者さんとつくっていくかが大事であって、今年度、ずっとやってきたもので、財産に発展させるということと思っている。
 実は、長野県の観光もいろいろな課題がコロナ以前からあって、国内のお客様がだんだん減ってきている。それから日帰りのお客様が逆に多くなって、宿泊の方が少なくなってきている。こういうことがもう数年くらい前から起きていて、だんだんこういう状態になっている。これは大問題であったが、これが一気に、今回の新型コロナウイルスの影響で噴き出し、改めて加速された状況になっている。これが突きつけられて、いち早く立ち直らなければいけないところを、前は何となくこう行くのではないかと思っていたが、そうはならないとよく分かることで、ここの対策をどうやってつくっていくか、逆に、そういう意味でのチャンスだと捉えたほうがいいのではないかと思っている。
 そういう中で、一番は国内のお客様だと思っている。インバウンドのお客様も多いが、大体1割くらいであるから、長野県のお客様はやはり県外のお客様に支えられているというのが7割近くであるので、それが前から減ってきていることは大問題なので、いかにてこ入れしていくかであるが、本当に20年、30年くらい前の頃は「さわやか信州」と言っていればお客様が来ていた時代であるので、国内のお客様が何もしなくてもお越しになっていた。そういうところを夢見てずっと来ていたが、それはもうあり得ず、お客様をいかに取り返していくか、また振り向いてもらえるかが勝負で、ここをいち早く立て直すところが今回と思っている。
 数年前から少し動きがあって、二地域居住とか、関係人口とか言われたりしていたし、テレワークとか、数年前から少しずつ出てきていた。これが、働き方とかいろいろな状況の中で、観光と境目がもうなくなってきている。そういう地域をつくっていくことが、これからなのだろうと思っている。
 それをやるには、自分たちで稼ぐというか、そういうエリアはどこなのかを見極めて考える。それは別に一つの行政区ではないので、どこの範囲までが、自分たちが稼ごうとしている地域なのかを、その人たちで考える。それが県内に複数あることが大事で、そこのエリアだけで完結するのではなくて、いろいろな複数のところとエリア同士で稼ごうという感覚でいかないと、これからはいけない。そういう状況の境目のない観光地づくり、観光地をつくるにもそういうエリア間同士の連携をやっていく、それがあるべき姿かなと。そこに、しっかり顧客データを取るという、これが加わった上で考えていく。こういうことを将来に向けてやっていかざるを得ない状況の中で、県はしっかり支援していきたい。

本郷委員
 今、大変複合的な観点から、中村部長の見解を聞いて安心した。3年くらい前になると思うが、委員会視察で夏目漱石の小説に出てくる道後温泉に行って、大変びっくりした。歩いて、一回りすると大体40~50分である。例の有名な旅館はきちんと残っていて、それもメンテナンスしているが、その一帯全体が、新しいコンセプトで非常にすばらしいものができている。そういう多面的で立体的な拠点主義的なものをやっていかないと、今、長野県全体の温泉街がやや元気がないということで、大変心配をしている。そういう意味においても、行政論や財政論からいっても、今回のコロナ禍によって、都道府県の位置づけがものすごく高くなった。だから衆議院・参議院予算委員会の答弁も、各知事からのデータによっての答えが非常に多い。そういう意味で、基礎的自治体はもちろんコミュニティの関係から非常に重要であるが、財政論から言うと、長野県は、今度、1兆2000億円を超えているわけで、これから観光戦略も、都道府県の役割が非常に重要になってくる。そういうものもデータを集約して霞が関に行くわけであるから、中村観光部長に、プライドを持って、長野県全体の観光振興の指導的役割を強く果たすことを期待する。

令和3年2月定例会 産業観光企業委員会(企業局関係)
来年度の組織改正と中長期的な課題に対する体制づくりの方向性について

【本郷委員】
 ゼロカーボン、脱炭素社会、水素エネルギー、燃料電池、さらには国土強靭化と、最も県庁においても活力のあるセクターとして、大変な活躍をされていることに、深く敬意を表する。小林管理者の適切な指導の下、新しい時代に対応した、極めて積極性のある施策を多く実現されたことを高く評価する。
 地球規模で人や物、資本が移動するグローバル経済の下、気候変動、自然災害、感染症といった地球規模の課題は、グローバルに連鎖して発生し、経済成長や貧困格差、保健等の社会問題にも波及して、深刻な影響を及ぼす新しい時代となってきている。地方公営企業として、ライフラインの維持・確保を担う企業局としても、経営環境を左右するこれからの課題に柔軟に対応する組織体制の整備が一層必要だということを、今、痛感している。
 来年度の組織改正では、2か所の発電管理事務所において、管理課・制御課を廃止して建設課を設置し、本庁には新たにスマート化推進センターを設置するとのことであるが、これにより新規電源開発の加速化や、発電管理の効率化・高度化等がどう図られるのか伺う。また、来年度以降、本格化する春近・美和等の基幹発電所における大規模改修工事の推進、あるいは水道事業の広域連携など、中長期的な課題に対する体制づくりの方向性についても、併せて伺う。

【竹花経営推進課長】
 これまでそれぞれの発電管理事務所が管轄下の発電所の日々の運転計画を立てて、管理・制御を行っていた体制を今回の改正で改めて、これらの業務をセンターが一括して担うことで、省力化を図り、その分の人員を新たな発電所の建設や既存施設の大規模改修に振り向けていくことで、戦略の目標達成に向けて取り組んでいきたい。
 また、センターが中心となって導入を進めていく次世代監視制御ネットワークシステムによって、発電施設に関するデータを蓄積して、併せて気象データなどもシステムに取り入れながら、AIを活用して、故障予測や河川の流入予測などに役立てるといった予防保全の取組も進めていく。このネットワークシステムは、発電所や浄水場などの施設をネットワークでつなげて、パソコンやスマートフォン、タブレット等によって、複数の職員が分散して情報を同時に共有することで、感染症対策とか、バックアップ体制の構築という点からも、有効ではないかと考えている。
 次に中長期的な課題に対する体制づくりの関係であるが、AI等先端技術を活用した、スマート保安の取組とか、改正水道法でも官民連携の推進がうたわれているが、地域の民間事業者との連携といった観点も踏まえて、施設の維持管理業務とか、発電所の建設・改修業務に従事する職員の拠点をどこに置くことが望ましいのか考えていく必要がある。過去の企業局の組織の変遷を見ると、ある年代以降は事務所を集約・統合して効率化を図ってきたという経緯はあるが、今後は、電気事業では地域連携型の水力発電所を県内各地に展開をしていくこと、また水道事業でも、関係する市町村水道との連携を進めていく中で、より地域に密着した業務体制づくりが必要でないかと考えるところで、今後、本庁と現地機関で構成する企業局組織あり方検討委員会等で議論をしていきたい。

水素の利活用や地域のマイクログリッド研究等の取組と今後の展開について

【本郷委員】
 令和元年の11月県議会定例会における気候非常事態に関する決議を受けて、阿部知事が気候非常事態を宣言した。昨年9月県議会定例会における長野県脱炭素社会づくり条例が全会一致で可決・成立したことは承知のとおりである。国においては、菅総理大臣の指示により設置された国・地方脱炭素実現会議、阿部知事も構成員として会議に参加しているが、2050年脱炭素社会実現に向けたロードマップ策定も進められている。
 脱炭素社会の実現に向けては、水力発電の新規電源開発をはじめとする企業局の果たすべき役割は大変重要であると認識している。再生可能エネルギーを拡大することに併せ、それらを活用し、災害時も含めた地域エネルギーの自立に向けた取組も期待されている。水素の利活用や地域のマイクログリッド研究等、これまでの取組と今後の展開について伺う。

【小林電気事業課長】
 新規電源開発については、経営戦略において、令和7年度までに開発着手を含めて、36か所、設置することを目標としているが、これは、現時点で発電所数において、全国の都道府県等の公営電気の事業者として、日本一を目指すものである。発電所の整備に当たっては、前回、説明した横川蛇石発電所のような地域連携型水力発電所を基本コンセプトとして、それぞれの発電所の状況を踏まえ、地域の憩いの場や自然エネルギーの学びの場として親しまれ、災害時には電力を地域に供給する発電所となることを目指している。
 特に災害時等に地域へ電源供給ができるように、周辺地域が停電していても自立運転し発電できるような機能を備えるとともに、非常用コンセントを屋外に常設するほか、地域の防災拠点への電力の供給について、研究もしていく。この点については、地域連携水力発電マイクログリッドの構築を目指して、来年度は裾花発電所と大鹿発電所で自立運転化の改修を行い、大規模改修が完了する西天竜発電所と合わせて、新たに3つの発電所を自立運転できるようにするとともに、地域の防災拠点等への電力を供給するための法的・技術的な課題整理を行うとともに、送配電事業者や地元関係者の皆様と協議を並行して進めていく。
 水素の利活用については、昨年12月に産総研の福島再生可能エネルギー研究所と共催で、長野市において「再エネ×テクノブリッジ in 長野」を開催して、水素の利活用に関する意見交換・情報交換を行い、特にトヨタ自動車製の「SORA」という燃料電池バスや、FCVの試乗会を開催し、多くの皆様に、水素をエネルギーとして実感してもらった。
 また、企業局のFCVについては、2台目を導入したところで、3月5日にオリオン機械様とUグループ様とそれぞれ燃料電池自動車の普及啓発活動に関する協定を締結した。内容は、運輸部門における温室効果ガスの削減に資するため、FCVの普及啓発を図るとともに、水素の利活用に関する県民の皆様の理解を深めることを目的として、企業局はFCVの普及活動を率先して実施するとともに、協定締結企業はそれぞれに参加・協力するということとして、FCVの走行データについて、企業局に集積し、分析することにより、FCVの機能性を実証していくものである。このほかにも県や市町村等が行う防災訓練等において、FCVからの給電を紹介するなどして、水素の利活用の実証・展開についても検討していく。

水道事業の広域連携に対する取組について

【本郷委員】
 長野県は、本格的な人口減少社会を踏まえて、昨年10月に県と77市町村等の参画の下、長野県水道事業広域連携推進協議会が設立された。本協議会では、市町村とともに水道施設台帳の長野モデルの整備を目指すとともに、水道事業のDXの推進に向けた検討を進めていくとのことで、協議会のこれからの取組に大いに期待をしている。
 水道事業の広域連携を進めるに当たり、水需要の減少等の経営環境をはじめ、施設の老朽化、水質や地理的条件など、県内の市町村はそれぞれ状況が異なることが課題である。このような中、都道府県で唯一、末端給水事業と用水供給事業の両方を実施する経験と実績を有する長野県企業局が果たす役割は大変大きいと感じているが、今後、全ての市町村が参画することとなった協議会において、広域連携の推進等に向けてどのように取り組んでいくのか伺う。

【塩沢水道事業課長】
 企業局だけではなく、水道事業者は、県内を見ても、共通する課題を抱えているし、それぞれの地域の独特の個々の事情もある。改正水道法の趣旨も、広域的な連携を推進するに当たっては、都道府県の責務が求められていて、それには専門的知見とか、広域的な連携の視点があると思っている。そうした中で、私どもと併せて長野県という意味で見てみると、県としては水道行政の所管の部局もあれば、市町村の行財政所管の部局もあるが、企業局として技術的な経験とか、経営のノウハウの蓄積を自覚した上で、支援をして一緒に考えていくことが必要だと考えている。
 事例として、水道施設台帳の長野モデルの取組も、全県が集まる協議会もできたが、みんなで統一のフォーマットでやっていったほうが、かなりデータも連携できるし、有益ではないかということを企業局として提案した。それには、それ以前からの関係市町村との取組、あるいは連携、議論の積み重ねがあってのことと考えている。ほかにもいろいろ広域連携、多岐にわたる課題があると思っているので、DXの推進にしても、業務の共同化も企業局としてノウハウを生かして、議論を進めていくように連携してやっていきたい。

【本郷委員】
 大変、複合的な要素が絡んでいて、大変だと思うが、成功のために一層ご精励を願いたい。

改定後の長野県公営企業経営戦略の実現に向けた取組について

【本郷委員】
 経営戦略の改定作業が2年にわたることになったと聞いている。大規模災害の頻発や新型コロナウイルス感染拡大、さらには2050ゼロカーボンの実現など、企業局を取り巻く社会経済情勢は大きく変化する中で、これらを踏まえて、長野県公営企業経営戦略の実現に向けては、今後、知事部局をはじめとする関係機関との連携や県民の皆様の企業局事業への理解が不可欠であると認識しているが、戦略の実現に向けて、小林管理者の骨太の方向性を伺う。

【小林公営企業管理者】
 新型コロナウイルスの感染拡大もゼロカーボンも、世界の荒波が一地方の地方公営企業を直撃する時代になった。しかしながら、先を見通して、連携とか、県民の皆様の理解を得ていくというのは、非常に大事だと思っている。これほどの大きな流れにはなっていなかった平成30年に、県としてはいち早く、この新規電源開発地点発掘プロジェクトというのを立ち上げて、企業局のみならず、各部局と一緒に新しい水力発電所の立地を求めていくということで着手したことが非常に大きくて、私としても、市長会や町村会の場や個別の市町村長さんにも、なるべく話をする中で、市町村長さんから、うちにはこういう箇所がある、ああいう箇所があるという推薦をしてもらったものが、今、調査しているもので、各市町村長さん、市町村の関係者からの提案というのが非常に大きかった。
 今のこの流れの中で、例えば昨年度からやっていれば、新型コロナウイルスの感染拡大で厳しかったと思うが、それより1年、2年早くスタートさせてあったということが、今のさらなる積み上げに生かされているし、また、前回もビデオを見てもらった横川蛇石も、今回のえんまん以下も、地域と連携した水力発電で、いざとなったら、その水力発電所の電力を地域に供給するということをよく理解をしてもらいながら進めていくというのが非常に大事で、30年から市町村の皆さんと一緒に語り合ったり、私も含めて現場へ行って話をしたり、水道の施設を見ながら話をしたことによって、水道は実態が非常に大事で、地理的制約、自然条件の制約が非常に大きいことを身をもって知ることができた。
 それとともに、国の関係者、国の現地機関の長ともいろいろ話を積極的にするようにしているし、局内も、なるべく職員との直接の対話とか、ウェブも使って対話とかメールで意見を全職員に求めたり、局内的な連携も、局外的な連携も含めて、全ての皆さんと連携、協働して、この荒波の中を乗り越えていくことが一番大事ではないかと思っており、引き続き皆様の理解、協力をお願いしたい。

本郷一彦公式ウェブサイト
Copyright (C) 2014- h-kazuhiko.jp. All Rights Reserved.