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平成30年6月定例会 環境産業観光委員会 質疑応答要旨(環境部関係)
G20関係閣僚会合推進事業について

【本郷委員】
 今回のG20関係閣僚会合を契機に「長野県環境エネルギー戦略」をどのように世界に向けて発信していくのか。
 また、G20関係閣僚会合という機会を通じて、より一層県民とビジョンを共有することも必要と思われるが、戦略的にどう取り組んでいくつもりか。環境エネルギー課長に伺う。

【真関環境エネルギー課長】
 G20の関係閣僚会合は、環境エネルギーに先駆的に取り組んできた本県にとっても喜ばしいこと。
 戦略は、2020年度までの8年間を計画期間とし、温室効果ガスの削減目標を、国より高い2030年度30%減に掲げ取り組んでいる。基本目標である「経済は成長しながら、温室効果ガス総排出量の削減が進む経済・社会構造」としてデカップリングが着実に進んでいる状況。
 これまでの対外的な発信として、2017年9月、長野市において「地域再生可能エネルギー国際会議2017」を開催。およそ700名を超える国内外からの参加者を迎え、本県の環境エネルギー政策について発信し、国内外の関係者から高い評価をいただいたところ。
 また、パリ協定の目標を達成するため、政府のみならず、企業、自治体、研究機関、様々な主体が参加し、議論を深める「タラノア対話」にも参加し、本県の取組を発信している。タラノアとは、フィジー語で「包括的・参加型・透明な対話プロセス」を指す言葉で、自治体で参加しているのはアメリカ・カリフォルニア州と本県のみ。
 また、今回の補正予算でもお願いしているICLEIという団体がある。これは「持続可能な社会の実現を目指す自治体協議会」といい、全体で1,500以上、国内でも東京・横浜をはじめ20団体が加盟。ICLEIへの加盟により、これまでの取組の発信を加速させ、本県の存在感を広く発信したい。
2020年度の改訂だが、これまでの施策の進捗状況や課題の分析、国内外の先進事例の収集、また関係課との検討や有識者との意見交換を重ね、これからどのようなものを目指していくか、ビジョンが大事と考える。このビジョンを皆様との議論の中で共有しながら、新たな戦略の改訂を目指してまいりたい。

【本郷委員】
 次に、安全で安心な会合の開催には、環境部だけでなく全庁挙げて取り組んでいくことが重要である。相当大規模な会議となることが見込まれるため、関係省庁はもちろんのこと、開催地である軽井沢町との連携など、会議の開催に向けて、現時点において想定している取組について伺いたい。

【鈴木環境参事兼環境政策課長】
 今回の関係閣僚会合のテーマが環境・エネルギー関係ということで、県の事務局を環境部が担っているところであるが、環境・エネルギー分野にとどまらず、長野県の多くの魅力を世界に向けて発信していくためには、環境部だけなはなく、県庁内の組織はもとより多くの関係機関と連携して取り組んでいく視点が重要だと考えている。
 庁内の連携体制については、4月2日に関係閣僚会合が長野県で開催されることが決定されたことを受け、4月20日に「G20関係閣僚会合長野県推進本部」を設置した。
 この推進本部は、本部長が知事、このほかに県警本部長や各部長、また、開催地を所管する佐久地域振興局長、国との連絡調整を担う東京事務所長などで構成されており、全庁的な連携のもとに会合開催に向けた準備を進める体制を整えた。
 今後は、速やかに官民一体となった推進組織であるG20関係閣僚会合長野県推進協議会(仮称)を立ち上げたい。
 推進協議会には、軽井沢町や佐久広域連合のほかにも、県内の経済界、観光関係、運輸、環境など様々な関係団体に参加いただく予定としている。
 また、国との関係では、今回の関係閣僚会合の主催である経済産業省それから環境省に7月1日付でそれぞれ1名ずつ派遣することとし、会合の準備や県との連絡調整を担ってもらう。
 会合の開催まで1年を切っており、今後、関係機関と綿密に連携を図った上で、会合の成功に向け、準備を進めてまいりたい。

【本郷委員】
 各国の閣僚が集まるG20は、これら長野県の持つポテンシャルを世界に対し広くPRし、国際社会との連携を強める絶好の機会と思われる。
 そこで、この機会を活用して長野県が持つ多くの魅力や強みを、どのように世界に向けて発信していこうとしているのか。これを1つのテコにして戦略的に進めていただきたいが、G20の成果を今後、県政にどの様に反映させていくのか、環境部長に決意のほどを伺いたい。

【高田環境部長】
 委員ご指摘のとおり、G20関係閣僚会合の開催地となることは、長野県の魅力を世界に発信できる絶好の機会と考えているところ。
 具体的な日程は未定ではあるが、会期中におそらく開催されるであろう歓迎レセプションやエクスカーションなどの中で、長野県のワインや日本酒、おいしい食材や食文化、伝統芸能などを発信したり、技術力を有する企業などを会合の主催者である経済産業省、環境省へ提案・調整しながら主体的に発信したいと考えている。
 また、今回の予算で在京大使館の招聘もお願いしており、そういったツアーも活用し、長野県の魅力を、県庁内の組織や官民連携となった組織の力も借りながら一緒になって発信していきたいと考えている。
 G20の成果を今後の県政に生かすため、G7交通大臣会合の成功が、今回のG20関係閣僚会合の開催地選定に繋がったように、G20関係閣僚会合を成功させることが、次のMICE誘致に繋がると考えているため、しっかり取り組んでいくとともに、在京大使館とのネットワークをより強化し、産業振興や先進的な施策の展開に繋げていきたいと考えている。

省エネ対策の推進について

【本郷委員】
 パリ協定を受け、国においては2016年地球温暖化対策計画を閣議決定した。
 目指すべき中期的な目標として、温室効果ガスの削減を2013年度比マイナス26%と設定している。一方、長野県の温室効果ガスの削減目標は1990年度比マイナス30%と実質的に国の目標を大きく上回るもの。この目標の実現には、省エネルギーの推進と自然エネルギーの普及の両面での対策が必要。
 特に省エネの推進には、対策が必要な家庭部門と業務部門において、県民や関係業界等をしっかり巻き込んだ取組が肝要であることは言うまでもない。
 先程説明のあった「さわやか信州省エネ大作戦」の取組を含め、今後本県の省エネ対策をさらに進化させるためにはどのような方法論をお考えか、環境エネルギー課長に伺う。

【真関環境エネルギー長】
 「長野県環境エネルギー戦略」の中では、大規模事業者に対する「事業活動温暖化対策計画書制度」や、新築住宅等における「建築物の環境エネルギー性能、自然エネルギー導入検討制度」による義務付けを行った。
 こうした取組の結果、2010(H22)年度以降は全体的に温室効果ガス総排出量が下がってきており、現在1,593万t-CO?との数字である。
 しかしながら、産業や運輸部門に比べ家庭・業務部門の削減量が相対的に少なくなっていることから、昨年度行った「長野県環境エネルギー戦略」の中間見直しにおいて、例えば省エネ改修を促進するため、既存住宅などの省エネ性能について簡易診断を行うほか、中小規模事業者向けの専門家による省エネ診断を新たに今年度から行うこととしている。
 また、全体の省エネとしては、「さわやか信州省エネ大作戦」の形で、既存のPRだけにとどまらず、構造的な省エネを目指すことも取り組んでまいりたい。
 以上のように、方法論としては今後は減りの少ない家庭部門や、ホテル・旅館など常時燃料を使う割合の高い事業者に積極的に働きかけることが肝要と考える。

平成30年6月定例会 環境産業観光委員会 質疑応答要旨(環境部関係)
経済情勢について

【本郷委員】
 長野県経済は製造業を中心に経済をけん引し、回復基調にあることは先ほどのデータのとおりであるが、本県の産業構造を踏まえ、長野県経済の現状、課題に対する認識、また、今後をどのように展望しているのかを戦略的、大局的観点から内田産業労働部長の見解を伺う。

【内田産業労働部長】
 長野県経済については、先ほどから申し上げているとおり、回復基調にあるということで、主にものづくり産業、特に、半導体、自動車関連産業などの輸出系の産業がけん引し、好調を維持していると認識している。
 設備投資にその傾向が顕著に現れており、民間シンクタンクの「設備投資状況調査」では、平成30年度に設備投資を行う予定のある企業は約78%で、全国でも2番目に高い結果となっている。しかし、一部では、過剰投資を懸念して、設備投資を手控えているような企業もある。
 また、人手不足の面では、都市圏に人が集中するということもあり、首都圏、特に大手企業に大学の新卒者の採用が集中しており、ある企業では首都圏系の大学生に内定を出したが、7割が辞退してしまったという話もあり、県内経済への影響も見過ごせないものとなっている。
 このほか、県内には輸出関連企業も多いことから、アメリカや中国などの海外情勢等の動向も十分注視して、関係機関とも連携の上、対応策を含め、冷静に状況を分析していく必要があると考えている。
 こうした情勢を踏まえ、今後は第4次産業革命、人口減少時代を見据え、いかに産業イノベーションを創出していくかが大事になってくると認識している。
 AI・IoT、ロボットなどの革新的技術を積極的に導入し、自動車産業においては、これまでのガソリンエンジンからEVやFCVという流れがそろそろ出来ているので、それに向けた対応などを考え、産業構造の転換を意識して、持続的な発展につなげていくために、県としてどのような支援が効果的なのかを検討を開始している。
 また、しあわせ信州創造プラン2.0において2030年を見据えたチャレンジプロジェクトに取り組んでおり、産業系では「共創を促進するイノベーティブな産業圏づくり」を掲げている。これは、私がチームリーダを務め、現在若手の職員なども加わって部局横断のプロジェクトチームとして取り組んでおり、目標となる2030年の状態を想定し、今後何をしていくことが良いのかを考えるバックキャステイングの手法で施策を検討している。
 本県産業は大きな変革期を迎えており、引き続き短期的・中長期的な観点の両面でしっかりと産業振興に取り組んでまいる。

生産性の向上について

【本郷委員】
 長野県の労働生産性は、730万円と平成26年には全国27位と低い状況にある。議会でもコミットしたが、5か年計画に掲げた産業の生産性の高い県づくりは柱中の柱であり、進めていく必要がある。そういった意味でも、AI・IoTなどにより産業構造が急速に変化している中、あらためて生産性の向上に取り組む意義、また、方策、具体的な取組等について伺う。

【内田産業労働部長】
 生産性の向上は、これから産業が活力を維持し、発展していくために、非常に重要なポイントになってくる。技術革新の進展、人口減少時代において、県内企業の効率性等を高めて、稼ぐ力を強くし、持続的な経済成長と安定した雇用を確保するためには、生産性の向上が必要になってくる。
 このため、しあわせ信州創造プラン2.0では産業の生産性が高い県づくりを重点施策として取り組んでいるところ。生産性の向上に向けては、製品の付加価値の向上、AI・IoTの利活用を促進して効率性や自動化、働き方改革の促進などの取組があると考えている。
 具体的には、製品の付加価値の向上として、例えば、本県でも関連する企業も多く得意とするセンサは、AI・IoTには欠かせない部品であり、ソフトウエアなどを組み込みデバイス化することにより、付加価値の高い製品として売リ込むことができると考えている。県では、「IoTデバイス事業化・開発センター」を現在整備しており、今後開設をし、ものづくりだけでなく、農林、観光などの分野で活用されるIoTデバイスの開発を推進していくために、支援体制を整えているところ。
 また、利用促進の観点では、一般質問でも答弁したが、今年度からスタートするモデル事業において、効果的な事例をどんどん作り、それを広めることによって、事業者の使ってみようという意欲を高めていこうと考えている。
 さらには、今後、AI・IoT利活用のための方針を策定し、様々な先進事例等を紹介しながら、導入促進に取り組んでいく。
 また、生産性向上に向けた働き方改革であるが、現在就業促進・働き方改革戦略会議を設置し、就業促進とともに、長時間労働の縮減、女性や高齢者等の雇用促進など働き方改革の取組を検討しており、効果的な施策を打ち出したいと考えている。
 引き続き、生産性の向上に向けた取組を着実に進めるとともに、更なるAI・IoTなどの活用、働き方改革等の検討を進め、効果的な支援策に結び付けたいと考えている。

成長期待分野への参入促進支援について

【本郷委員】
 航空機産業振興ビジョンや食品製造業振興ビジョンが進められているが、今後もイノベーションやクラスター形成に向けた産業構築について、県がリードしていくことが極めて重要である。両ビジョンの進捗はどうか。

【沖村ものづくり振興課長】
 航空機産業振興に関しては、現在、飯田工業高校跡地へ拠点を整備しており、この中で人材育成と研究開発、実証試験を行う体制を構築している。
 人材育成については、信州大学と連携し共同研究講座を設置。現在、大学院生が8名、学部生が3名の計11名が研究に取り組んでいる。また、社会人講座も開設し企業在職者の人材育成にも取り組んでいる。
 研究開発については、国等の補助金を活用し、燃料計のシステムやハイブリッドブレーキ、GPSを用いた航法システムなどの研究に取り組んでいる。
 実証試験については、H28年度に着氷試験機を導入し、県内外の企業が約2,000時間利用。昨年度は防爆試験機を導入し、今年8月から本格的に稼働。今年度末には燃焼・耐火性試験機を導入するべく準備している。
 これらにより、ビジョン策定時には40社であった参画企業数は60社まで拡大。目標である100社を目指して取組を進めていきたい。
 次に、食品製造業振興については、機能性食品の開発を支援する食と健康ラボの機能強化のため、工業技術総合センター食品技術部門へ機能性食品開発拠点を整備中。今後、信州大学とも連携して開発支援を進めていく。
 また、ブランド化の観点では、11月16日(金)から18日(日)に開催される全国発酵食品サミットについて、現在、業務受託者が決定しており、専門家とも連携しながら準備を進めている。特に今回は、全国初となる全国甘酒品評会を行う。ブームとなっている甘酒のPRを通じて、甘酒を多く製造する本県の味噌、清酒業界の需要拡大に繋げたい。

【本郷委員】
 将来は健康・医療機器など、全く新しい成長分野への展開に向けた支援を行うことが重要であるがどのように考えているか。

【内田産業政策監兼産業労働部長】
 本県には加工組立型産業が集積しており、精密、電子技術などに優位性がある。今後も、これらの強みのある技術を核とした新産業の創出が期待されており、新たな領域への展開を促進するための支援も現在検討している。
 健康・医療分野については、ものづくり産業振興戦略プランにおいて、成長期待分野として前回のプランから掲げている。今回のプランの地域ごとのプロジェクトにおいても、松本地域をはじめとして健康・医療に関する事業が計画されている。加えて、これまでも信州大学等と連携し、シーズを事業化しているといった実績もある。高齢化社会の到来やグローバルな健康志向の高まりなどを勘案すると、大変有望な分野であると考えており、県の工業技術動向調査においても、健康・医療は県内企業が一番参入を望んでいる分野となっている。今後は、県内企業の参入の可能性等について調査分析し、また、大学等との連携も意識しながら、健康・医療分野への参入促進方策について、前向きに検討してまいりたい。

人材の確保について

【本郷委員】
 人材不足については、当面は女性と高齢者で担保しているが、基本的には高い能力を持った人材が中核となるべきである。長野県の大学進学者は、7割以上が県外に流出し、4割しか戻ってこない。若者の県内における人材確保・育成に向け、短期的・中長期的の双方で取り組む必要があると考えるが見解を伺う。

【長田雇用・就業支援担当部長】
 就職情報提供会社が県内出身の大学生に行ったアンケート調査によると、地元就職を希望しない理由として、約6割が志望する企業がないからと回答している。しかし、実際、県内には高い技術が世界的に評価されているような、学生が自分の能力や専門を生かすことができる企業がたくさんある。このため、県内出身の大学生に県内企業の強みや優れている点や、県内で働くことの魅力を伝えて行くことが重要だと考えている。まず、短期的な観点での取り組みについて、
1つは、資料11でご説明した県外大学とのUターン就職協定の締結。協定校のUターン就職率が非協定校に比べ高くなっており協定締結大学をさらに拡大したい。
 2つ目は、インターンシップの促進。受け入れ県内企業に対し、学生の交通費、宿泊費を助成する「インターンシップ助成金」を引き続き実施するとともに、インターンシップ参加希望学生と企業とのマッチングを行う「インターンシップマッチングフェア」を本年度初めて開催(先週末6月30日土曜日、東京新宿で開催、12月にも開催予定)。
 3つ目は、県内企業の情報や県内で働く魅力の発信。資料11でご説明した長野県就活支援ポータルサイトの取り組みや、県内企業の若手社員で構成する応援隊を結成し、交流会で、県内企業で働く魅力を自身の経験から学生や保護者に伝える取り組みを、引き続き行ってまいる。
 次に中長期的な取り組み。1つは、資料8でご説明した信州ものづくり未来塾などキャリア教育。初等教育段階から大学生まで実施することが必要。特に、小中学生のころから、地域の産業や企業の魅力を知ってもらうことが、地域に愛着を持ち、地元就職につながると考えている。
 2つ目は、長野県で暮らし働くことの魅力を、Iターン者を含めてPRすること。雄大な自然の中で暮らしながら働く。本県ならではの多様なライフスタイルを引き続き発信してまいる。
 4月に立ち上げた、就業促進・働き方改革戦略会議で、若者も含めた人材確保施策、人材育成施策について、官民で検討している。今後、経済団体、労働団体、行政など関係機関が一緒になって取り組んでまいりたい。

平成30年6月定例会 環境産業観光委員会 質疑応答要旨(本郷委員)(観光部関係)
広域型DMOについて

【本郷委員】
 観光地域づくりの舵取り役を担う広域型DMO・DMCの形成のあり方について、長野県としての考え方や支援について骨太の説明をお願いしたい。

【熊谷観光部長】
 広域型DMOの形成は観光戦略2018の一番大きな柱。東京の銀座NAGANOや東京事務所から長野県を眺める機会があったが、地域の特性・個性・魅力をはっきりと伝えていくためには、横の連携で「谷」や「平」といった広域毎に地域のストーリーを色濃く国内外に発信していくことが必要であるということが大前提としてあると思う。その上でDMO形成の視点として3点あげられる。
 1点目は、誰が進めていくのかということ。新たな自治への挑戦として、住民が広域自治をいかに学び、誰が進めるのかが重要。人口が減少し少子高齢化が進む中で、やる気がある人と、その人に託すという合意形成について県や県観光機構のDMO形成支援センターがコミットしてエンジンにあたる部分を進めていきたい。
 2点目はハンドルの部分。進むべき自治、DMOの方向性が正しい方向に行くということが極めて重要。DMOにおいて重要なのは、地域のクラスターとしての産業をマネジメントして各産業が稼げるようになることと、無理な開発をするのではなく、正しい方向に進むためのハンドリングについて地域の方々とともに県全体のバランスを見ながら考えていくことが必要。
 3点目は、観光客は魅力のある地域に訪れるものであり、訪れる必然性が重要。地域のストーリーに従った観光ブランドを一層磨き上げて、新たなデスティネーションを築くべく取組を進めることが必要。マーケティングはもとよりストーリー性を高めるような取組を地域の住民を含めて各産業が協力して行うことが必要。
 新たな自治を切り拓くような、新しい産業を中心にした稼げる観光地域づくりを中心に据えながらやってまいりたい。

【本郷委員】
 3つの明確な柱を提示していただいた。各々重要な内容なので、エンジン、ハンドル、訪れる必然性の3つが良い形で結節されるよう、ぜひ取り組んでもらいたい。

平地温泉観光の再生について

【本郷委員】
 温泉地について、旧来の施設がそのままだったり、老舗が撤退するなど、全体的に衰退傾向にあると感じている。
 湯けむり薫る温泉地は日本人の文化性や情感が伝わるものだが、関係者がやや守りの姿勢にも見える。平地温泉観光の再生について見解を伺いたい。

【熊谷観光部長】
 日本の良さを発信する長野県の平地観光、いわゆる温泉の再生については、現状としては様々な状況があるものの、総じて苦しいという声をいただいている。
 背景として、20年前の長野冬季オリンピックの際に増築、改築等の投資が進んだが、当時の支払いや高い金利の借り換えが進まない等、多々伺っている。
 一方で、意欲的な経営を行おうというところや、Iターンしてきて閉鎖した旅館やペンションを借りて若者たちが新しい感覚でやろうという取組もあると伺っている。
 先ずやらなければいけない点が3点ある。1点目は、現状をしっかり把握するということ。昨年度は観光業全体のアンケート調査を行い観光戦略のベースとさせていただいたが、今年は特に旅館ホテルの経営面の問題として、なぜ稼働率が低いのか、人材不足はどのようにして生じているのか、経営面はどうなのかなど、7月から8月にかけて旅館ホテル組合会の協力も得ながら実態を調査してまいりたい。
 2点目として、県内への需要を高めることが重要。DMO形成はもとより、まずは即効性のあるものとしてアフターDCで4つのチャレンジを行い、天候に負けない観光やネット予約等の充実を図って体質を変化させること。またインバウンド推進協議会やユニバーサルツーリズム推進会議など、長野県の特色ある観光ブランドの立ち上げにもチャレンジし、需要喚起をしていかなければいけない。
 3点目として、これまで20年間はプロモーション活動に終始していたが、構造的問題にしっかり取り組んでいかなければならないと考えている。土地の所有と老朽化した建物の問題を分離してリートというやり方もあるし、身売りするのではなく地域で共同事業体を作って新たな施設を作るなど、国際観光旅客税も新たに導入される中で、国や関係金融機関等に新たな施策の提案をしていき、観光立国としての日本全体の温泉、経済をそのように持って行くような相談もしていきたい。
 観光改革元年をスタートに構造的課題にも目を向けてしっかりと取り組んでまいりたい。

信州アフターDCについて

【本郷委員】
 6月26日の日経新聞では、天候に恵まれなかったことで山岳などの自然資源に依存している観光施策が浮き彫りになった、と指摘されていた。観光部はアフターDCを3年間の集大成として位置づけ、指摘の点についてチャレンジしていくとメッセージを発しているが、天候に左右されない観光コンテンツの充実というところはこれからの信州観光を推進していく上で大変重要なところである。具体的にどのようなビジョンをもっているか。
 また、ネット予約機能の充実や情報発信の強化について、どのような取組みを進めていくのか。

【丹羽観光誘客課長】
 ご指摘のとおり、昨年の取組みを通じて、雨の中でも楽しめるような体験メニュー等を増やしていくことの重要性を感じたところ。
 今年の2月に県下10エリアにおいて、エリア魅力開発事業を実施し、それぞれの地域課題について研究、議論するワークショップを行った。体験メニューの開発・販売につなげるために着地型観光を先進的に取り組んでいる方を講師にお招きしてセミナーを行ったり、今後、10地区でワークショップを行う中で様々な体験メニューを開発していく。
 この取組みは、県だけということではなく商工会連合会の皆様と連携してやっていこうという事になっている。新しい体験メニューを作って、長野県に来てお金を落としていただくための取組みをしっかりさせていただく。
 今年においては「asoview!」という国内最大の体験予約サイトに長野県のページを設け、作った体験商品を見て予約していただけるような仕組みを取り入れている。
 その他に「食」が弱いという部分があり、旅館業、ホテル業の皆様と連携して「朝ごはんプロジェクト」を推進している。これは、お宿の皆様に独自の朝食メニューを作っていただき、朝ごはんを目当てに宿泊していただけるよう取組みを行っているところ。先ほど少しご説明させていただいたとおり、「絶景がみえるカフェ」や「古民家のカフェ」といったように、ただ食べるだけではなく雰囲気を味わうことで、雨が降っても行こうと思っていただけるようなコンテンツを充実させていきたいと思っている。
 私どもの事業だけではなく、農林水産省が農泊を積極的に推進している。外国の方含め、農家に宿泊することに関心を持つ方が多いということで、関係部局と連携しながら農泊も推進していく。
 ネットでの発信については、今までなかなか情報発信うまくいっていなかった部分もあるかと思うが、今年については、先ほどの「asoview!」のような予約サイトと連携し、見ていただいた方が体験メニューの予約をしていただける、また、宿泊なら宿泊の予約をしていただけるような仕組みを信州DC公式サイトにつくった。
 情報発信については、最近、ドローンが普及してきているが、いま、ドローンを使った新しい映像を作る準備をしている。それができたらまたDCのホームページ等に紹介するので、ご覧いただければと思う。
 もう一つ流行しているツールとしてインスタグラムがあるが、今年の5月に信州大学の学生を中心に「長野県観光インスタ投稿チーム」を作って色々な写真を撮って投稿している。
 この投稿写真は、ただ単に撮ったというものではなく、専門家がアドバイスをしたものでなおかつその専門家のチェックを通ったものしか掲載されないという仕組みにしている。
 信州DCの公式サイトをご覧いただき、それを見た方が、そこに自分を置きたい、そこに行きたいと思っているような取組みになるよう進めているところ。
 今回の取組みを契機として来年度以降にもつながるような取組みにしていきたい。

インバウンド推進協議会について

【本郷委員】
 2月定例会の観光部長の総括説明の中で、“意欲ある事業者を中心にオール長野で取り組む「インバウンド推進協議会」を立ち上げ、民間主導による一体感のある海外プロモーションや、統一感のある強力な情報発信を推進する体制を構築していく。”という説明があった。
 現在、県内においては、地域間や事業者間で、インバウンドに対する意識や取組状況にかなりの温度差がある。しかし、人口減少社会を迎え、インバウンド需要の取り込みなしに地域経済の活性化は難しい。
  そこで、やる気のある事業者が協力してインバウンドに取り組み、成功事例を示すことで、様子見をしていた地域や事業者の目をインバウンドに向けることができ、ひいては長野県全体がインバウンドの受入に積極的となり、それにより受入環境が充実し、インバウンドが更に増加するという好循環を生み出すこととなる。
 そういった点で、やる気のある事業者が協力できる組織は必要と考えるが、「インバウンド推進協議会」は、具体的にはどういった組織を想定しているのか。また、現在の進捗状況と今後のスケジュール観は。

【宮原国際観光推進室長】
 「インバウンド推進協議会」は、インバウンド需要の取り込みを積極的に行っている宿泊業、飲食業、旅客運送業、索道事業者等観光関連事業者や市町村、観光協会などを会員として想定しており、金融機関や経済団体等も賛助会員などの形で、協議会に参画いただき、オール長野でインバウンド施策に取り組んでいく。
 事業内容としては、定期的なインバウンド情報(市場の動向、国の補助金等)の提供、会員向け研修会(外国人旅行者対応、受入環境整備等)の開催、プロモーション(現地旅行会社へのセールスコール、旅行博への参加、商談会の開催)の検討、プロモーション素材(映像、パンフレット)の検討・作成、観光資源の発掘、モデルコースの策定、受入環境整備等の国への政策要望などを想定している。
 会費については、一律で徴収することは考えていない。事業ごとに、その事業に参加する者からの実費徴収を想定している。
 現在、関係団体等への説明を行っているところであるが、参加したいという前向きな反応がほとんどである。今後は、9月中に幹事会が開けるよう、役員の選出等を行っていく。

銀座NAGANOについて

【本郷委員】
 銀座NAGANOの大ブレイクに対し敬意を表したい。300万人を達成したが、達成要因をどう分析しているか。今後さらにステップアップしていくことに対しどのような見込みを持っているか。

【斎藤信州ブランド推進室長】
 GINZA SIXのオープンによる影響が大きいと考えている。GINZA SIXがオープン前の昨年4月と本年4月時点で比較すると180%と伸びが大きく、GINZA SIXオープン後の5月は111%となっており、GINZA SIXオープン後は10%程度の増加を推移している。そのような影響もあり、全体で昨年度比122%となっている。今後は10%程度の増を目標にしてしっかり取り組むことを考えていきたい。今年度は、現在増加しているメンバーズ会員、コア層をしっかりと誘引するよう、新しいものにも取り組みながら情報提供を行っていきたい。

【本郷委員】
 首都圏に向けた発信拠点としての役割をしっかり果たす必要があり、現在も進めているが、今年度の発信力強化についてどのような認識を持っているか。

【斎藤信州ブランド推進室長】
 既存の雑誌・メディアなどでも取り上げていただき認知度も上がって評判も良く、これまでの取り組みが出てきていると思う。
 今年度は、インターネット検索サイトでニュースとして、ニュースソースを提供している業者に「つなぐ」の情報を提供しながら、検索サイト上位に表示され、今まで情報が届かなかった方など新しいものを取り入れるために試行的に取り組みたいと考えている。
  また、昨年立ち上げたメディア県人会の方にも相談し、協力を得て情報発信力の強化を図っていきたい。

平成30年2月定例会 本郷一彦 一般質問・質疑 質疑要旨
(1)平昌冬季オリンピックについて

【本郷委員】
 平昌冬季オリンピックの女子スピードスケート競技で素晴らしい成績を収め、多くの県民に勇気と感動を与えてくれた小平奈緒さんに対し、県民栄誉賞を授与することを提案するがどう考えるか。

【知事】
 今月9日から開催されている平昌冬季オリンピックについては、私も連日、テレビや報道等、かじりついて日本選手、長野県関係選手の活躍、目を凝らすと同時に大変うれしい思いを持ちながら、見守らせていただいている。とりわけメダルを獲得された小平奈緒選手、渡部暁斗選手、菊池彩花選手、髙木菜那選手、本当に素晴らしい活躍だと思っている。多くの長野県の皆さまが喜ばれていると思っている。関係の皆さまに心からお祝い申し上げたい。
 特に小平選手は、日本選手団の主将を務められるとともに、1,000mでの銀メダルに続いて、500mではオリンピック新記録での女子スピードスケート日本人初となる「金メダル」を獲得され、私たち長野県民に大きな勇気、希望そして誇りをもたらしてくれた。また、未来に向かう子どもたちに大変な夢と希望を与えていただいた。
 平昌オリンピックでのご活躍以外にも、ワールドカップ500mで2度にわたり総合優勝されるとともに、15連勝中であること。また、昨年12月には、1000mで世界新記録を樹立されるなど、まさに、スピードスケートのトップ選手として世界をけん引され、顕彰するにふさわしい活躍をされていると思っている。私共としては、県民栄誉賞やスポーツ特別栄誉賞を含め、賞の贈呈について検討してまいりたい。

【本郷委員】
 平昌オリンピック女子スピードスケート金メダルの小平選手に対する県民栄誉賞の受賞について、大変前向きな答弁と受け止めた。県民としても議論の余地がないと思うので、可及的速やかな県民栄誉賞の受賞となるようご要望申し上げる。

(2)次期総合5か年計画について

【本郷委員】
 計画策定に当たり、長野県を今後どのような方向へ持って行こうと考えているか。また、それを実現するためにどのような取組を行っていくのか。

【知事】
 長野県を今後どのような方向に持って行こうと考えているのか、そのためどのような取組を行っていくのかという御質問です。
 急速な人口減少と少子高齢化、そして東京圏への人口一極集中が進んでいく中、右肩上がりの経済成長や人口増加を前提とした旧来の社会の在り方というものは、もはや通用しなくなってきていると思っています。
 他方で、連日報道でAI、IoTなどの言葉を聞かない日がなくなっているように、世界規模で急速な技術革新が進んでいます。
 このように変化が激しい時代にあっても、県民の皆様の暮らしをしっかりと維持していく、確かな暮らしを守っていくことが大変重要だと思っています。
 県民の皆様が明日への希望を持って暮らすことができる社会、そして万が一の場合には温かな支援を受けることができる安心感がある社会を引き続き目指していきたいと思っていますし、あわせて、大きく時代が変化する中で、長寿県である長野県が「人生100年時代」における、新しい価値観や生き方、暮らし方を積極的に創造できる地域でありたいと考えています。
 こうした時代の転換期では、一人ひとりの県民の皆様方、また私ども県組織を含めて常に学び続けることが大変重要だと思っていますし、価値観が多様化する社会にあって、それぞれの地域の中で、あるいは長野県という大きな自治体の中で、多くの皆様方の思いを実現するためには、自治の充実が極めて重要だと思っています。
 こうした考え方から、「しあわせ信州創造プラン2.0」(案)の基本目標を「確かな暮らしが営まれる美しい信州」、サブタイトルを「学びと自治の力で拓く新時代」としました。
 基本目標を実現していくために「学びの県づくり」、「自治の力みなぎる県づくり」の大きな二つの要素を政策推進のエンジンにしてまいります。
 また、未来志向でクリエイティブな社会をつくる観点で「産業の生産性が高い県づくり」と「人をひきつける快適な県づくり」、さらには、県民の皆様方の思いに寄り添いながら安心で希望あふれる社会をつくる観点での「いのちを守り育む県づくり」と「誰にでも居場所と出番がある県づくり」を「政策推進の基本方針」に掲げさせていただきました。
 今後、長野県として政策を進めるに当たりましては、こうした基本方針に則した政策を具体化したいと思っています。
 あわせて私ども県組織自体も「学ぶ県組織」への転換を図ってまいりたいと考えています。

【本郷委員】
 次期総合5か年計画では、計画名を「しあわせ信州創造プラン2.0」とし、現行の計画を継承しているところがあるが、その意図するところは何か。

【知事】
 現行総合計画「しあわせ信州創造プラン」の名称を継承した意図についての御質問です。
 今後も県民の皆様の確かな暮らしを守りぬくことが、県の最も重要な役割だと思っています。
 こうした観点で、基本理念は次期計画においても引き継がせていただきたいと思っています。
 「しあわせ信州創造プラン」という名称は維持させていただきながらも、今日の課題に対応するため内容を充実させたことを表すため、計画の名称に「2.0」を付けバージョンアップさせたことを明示させていただいたものです。

【本郷委員】
 計画初年度となる平成30年度当初予算をどのように位置付けているか、2期目任期残りの思いと併せて伺う。

【知事】
 今回の当初予算案、しあわせ信州創造プラン2.0(案)の策定と並行して行わせていただきました。そういう観点で、やはり「学びと自治の力で拓く新時代」を強く意識して、編成をさせていただきました。また、新しい総合計画のスタートにふさわしい内容となるように、計画で掲げた事項の第一歩を記すことができる予算となるよう努めたところでございます。
 そういう観点で、6つの政策推進の基本方針に基づいた編成を行わせていただきましたし、また、特に部局横断で推進していくべき重要な政策については、14の政策パッケージとして、県民の皆様方にもわかりやすくお示しをさせていただいたところでございます。
 私の2期目の任期もあと約半年という形になってまいりました。これまで多くの皆様方のご支援、ご協力のもとで県政を進めてきたわけでありますけれども、今回の予算案は、新しい計画とセットで策定をさせていただいたということもあり、1つは大きな転換をさせていこうということを意識をさせていただいたことと同時に、信州創生戦略を含めて、これまで私どもが取り組んできたものを、引き継ぐべきものについてはしっかりと引き継ぎ具現化する、という観点で今回の当初予算を編成させていただきました。
 私の任期の最後の予算編成になるわけでありますけれども、これまで私が取り組み、県議会、県民の皆様方から様々ご意見いただいたことも十分踏まえて今回の予算編成をさせていただいたところであります。

【本郷委員】
 策定に当たり、県民の声をどのように汲み取り、計画の中でそれをどのように反映させているか。

【知事】
 計画策定に当たり、県民の声をどう汲み取り、反映させたかという御質問です。
 県民の皆様の夢や希望をできるだけ汲み取った計画にしたいということで、私をはじめ本庁・現地機関の職員が、様々な県民の皆様方と丁寧な意見交換をさせていただきながら計画策定を行ってきました。
 全庁を合計すると、400回を超える対話を行った上で、取りまとめさせていただいたところです。
 こうした御意見は様々ありますが、私は今回特に若い世代との意見交換を重視してきました。
 若い世代は特に長野県のことを愛している若者が多いなというのが私の率直な思いです。
 ただ、もう少し長野県が若い世代にとって、魅力があった方がよいのではないか、というのが多くの若者の共通感覚だと感じました。
 そうした観点で今回「人をひきつける快適な県づくり」を掲げ、その中でも「快適な生活空間の創造」ということで、若い世代もひきつけられる、定住したくなるようなまちづくりを目指して取り組んでいこうということも盛り込ませていただきました。
 また若い世代は就職・結婚に対し切実な悩みや課題を持っていますので、就職や結婚支援の充実についても計画の中に盛り込ませていただきました。
 これ以外にも市町村長の皆様方からは地域交通の充実や安心できる医療体制の構築など様々な御意見をいただきましたので、それぞれの部局においても関係者の皆様からの御意見を十分に意識し、また最終的な取りまとめに当たっても、意見交換の成果や結果を踏まえました。

【本郷委員】
 次期計画は「信州創生戦略」を統合・継承するとしているが、具体的にどのように反映されているか。

【知事】
 「しあわせ信州創造プラン2.0」への「信州創生戦略」の反映状況についての御質問です。
 今回、信州創生戦略を「しあわせ信州創造プラン2.0」に吸収させるという形にさせていただきました。
 具体的には、政策の構築・実行に当たっての共通視点として「人口減少に立ち向かう」ということを明記させていただきました。
 また、結婚・出産・子育てへの支援、郷学郷就の観点での人材の育成・確保、一人多役や人生二毛作、移住施策の推進など信州創生戦略で重点的に取り組んでいる施策については今回の「しあわせ信州創造プラン2.0」(案)にも確実に引き継いでいます。
 また、数値目標やKPIについても重点目標や関連目標として引き継いでおり、信州創生戦略と連続性が保たれた案になっていると考えています。

【本郷委員】
 6つの基本方針はいずれも重要であるが思うが、その中でも私はとりわけ「産業の生産性が高い県づくり」が重要であると考える。
 ものづくり産業のみならず、県内には様々な企業や産業が活躍しているが、必ずしも生産性は高くない。
 また、好景気を背景として、有効求人倍率は高い値を示しているものの、深刻な人手不足が生じている。
 次期総合5か年計画では、「産業の生産性が高い県づくり」を政策推進の基本方針にしているが、今後の長野県産業をけん引するものづくり産業の成長に向けた産業戦略や産業人材育成・確保について知事に伺う。

【知事】
 現在、次期総合5か年計画に掲げた「産業の生産性が高い県づくり」の実現をものづくり産業の振興の面から支えるものとして「長野県ものづくり産業振興戦略プラン」を策定しているところでございます。
 このプランでは、研究開発から販路開拓に至るまでの企業の基盤力強化や、大学や企業のシーズを基にした産業集積を図ることにより、絶え間なくイノベーションが創出されていく「産業イノベーション・エコシステム」の形成を図っていきたいと考えております。
 具体的には、基盤力の強化においては、新たな事業分野や市場を開拓にあたり企業の皆様方が課題と感じている「市場ニーズの把握」や「ビジネス化の見極め」を、専門家の皆様方の力も活用しながら支援をしていきたいと思っております。
 産業集積の形成については、これまで成長期待分野として位置づけてきた「健康・医療」「環境・エネルギー」「次世代交通」、こうした大きな枠組みは踏襲しつつも、「航空機システム」や「機能性食品」など、地域の強みを活かした新しいチャレンジを積極的に後押ししていこうという考え方にたっております。
 また、こうした取組を加速化していくため、様々な産業支援機関がありますが、今一度、産業支援のあり方について検討し、支援体制の強化を図っていきたいと考えております。
 また、産業人材の育成・確保については、有効求人倍率はご案内のとおり、平成4年以来25年ぶりに1.7倍を超える等、人手不足が顕著な状況になっております。産業振興を図っていく上で人材の育成・確保は大変重要な課題になっていると思っています。
 そうしたことから、多様な人材の労働参加の促進、そして専門人材の確保、さらには若い世代が自らの就業にしっかりとビジョンを描けるように、キャリア教育の推進を行っていく、こうしたことを進めていきたいと考えています。
 特に喫緊の課題に対応していかなければならないということで、県内の様々な皆様の力を結集していかなければならないということで、経済団体、労働団体の皆様とも連携して「長野県就業促進・働き方改革戦略会議(仮称)」を早期に設置して、具体的・効果的な人材確保策を構築していきたいと思っています。
 また、企業のインターンシップを働きたい人としっかりマッチングすることによる、若者の県内就職促進であったり、あるいは小・中・高校生を対象とした「ものづくり未来塾」の開講であったり、さらには、県の教育機関である工科短期大学校、技術専門校における、今のニーズに合った教育訓練の実施、こうしたことによる産業人材の育成・確保を進めてまいります。
 また、子育て中の女性の再就職支援を始めとする女性の就業率の向上を図っていくほか、高齢者、障がい者、外国人等、こうした潜在的な労働力となりうる皆様が企業と出会う機会を積極的に作っていきたいと考えております。
 こうしたことを通じて喫緊の課題である人材不足対策に県としても積極的に取り組んでいきたいと考えています。

(3)予算案及び組織について

【本郷委員】
 厳しい財政状況の中、予算編成の進め方で工夫した点は何か。

【知事】
 やはり変化の激しい時代にあっては、ボトムアップで粛々と予算編成をするということだけではなくて、トップマネジメント層、具体的には部局長レベルでしっかりとした方向性を示して、大きな舵を切っていくことが重要だと思っております。
 そうした観点で、今回の予算編成方針の中でも、各部局長には、強いリーダーシップを発揮してもらうということを明記をさせていただき、その上で、これまでの政策の取組の成果・課題を検証した上で、ゼロベースで政策を見直して優先順位をつけた要求を行うこと、また、限られた予算でありますので、成果が確実に上がる事業を厳選して要求すること、こうしたことを指示してきたところでございます。
 新しい計画策定と並行しての予算編成作業ではありましたが、各部局長には、それぞれ工夫をして、県民ニーズにあった、そして新しい時代を切り拓くにふさわしい予算を作り上げていくことができたというように考えております。

【本郷委員】
 長野県立大学開学、県立武道館建設、信濃美術館整備などの大規模建設事業が財政運営に与える影響をどうみているか。また、中期財政試算では基金の取り崩しが続く状況だが、どのように財政運営していくのか。

【知事】
 県立大学、県立武道館、信濃美術館の整備改修こうしたものを進めていこうというわけでありますが、財政的影響につきましては、2つの観点があると思っております。
 1つは投資的経費、建設事業費の関係であります。これにつきましては、こうした大規模な事業を織り込んだ上で将来の投資を出しておりますが、こうした事業を織り込んだ上でも通常債残高は引き続き減少していく見込みと考えております。したがって、このこと自体、財政に特段の影響を与えるものではないと考えております。
 また、運営費でありますが、それ自体、必ずしも少なくない金額ではございますが、例えば、平成30年度当初予算案を昨年の当初予算案と比べましても、様々な減額努力によりまして、例えば、公債費でマイナス43億円削減しておりますし、人件費もマイナス24億円削減という形にしております。また、これまで既存施設の縮減・廃止というファシリティマネジメントに取り組んできておりまして、県財政全体の中で、十分対応しうるものと考えております。
 これまでいろんな努力をしてきておりますが、基金残高も私が知事になる前の残高は約270億円程度でありましたが、ここしばらくは500億円以上キープすることができております。
 引き続き、財政の健全性に配慮しながら、しかしながら他方で、県民ニーズにしっかり応えることができる、メリハリのある予算編成を心がけていきたいと考えております。

【本郷委員】
 きめ細やかな行政サービスを安定的に提供していくための基盤として安定的な地方税体系を構築することが必要であるが、持続可能な税財政構造の構築に向けて所見を伺う。

【知事】
 持続可能な税財政構造の構築に向けた所見、というご質問でございます。
 このことについては、何よりも我々が県民の皆様方の暮らしを支えていく上で、重要な要素だと思っております。そうした観点で、まずは地方税財政の分権、国においてしっかりとした安定的な地方税財政制度を構築して貰うことが必要だと思いますし、具体的な提案を我々もしていくことが重要だと思っております。
 特に法人課税を見ますと、都市部に極めて税収が集中しているという状況であります。法人県民税・事業税を合算した人口1人当たり税収を見ますと、都道府県間で約6倍の格差があるということで、極めて偏在性が大きい形になっております。
 このことについては、私ども大きな問題意識を持って、国に対してしっかりと具体的な提案を考えていかなければいけないと思っております。
 いずれにいたしましても、行政サービスの充実強化と持続可能な税財政構造の構築は一体でございますので、引き続き税財政構造の安定化、そして県財政の健全化、こうした点についてしっかり配慮しながら政策を進めていきたいと考えております。

【本郷委員】
 予算規模の減少理由として、制度融資枠の適正規模化などが理由であると聞いているが、その分を差し引いても、地域経済を支える産業・雇用分野への予算が縮小されたことは大いに心配である。目指す姿に掲げた「産業の生産性が高い県づくり」のスタートアップにあたり知事として配慮した点をお聞かせ願いたい。

【知事】
 この度の予算編成にあたっては、全体を通じて新しい時代への対応ということを重視しました。とりわけ、AI、IoT時代に対応するということで、先端技術の活用ということについて、意を用いたところであります。
 産業の生産性の部分についても、2つの観点、ひとつは、先端技術を長野県のものづくり産業の中で、AI、IoT時代に相応しい製品を開発していくということ、もうひとつは、AI、IoT時代の新しい技術を様々な産業分野の生産性向上のために用していく、この二つの観点を意識して計画をつくっております。
 例えば、先端技術の開発の観点では、「IoTデバイス事業化・開発センター」を松本の工業技術総合センター環境・情報技術部門に新設したいと思っております。プロフェッショナル人材を招へいすることで、世界水準のIoTデバイスを創出していく拠点にしていきたいと思っております。
 また、利活用の観点では、ものづくり産業はもとより農林業、建設業、介護・福祉産業など幅広い分野で利活用を進めることが重要であります。そうした観点で、専門家の皆様方のご意見をいただきながら「AI、IoT利活用戦略」を策定していきたいと思っております。
 こうした新しい時代に対応した取組を通じて、長野県の産業の生産性を更に高めていきたと考えております。

【本郷委員】
 平成30年度予算案は、どのようなところに重点を置いて予算編成したのか。

【知事】
今回、14の政策パッケージ、とりわけ部局横断で推進していこうということで取りまとめさせていただきました。それぞれ重要でありますが、その中でも、とりわけ私としては「学びの県づくり」さらには「先端技術の活用」、こうしたことについて、力点を置いて編成をさせていただいたところでございます。
 例えば「学びの県づくり」におきましては、2020年度までに県立高校全てでICT 機器を整備をしていきたいと思います。こうした機器を活用してクリエイティブな教育をしっかり行っていきたいと思っております。
 また、「信州・タウンキャンパス(仮称)」この構想をスタートさせていきたいと思っております。どこでも、誰でも、いつでも主体的に学ぶことができる環境整備に踏みこんでいきたいと思っております。
 また、「先端技術の活用」におきましては、AI・IoT先ほど申し上げましたが、例えば農林業の分野においても、ICTあるいはドローンといった技術を積極的に取り入れていこうということで予算計上させていただいております。
 引き続き、新しい時代に積極的に向き合って、そして新しい技術を積極的に取り入れながら長野県の発展を目指していきたいと思っております。

 地域振興局長からの事業提案、予算要望の仕組みと結果についてのご質問でございます。
 今回、地域振興局長からの事業提案、予算要望を受け付ける仕組みを構築させていただきました。これは試行的に今回行わせていただきましたが、複数の事業を地域の目線から一体的に実施する「事業提案」、そして部局が実施しています現行事業の予算に対する「改善意見・要望」、この2つを地域振興局長から出してもらったところでございます。
 諏訪湖の環境改善対策、あるいは御嶽山の安全対策等、10項目の事業提案、そして11項目の改善意見・要望がありました。こうした提案・要望については、できる限り尊重した上で、今回の予算案に反映させていただいたところでございます。

【本郷委員】
 計画には「学ぶ県組織」への転換を掲げるが、「学ぶ県組織」とは具体的にどのようなものか。またどこに力点を置きマネジメントしていくのか。

【知事】
 「学ぶ県組織」への転換、具体的にどのようなものか、どこに力点をおいてマネジメントするかということでございます。社会環境の変化が非常に急速になっておりますので、こうした変化を敏感に感じ取り、スピード感を持って、県民、社会の要請に応える組織にしていく、そのことを通じて最高品質の行政サービスを提供する組織にしていくということが重要だと考えています。
 「学ぶ県組織」への転換の方向性としては、例えば、目的達成力の高い機能的組織構造の実現であったり、あるいは県民起点を徹底する組織風土の形成であったり、いくつかの観点を今回、総合計画で掲げさせていただいているところでございます。
 私としては、特に、新しい知識や技術を職員一人ひとりが主体的に学び続けていく、我々としてはそうした環境を作っていくことの重要性、そして職員の能力を最大限に組織として発揮できる環境を作っていく、こうした点がこれからの我々マネジメント層の留意すべき点だと思っております。今、働き方改革を県組織内でも行わせていただいておりますけれども、やはり職員一人ひとりがしっかりとモチベーションを保ちながら県民のための仕事をしていくことができる環境づくりにこれからも全力をあげていきたいと思っております。

【本郷委員】
 計画の推進に当たり、県組織を見直す必要もでてくると思うが、具体的に見直し等を検討しているか。また、計画の6つの横断的プロジェクトにはどのように対処していくのか、具体的に組織再編を行う考えはあるか。

【知事】
 5か年計画案にも記載のとおり、複雑化、多様化する県民ニーズに迅速、的確に対応するためには、組織の総合調整機能を強化するとともに、従来の型に捉われない柔軟な組織へと変革していくことが重要だと思っている。今後、こうした観点での具体的な検討を行っていきたい。
 また、チャレンジプロジェクトを6つ掲げている。このチャレンジプロジェクトも私としては県組織の仕事の仕方を変えていく一つの大きな契機にもしていきたい。
 こうした観点で、今回のプロジェクトは、部局や職位の垣根を越えたプロジェクトチームにしていきたいと思っている。また、若手の幹部職員をチャレンジプロジェクトの推進を担うポジションに配置するなど、これからの長野県の組織の動き方を変えていくべく、工夫をしながらプロジェクトの編成を行っていきたい。
 こうしたことを通じて、今までの前例踏襲的な仕事の仕方を、今回の総合計画の策定を契機に、できる限り今の時代に合った仕事の仕方、組織の動き方に変えていきたい。

 地域課題を解決する組織のあり方、地域振興局の成果と機能・役割を今後どうするかとのご質問でございます。
 これまでの1年間、各局長は地域戦略会議の場、あるいはタウンミーティング等を行っていただき、地域の皆様方、市町村長の皆様方と多くの機会を作ってきたと思っております。そうした観点で、地域の声はこれまで以上に組織の中に入ってきつつあると感じておりますし、また、そうした局長が捉えてきた地域の思い・考え、こうしたものも部局長会議、地域振興局長会議を通じて、我々本庁職員との間での共有もこれまで以上に円滑に行われていていると思っております。
 こうした声については、今回の新しい5か年計画案の地域計画、あるいは全体の中にも的確に反映されてきていると考えております。今回の新しい計画案におきましては、これまで以上に地域計画の充実を図っているところでありまして、今後とも地域重視・現場重視で県政を進めていきたいと思っておりますので、地域振興局の果たす役割はたいへん大きいと思っております。今後ともその機能・役割の充実に引き続き努めていきたいと考えています。

【本郷委員】
 次代を担う職員の人材育成をどのように進めていくのか、重視する点は何かを伺う。

【知事】
 職員の人材育成につきましては、外部環境の変化を敏感に感じ取り、自ら分析し、自律的に行動できる職員を育成していくということを主眼として、共感力・政策力・発信力の更なる強化を図るため、現在、人材育成の基本的方向性を定めた新たな「人材育成基本方針」の策定を進めているところでございます。
 人材育成に当たりましては、中長期的な視点に立って、職員の意欲と能力を最大限に引き出すということを基本として、採用から育成、評価、任用まで一体となった取組、そして働きやすい職場環境づくりなど、総合的に進めていきたいと考えております。

(4)自治のあり方について

【本郷委員】
 知事は、この度の全国知事会の「憲法における地方自治の在り方検討ワーキングチーム」による憲法改正草案をどのように評価されているか、併せて、憲法における地方自治の本旨の明確化、補完性の原理、それと表裏一体の関係となる徴税権限や財源保障といった点を含め、これからの地方自治、都道府県の在り方について、知事のご所見をお聞かせいただきたいと思います。

【知事】
  全国知事会、憲法における地方自治の在り方について議論をしてきているわけでありまして、これから地方自治の在り方を充実させていくことを考えているときには知事会からも一定の発信をしていくことが必要だと思っています。
 他方で、この憲法の問題というものは国民の皆様ひとりひとりの思い、考えということが尊重されなければいけないわけでありますので、そういう意味で地方自治の在り方も含めて国民的な議論、あるいは国会の場での十分なご検討ということが求められていると考えています。
 地方自治全般については、地方分権ということが長年叫ばれ続けながらも、先ほどの税財源の問題も含めてまだまだ道半ばというふうに感じているのが私の率直な思いでございます。引き続き全国知事会等を通じて更なる自治の充実、特に今回「学びと自治の力で拓く新時代」ということを総合計画でも打ち出しておりますので、ぜひ具体的に地方分権が進むように県としても取り組んでいかなければいけないと思っています。
 また、都道府県の在り方、これは広域的な自治体としての役割を責任もって果たしていくことが重要だと思っています。長野県の場合は、特に小規模な自治体が多いということもあります。これからも市町村の皆様方との問題意識の共有、積極的な対話、こうしたことに努めながら、ぜひ市町村、とりわけ小規模な市町村の皆様方の思いにしっかりと寄り添って県政を進めていきたいと考えております。

(5)知事の政治姿勢について

【本郷委員】
 知事の公約に対する現状認識と、総仕上げである平成30年にどのように取り組むか。また、3期目に向けてどのような決意でいるのか伺う。

【知事】
 次に、私の公約に対する現状認識と、3期目に向けての決意はいかがなものかということでございます。
 公約の実現につきましては、私の信条の中で「県民の皆様方とのお約束を守る」ということを掲げておりますが、この観点から誠実に実現に向けて取り組んできたところでございます。2期目に掲げた公約につきましても自己評価をさせていただいておりますけれども、やや厳しめに捉えているところ、あるいは、やや、もしかしたら県民の皆様方からすると甘めかなと思われるところもあるかもしれませんが、私としては、おおむね8割方は実行してきたのではないかと感じております。子ども・若者支援、高等教育の振興、産業振興、自然エネルギーの促進、こうしたことについては着実に進めてくることができたと思っておりますが、まだまだ充実・強化を図らなければいけない分野というものもあると思っております。今回の新しい総合5か年計画の策定の中でも、こうしたことについては意識をしながら取りまとめさせていただいております。ぜひ、この「確かな暮らしが営まれる美しい信州」の実現に向け、ぜひ県議会にもご理解、ご協力をいただきながら、県全体で積極的な取組を進めていきたいと思っております。
 また、私も知事就任から7年半が経過したわけでありますが、この間、多くの皆様方の支援と県議会の皆様方のご協力、そして県職員の頑張りによって県政を進めてくることができたと思っております。今の正直な思いは、まだ重要な県議会中でもございますし、まだ任期が約半年残っているという状況でございます。まずは、県民の皆様方から今与えていただいている任期を、しっかりと責任を持ってやり遂げるということに全力を尽くしていきたいと考えております。その後の話につきましては、県民の皆様方の声に真摯に耳を傾けつつ、責任を持って決断をしていきたいと考えております。

(6)信州まつもと空港の国際化について

【本郷委員】
 28年6月の「信州まつもと空港の発展・国際化に向けた取組方針」の策定からこれまでの成果とその評価をどのように捉えているか。

【知事】
 次に松本空港の関係でのいくつかのご質問でございます。
 先ず、国際化の成果と評価というご質問でございます。
 松本空港の発展・国際化に向けましては、昨年度と今年度、集中・具現化期間という位置づけで取組を行ってきております。私、或いは副知事も海外等出かけた際には、トップセールスに努めているところでございます。
 こうした結果、昨年4月、約2年ぶりに国際チャーター便が実現いたしました。その後もチャーター便就航していただき、今年度は14便の就航までこぎつけることが出来ました。
 また、国内線におきましても、昨年度、9年ぶりに利用者が12万人を突破いたしました。今年度さらに上回る見通しとなっております。FDAに伺いますと、国内定期便への外国人利用客も増えつつあると聞いております。
 松本市をはじめとする関係自治体、県議会、経済団体、様々な皆様方のご協力の下、一定の成果が出つつあると考えております。

【本郷委員】
 昨年7月「訪日誘客支援空港」認定されたが、国の支援は具体的にどのようなものか。また、支援によっていかなる成果が上がったのか。

【知事】
 次に、訪日誘客支援空港認定に伴う国の支援と成果というご質問でございます。
 信州まつもと空港が「育成支援型」という形で認定されたことを受けまして、早速、国土交通省内に「松本空港訪日誘客促進戦略会議」、こうしたものが設置をされているところでございます。
 この戦略会議におきましては、本県と国土交通省航空局のほか、観光庁、日本政府観光局など航空・観光分野の国の責任者と、松本空港の国際化に向け、国際線就航や訪日誘客促進に係る課題の検証を共に行わせていただいているところでありまして、こうした場が、国の関係機関と一緒にこうした松本空港の将来像を考える場が出来たということ自体、大変大きな前進だというふうに考えております。こうした国の伴走型の支援も積極的に活用させていただきながら、今後、さらに国際チャーター便の誘致、或いは定期便の就航につなげていきたいと考えております。

【本郷委員】
 国際定期便就航に向けた現在の状況と、具体的にいつまでに信州まつもと空港の国際化を実現させるのか伺う。

【知事】
 次に、国際定期便の就航見込みについてのご質問でございます。
 本年度、先ほど申し上げたとおり計14便の国際チャーター便が就航見込みでございます。来年度は、30便以上を目標に取り組んでいきたいと思っております。
 今後も、実績をさらに積み上げた上で、取組方針のロードマップに示しております平成31年度から33年度の「上昇期間」中に、国際定期便の就航を実現すべく最大限努力していきたいと考えております。
 加えて、空港の国際化には、単に国際定期便の就航のみならず、国内外の方々に、松本空港が本州中央部の「空の玄関口」であると認識され、海外との移動方法の選択肢としても定着していくことが重要だというふうに思っております。
 このため、国内線の充実、或いは国際線との乗り継ぎなどについても、引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えております。

【本郷委員】
 国際線ターミナルについて、建設時期、規模等の基本的な構想をどのように考えているか。また、RNP-ARの導入に対する現在の状況と今後の見通しについて伺う。

【知事】
 次に国際線ターミナル建設についてでございます。
 国際線を受け入れるにあたりましては、C.I.Q、税関・出入国管理・検疫などが必要になってまいります。空港内における搭乗者の導線を国内線とは明確に分けることが必要でございます。
 国際便の便数がまだ現時点では少ない状況でありますので、その都度、臨時的に施設内に仕切りを設けて対応させていただいている訳ではありますが、今後、本格的に国際線を受け入れていくためには、しっかりと導線を分けた空港施設の整備が不可欠と考えております。
 平成31年度から33年度までの「上昇期間」中に国際定期便を実現させるため、来年度は、必要な施設の規模、或いは設備等の基本的な構想の検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、RNP-AR方式についてでございますが、これは、国土交通省とFDAの理解と決断があって実現するものでございます。
 県としては、国土交通省に対しまして、訪日誘客促進戦略会議の場でも導入を要請しているところでございます。また、FDAに対しては、私から直接会長、社長に導入のお願いをさせていただいているところでございます。今後とも、引き続き早期の導入に向けて働きかけを行っていきたいと考えております。

【本郷委員】
 駐車場の確保は国際空港化に向けて極めて重要な環境整備となるが、蔵説についての考えを伺う。

【知事】
 空港駐車場についてでございます。
 現在でもゴールデンウィーク、お盆や年末年始、或いは連続休暇等、満車となる日が増えていると承知しております。
 今後、国際定期便の就航に向けた誘致、或いは空港活性化の観点で来訪者を増やしていくことを考えますと、駐車場のキャパシティ不足は大きな課題であり、増設等の対策が必要だと考えております。
 検討にあたりましては、平成31年度の信州花フェスタ開催に向けた周辺の公園整備も踏まえて考えていきたいと思っております。

(7)有料道路の一般道路化について

【本郷委員】
 県はこれまでどのような考えで有料道路制度を活用し、道路整備を行ってきたのか。また、有料道路の整備により県内にどのような効果がもたらされたと考えているか。

【知事】
 有料道路についてのご質問でございます。
 まず、有料道路の活用と県内における効果についてお答えします。
 本県は主要な都市が急峻な山岳地形で隔てられていることから、各地を結ぶ幹線道路の整備には大規模な投資が必要になってきます。
 限りある予算の中、峠を貫く大規模なトンネル等を短期間で完成させ、早期に効果を発揮させるため、受益者負担の考え方のもと、有料道路制度を県内各地域で活用してきたところでございます。
 特に、東信・中信・南信を結ぶ道路網についてはそれまで脆弱でありましたが、三才山トンネルや新和田トンネル有料道路の整備によりまして、県土の一体化が図られてきたと考えております。
 また、北信地域の有料道路については、長野オリンピックの成功を輸送面で支えたほか、現在でも渋滞緩和や、あるいは交通の円滑化に寄与していると考えております。

【本郷委員】
 有料道路の一般道路化について、具体的にどのような視点で検討を進めてきたのか、その検討結果について伺う。

【知事】
 有料道路の一般道路化検討の視点とその結果および今後の方針についてお答えします。
 有料道路の一般道路化につきましては、包括外部監査での指摘を踏まえまして、各路線の収支状況や、一般道路化により利用者が負担していた通行料金が経済活動に回ることによる経済波及効果、出資金の未返還額や維持改良費など県の財政負担の増加など、様々な視点で検討を進めてきたところでございます。

【本郷委員】
 検討結果を踏まえた上で、三才山トンネル有料道路をはじめとする有料道路の一般道路化についてどのような方針で進めていくのか伺う。

【知事】
 検討の結果、県としては、松本トンネルを含む三才山トンネル有料道路については平成32年夏ごろまでに、また、新和田トンネル有料道路は平成33年夏ごろまでに、一般道路化することが可能と考えております。
 これによりまして、三才山トンネル有料道路は、当初予定していた事業期間の約1年以上の短縮、新和田トンネル有料道路は約3年半以上の短縮となる見込みでございます。
 また、白馬長野、志賀中野、五輪大橋有料道路の3路線については、当初より予定している事業期間後の一般道路化を基本に考えていきたいというところです。

(8)2027年国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会について

【本郷委員】
 49年ぶりとなる本県での両大会の開催は大変意義深いが、大会後も見据え、どのような方針で大会を開催していくのか、考えを伺う。

【知事】
 国民体育大会・全国障害者スポーツ大会についてご質問をいただきまして、まず開催方針についてでございます。2027年の両大会の開催に向けましては、昨年12月に設置をいたしました、各界各層の関係団体で構成いたします「準備委員会」におきまして、大会開催と大会後を見据えた開催基本方針を決定いたしたところでございます。
 この中で、両大会は、「県民の元気と力を結集して、スポーツの持つ限りない力と本県の多彩な魅力を発信する大会」として開催することを定めますとともに、大会後を見据えては、「スポーツを通じた元気な長野県」の実現を目指すことを基本に、5つの実施目標を定めたところでございます。
 今後、準備委員会の会長として、オール信州、県民全体の力を結集して、この開催基本方針で定めた目標の実現に向かって、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

【本郷委員】
 総合開・閉会式会場を含め、競技会場地等の選定は今後どのようなスケジュールで取り組んでいくのか。

【知事】
 総合開・閉会式会場及び各競技会場地は、それぞれ準備委員会で選定していくことになりますが、まずは、具体的な選定方法やスケジュールを検討する専門委員会を来月立ち上げ、本格的な選定作業に着手をしてまいります。
 現時点で予定しております手順としては、「総合開・閉会式会場」につきましては、求められる施設の基準、先催県の例を参考にしまして、最も相応しい会場を準備委員会で選定していきたいと考えております。
 また、「競技会場地」につきましては、事前に市町村と競技団体に向けた説明会を開催した後、それぞれから希望を調査し、現地調査やヒアリングなどを行いながら、順次選定をしていく予定でございます。
 「競技会場地」の選定は、遅くとも中央競技団体の視察が行われます2021年までに完了する必要がありますので、市町村等における準備期間も考慮して、できるだけ早期に選定できるよう取り組んでまいります。

【本郷委員】
 9年後の国体に向けた選手の競技力向上についての決意と方針を伺う。

【知事】
 国民体育大会に向けた競技力向上についてでございます。
9年後の国体、開催県として相応しい成績を目指していきたいというふうに思っております。
 競技力向上のためには、「競技団体の組織強化」、「選手の発掘・育成」、「指導者の養成・確保」、「選手等を支える環境づくり」この4つの視点が重要であります。そのため、来年度新たに、関係者、スポーツ医科学の専門家等で「競技力向上対策本部」を設置する予定でございます。
 関係者一丸となった新しい取組によりまして、本県の競技力の向上に全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。以上でございます。

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