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令和3年2月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
県内産業の下支え及びこれから先の長野県の産業をどう描くのかについて

【本郷委員】
 コロナ禍の中において、経済再生が最大の問題であるし、一般論とすれば全治3年と言われている。そういう意味では、今年は非常に重要な年であるので、林産業労働部長を中心に管理職の皆様には、一層ご精励いただきたい。
 令和3年の予算は、106兆6097億円、プラス令和2年度の3次補正が経済対策を中心に30兆6000億円、つまり15か月予算を組んで本格的な経済対策に政府は取り組んでいて、さらに大型対策への待望論が内在している。IMF、国際通貨基金が公表した世界経済の見通しは、2021年の経済成長率見通しを5.5%と、昨年10月時点からプラス0.3%に上方修正をした。
 その大きな要因は、幾つかあるが、2つだけ言うと、アメリカがバイデン大統領の下で200兆円の新型コロナウイルス対策法案を可決した。また、約15万円の現金給付、失業保険の積み増し延長、8月末までであるが、これが一つの要因であるし、一方、中国は、中国のGDPが実にアメリカのGDPの70.4%まで達しているという大変な急成長である。世界のGDPに占める割合は約9%、17%を超える増加であって、前年比は3.0%増の14兆7300億ドルで、主要国の中で唯一プラス成長ということは、各種のメディアで承知のとおりである。
 そういう中において日本の動きは、財務省が発表した20年の10月~12月の法人企業統計は、全産業の経常利益は18兆4505億円で、対前年同期比マイナス0.7%まで縮小した。20年4~6月期のマイナス46.6%の落ち込みから回復して、ほぼ、コロナ感染拡大の前まで戻ったと認識してもよい。とりわけ、製造業の経常利益は、21.9%増と好調であって、非製造業がこれからの大きな課題ではないかと思っている。
 特に、個人消費は、日銀短観の発表では、持ち直しの動きが続いているが、一部に弱さが見られ、個人消費がその弱みの一つである。設備投資は持ち直しの動きが見られるし、輸出は増加しており、製造業は持ち直している。非製造業では弱さは見られるが、総じて見れば持ち直している。
 雇用の情勢については、有効求人倍率は1月で1.17倍、前月比プラス0.04であり、いい方向に行っているが、なお弱い動きも続いている。コロナを原因とする雇い止めは、県内で1905人、2月25日現在で増加している。全国では2月26日、9万185人。そういう意味で、大変厳しい雇用情勢が続いている。
 また、厚生労働省が発表した2020年1年間の生活保護申請件数は、計22万3622件で前年から1672件増加をしていて、家計経済も含めて、やはり二極分解をしている中において、先進国の中で見れば、新型コロナ危機後の世界経済において、日本の出遅れが顕著になると多くのエコノミストが指摘している。リーマンショックのときも同様で、リーマンショック後の5年間の平均成長率は、主要国の多くが2%台で、日本は約1.5%で止まっている。日本は、リスクマネジメント的な要件について、国家全体として、また、「一身独立して一国独立する」というごとく、全体像の国家観が非常に希薄になっているわけで、今回のようなときにそれが顕在化をしてきたと、連日、メディアに載っているけれども、先進国で最下位だった労働生産性は、さらに低下して非常に厳しい状況である。
 低付加価値などのビジネスモデルが危機に対する弱点の一番の元であると多くの識者は言っているわけで、テレワークの必要性も、コロナ前から指摘されていたが、日本企業ではほとんど導入されず、コロナ後の日本のテレワークの実施率は約31%、アメリカは61%、中国は75%、イギリスは55%、ドイツは50%、実践論としてDXの時代とマスコミではあおっているが、実態はアメリカの半分である。これから日本は、危機対応が日常的な活動の延長線にあるという現実を改めて痛感させられているという、前置きで質問に入りたい。
 ワクチンも、河野大臣も大分苦労されているが、1年以上はかかりそうであり、経済のマイナス成長はある程度覚悟しなければならない。先日のG20の財務相・中央銀行総裁会議でも、コロナ対策の財政・金融政策については、いかなることが起きても撤回を避けなければならないと、財政支出と景気刺激の手は緩めない方針で合意ができたことは、大変よかった。財政・金融によって、戦後最大の経済危機をどうしても脱出しなければならない。マイナス成長の中でもコロナ後に備えて、手を緩めることなく、事業者をしっかりと下支えして体力を持ちこたえさせるとともに、成長分野では将来を見据えたイノベーションの創出を進めるなど、下支えと成長の両面の施策を怠りなく進めることが非常に肝要である。令和3年度の施策展開は、その後の未来をつくり上げていく上での基点となる重要なものであるが、危機を乗り越えた先の未来の長野県産業をどう描くつもりか、林産業労働部長の所見を伺う。

【林産業労働部長】
 本郷委員が冒頭で触れていたが、IMFが、この1月に公表した状況、世界経済の中では、景気回復の力強さに各国で差があるという状態を指摘していて、日本の経済活動がこのコロナ前の水準に回復するには、多少時間がかかる。ワクチンの状況を見ると、2021年の後半くらいかなという見方も、外からの目線で見てもらっていると認識している。
 こうした中で、リーマン時のときとの大きな違いとして、雇用は、求人倍率が0.4を切るという状況がしばらく続き、1倍に戻るまでに4年半もかかっている。今回は、その雇用を経営者の皆さんと雇用調整助成金等の制度を使って、最大限守ってもらっているというのが今の現状であって、そういった企業努力、働く皆さんの苦労というのをしっかり受け止めながら、政策を考えなければいけない。そういう中で、しっかりと企業の皆さんの声というのを、実態を聞きながら政策を打たなければならない。
 一方で、世界の動きが、例えばカーボンニュートラルという言葉で象徴されるように、グレートリセットという言葉もあって、大きく転換すべきではないかとこの夏のダボス会議でも取り上げられるのではないかと言っている。ある意味、深刻な環境問題に対応しながらイノベーションを起こして、経済成長させるための知恵を出し合って、新しい需要をつくるしかないという動きも外では起きているので、そういったところに、10万事業所を超える各産業界がついていけるように後押しをしていくということも大事である。
 その中で、今回、予算で配慮を特にしたのが2点あって、一つは、産業イノベーションの加速化を踏まえて、しっかりとそこへの集中投資は続けていかなければいけない。イノベーション推進本部等を設置して、業界の声も聞きながら、医療、航空宇宙、エネルギー、あるいは食の安全保障も含めた取組というのを、どうやって後押しするかをしっかりと見ていかなければならない。もう一つは、このコロナ禍で得た原体験、特に若い人たちが得たこの原体験が、未来創造への力になる、糧になるだろうと思っている。将来世代への投資を欠かさずに、レジリエンスの高い、しなやかで寛容な社会構造というものをつくっていくために、ダイバーシティ等を重視した働き方改革とか、職場のテレワークの実施状況、本当にまだまだ進んでない状況であるので、改善しながら、良質な雇用を生み出していくことも、併せて取り組む必要がある。
 今回の当初予算は前例にない規模の経営支援策、あるいは雇用対策を計上している。商工費が県予算の17%を超えるということで、民生費を超えたわけだが、執行に当たっては、議会の先生方の指導もいただきながら、迅速かつ実効性のある政策につながるよう、しっかりと取り組んでいきたい。

【本郷委員】
 14世紀のペストの後に大きな歴史的な転換があったし、また、1919年のスペイン風邪の後、産業革命が起きたわけで、文明史的には、今回の100年に一度の大変大きな、本質的な社会構造の変化が、今後、ポストコロナで現れてくる。そういう中において、今、林部長が現状の分析、特に2000億円を超える大変な予算を産業労働部は獲得したわけで、逆に言えばそれだけ責任が重たい。コロナをせん滅すると同時に、新しい時代の新しい経済政策というものを出していかなければならない。愚者という言い方はいけないが、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶという有名なビスマルクの言葉があるが、そういうレベルからも。
 リーマンのときは、アメリカが90兆円、それから中国が60兆円、日本は10兆円出しただけで、それからデフレに入って、雇用の問題、全産業において、4年を超える時間がかかって、それが今日まで、労働分配率を含めても、あとを引きずっているわけであるから、今回は、それを一挙に挽回しなければいけない大きな節目の時期だと思っている。
 14世紀の後は、ルネサンスが起きて、ペストの後、ルネサンス、そしてスペイン風邪の後、産業革命。今回の後、どういう形になるか、DXを中心に新しい時代が来ると思うが、ぜひ産業労働部においては、熊谷局長、また守屋局長、連携を取って、よりよい長野県と日本になるように、一層ご努力を願いたい。

ゼロカーボンに係る技術革新、技術開発への支援について

【本郷委員】
 今、ゼロカーボンへの注目度が非常に高くなっていて、バイデン政権もこれを重視する方向を明確に提示している。日本は、現実的には再生可能エネルギーの低コストや導入で世界に大きく立ち遅れているというのが現状であって、国際社会における日本の位置づけが、今後、大きく分水嶺に来ていることは事実である。本県産業界もゼロカーボンという世界の潮流に乗り遅れることなく、これまでとは別次元の技術革新、イノベーションに取り組まなければならない。電気自動車や燃料電池などの分野で、成果に結びつく技術開発を進めるとともに、分野の垣根を越えた企業提携やESG投資、これは社会的責任投資であるが、拡大する新たな投資を呼ぶことまで視野に入れて支援する必要があると考えるが、どのように具体的に、戦略的、戦術的に進めていくのか、産業技術課長に所見を伺う。

【西原産業技術課長】
 これまで企業にとって、環境問題への対応は、コスト、あるいは成長への制約という捉え方が主であったが、ゼロカーボンへの世界的な動きの中で、新たな成長の機会として捉える時代に突入したと感じている。今、日本が何をしようとしているかと言うと、新たに2兆円のグリーンイノベーション基金を設けて、3つの分野をやると言っている。一つが次世代蓄電池、もう一つが水素の大量供給・生産技術、それからCO2の固定・再利用技術である。これらの技術は、重化学工業的な技術であって、かつ、大規模なプラントが必要になってくるので、長野県の産業界ができるかといえば、なかなか難しい面がある。
 当初予算のゼロカーボン技術事業化促進事業で説明したとおり、県内企業が貢献できる可能性が高い分野を模索しつつ、産学官連携で取り組んでいきたい。例えば、電気自動車であると、バッテリーとモーター、そのモーターを動かす制御回路でできている。長野県内には制御回路の中で、電気自動車の性能を左右するような中核的な部品を開発・製造している企業がある。また、実は、燃料電池は、まだまだ根本的な問題が多い技術であって、例えば金属というのは、水素にさらされると脆くなるという性質がある。水素脆化というが、このメカニズムも実はまだ完全には解明されていない。長野県内でも、この技術、この課題の解決に取り組んでいる企業があって、投資会社から投資という話も来ていると聞いている。
 また、世界的には、IT企業とか自動車メーカーが、サプライチェーンを巻き込んでゼロカーボンに取り組んでいる。例えばアップル社は、2030年までに取引先から調達する部品や材料のゼロカーボンを求めている。工場へ供給されるエネルギーが、全部、再生可能エネルギーになれば話は簡単であるが、なかなか、それは難しいと言われている。その解決手段の一つが、私ども、長野県の企業連携グループが取り組んでいるデスクトップファクトリーではないかと考えている。デスクトップファクトリーというのは、机の上に乗るような卓上型の小さい生産設備であって、小さくて省エネである。もし生産設備一式をデスクトップファクトリーで実現できれば、工場の上に載せた太陽光パネルだけで全てエネルギーが賄える、ゼロエネルギーファクトリーが実現できる可能性がある。
 このような県内企業が貢献できる可能性が高い分野を探索しつつ、産学官連携で技術開発に取り組み、そこに様々な施策を動員して事業化につなげ、グリーンイノベーションの創出、ESG投資の取組等につなげていきたい。

【本郷委員】
 今回のコロナ禍によって、政府が国家全体の方向性を決めるが、都道府県行政の重要性と存在感は非常に高まってきた。皆様方が日頃、苦労されている仕事が、ようやく新しいステージになってきたので、ぜひ一層ご奮闘をいただきたい。

信州ブランドのこれまでの取組の総括とこれからの展望について

【本郷委員】
 ポストコロナを展望すると、DXやAIなどによる効率化、生産性の向上が求められる社会。2番目には、公共や民間セクターともに、大きな負債を抱えるというのは難しい上、人々の都市の機能や社会の在り方への疑問や不安といった状況が現状認識であるが、非常に大事なことは、今後は、国内外へより信州ブランドを意識した形での情報発信や事業展開が必要と考えられるのは当然である。コロナ禍におけるこれまでの取組の総括を踏まえて、コロナ後を見据えた信州ブランドの展望について、営業局長の所見を伺う。

【熊谷信州ブランド推進監兼営業局長】
 今までの取組を総括してみると、1年前から、学校が休業になってしまう、給食がなくなったので牛乳や花が売れないということで、非常に短期的な対応が求められて、今までの対応のスタートが、何とかしなければいうことで、今まで経験したことのないものに対しての対応であった。それから、人と接触することができないので、オンラインとか、インターネット販売ということで、今も必死になってやってきて、おかげさまでふるさと割も1億円が達成できた。
 短期的対応の中で、本当にブランドというものと向き合うことがまず一つできた。例えばインターネットで皆さん販売しますよ、ぜひ応募してくださいと言って、事業シートをもらったりして、それをただアップしていくだけでは駄目で、インターネットのサイトに、では熊谷商事の熊谷饅頭というものを出していくとしても、PRの仕方が皆さんばらばらであって、この画面の向こう側にいる方の心を動かすような表記というものがなかなかできていないということが分かった。
 もう一つ、オンライン商談会をやって、バイヤーの人と商談をするが、その表現力、プレゼン力が弱いということが分かって、1月に入ってセミナーを開いて、200社以上の皆さんに大変関心を持って見てもらった。信州というものの、上質で健康なイメージというのがしっかり伝えられていない。ものづくりにものせられていないことが、このコロナ禍で、オンラインショップとか、オンライン商談会の中でよく分かってきた。
 一般的に、まとめ買いの中でナショナルブランドが席巻して、みんな節約の中で地域産品が売れなくなるという傾向が出ていたが、これからがチャンスだと思っている。今、家の中でいかに豊かに生活をしていくのか、また、旅に行けない中で、旅気分というものをどう味わうのかといったときに、本当に「信州プレミアム牛」だけで戦うというのは、農政部には悪いが、難しい。佐賀牛とプレミアム牛、いろいろな牛がある中で、その一品だけで戦っていくのは難しい。やるのであれば、やはり旅気分を、信州を味わってもらうなら、A足すB足すC足すDという作戦でいかないといけない。だから、肉もあり、それにはワインを合わせて、そこに合わせて地元の産品のお野菜をつけていくなど、セットでやっていくということが、重要ということが、この2点目でまた分かってきた。これはどういうことかというと、地域力を出していくときには、自分一人だけでは表現できないものがあるので、生産者同士、製造・加工品業者同士がスクラムを組んで、A足すB足すC足すDのその組合せで、この地域を表現していくことが重要ではないかと思っている。
 今後の展望であるが、信州ブランドについては、一般質問で答弁したが、長野県のこのブランドは、この山国の、谷の中に一つずつ文化があり知恵がある。その暮らしの中で磨かれてきた生きる知恵ではないかと思っている。ほかの県にもあると言われるかもしれないが、北海道は開拓かもしれない。沖縄は南国の、また、京都だとか金沢の場合は、お殿様に仕えたり、帝に仕えた文化であるが、長野県の文化は独特であって、ずっと8年間見てきたが、暮らしの中から生まれてきた生きる知恵、それが文化になっている。
 今後の展望を考えたときに、本郷先生から、AI・IoT、これから効率化がどんどん進むという指摘があった。また、これから危機管理が日常となるという指摘もなるほどと思った。AI・IoTの世界は便利ではあるが、非常に脆弱な世界であると思うし、人間の持っている生きる知恵というクリエイティビティー、いわゆる創造性というものが欠けてくる時代になってくると思っている。オンラインやインターネットは、絶対乗り遅れてはいけないものであり、最近、移住でも、かつて人気投票1位だったのが3位になったというのが、オンライン相談会をやってなかったからという話があった。そういう面では、絶対負けてはいけないものと思っている。
 ただ、インターネットがこれからの世の中のエッセンシャルワークの一つになるとした場合に、もう一つあるべきものは、やはり信州の生み出してきた生きる知恵のようなもの。こういうものが、対角線というか、反対側に必ずないといけないものと思っているので、これからの、国民だけでなくて、人類が必要なもの、ITだとかAIの反対側には必ずこういう暮らしの中から生まれてきた知恵というものを大きくしていくという可能性がたくさんあり、これからの信州ブランドの展望は明るいと思っている。表現力とか、写真力とか、発信力という、その初歩的な部分をしっかり詰めていくことによって、県民みんなでブランドを盛り上げていくことが必要になると思っている。

令和3年2月定例会 産業観光企業委員会(観光部関係)
「Go To トラベル事業」の動向と今後の見通しについて

【本郷委員】
 中村部長をはじめ課長、室長から、大変丁寧な、今後のアフターコロナも見据えた戦略をしっかり説明いただき敬意を表する。また、最も苦労の多いセクターである。100年ぶりの事態であるので、リスクマネジメントという観点で、今回の事態を大局的な観点から見ていくことが大事で、大体全治3年と言われている。2020年、特に今年の2021年は大事で、2022年くらいまで、いろいろな意味で影響が出てくる。1都3県の緊急事態宣言の解除もじき終わると、その後、リバウンドがないことを祈っているわけで、先ほどあったそれぞれの施策が実行できるように、心から祈念している。
 OECDから本年度の世界の主要国の経済成長率が発表になった。2021年は、世界は5.6%である。その中で日本が一番低くて2.7%、中国が7.8%、アメリカが6.5%、ユーロが3.9%である。来年は、その影響が出て、世界が4.0%、日本は1.8%、中国が約半分で4.9%、それでアメリカが4.0%、ユーロが3.8%と数字が出ているが、これも観光という非常に裾野の広い産業が、いろいろな意味で陰に陽に影響を与えている感じで、一層、議会も、全力で、観光部とよく密接不可分な関係になりながら、議員の立場で最大限の努力をしなければいけないと再認識をしている。イギリスはロックダウンもしているし、ヨーロッパのどこかの国は、ベンチに座ったり立ち止まることも禁止されて、罰金が4500円取られるようである。そういう状況であるので、大変苦境に立たされている観光産業の、行政としての下支えのために、感染状況が落ち着いたタイミングを捉えながら、今後とも、先ほどの説明の施策を一個一個詰めてもらいたいと思っている。
 先月の19日から県民限定で家族割、家族の宿泊割とスキーリフト券の半額割引を開始した。これは、松本市であるが、大きいホテルは、かなり影響が出ているようで、大体、稼働率が、4割くらいのが1割とか2割上がってくると、そういう傾向がある。あるホテルは休業にしてしまうと。松本で一番大きなホテルであるが、そういう状況で、行ったり来たりしているのが状況ではないかと思っている。27日からは、宿泊割の対象を県民全体へ拡大するとともに、冬のアクティビティ商品にも対象を広げるなど、段階的に誘客事業を展開している。
 今後、「Go To トラベルキャンペーン」の再開も視野に入れながら、引き続きこうした県独自の施策を実施していく必要があると考えるが、現時点で、「Go To トラベル」の再開に関する国の動向、今後の見通しをどのように考えているか伺う。

【大槻観光誘客課長】
 「Go To トラベル」の状況であるが、観光庁の発表によると、事業開始からこれまで、全国で少なくとも8781人万泊の利用で、約4100億円の割引支援額となっていて、また、地域共通クーポンも約1400億円の付与額となっている。各県の状況が未公表ということであるが、本県も、昨年の11月には、県の宿泊割引の上乗せ事業もあって、対前年比9割程度まで延べ宿泊者数が回復するということで、県内経済の再生に「Go To トラベル事業」は、一定の効果があったものと考えている。
 事業の今後の見通しであるが、先週、3月5日に観光庁からは、3月8日以降も一時停止は継続すると正式に発表があったし、また、首相や関係大臣の発言では、3月中の再開は現時点では難しいのではないかという状況になっている。また、併せて、報道等によると、再開する場合は、感染が落ち着いている都道府県や地域ブロック単位から先行実施をして、段階的に全国に広げていくという情報がある。我々、いつも情報収集をしているが、県としては、引き続き国の動向を注視しながら、「Go To トラベル」の運用にすぐに対応できるように、様々なケースを想定して、県施策をそれぞれの状況に合わせて機動的に展開できるように準備をしている。

「Go To トラベル」の再開までと再開後の観光誘客の進め方について

【本郷委員】
 「Go To トラベル」の再開までと再開後、その動きに応じて、県としてどのように切れ目なく観光誘客を進めていくのか伺う。

【大槻観光誘客課長】
 「Go To」再開までは、観光事業者とも連携する中で、宿泊割、リフト券の半額キャンペーンをしっかりやるとともに、また、バス・タクシーの交通機関も支援をすることで、県単独施策を引き続きしっかり実施していきたい。また、感染状況が落ち着いている近隣県にスキーリフト券は広げたが、誘客の範囲を拡大していきたい。
 「Go To」再開後であるが、「Go To 事業」を最大限に活用するため、「Go To」と連動した形での連泊割引事業を実施して、長期滞在のニーズを取り込むほか、本県の強みである癒し・自然・アウトドアなど、コロナ禍に即した旅行スタイルを、県外、全国にしっかりPR、情報発信することで、他県との差別化を図って、「Go To」需要をしっかり長野県に取り込んでいきたい。また、一方で、「Go To」に参加していない小規模宿泊施設があるので、引き続き小さなお宿応援事業をやって、小規模宿泊施設をきめ細かく支援するとともに、宿泊客の分散を誘導することで、密にならない誘客を進めていきたい。
 感染の拡大と収束が繰り返されるコロナ禍において、臨機応変に感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図ることは重要であるので、今後も、「Go To トラベル事業」の運用に対応しながら、県施策をうまく組み合わせて、観光県としてしっかり観光産業を支えていきたい。

【本郷委員】
 正確な状況認識と積極的な姿勢を高く評価する。いずれにしても100年ぶりの異常事態で、パンデミックであるので、何としても財政と金融によって、この観光産業を守らなければならないので、中村部長においては、これからも予算の獲得に向けてご努力願いたいし、また、議会も、よく連絡を取って、議決機関としての責務を果たしていきたい。

水際対策の状況及びインバウンドの再開に向けた取組について

【本郷委員】
 今後の大きなトレンドとしては、一般論であるが、東京オリンピック・パラリンピック、また来年冬には北京の冬季五輪が開催され、中国のウインタースポーツ人口の増加も見込まれて、長野県にとって巨大なマーケットになるという予測もできる。また、時間はかかると思うが、ワクチン効果が現れてくることで、インバウンドが徐々に回復してくることも、期待の中の一つとしてある。コロナ終局後には、こうしたインバウンド需要を確実に取り込めるような準備も、今から徐々にしていくことが非常に重要である。そこで、インバウンドを取り巻く国内外の状況、水際対策など、出入国の規制など、現在の状況はどんな状況になっているか、メディアで知る範囲のアバウトな状況しか分からないので、その辺の状況を説明願いたい。また、インバウンドの再開に向けて、どのような取組を今から準備しているのか所見を伺う。

【小林国際観光推進室長】
 委員指摘のように、今後、Afterコロナ時代を見据えた場合には、この観光機構の役割はますます重要になってくると、県としても認識をしている。先週の一般質問での知事答弁ともやや重なる部分もあるが、観光機構の機能を高めていくには、大きく3つのポイントがあろうかと思っている。一つがこの役割分担、県と観光機構の役割分担であるが、実は平成29年の11月に開催された県の観光戦略推進本部会議、観光戦略2018の骨子案が示されたときであるが、このときに県観光部の役割と観光機構の役割が示されている。県観光部の役割としては、簡単に言うと観光政策の企画立案、観光機構の役割としては、観光振興施策の実行組織と大きな役割が示されて、以後、取組を進めている。
 この役割分担として、県が企画したものを、観光機構が、場合によってはそのまま実施するという実行部隊として位置づけたようなイメージが先行していて、実態としても、やや、観光機構で受け身になりがちな面も見受けられるかなという形で、機構としての自主性が十分にまだ発揮できてない面もあろうかと思っている。このため、今後は、もう少し役割分担というものを具体化していく必要があると思っていて、例えば県観光部は、県全体の大きなその観光政策の方向性をまずは担う、決定する。観光機構は、その観光の方針を一緒に共有した上で、しっかり自らも企画立案し実施する。こういった役割分担というものを明記して、お互いが対等で、しかもコミュニケーションを図りながら、一緒になって、十分、その観光機構の機能が発揮できるように、役割分担を再整理していく必要もあろうかと思っている。
 さらに、予算についても、今は全て、実は県から観光機構に対して負担金という形で支払っているが、例えば、役割分担を整理した上で、機構が担うべきものというものは、これまでどおり負担金であるが、そうでなくて、外部に委託できるものについては、委託料として整理をする。こういった予算の整理も必要かと思っている。
 最後に組織面というのがある。やはり民間の発想で活動できるような体制が大事だと思っていて、例えば、外部の民間からもっと積極的な提言を受け入れられるような仕組みを構築する、こういったアイデアも、今、あろうかと思っていて、こういった改革をこれからも進めながら、この観光機構の機能を十分に発揮できるように、より一層、最後は観光地から頼られる存在になるように、県も一緒になって取り組んでいきたいと思っている。

Afterコロナを見据えた観光地域づくりについて

【本郷委員】
 コロナによって、旅行に対する意識や旅行のスタイルも大きく変化している。こうした変化は、コロナ後も完全に元に戻るわけではなく、ある程度定着していくものと認識しなければならない。個々の事業者による対応だけではなく、県や市町村など行政、地元観光協会、関連事業団体など、それぞれの役割を発揮して、観光ニーズの変化や課題の解決に連携して対応していくことが不可欠である。したがって、コロナ終局後を見据え、昨年、策定した「Afterコロナ時代を見据えた観光振興方針」に基づき、魅力ある観光づくり、観光地間の広域的な連携など、どのように進めていくのか伺う。

【田中山岳高原観光課長】
 コロナ禍の影響によって、3密の回避とか、テレワークの普及といった社会変革は、コロナ収束後も続くものと考えている。長野県が持つ広々とした大自然とか、あるいは都会から近い、こういった有利な条件は、今後の長野県にとっては、大きなチャンスになるものと考えている。ただ、一方で、アドバンテージだけに頼り過ぎてしまうと、その恩恵というのは一過性に終わってしまうものと考えて、危惧している。
 そこで、まず地域にある豊かな自然環境に加えて、その土地ならではの歴史とか文化をうまく組み合わせることで、さらにその地域の魅力をブラッシュアップする工夫は必要かと思っている。例えば、南信州であれば、清内路地区の手作り花火が非常に有名であるが、これをただこう見て終わる、こういった観光とはせずに、その地元の指導者の方と一緒に、そのお祭りの一環に参加する、あるいはその手作り花火にも一緒に参加してもらう。地域の人と触れ合えるようなコンテンツをつくっていくことで、再び信州に遊びに来たくなる、戻って来たくなる、信州リピーターの獲得につなげていく、こういったことをつくり出していくことを、県としてもしっかり支援していきたい。
 さらに大事なことは、それぞれの観光地が魅力を深めることによって、それを広域的な連携によって、次の観光地へつなげていくことが大事である。例えば清内路であると、天龍村の舟下り、あるいは喬木村の果樹農園など、別の魅力へつなげていくことが大事だと思っている。それによって、結果的にこのエリア全体で、観光消費額の増加につなげていくことが大事だと思っているので、県としても、引き続きであるが、観光機構の担当と一緒に地域間のつなぎ役となって、広域連携がしっかり進むように、コロナ禍の今だからこそ、この地域の魅力づくり、広域連携をしっかり進めていきたい。

【本郷委員】
 そのような認識で、これから戦略的に進めていただきたい。

長野県観光のあるべき姿について

【本郷委員】
 長野から松本に戻るときに、最後のトンネルを抜けると有名な安曇野が見えて、その正面に常念岳をはじめ北アルプスが連なっているわけで、僕らは小さいときから見ているから普通であるが、一般の方から見たときに、北アルプスの晴れたときの、特に冬の晴れた日の景観というのは圧倒的であって、私もスイスには2度ほど行っているが、スイスは登山列車で、ユングフラウヨッホやアイガーのところまで中へ入っていって、そこから降りて氷河を見せる。信州としてのほかの他県にないものすごい価値観を持っていて、この認識を私どもは再認識をしなければいけないわけで、このような観点から、国際水準並みの観光戦略ということを知事はよく本会議でも述べていて、ぜひそういう高い志を持って、観光部としては一層ご精励をいただきたい。
 最後に、県の宿泊割、「Go To トラベルキャンペーン」などの支えがなくとも、足腰の強い観光地づくり、全国のお客様から選ばれる観光づくりを着実に進めることが重要であり、今、私が余分な話をしたが、そういうものを、もう一回、再発見して、各課・室長からの答弁を総括して、中長期的な視点から長野県の将来を展望し、長野県観光のあるべき姿について、中村観光部長に俯瞰的な視点から将来ビジョンを伺う。

中村観光部長
 現在、需要喚起という局面であるが、感染の波に応じて適切な手を打つということもあって、より細かく区切らざるを得ない。今回、大分厳しい状況であるが、事業者さんと、こういうことをやるに当たっては、非常に細かい意思疎通が重要で、この意見交換を頻繁にやっていて、今回、非常に財産になっている。これをステップに、次の段階に行かなければならない。委員からも、こういったものがなくてもやらなければいけないのではないかという発言もあって、まさにそのとおりである。今は、需要喚起ということで必要であるが、これがない状態、公的なこういうものがなくても、やっていかなければいけない。これをいかに事業者さんとつくっていくかが大事であって、今年度、ずっとやってきたもので、財産に発展させるということと思っている。
 実は、長野県の観光もいろいろな課題がコロナ以前からあって、国内のお客様がだんだん減ってきている。それから日帰りのお客様が逆に多くなって、宿泊の方が少なくなってきている。こういうことがもう数年くらい前から起きていて、だんだんこういう状態になっている。これは大問題であったが、これが一気に、今回の新型コロナウイルスの影響で噴き出し、改めて加速された状況になっている。これが突きつけられて、いち早く立ち直らなければいけないところを、前は何となくこう行くのではないかと思っていたが、そうはならないとよく分かることで、ここの対策をどうやってつくっていくか、逆に、そういう意味でのチャンスだと捉えたほうがいいのではないかと思っている。
 そういう中で、一番は国内のお客様だと思っている。インバウンドのお客様も多いが、大体1割くらいであるから、長野県のお客様はやはり県外のお客様に支えられているというのが7割近くであるので、それが前から減ってきていることは大問題なので、いかにてこ入れしていくかであるが、本当に20年、30年くらい前の頃は「さわやか信州」と言っていればお客様が来ていた時代であるので、国内のお客様が何もしなくてもお越しになっていた。そういうところを夢見てずっと来ていたが、それはもうあり得ず、お客様をいかに取り返していくか、また振り向いてもらえるかが勝負で、ここをいち早く立て直すところが今回と思っている。
 数年前から少し動きがあって、二地域居住とか、関係人口とか言われたりしていたし、テレワークとか、数年前から少しずつ出てきていた。これが、働き方とかいろいろな状況の中で、観光と境目がもうなくなってきている。そういう地域をつくっていくことが、これからなのだろうと思っている。
 それをやるには、自分たちで稼ぐというか、そういうエリアはどこなのかを見極めて考える。それは別に一つの行政区ではないので、どこの範囲までが、自分たちが稼ごうとしている地域なのかを、その人たちで考える。それが県内に複数あることが大事で、そこのエリアだけで完結するのではなくて、いろいろな複数のところとエリア同士で稼ごうという感覚でいかないと、これからはいけない。そういう状況の境目のない観光地づくり、観光地をつくるにもそういうエリア間同士の連携をやっていく、それがあるべき姿かなと。そこに、しっかり顧客データを取るという、これが加わった上で考えていく。こういうことを将来に向けてやっていかざるを得ない状況の中で、県はしっかり支援していきたい。

本郷委員
 今、大変複合的な観点から、中村部長の見解を聞いて安心した。3年くらい前になると思うが、委員会視察で夏目漱石の小説に出てくる道後温泉に行って、大変びっくりした。歩いて、一回りすると大体40~50分である。例の有名な旅館はきちんと残っていて、それもメンテナンスしているが、その一帯全体が、新しいコンセプトで非常にすばらしいものができている。そういう多面的で立体的な拠点主義的なものをやっていかないと、今、長野県全体の温泉街がやや元気がないということで、大変心配をしている。そういう意味においても、行政論や財政論からいっても、今回のコロナ禍によって、都道府県の位置づけがものすごく高くなった。だから衆議院・参議院予算委員会の答弁も、各知事からのデータによっての答えが非常に多い。そういう意味で、基礎的自治体はもちろんコミュニティの関係から非常に重要であるが、財政論から言うと、長野県は、今度、1兆2000億円を超えているわけで、これから観光戦略も、都道府県の役割が非常に重要になってくる。そういうものもデータを集約して霞が関に行くわけであるから、中村観光部長に、プライドを持って、長野県全体の観光振興の指導的役割を強く果たすことを期待する。

令和3年2月定例会 産業観光企業委員会(企業局関係)
来年度の組織改正と中長期的な課題に対する体制づくりの方向性について

【本郷委員】
 ゼロカーボン、脱炭素社会、水素エネルギー、燃料電池、さらには国土強靭化と、最も県庁においても活力のあるセクターとして、大変な活躍をされていることに、深く敬意を表する。小林管理者の適切な指導の下、新しい時代に対応した、極めて積極性のある施策を多く実現されたことを高く評価する。
 地球規模で人や物、資本が移動するグローバル経済の下、気候変動、自然災害、感染症といった地球規模の課題は、グローバルに連鎖して発生し、経済成長や貧困格差、保健等の社会問題にも波及して、深刻な影響を及ぼす新しい時代となってきている。地方公営企業として、ライフラインの維持・確保を担う企業局としても、経営環境を左右するこれからの課題に柔軟に対応する組織体制の整備が一層必要だということを、今、痛感している。
 来年度の組織改正では、2か所の発電管理事務所において、管理課・制御課を廃止して建設課を設置し、本庁には新たにスマート化推進センターを設置するとのことであるが、これにより新規電源開発の加速化や、発電管理の効率化・高度化等がどう図られるのか伺う。また、来年度以降、本格化する春近・美和等の基幹発電所における大規模改修工事の推進、あるいは水道事業の広域連携など、中長期的な課題に対する体制づくりの方向性についても、併せて伺う。

【竹花経営推進課長】
 これまでそれぞれの発電管理事務所が管轄下の発電所の日々の運転計画を立てて、管理・制御を行っていた体制を今回の改正で改めて、これらの業務をセンターが一括して担うことで、省力化を図り、その分の人員を新たな発電所の建設や既存施設の大規模改修に振り向けていくことで、戦略の目標達成に向けて取り組んでいきたい。
 また、センターが中心となって導入を進めていく次世代監視制御ネットワークシステムによって、発電施設に関するデータを蓄積して、併せて気象データなどもシステムに取り入れながら、AIを活用して、故障予測や河川の流入予測などに役立てるといった予防保全の取組も進めていく。このネットワークシステムは、発電所や浄水場などの施設をネットワークでつなげて、パソコンやスマートフォン、タブレット等によって、複数の職員が分散して情報を同時に共有することで、感染症対策とか、バックアップ体制の構築という点からも、有効ではないかと考えている。
 次に中長期的な課題に対する体制づくりの関係であるが、AI等先端技術を活用した、スマート保安の取組とか、改正水道法でも官民連携の推進がうたわれているが、地域の民間事業者との連携といった観点も踏まえて、施設の維持管理業務とか、発電所の建設・改修業務に従事する職員の拠点をどこに置くことが望ましいのか考えていく必要がある。過去の企業局の組織の変遷を見ると、ある年代以降は事務所を集約・統合して効率化を図ってきたという経緯はあるが、今後は、電気事業では地域連携型の水力発電所を県内各地に展開をしていくこと、また水道事業でも、関係する市町村水道との連携を進めていく中で、より地域に密着した業務体制づくりが必要でないかと考えるところで、今後、本庁と現地機関で構成する企業局組織あり方検討委員会等で議論をしていきたい。

水素の利活用や地域のマイクログリッド研究等の取組と今後の展開について

【本郷委員】
 令和元年の11月県議会定例会における気候非常事態に関する決議を受けて、阿部知事が気候非常事態を宣言した。昨年9月県議会定例会における長野県脱炭素社会づくり条例が全会一致で可決・成立したことは承知のとおりである。国においては、菅総理大臣の指示により設置された国・地方脱炭素実現会議、阿部知事も構成員として会議に参加しているが、2050年脱炭素社会実現に向けたロードマップ策定も進められている。
 脱炭素社会の実現に向けては、水力発電の新規電源開発をはじめとする企業局の果たすべき役割は大変重要であると認識している。再生可能エネルギーを拡大することに併せ、それらを活用し、災害時も含めた地域エネルギーの自立に向けた取組も期待されている。水素の利活用や地域のマイクログリッド研究等、これまでの取組と今後の展開について伺う。

【小林電気事業課長】
 新規電源開発については、経営戦略において、令和7年度までに開発着手を含めて、36か所、設置することを目標としているが、これは、現時点で発電所数において、全国の都道府県等の公営電気の事業者として、日本一を目指すものである。発電所の整備に当たっては、前回、説明した横川蛇石発電所のような地域連携型水力発電所を基本コンセプトとして、それぞれの発電所の状況を踏まえ、地域の憩いの場や自然エネルギーの学びの場として親しまれ、災害時には電力を地域に供給する発電所となることを目指している。
 特に災害時等に地域へ電源供給ができるように、周辺地域が停電していても自立運転し発電できるような機能を備えるとともに、非常用コンセントを屋外に常設するほか、地域の防災拠点への電力の供給について、研究もしていく。この点については、地域連携水力発電マイクログリッドの構築を目指して、来年度は裾花発電所と大鹿発電所で自立運転化の改修を行い、大規模改修が完了する西天竜発電所と合わせて、新たに3つの発電所を自立運転できるようにするとともに、地域の防災拠点等への電力を供給するための法的・技術的な課題整理を行うとともに、送配電事業者や地元関係者の皆様と協議を並行して進めていく。
 水素の利活用については、昨年12月に産総研の福島再生可能エネルギー研究所と共催で、長野市において「再エネ×テクノブリッジ in 長野」を開催して、水素の利活用に関する意見交換・情報交換を行い、特にトヨタ自動車製の「SORA」という燃料電池バスや、FCVの試乗会を開催し、多くの皆様に、水素をエネルギーとして実感してもらった。
 また、企業局のFCVについては、2台目を導入したところで、3月5日にオリオン機械様とUグループ様とそれぞれ燃料電池自動車の普及啓発活動に関する協定を締結した。内容は、運輸部門における温室効果ガスの削減に資するため、FCVの普及啓発を図るとともに、水素の利活用に関する県民の皆様の理解を深めることを目的として、企業局はFCVの普及活動を率先して実施するとともに、協定締結企業はそれぞれに参加・協力するということとして、FCVの走行データについて、企業局に集積し、分析することにより、FCVの機能性を実証していくものである。このほかにも県や市町村等が行う防災訓練等において、FCVからの給電を紹介するなどして、水素の利活用の実証・展開についても検討していく。

水道事業の広域連携に対する取組について

【本郷委員】
 長野県は、本格的な人口減少社会を踏まえて、昨年10月に県と77市町村等の参画の下、長野県水道事業広域連携推進協議会が設立された。本協議会では、市町村とともに水道施設台帳の長野モデルの整備を目指すとともに、水道事業のDXの推進に向けた検討を進めていくとのことで、協議会のこれからの取組に大いに期待をしている。
 水道事業の広域連携を進めるに当たり、水需要の減少等の経営環境をはじめ、施設の老朽化、水質や地理的条件など、県内の市町村はそれぞれ状況が異なることが課題である。このような中、都道府県で唯一、末端給水事業と用水供給事業の両方を実施する経験と実績を有する長野県企業局が果たす役割は大変大きいと感じているが、今後、全ての市町村が参画することとなった協議会において、広域連携の推進等に向けてどのように取り組んでいくのか伺う。

【塩沢水道事業課長】
 企業局だけではなく、水道事業者は、県内を見ても、共通する課題を抱えているし、それぞれの地域の独特の個々の事情もある。改正水道法の趣旨も、広域的な連携を推進するに当たっては、都道府県の責務が求められていて、それには専門的知見とか、広域的な連携の視点があると思っている。そうした中で、私どもと併せて長野県という意味で見てみると、県としては水道行政の所管の部局もあれば、市町村の行財政所管の部局もあるが、企業局として技術的な経験とか、経営のノウハウの蓄積を自覚した上で、支援をして一緒に考えていくことが必要だと考えている。
 事例として、水道施設台帳の長野モデルの取組も、全県が集まる協議会もできたが、みんなで統一のフォーマットでやっていったほうが、かなりデータも連携できるし、有益ではないかということを企業局として提案した。それには、それ以前からの関係市町村との取組、あるいは連携、議論の積み重ねがあってのことと考えている。ほかにもいろいろ広域連携、多岐にわたる課題があると思っているので、DXの推進にしても、業務の共同化も企業局としてノウハウを生かして、議論を進めていくように連携してやっていきたい。

【本郷委員】
 大変、複合的な要素が絡んでいて、大変だと思うが、成功のために一層ご精励を願いたい。

改定後の長野県公営企業経営戦略の実現に向けた取組について

【本郷委員】
 経営戦略の改定作業が2年にわたることになったと聞いている。大規模災害の頻発や新型コロナウイルス感染拡大、さらには2050ゼロカーボンの実現など、企業局を取り巻く社会経済情勢は大きく変化する中で、これらを踏まえて、長野県公営企業経営戦略の実現に向けては、今後、知事部局をはじめとする関係機関との連携や県民の皆様の企業局事業への理解が不可欠であると認識しているが、戦略の実現に向けて、小林管理者の骨太の方向性を伺う。

【小林公営企業管理者】
 新型コロナウイルスの感染拡大もゼロカーボンも、世界の荒波が一地方の地方公営企業を直撃する時代になった。しかしながら、先を見通して、連携とか、県民の皆様の理解を得ていくというのは、非常に大事だと思っている。これほどの大きな流れにはなっていなかった平成30年に、県としてはいち早く、この新規電源開発地点発掘プロジェクトというのを立ち上げて、企業局のみならず、各部局と一緒に新しい水力発電所の立地を求めていくということで着手したことが非常に大きくて、私としても、市長会や町村会の場や個別の市町村長さんにも、なるべく話をする中で、市町村長さんから、うちにはこういう箇所がある、ああいう箇所があるという推薦をしてもらったものが、今、調査しているもので、各市町村長さん、市町村の関係者からの提案というのが非常に大きかった。
 今のこの流れの中で、例えば昨年度からやっていれば、新型コロナウイルスの感染拡大で厳しかったと思うが、それより1年、2年早くスタートさせてあったということが、今のさらなる積み上げに生かされているし、また、前回もビデオを見てもらった横川蛇石も、今回のえんまん以下も、地域と連携した水力発電で、いざとなったら、その水力発電所の電力を地域に供給するということをよく理解をしてもらいながら進めていくというのが非常に大事で、30年から市町村の皆さんと一緒に語り合ったり、私も含めて現場へ行って話をしたり、水道の施設を見ながら話をしたことによって、水道は実態が非常に大事で、地理的制約、自然条件の制約が非常に大きいことを身をもって知ることができた。
 それとともに、国の関係者、国の現地機関の長ともいろいろ話を積極的にするようにしているし、局内も、なるべく職員との直接の対話とか、ウェブも使って対話とかメールで意見を全職員に求めたり、局内的な連携も、局外的な連携も含めて、全ての皆さんと連携、協働して、この荒波の中を乗り越えていくことが一番大事ではないかと思っており、引き続き皆様の理解、協力をお願いしたい。

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