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令和2年11月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
コロナ禍の経済情勢、世界的な情勢を踏まえた、県の取組について

【本郷委員】
 林部長、また熊谷局長をはじめ、各部門の県庁の皆さんには、戦後最大の同時不況の中にも関わらず、大変な御努力をされていることに、まず改めて感謝する。今日のマスコミにも載っていたが、日本を代表する生命保険会社の社長が、今年の1月時点での日本経済に戻るには、多分、2023年頃になるだろうと。私は、常々、いろいろなところから情報を得て、全治3年と言ったが、ほぼ同様の傾向で、来年の今頃も、またデータが変わっているが、大変苦悩するこれからの3年間で、部長も、大変苦労をされている。議会としても、共通の認識を持って、この深刻な事態に対応しなければならないと思っている。
 戦後75年間、先輩各位の努力によって世界第3位の経済大国になったわけで、近年は、ウォールストリートを中心とする新自由主義が、資本主義の中における新しい概念として世界に平準化されていて、これが、今回の世界同時不況の一つの大きな要因でもある。資本主義の新しい理念をどのように僕らが造形するかということにおいては、当委員会においても、そうした高い次元の俯瞰的な視点において、世界経済をどのように持っていくか、そして日本をどうするのか、そして我がふるさとをどうするのかということ、全部、実は連動しているわけで、大変心配をしている。
 情報技術は、大変な勢いで進んでいるが、子供たちの目の視力が落ちたり、試験をするときに難しい文章が解読できなくて、スマートフォンでやると3行か4行で、意思が伝わればいいということであるが。質問自体が5行、6行で書いてあり、そこに難しい漢字が書いてあると、何を質問しているのか、よく分からないということで、試験場で泣いてしまったということがメディアにも載っていた。つまり、情報技術の進歩というものは、大変有効ではあるが、人間の真の発想力や哲学的な、あるいは文学的な、本来の人間の持っている思考能力というものは、実は低下をしているわけで、そういう意味からも、まさにパラダイムシフトがコロナとともに完全に迫られると理解をしている。
 経済学的には、世界経済がマイナス4%ということは、これは、実は世界大恐慌である。1929年の第1回目のときにも、社会情勢は全く違うが、マイナス4%以上だったわけで、今年の世界経済は、OECDの発表によると、やはりマイナス4.2と言われている。来年のことは、そういう意味でも全く分からない。ものすごい勢いでコロナが増えているし、長野県も大変危惧される状況である。
 そういうことから、リーマンのレベルを超えて、有効求人倍率が1.03ということで、先ほど発表があったが、雇用情勢は、行政が発表する以上にもっと内在化をしていて、全国で失業者は6万とか7万とか言っているが、そういう単位ではないと思っている。これが、年が明けてから一挙に顕在化してくるので、そういう意味からも、行政の果たすべき役割は、もう少し大きい概念で言えば、政治が果たすべき役割は、社会工学的に最も強い規制力を持っているわけで、今こそ都道府県、あるいは市町村のリーダーの、本当の意味でのリーダーシップが期待をされるわけで、何としても、対処療法と同時に中長期的な日本再生の方向性というものを明確に出さなければならない。
 また、世界経済を見ると、中国経済だけがプラスである。これは、非常にいろいろな要素が絡んでいるが、いずれにしても前年比で1.9%のプラスということである。一方、アメリカは、もう前から言われているが、4.ちょっとのマイナス。EUは、特にイギリスがひどくて、年に平準化すると7%台だと。世界経済は、そういう意味で4.4である。日本も同様である。
そういう中で、2025年には、中国の経済規模が、アメリカGDPの約9割に達するということで、中国は100年単位でものを見ているから、安全保障のことも含めて、相当、国民一人一人が、国家観や、歴史観を含めて、経済政策も含めて、強い意志を持たなければならない、そこに、今、追い込まれている。
 また、自殺者も、10月から急激に増えていて、特に母子家庭や女性の方々の失業がものすごい勢いで顕在化していて、戦後75年間で築いた日本社会を、もう一度、再構築しなければならないという前提で、質問する。
 第1点は、経済が世界的な規模で変革に迫られていることは、今、申し上げたことで理解できると思う。中国は、一気にEV自動車への戦略のシフトが、習近平国家主席が述べていて、そういう観点から、サプライチェーン等の問題から、国内回帰、あるいは大きくは地方回帰の動きがあるが、世界の潮流は、グローバル化が進展する中、ナショナリズムが台頭してきているというのが、メディアでも、連日、各国で出ている。そういう意味で、コロナで混乱する世界経済の中で、コロナ後を見据えた様々な動きが見られるが、こうした世界的な動きを、どのように県当局は認識をしているか。時代の転換期ともいえる今の世界経済の変革をどう認識しているのか。
 テレビなりインターネットを見ると、政府は、全体像はつかんでないと。都道府県を通して基礎的自治体に指示を流すということで、全体像をつかんでいるのはむしろ都道府県であると。そういう意味で、私ども県会議員も大きな責任がある。第1点目の、この経済の変革が起きつつある中において、世界的な動きを、どのような観点で認識しているのか、林産業労働部長に伺う。

【林産業労働部長】
 委員からも話があったが、OECDも今月1日に発表しているように、経済が1年で戻るというわけにいかない様相である。各国の回復のスピードもまだら模様ではないかと見ている中で、日本に対しては、やはり期待感を込めてだと思うが、生産性や持続性を高めるための構造改革は力を入れてほしいとか、デジタル化をさらに進めたりという提案もあったと、私も理解している。今、それに対して、中国を中心とした成長が全体を牽引していくのではないかと言われていて、中国を中心としたアジア・米中の動きをしっかり見ていかなければならないと思っている。
 現在、そういう中で、サプライチェーンの再構築と新たなイノベーションの動きがあるが、決して自国回帰の一辺倒の動きではないと言われていて、生産拠点や調達先を各国・各地域に分散し多様化する動きもあるし、カーボンニュートラルという言葉の下で、中国もEV化へ先んじて取り組むという発表がなされているが、2050のニュートラルにコミットしている国は123か国に及ぶという中で、今後のイノベーションの方向としては、グリーンとかデジタルと、こういった分野を包括的にインクルーシブ・イノベーションで行かなければならないとも言われている。そうしたところの視点を持ちながら取り組んでいくが、足元の経済を見ると、最も重要となるのは、影響が一番及んでいるところをまずしっかりと支えた上で、そのイノベーションを図っていくことだろうということで、やはり雇用へ、あるいは人への投資というのをきちんとやっていかなければいけないと感じている。
 その中で、今後、取り組む方向性としては、コロナ禍によって現れてきた二極化というものが幾つかあって、例えばグローバルとローカルの、今の世界情勢と地方の現実だとか、リアルとバーチャルが両方一緒になって顕在化しているし、AIとか、それに対する人の頭脳というか、心情というものはどうやってついていけるのか。経済価値と今のグリーン、SDGsに代表される社会的価値というものをどう融合させていくかと。そういう視点も持ちながら、政策を考えていかなければならないと感じている。
 コロナショックの発生に対して、スピード感も持って対応しなければならないし、そうした中で、まずは、コロナ禍の影響が大きい分野の投資の強化を図っていくということで、雇用の維持、それから求人とのマッチング、リカレント教育の充実等を進めながら、次の世代を担う、デジタル改革、グリーン改革に資するようなイノベーションのサポートをしていきたいと考えている。

国や市町村、経済団体との連携による経済活動と感染防止対策の両立について

【本郷委員】
 都道府県が前以上に大きな位置づけになっていることは、既に承知のとおりである。政府は、47都道府県の状況を把握した上で、都道府県にまた返して、それから1,718ある市町村に指導してくれということで、県の持つ意味が、地方分権改革がされて、いよいよ実践的に、県庁の動きと、また議会がそれを議決機関として正確に判断をしていくという、こういう時代が、極めてリアリティーを持って迫ってきている。そういう意味においても、一層、毎日、夜遅くまで仕事をされていることに深く敬意を表すると同時に、新しい時代に対して、再出発という観点でお願いしたい。
 感染防止と経済の両立を、総理も、政府も、霞が関も言っているが、国や市町村、経済団体との連携を図りながら経済を回していくとよく言われるが、この辺についての現時点における連係プレーの状況はいかがか。課長に伺う。

【宮島産業政策課長】
 今、委員指摘のように、感染防止対策と経済活動の両立というのは、我々が目指している、また目指さなければいけない姿であろうと思っている。経済というのは、よくヒト・カネ・モノの動きだと言われていて、今、内閣府の経済財政白書を見ると、お金の動きというのは、金融機関等の融資状況を見ても動いていると判断をされていて、また物の動きというのも、中国の回復に合わせて回復してきているというような話も書いてあった。一方、人の動きというのは、「Go To トラベル」によって持ち直してきたとは思っているが、ここに来て感染者が増加して、マインドとか、行動抑制といったものにつながっていて、なかなか戻ってこないという状況があると思っている。
 その両立のためには、委員指摘のように、短期的なものと中長期的なものと、物の製造業、サービスの非製造業とか、事業者側とか、あと利用者側のマインドの問題とか、様々な観点で検討していかなければいけないと思っている。これまで、我々も行政の財政出動としては、緊急的な下支えとして、対処療法的なものとしてこれまで行ってきた。ただ、これも、家計とか、企業、そして行政といった社会全体で経済活動を支えていかなければならないだろうと。
 これまで、お願いしてきたが、個々人とか、それから事業者の方々の感染防止対策とか、新たな生活様式の徹底といったことに関しては、皆様の協力を得てやってきたが、これが当たり前のように行われるようにやっていきたいということと、これまで、それを前提とした上で、飲食や旅行とか、生産活動を行っていくとか、また、状況によっては、大規模な移動でなくて、小さな地域での移動で、地域で消費してもらうといった観点も必要であって、工夫しながら経済活動を行っていくということが必要という認識の下、委員指摘のように、国・県・市町村、経済団体と連携をしながら、不可欠であると思ってやってきた。
 これまでも業種別のガイドラインの周知とか、新型コロナ対策宣言の店とか、また業態転換の支援とか、また、「Go To キャンペーン」、様々な需要喚起策というものを連携しながら実施してきた。加えて、先ほど委員の指摘の中でも中長期的なものということで、設備への投資不足が長引くということは、潜在成長力というものも低下させてしまいかねず、IT・デジタル化とか、サプライチェーンの再構築、地方回帰などを踏まえた状況の変化、新たな技術も踏まえた投資というものを、国と市町村、経済団体と連携しながら、これからも引き続き取り組んでいきたい。

成長期待分野におけるコロナ禍の影響と今後の対応について

【本郷委員】
 三菱リージョナルジェット、スペースジェットがああいう形になったが、報道が少し先行していて、三菱グループとしては、YS-11以後、技術的に中型機のテクノロジーとしてのハンディキャップがあったわけで、3、4年先になれば、ほとんどクリアできると思っているが、世界的な需要の低迷で、全日空は、国際線の半分を売らなければいけないと。それからまた、パイロットや客室乗務員は、冬のボーナスはゼロと。多分、日本航空は、これは発表していないが、同様だと思っているし、また富士通の社長は、4か月か5か月、給料を半分にすると。個々の一部上場企業は書き切れないので、メディアも、全日空を典型的に出しているが。いずれにしても、大変大きなダメージを日本経済界が、中小企業、小規模企業を含めて受けていることは間違いなく、これが、年が明けてから、内在化している問題が顕在化してくると、私ども議会側も、覚悟していなければ、これが共通の認識である。
 したがって、世界市場への戦略的な取組について、先ほども一部説明があったが、成長産業はほかにもあるわけで、SDGsは、国連で17項目、決議されたわけで。そういう中で、先ほど話にあったゼロカーボン、つまり脱炭素社会づくり条例、9月定例会で長野県が初めて決めたわけで。特に健康・医療や、とりわけ環境・エネルギー分野、これが、十数項目の中でも一番の柱であって、これら成長産業分野の状況について、コロナとの連関というか、影響は、どのように認識しているか。また、県としては、どのような戦略的な対応をしていくのか、課長に所見を伺う。

【西原産業技術課長】
 まず、医療分野であるが、今回のコロナ禍で、人工呼吸器などの医療機器が不足したことによって、日本がいかに医療機器を輸入に依存しているかが顕在化して、国産化という機運が高まったと考えている。あと、健康分野については、いわゆる巣ごもり。在宅勤務とか、オンライン学習、それによって、体を動かさないので、どうしても太ってしまうとか、そういうことで、糖分の吸収を抑える食品とか、免疫力を高める食品とか、そういう技術が高まっている。私ども、この両分野ともビジョンをつくって取り組んでいる。医療機器や機能性食品の開発に取り組んでいて、そういう環境変化は、むしろ追い風である。それを追い風にして、支援に取り組んでいく。
 環境・エネルギーについては、先ほど本郷委員からの話もあったが、まさに今回のコロナ禍で、EV、電気自動車が非常に注目されていると考えている。理由が幾つか言われているが、一つには、ヨーロッパなどで電気自動車への買うときの助成措置が強化されたということ。それから2050年ゼロカーボンの動きで、ガソリン車など規制するという動きがどんどん広まってきたこと。それともう一つは、私ども、あまり感じないが、海外は、今回のコロナでロックダウンした都市がかなりある。そういうところでは、ロックダウンしてガソリン車が止まったことによって、青空が広がったという。要するに、ガソリン車がいかに大気を汚しているかということを、国民が知ることになったと。そういう動きがあると言われている。
 ただ、電気自動車、まだまだバッテリーの性能が十分ではないので、価格とか、航続距離とか、充電時間とか、インフラとか、いろいろな問題がある。まだしばらくは普及拡大には時間がかかると思うが、EVシフトという動きは変わらないと思っている。日本でも、最近、先週だったか、国が2030年代の半ばには、ガソリン車をやめて、全てをハイブリッドか電気自動車にするという方向で調整すると報じられた。
 では、そのEVシフト、長野県産業にどのように影響するのか。プラスとマイナス、あともう一つ、全然変わらないところがあると思っている。変わらないというところは、ボディとか内装の部品を作っているところである。マイナスの影響が出るのは、エンジンとか、トランスミッションの部品を作っているところであって、当分の間、そういうものの生産は続くとは思われるが、将来を見据えて、その生産技術の他用途への展開というものを支援していきたいと考えている。実際、県内で自動車部品を作っていて、社会的にかなり高いシェアを持っているにもかかわらず、既に医療機器分野に転換している企業さんもいて、県でも支援している。
 それからプラスの影響を生じるところは、駆動用モーターとか、その周辺機器を製造している企業である。例えば飯田市の多摩川精機。これは、駆動用モーターの制御に必要な回転角度センサーで世界トップシェアである。それから、そのセンサーの信号に基づいてモーターに流す電流を制御する半導体、これは、大きな電流を制御するもので、パワー半導体と言われていて、デジタル系の半導体は中国とかの世界になったが、いまだにパワー半導体は、日本とヨーロッパが世界でも一番強い。その中の一つである富士電機さん、松本市にパワー半導体の研究所を持っていて、国内のみならず海外でも、特に欧州でも採用が増えていると聞いて、先日も話を伺ったら、かなり忙しいと聞いている。このほかにも、県内は、もともと電気関連企業が多いので、EVに必要な電気部品等を作っている企業、幾つもあって、これから大きなチャンスだと考えている。ただ、一方で、高い信頼性とか、耐久性を求められているので、工業技術総合センターなどを中心に、必要な技術的な支援も行っていく。

日本酒・ワイン等、地酒の需要喚起及び雇用情勢の認識と今後の見通しについて

【本郷委員】
 日本酒とワインの問題、需要喚起について、深掘りした施策について、伺う。
 雇用情勢が、雇用調整助成金は2月まで、それから持続化給付金は3月までおおよそ延ばすということであるが、さらなる解雇の増加や雇用情勢の悪化は、極めて危惧されている。そういう意味で、雇用情勢に関する現状認識と今後の見通しについて、家計経済が、多分、この冬のボーナスは、民間企業は大変な事態だと思っている。無担保・無利子、つまり財政と金融によって、今、日本経済が何とか支えられているが、今年の1月以前にも、長期・中期にわたって、銀行から皆さん融資を受けて、いずれ返さなければならないと。その後、無担保・無利子の問題が出てきた。雇用調整助成金や、その他、各種の、何十種類という助成によって、つまり、こういうときには、財政と金融によってしか、かつての歴史から学ぶということから言えば、当然のことである。そういう観点から、今後の見通し、それからお酒とワインの需要喚起、これをどうするか。その2点について伺う。

【柳沢日本酒・ワイン振興室長】
 先ほど委員会資料で示したが、やはり業務用需要の減少によって、非常に大きな影響を受けているということで、この忘・新年会、まさに一番の需要期であるはずのときに、大きく影響するという懸念がある。需要喚起については、人の心の問題ということもあるが、やはり知ってもらうことが何よりもと思っていて、様々な経済対策としては、県として、プレミアム商品券による支援とか、観光部の「新たな旅のすゝめ」とか、営業局では様々な県外の大型店のフェアとか、商談会をやっているが、室としては、皆さんに知ってもらう情報発信ということで、オンラインイベントを開催したり、また、初めてやるが、長野駅での、地道ではあるが、ミニ企画展ということで、皆さんの目につくような形でお知らせしたいと思っている。
 また、一つ、紹介としては、宴会需要の大きい日本酒は、非常に影響がこれから大きいのではないかということで、日本酒を消費しないと酒米農家さんにも影響があるということから、全農さんの提案も受けて、農政部・営業局、あと酒造組合も連携して、知事にも出演してもらったCMがこの週末から流れているので、需要喚起、これからも様々な機会を捉えて、関係団体と連携してやっていきたいと思っている。

令和2年11月定例会 産業観光企業委員会(観光部関係)
日本みどりのプロジェクトの活動の意義について

【本郷委員】
 中村部長を中心に、大変、きめの細かい、また新しい発想力をもって対応していることに対して、深く敬意を表したい。そういう経過の中で、昨日、政府は、臨時閣議で、事業規模で73.6兆円の追加経済対策を決定した。これは、2020年度の第3次補正予算と21年度の当初予算を15か月予算として位置づけ、地方債の負債も含めて、財政出動は約40兆円となる。したがって、第2次補正のときには、150数億円、長野県に持ってきたが、与党国会議員とも連携を取って、何しろ、この2、3年間というものは、財政と金融によって支えていくより手がないので、全力で頑張っていき、また連携を取りたいと思っている。
 特に「Go To トラベル」や「Go To イート」の期間の延長、それから雇用調整助成金の特別措置を2月末まで延長することも決定をしているので、そういうものを複合的に絡めて、この危機的状況を乗り越えたいと思っている。
 私、現在、長野県議会観光議員連盟の会長を仰せつかっていて、昨日、観光機構の平尾エグゼクティブプロデューサーに講演をしてもらった。一般的には、観光というカテゴリーは、第3次産業における観光と小さく書いてあるが、実は、観光の持つ裾野の広さは、交通部門も含め、あるいは商店街も含め、ものすごく広いわけで、あの縦割りのカテゴリーの分け方は、もう時代遅れであるわけで、観光部長を中心に、経済成長戦略の重要な位置づけとして認識をしてもらうことが非常に大事であると思っている。
 特に今回のパラダイムシフトによって、平尾さんの話によれば、団体から個人へと、それから客層が全く変わってきているということで、長野県下の東西南北の主だったところのデータを発表してもらった。そういう中において、基本的には、全く新しい時代が来るので、ポストコロナのことも見据えて、先ほど各課長から話があったとおりのことで、沖縄のことも含めて。沖縄は、垣内君が議員連盟の会長になって、私と萩原さんが顧問であるが。同時に信州まつもと空港国際化議員連盟は、萩原さんが会長で私が幹事長ということで、そういうものを全部絡めて、行政、議会、それから産業界等も含めて、新しい時代が来るということを見据えながら、ぜひ中村部長、一層の努力を願いたい。
 そういう観点から、長野県を代表するアルピコグループにおいては、情報によれば、4月から6月の貸切バスの事業は、売上げがほぼゼロだったというようなことである。10月も、「Go To」があったが、前年同期で約46%という。こういう問題があって、リモートの観点から、オンラインによる、つまりアルピコ交通の本社に来てもらって、1,980円を支払って、そこでバスガイドさんが説明して、上高地に行った気分になると。つまり、もう全く発想が変わってきているので、いろいろな角度や切り口から、観光の再生のために、オンラインバスツアーが定着することも一つの切り口であるので、ぜひ、行政は行政の立場で、全力で対応を引き続き願いたい。
 そういう全体像として、政府もものすごい危機感を持っているので、ぜひ、観光部においては、日本経済を引っ張っていくんだと、その一大要素であるという認識を持って、長野県が国際水準並みの観光県になるというのが知事の理念であるので、議会も両輪となって、沖縄問題も含めて、頑張る予定である。
 地球温暖化に伴う気候変動の影響というのは、大変な事態で、18世紀の産業革命から今日まで、全体の気温が1度上がっていて、今のまま放置すると、1度から2度、10年、20年、30年、そういう単位で上がっていくと。そういうことから、雄大な自然を観光コンテンツにしている長野県にとっては、この問題についても、みどりのプロジェクトを通じた、そのSDGsとの絡みをどのようにしていくかと、こういう大きな問題がある。したがって、阿部知事が、日本みどりのプロジェクト推進協議会の会長になったことは承知をしているが、リーダーシップを発揮しなければならないので、第1点は、長野県脱炭素社会づくり条例の理念の下、ゼロカーボン、SDGsを進めていく上で、みどりのプロジェクトの活動の意義と果たす役割について、伺う。

【小林国際観光推進室長】
 先ほど説明したが、日本みどりのプロジェクト推進協議会は、都市と地方が連携して経済の好循環を創出することにより、SDGsとか、ゼロカーボンに貢献していくという、新たなこれからの取組だと考えている。その取組としては、時代にマッチした新たな旅を提案する「Go Green」とか、植樹により森林を再生させていく「One Green」等のプロジェクトを中心に、地域経済の活性化事業を展開していく。それに「National Park プロジェクト」などプロジェクトがある。
 これらのプロジェクトに共通して言えることは、委員から指摘があったとおり、長野県が世界に誇れる自然、こういったものを理解し、体験し、守り、育むということで、気候変動の影響を考える契機とするとともに、県民一人一人の皆さんがゼロカーボンに貢献していくという意識醸成、こういったものが図られるということが大変大きな意義ではないかと考えている。長野県は世界に誇れる自然という財産があるので、そういったものを、国内外から多くの旅行者の皆様を招いているので、これを契機に気候変動にも対応した取組を、関係部局と連携して進めていきたいと考えている。

【本郷委員】
 みどりのプロジェクトは、非常に重要なSDGsとも連関をしている話であるので、いい形で観光産業に貢献できるように、一層の努力を願いたい。

今後の感染状況や「Go To トラベル」の事業見直しの動きなどに応じて観光誘客について

【本郷委員】
 「Go To トラベル」の運用見直しに対応した観光誘客という観点で、「Go To トラベル」や、県のいろいろなきめの細かい宿泊割事業の効果で、秋以降の観光需要は、10月は回復をして、第3波が来て11月がちょっとへこんだと、こういうのは一般的な見方である。ただし、年末から年明けの予約も多く、宿泊施設では高い水準を維持している。中低のゾーンにおいても一定程度の効果が現れている、先ほど説明があったとおりである。しかしながら、感染状況が急速に悪化して、国は「Go To トラベル」の運用について、目的地から大阪と札幌を除外、東京の発着は、高齢者や基礎疾患のある方は自粛を要請するなど、また違う要素も出てきているので、長野県の観光にとって重要な冬の観光シーズンを迎えるに当たり、今後、感染状況や「Go To トラベル」の事業見直しの、これらの動きに応じて、どのような観光誘客を進めていくのか。つまり団体から個人へ、そして客層が全く変わってきているという状況も複合的に考えた上で、課長から説明を願う。

【大槻観光誘客課長】
 現在、感染症拡大防止策を徹底した上で、「Go To トラベル事業」と併せて、先ほど来話があるとおり、県施策も実施して、当面の観光需要の回復を支える県内旅行の需要喚起を行っている。観光庁の発表によると、「Go To トラベル事業」は、11月15日現在で、各県の状況は未公表であるが、全国で少なくとも5,260万人泊の利用があったと言われているし、地域共通クーポンの取扱店舗数も35万店舗、本県は8,100件以上である。宿泊以外に、地域のお土産屋さんとか飲食店、観光施設等も含めて効果が及ぶ、地域経済活性化に結びつく事業と理解をしている。
 こうした中、県としても、冬のウインターシーズンを迎えているので、誘客をしっかりやっていくということで、引き続き感染拡大防止と観光振興の両立を図ることが必要ということで、特に今後のWithコロナ時代における安全で安心な旅のスタイルを普及定着されることを目的に、観光関連事業者と旅行者の双方に対して、感染症拡大防止対策の徹底を求めていくこととしているし、併せて、スキー場やその周辺地域への支援策を活用し、効果的な誘客を推進するとともに、県内外の感染状況や「Go To トラベル事業」の運用見直し、延長とか、その割引率を下げるとかいう話も出ているので、引き続いてその国の動きを注視しながら、観光事業者とも連携をする中で、県の施策、県民宿泊割とか、近隣県への誘客施策とか、県施策をそれぞれの状況に合わせて機動的に展開していきたいと考えている。
 また、多くの旅行会社とか、宿泊事業者さんからの要望が来ているが、「Go To トラベル事業」後の反動減対策とか、春以降の対策という要望も多くあるので、既決予算とか、来年度予算を見据えながら、観光部としてもしっかり手だてを打っていきたいと考えている。

県と観光機構の役割分担及び機能強化について

【本郷委員】
 昨日、平尾さんの話を聞くと、単に悲観的な話だけではなくて、それぞれの地域の特性を生かした、そういう意味で包括的に言えば、団体から個人へ、そして客層が全く変わってきているということで、各地域の分析を、観光部とも連携を取っていると思っているが、そういう意味において、安全・安心に対する意識はますます高まっているし、リモートワークの急速な拡大、インバウンドの消失など、全く基礎条件が変化をしてきている。県は、Afterコロナ時代を見据えた観光方針を策定して、長期滞在型観光の実現を掲げている。昨日の勉強会でも、1週間ほど泊まる方が結構多くて、そこで仕事と観光を両方やっていると。そういう、今までにない状況が出ているし、また全国版のいろいろな情報を見ると、長野県なり、山梨県なり、移住して、そこで仕事をし、家族との家庭愛を醸成し、極めて人間的な生活をしている。
 そういう観点から、観光機構も、観光部と同様に、ますます重要な位置づけになるわけで、県と観光機構の役割分担、機能強化について、伺う。

【田中山岳高原観光課長】
 委員指摘のように、今後、Afterコロナ時代を見据えた場合には、この観光機構の役割はますます重要になってくると、県としても認識をしている。先週の一般質問での知事答弁ともやや重なる部分もあるが、観光機構の機能を高めていくには、大きく3つのポイントがあろうかと思っている。一つがこの役割分担、県と観光機構の役割分担であるが、実は平成29年の11月に開催された県の観光戦略推進本部会議、観光戦略2018の骨子案が示されたときであるが、このときに県観光部の役割と観光機構の役割が示されている。県観光部の役割としては、簡単に言うと観光政策の企画立案、観光機構の役割としては、観光振興施策の実行組織と大きな役割が示されて、以後、取組を進めている。
 この役割分担として、県が企画したものを、観光機構が、場合によってはそのまま実施するという実行部隊として位置づけたようなイメージが先行していて、実態としても、やや、観光機構で受け身になりがちな面も見受けられるかなという形で、機構としての自主性が十分にまだ発揮できてない面もあろうかと思っている。このため、今後は、もう少し役割分担というものを具体化していく必要があると思っていて、例えば県観光部は、県全体の大きなその観光政策の方向性をまずは担う、決定する。観光機構は、その観光の方針を一緒に共有した上で、しっかり自らも企画立案し実施する。こういった役割分担というものを明記して、お互いが対等で、しかもコミュニケーションを図りながら、一緒になって、十分、その観光機構の機能が発揮できるように、役割分担を再整理していく必要もあろうかと思っている。
 さらに、予算についても、今は全て、実は県から観光機構に対して負担金という形で支払っているが、例えば、役割分担を整理した上で、機構が担うべきものというものは、これまでどおり負担金であるが、そうでなくて、外部に委託できるものについては、委託料として整理をする。こういった予算の整理も必要かと思っている。
 最後に組織面というのがある。やはり民間の発想で活動できるような体制が大事だと思っていて、例えば、外部の民間からもっと積極的な提言を受け入れられるような仕組みを構築する、こういったアイデアも、今、あろうかと思っていて、こういった改革をこれからも進めながら、この観光機構の機能を十分に発揮できるように、より一層、最後は観光地から頼られる存在になるように、県も一緒になって取り組んでいきたいと思っている。

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策と観光振興の両立について

【本郷委員】
 感染拡大の防止と経済活動、観光振興のことで、その両立について、いろいろな解釈があるが、一般的には、新型コロナによって大きな打撃を受けているのは観光業界であり、感染拡大を最小限に抑え、観光事業を下支え、長野県観光を再生していかなければならないのは、行政の責務でもあるし、また、議決機関である議会も両輪となってこれを全力でやらなければならない。非常に難しいかじ取りではあるが、感染拡大の防止と観光振興の両立をどのように図っていくのか、伺う。

【中村観光部長】
 やはり両方とも重要であって、これは当然のことであるが、政府の感染症対策の分科会では、人の移動が感染拡大に影響すると言っている中で、一方、国で「Go To トラベル」というような部分は動かしている中で、どう考えるか。政府もやっているので、都道府県として、これをどうこうというふうには、なかなかいかないという部分もあって、非常に難しい立場かなということの中で、日々、やっている。
 両立というのは、重要であるが、なかなか難しいというところに立った上で、委員指摘のとおり、観光産業というのは裾野が広いということで、影響はすごく大きいというのが、今回、本当に分かった。感染状況が比較的落ち着いていた中では、感染対策をしっかり取った上で、しっかりこう回してくださいという、宿泊割などをやりながら稼いでもらおうということで。その感染対策を取ってくださいというのも、具体的に、業界、事業者、それから地域とかエリア、全体で取り組むという枠組みをしっかりつくるというところが大事である。
 また、事業者の中でも、私どもの医療の専門家の皆さんが懇談会の中でも言っているが、とにかくかからないと、自分がかからない行動が大事なので、それを徹底してくれということで、観光事業者にもそれを投げかけている。もう一つは、観光客に対しても、しっかりと感染対策を取った上で来てくださいという新しい観光のスタイルが重要で、時代が大きく変わるということなのかなと。
 先ほど国で大きく経済を動かしているという部分があるという中で、私どもでも、ここへ来てまた感染が拡大してきている中で、観光事業者、観光関係者が、混乱しないようにしてくれと要請もしてきている。具体的には、大阪とか、札幌とか、見直しに入っているという状況もある中で、やはりその見直しということも聞こえる中では、段階的にやったほうがよいのではないかとか、さらに広がってきた場合には全国一律でやることも必要ではないかとか、そういったことも要請をしている。これは国に対しての要望ということで、知事会とか、それからブロックごとの知事会議とか、私どもも国に対して言っている状況である。ただ、そういう中にあっては、しっかりと、その代替措置としては経営支援をしてほしいということは、国とも常々意見交換をさせていただいている。
 先ほども観光誘客課長が機動的に対応するという話をしたが、日々変わるというか、毎週のように、日替わりのように状況が変わっていくという中で、その拡大してきたときはこういう手を打つんだとか、それが収まってきたときはこういう手を打っていくんだとか、常に考えながら、そのときの手段とか対応を前もって考えながら進めているということで、そこが、両立を図る上では肝かなと思っている。そこを、我々とすればしっかりと、状況を見ながら、このときにはこういう手を打っていく、このときになりそうだったらこういうふうにいくということを、今も検討しながらやっている。

令和2年11月定例会 産業観光企業委員会(企業局関係)
経営戦略の取組をどのようにゼロカーボン戦略に生かしていくのかについて

【本郷委員】
 小林管理者においては、集中から分散という非常に高い理念の下に、地域連携型を軸に、多くの行政的実績を残され、深く敬意を表するところである。新しいダムを含めると28になるようで、これから危機管理も含めて、大変、企業局の果たすべき役割は大きなものがあると思っている。
 菅内閣総理大臣は、10月の所信表明演説で、2050年までのカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言、先月には、国連のグテーレス事務総長が、日本が2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを宣言したことは、極めて重要と高く評価をされた。県議会としては、国の動きに先んじて、昨年、11月定例会において、気候非常事態に関する決議を議決、それを踏まえて、県では、全国初となる都道府県レベルの気候非常事態宣言を宣言した。先の9月定例会で成立した長野県脱炭素社会づくり条例では、条例に基づく行動計画を策定するよう県に義務づけをした。先月27日には、長野県脱炭素社会づくり条例を踏まえた横断的な施策を進める庁内組織、長野県ゼロカーボン戦略推進本部が設置、今後、長野県ゼロカーボン戦略の検討が進められることと聞いている。
 そこで、2050年ゼロカーボンに向けた企業局の取組について、伺う。知事議案説明においても、長野県ゼロカーボン戦略策定に当たり、再生可能エネルギーの普及拡大を一層推進していくということから、今後、企業局、電気事業の役割はますます大きくなると認識している。審議会からの答申を受けて、今後、改定される長野県公営企業経営戦略は、長野県脱炭素社会づくり条例の行動計画にも位置づけられる長野県ゼロカーボン戦略にどう生かされていくか、現時点における考えを伺う。

【竹花経営推進課長】
 ゼロカーボン戦略の策定に先駆けて、本年の4月に公表された長野県気候危機突破方針では、2050年度に二酸化炭素排出量を実質ゼロにするため、省エネルギーの推進と併せ、再生可能エネルギーの生産量を3倍以上に拡大するシナリオが示されている。このうち、企業局に関係する小水力発電の拡大シナリオは、県内における発電可能地点全てに導入を進めることで、設備容量ベースで23万4,000キロワット分、増加させていく内容となっている。
 企業局の水力発電は、2016年、平成28年時点で、県全体の水力発電の設備容量約163万キロワットに対して、9万9,000キロワットと、これまでも再生可能エネルギーの普及拡大に一定の役割を果たしてきたが、このたびの戦略の改定案においても、地元の市町村や地域の皆様の御理解、御協力も得ながら、新規発電分と、それから出力増強分も合わせ、現時点からさらに6,000キロワットを超える増加を計画するなど、新規電源開発の取組を加速化することとしている。
 企業局としては、気候危機突破方針の地域と調和した再エネ普及拡大プロジェクトに位置づけられている新規電源開発地点発掘プロジェクトを積極的に推進するとともに、今後、ゼロカーボン戦略策定に向けて設置された再生可能エネルギー作業部会にも参画して、戦略で定めた新規発電所の建設や既設発電所の出力増強といった取組を、県の行動計画に当たるゼロカーボン戦略に反映をさせて、2050年ゼロカーボン実現に向けて、鋭意、努力していきたいと考えている。

中田切地点の発電所の建設と今後の新規電源開発の具体的な取組について

【本郷委員】
 一般質問において、新規電源開発の候補地点として調査していた駒ヶ根市内の中田切川地点で、2,000キロワットを超える規模の発電所建設に着手する方向であるとのことであるが、それを含めて、今後の新規電源開発について、具体的にどのように展開していくのか、伺う。

【小林電気事業課長】
 新規電源開発については、平成30年度に市町村等の協力の下、知事部局と連携して新規電源開発地点発掘プロジェクトを発足し、国の固定価格買取制度等を最大限活用しつつ、新しい水力発電所の建設や基幹水力発電所の大規模改修等に積極的に取り組んできたが、昨年度末の知事による気候非常事態宣言や、今年10月の長野県脱炭素社会づくり条例の制定によって、2050ゼロカーボンの達成に向け、企業局の果たす役割はますます高まっていて、再生可能エネルギーの供給拡大への取組を加速している。
 先ほど説明した辰野町内の横川蛇石発電所については、今年度、竣工したが、現在、このほかに7つの発電所を建設中である。さらに7か所について、開発候補地点の調査も鋭意進めている。その建設中の発電所のうち、箕輪町内の信州もみじ湖、松川町内のくだものの里まつかわと、小渋えんまん発電所の3つの発電所については、今年度中の完成を目指している。また、昨年度に着手した、御代田町内の湯川ダム地点、川上村内の阿知端下砂防ダム地点に建設する発電所については令和5年度、飯島町内の与田切川上流地点、長野市内の湯の瀬ダム地点に建設する発電所については、令和6年度の運転開始を目指して、現在、建設を進めている。
 このほか、7か所の開発候補地点については、流量観測や用地調査により事業性を評価しているが、このたび、駒ヶ根市内の中田切川地点については、ある程度、状況が把握できたこと、それから地元駒ヶ根市をはじめ関係する方々の理解もおおむね得られたことから、設計と施工を段階的に契約する技術提案・交渉方式により発注し、新しい水力発電所の建設に向けて、本格的な調査と設計を開始したい。この中田切川地点は、最大出力が2,000キロワットを超える規模になって、年間約3,800世帯分の電力を賄うことが想定されるもので、企業局としては、平成11年度に完成した大鹿第2発電所以来、約20年ぶりとなる導水路トンネルを活用する水力発電所の建設であって、現在、今月上旬における公告に向けて、準備を進めている。
 今後は、今年度、改正について検討されている国の固定価格買取制度の状況を踏まえて、現在、事業性を評価している残りの6地点について検討を進めるほか、新規電源開発地点発掘プロジェクトを活用して、さらに新たな開発地点を発掘し、発電所の建設の可能性について検討している。こうした取組により、2050ゼロカーボンと脱炭素社会づくり条例の具現化に向け、スピード感を持って再生可能エネルギーのさらなる供給拡大に取り組んでいく。

水道事業の災害時の具体的な対応について

【本郷委員】
 企業局を取り巻く社会情勢等の変化は、災害対応を含めて、極めて重要になってきている。したがって、企業局の水道事業の大規模災害等への対応について、伺う。水道事業は、命そのものを守る重要なライフラインの一つでもあり、大規模災害発生時や、新型コロナウイルスの感染拡大等にも、万全の備えとなるように取り組む必要があると考えるのは当然である。そこで、これまで具体的にどのように対応してきたのか、また、今後、どのような対策を考えているのか、伺う。

【塩沢水道事業課長】
 先ほどの経営戦略の説明の内容とも重複するが、対策として、やはり施設とか、管路が大事になってくる。まず管路の老朽化、施設の老朽化に対しては、重要度、あるいは優先度を見極めて、状態の監視を常にしながら、計画的に今後も進めていきたいと思っている。
 耐震化についても、当初の計画からさらに前倒しをして、1年ないしは2年の前倒しをして、完了を急ぎたいと思っている。この耐震化の進捗に伴って、地震に強い管路ができてくるので、それを活用した、いわゆる「安心の蛇口」と呼んでいるが、市や町の避難所に設けて地元の方に使ってもらうと、いざというときに給水に使ってもらうところを、これも当初の目標を倍増して、計画の中では、20か所を計画に設定をして、今、9か所まできた。
 それから、同時に、松本地域の場合は、これが市町村に用水を提供するということになるが、その途中でも、直接、自治体に水を使ってもらう、あるいは、場合によっては、住民の方がそこから水を出して使ってもらえる応急給水ポイントも、今、整備を進めている。
 昨年、台風災害、これの教訓を踏まえて、浸水対策といったことも考えている。今年度から主な施設の止水壁とか、かさ上げといった対策を取り始めて、また同時に、その非常時の電源の確保ということにも着目して整備を進めている。
 以上、主なハード対策であるが、ソフトも大事になってきて、特に市町村との連携というのは大事になってくると思っている。既に関係市町村との災害時連携協定で、いざというときの情報提供とか、役割の分担を確認して、合同の訓練等も始めているが、さらに、本当に大きなときに、他県も含めて応援をしてもらう際の体制の整備ということも図っていかなければならないので、検討を進めていきたいと思っている。
 それから、委員から感染症の例示もあったが、常日頃の予防策、これはもちろんのこと、その運転の従事、これが止まってしまってはならないので、バックアップ体制、事業者も含めて、職員の応援態勢を取れるように、OB・OGを含めて体制を整えたいということで、この強化を考えている。先般、このコロナの第3波の直前、運転管理業務の研修会も開催して、実際に、今、水道をやっていなくても、技術の職員の方に集まってもらって研修をしていて、体制を整えていきたいと思っている。
 いずれにしても、そのリスクは、いろいろ幅広くあるので、いざというときも、最小限に被害を食い止められるように、各方面と連携して対応を取っていきたいと考えている。

改定する長野県公営企業経営戦略の実現に向けた取組について

【本郷委員】
 長野県公営企業経営戦略の具体化について、小林管理者に伺う。改定作業が2年にわたることになったが、この間、大規模災害の頻発や、新型コロナウイルスの感染拡大などにより、企業局を取り巻く社会経済情勢は大きく変化してきた。こうしたことも踏まえて、信州の水の恵みを未来へつなぐ、とする新しい経営戦略となったと思われるが、最後に経営戦略の具体化に向けた思いを伺う。

【小林公営企業管理者】
 それでは、経営戦略、今回、改定をしているが、その実現に向けてどう取り組んでいくかというところで、ポイントは、先ほど経営推進課長からも説明したが、基本方針を推進する6つの視点という中で、今回、特に、未来への投資、先端技術の大胆な活用、柔軟で俊敏な組織づくりという新たな視点を加えた。それとともに、地域への貢献と、これまで地域との共存共栄としていたところを、地域との連携ということで連携を打ち出した。
 電気事業においては、新規電源開発地点発掘プロジェクト、これは、市町村の皆さん、あるいは地域の皆さんから、いろいろ、新たな開発地点について提案をもらうということで、平成30年度からスタートさせている。あるいは水道事業でも、30年度から、何でも相談窓口とか、あるいは市町村へのお出かけ相談、実務研修会というようなことを、今まで水道事業においては、基本的には営業区域内ということでやっていたが、これを全県に広げて始めた。それが、今回、先ほども話をした広域連携の推進協議会へ全団体が参加してスタートできるというところの礎になったのではないかと考えている。
 今後とも、県庁内で部局連携をしていくというのは非常に大事であるが、先ほどの横川蛇石の説明をしたように、地域の皆さん、これは、市町村であり、それぞれ個々の集落なり地域というところも含めて、その皆さんと連携してしっかり一緒になって、長野県で電気事業、あるいは水道も、しっかり持続可能な経営ができていくように、あるいは地域内で経済が循環していくような、そういうところへ私どもが取り組んでいくというところが、この戦略を実現する最大のポイントではないかと考えている。
 それに当たっても、やはり企業局の組織の職員一人一人の力を高めるとともに、団結して、横のつながりをしっかり取ってやっていくことかと考えている。


令和2年6月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
コロナショックを乗り切るための中長期的な戦略、経済対策について

【本郷委員】
 新型コロナウイルスについての対応で、緊急事態宣言が解除されたが、県に大きな仕事が来ており、今日ご出席の各位においては、長野県経済の再生、復権のために昼夜を問わず、この緊急事態に対して対応されていることに対して深く敬意を表する。
 議会側も単に議決機関だけではなく政策立案能力、行政の方々とも両輪となって、この危機的状況を回復しなければならないと認識している。これからが勝負の時であり、スペイン風邪の時も第2波の方が大変大きな被害が出ている。しがたって、行政の方々、議会も、10月に予測される第2波について、今から準備をしなければならない。日頃、地方自治法にのっとって仕事をきちんとしなければならず、人手不足という状況があって、大変なご努力をされていることを十分承知している。
 2020年は歴史的に振り返れば、多分、第2の世界恐慌で、1930年の恐慌の時は、高橋是清内閣総理大臣、大蔵大臣が財政出動を全力で行い、金本位制がある程度普遍化されている時代に、日本円を膨大に刷って、先進国の中で一番早く世界恐慌から脱出した。そういう理念からすれば、有効需要をいかに喚起するか、こういった緊急事態には、財政出動しか手がない。したがって、日銀は、80兆円の枠を外して、全力で対応しており、民間主要銀行から事業者にお金が流れている。エコノミストの最近の表現は、大体3年はかかる、日本を代表する証券会社のシンクタンクは6年と言っており、今年の1月ぐらいの経済情勢に戻るには、3年から5年かかる。全く新しい発想力が求められている。ビスマルクではないが、歴史から学べと。議員も歴史的な自覚を持たなければならない。
 緊急事態と対処療法については、十分評価するが、相当知恵を使って、今までに経験のない、戦後75年の中で初めてのゼロからのスタート。20世紀というものは、総括すれば、戦争と経済に象徴される競争の時代であったという認識で間違いない。21世紀は、逆にグローバル化というものが中心となっている。今度のコロナ問題は、全人類的なテーマである。
 今日をみると、世界の感染者は1千万人を超えて、死者が約50万人という事態である。スペイン風邪の時は、人口が約20億人で、そのうち5億人が感染して、5000万人がお亡くなりになった。日本だけでも40数万人が他界された。その時と今は公衆衛生や諸環境は違うが、第一次世界大戦の死者は約1500万人、世界で5000万人というのはどういった状況であったか、100年後の今日同様のことが今起きており、今後、ブラジルがアメリカに次いで、さらにアフリカ等への波及は十分に予想される。第2波について、私も自分自身の問題として考えなければならない、歴史的に深刻な問題であり、世界規模の連帯意識は不可欠であり、人類の危機克服のための協調路線をもう一度きちんとしなければならない。しかし、一方、米中対立の激化は大変な事態で、歴史的には、21世紀最大の危機という基本認識は持たなければならないし、国際政治はかつてないほど、深刻に多極化、分断化されているわけで、真の意味でも、自由と民主主義を堅持するために、政治経済が表裏一体となって、この危機に立ち向かなければならない。
 パンデミックは100年間で、5回起きている。日本経済を見たときに賃金モデルだけを見ると、日本は20年間、デフレであった。したがって、実質賃金でアメリカはこの間、14.2%上がって、日本はマイナス4.6%であって、そういう意味からも日本経済は、もう一回、コロナ問題を契機に再構築しなければならない状況になっている。
 昨日、メディアが長野県経済の状況を発表した。私も各企業のオーナーや各企業の代表者、各団体の方々と政務調査という意識をもって1時間ぐらいずつ話をしているが、メディアに出た状況は、私が感じていることが数字として裏付けられたわけで、ショックを受けている。マイナスの状況が84%で、その県内の景況感の原因の96%がコロナ問題と言っている。
 製造業では機械系の受注が激減しているし、非製造業については、外出自粛が大きな原因となっていて、長野県に限らず、地方経済がもともと、疲弊傾向にあったところに、世界経済との絡みにおける、コロナ問題が発生しており、緊急事態に対する対応で終わるわけにはいかなくて、スペイン風邪のときも第3波まで来た。そういう視点から、当面、財政出動によって、2020年度の当初予算と第一次と第二次の補正予算の新規国債の発行額は90兆円を超えていて、第二次は、長野県も158億3千万円がきた。これが3年ぐらいかかるということになれば、長野県を代表する企業のオーナーと話をすると、4月から5月にかけて万全の体制をとったけれども、第二波がもし大きく来たときは、非常に心配だと言っている。今までの経験値ではない状況が発生しているので、財政出動は基本中の基本で、財政健全化は、今は議論すべきことではないが、当面、日本経済が沈没しないように、政府としては、日銀に抱えてもらって、この問題を解決していかなければならない。そういう意味において、IMFは先般、経済の見通しで、世界経済は2020年、マイナス4.9%、日本はマイナス5.8%と出ているが、もっと厳しいものになると私は感じている。もう少し角度を変えると、世界経済の全体の回復がなければ、日本全体が回復することが不可能で、まして長野県だけとはいかない。国際経済とローカル経済が、極めて密接不可分の関係にあるという状況である。
 本会議でも議論になったが、完全失業率が2.6%で、有効求人倍率は1.32倍、非正規労働者が2019万人で、97万人減っており、勤労にコミットする方の機会が薄れてきていて、非常に大変な事態である。経済的損失は、約1300兆円と言っていて、そういう意味で、3年から4年かかる世界大恐慌をどういう形で乗り切るか、市町村の財政力は非常に弱く、県の大局的観点からの指導力が大きく作用するので、第2波に対して想像力を駆使して、対応を議会ともども一緒に考えなければならない。
 いずれにしても、銀行の危機、リーマン、今回の危機、大体10年に1度、景気後退が実は起きているわけで、この20年間というものはデフレであり、日本の実質賃金はマイナス4.6%で、給料が実質的に上がっていない。先進国のアメリカは、14.2%上がっているので、課題は山積しているのではなかろうかと思う。ちなみに、日本の場合、自動車の生産数は、60.9%減、外食は約40%減、百貨店は72.5%の減、訪日外国人、インバウンドは、99.9%の減、それから新規求人数も22.9%減、輸出は28.8%の減ということであり、こんな状況は戦後75年なく高度成長までは右肩上がりで来た。そういう意味でゼロからの出発であり、今後、このコロナショックを乗り越えるための、新しい発想力、視点で経済を変革しなければならないが、中長期的な骨太の対策によって、新たな価値を持つ経済を創造していくことが必要である。この点から、ウィズコロナ、アフターコロナを含めて、中長期的な抜本的な戦略、対策をどのように取り組んでいくのか、林産業労働部長に伺う。

【林産業労働部長】
 新型コロナとの戦い、特に経済対策については、相当な長期戦を覚悟していかなければならないと思っている。現下の経済状況は非常に厳しいわけで、実は資金繰りを見ていると、コロナ関係の借入れの99%が短期の資金要望であって、とても設備投資に回るような状況ではないのが現実である。こうしたことから、短期的にはメニューの拡充等、経営支援を実施、あるいは、雇用調整助成金をはじめとする雇用の維持に全力を尽くしているが、需要の回復こそ、雇用を生む源泉であるという認識の下で、まずは需要の回復を全力で行っていかないと、貸付だけずっと行っているわけにはいかないので、雇用対策にあわせて、需要の回復に向けて、営業局において多くの事業を行っている。また、今後、世界的なグローバルな経済環境の中で、インバウンドの状況の戻りが、仮に遅れた場合は、3年後、5年後の資金繰りが心配になってくる。そのためには、事業再生や事業承継の備えをあわせて、今からしていかなければならず、リーマンの時の状況を見ながら、第2の氷河期世代をつくらないような取組をあわせてしていかなければならないと思っている。
 他方で、歴史的に大変困難な局面であるが、委員ご指摘のとおり、アフターコロナ、ポストコロナも見据えて考えていかなければならず、2波、3波に備えた感染症の安全対策は万全の対策を期するとともに、例えば、IT、デジタル対応、DXの推進といったことは、イノベーションを図るためにサポートしていきたいと思っている。
 いずれにしても、これまでの常識や固定観念にとらわれずに、全く新たな視点で、経済界、産業界の皆様方とも、施策の検討を進めて、将来にわたって持続、発展していけるような強靭な地域経済の構築につながるように取り組んで参りたい。

【本郷委員】
 今、風速40メートル、50メートルに経済界はおり、特に商店街の友人や人に聞くと、メインのところの半分ぐらいで、シャッターが降りているということで、飲食業の方によると、従業員2、3人のところで、毎月の固定費で、400万円から500万円かかる。したがって、銀行に400、500万円、運よく借りられても、その先の見通しが全くないと。それから、もっと強烈なのは、議員、7月以降のことは聞かないでほしいと。つまり、6月、7月の経済データが非常に重要であって、4月、5月は何とか国、県の施策によって、何とかしたけれども、7月以降の見通しが全くない。10月以降に予測される、第2波についてまで神経がいかない状況である。また、マクロ経済では、3年はかかるということであるから、そういう意味では政治の責任は極めて重いものがあって、今、経済界の方々は、非常に深刻な事態であり、こういうときに設備された方もいるし、私が設備投資すると景気が悪くなると、ある長野県を代表する企業のオーナーが言っていましたけど、本当にそういったことが悪循環になってきているという状況であり、インバウンドは3000万人来たうち、台湾を入れた中国は、1000万人であるが、それが全く来ていないわけであり、そういう視点から、何分全力でお願いしたい。
 もう一点は、世界不況に長野県は耐えられるかという問題もあり、中小企業は、7月以降は見通しが立たないということであり、10月以降は、第2波が予想される。スペイン風邪の時にも、1918年の12月に第1波が来て、次の年の10月に第2波が来たたわけである。そういう観点からも、第2波に対する政治、行政、議会の立場は非常に大きく責任を感じなければならないと思っている。ぜひ、長野県経済の復権のために、一緒に全力で頑張らなければいけないという認識である。

新たな信州ブランド構築の取組について

【本郷委員】
 今回のコロナ禍は、人の行動を制限してしまうということで、ある意味では経済の動きを止めた、新しい事態である。人の動きを回復させ、どのように経済を回すのか、今こそ、安全、安心な新たな信州ブランドの構築と県内外への発信が必要である。
 いよいよ、ステージを7月上旬、中旬から変えるわけであり、新型コロナ禍を乗り越えるために、新たな信州ブランド構築の観点から、どのように取り組んでいくのか、熊谷信州ブランド推進監兼営業局長の所見を伺う。

【熊谷信州ブランド推進監兼営業局長】
 本郷委員からご指摘いただいたように、コロナというのは、人類にとっては久しぶりのことなのだろうが、本当に相手が見えない、また、ワクチンがまだ開発できない、非常に不安で、経済というのはマインドであり、相手が不安にさせていくので、世界経済全体がシュリンクしていくような状況になっている中で、政府がこういったからこうだとか、世界がこうなのでこうだという感じで、不安の中でみんな一律の同じような方向に向くというような傾向がある中で、委員のご指摘のブランドというものが極めて重要だと聞いていた。
 やはり画一した方向に行く中で、信州としてはどうしたらいいのか、何を世界に提案するのかということで重要であり、ブランドというものは作り手が自分はこれが素晴らしいんだ、私がブランドをつくったといってもこれはブランドではないということは当然であり、受け手である消費者にかけがえのないものと考えもらう、その積み上げがブランドであるので、発信者目線ではなくて、今これを受信しようとする、世界の人々、国内の人々にどのようなニーズがあるのか、また、どのような課題を抱えていて、それにどう貢献していくのか、ブランドにおいて極めて重要なことである。
 そのポイントからすると、各論として個人消費と設備投資の二つではないかというわけで、個人消費については、コロナを乗り越えたい、不安で先行きが見えない中、どうしたらいいのだろうといったところ、健康、長寿、こういったものを培ってきた長野県こそが、消費マインドを上げる、健康だとか医療、癒しだとか、観光を含めれば、美しい空気とおいしい水、そしてアクティビティーなどで、このコロナに対して、サービスを提供できるという部分もあろうかと思うので、こういった部分を非常に強調していくことが重要ではないかと思っている。
 政府が行ってきたものを見ると、公共セクターにあった金融資本ストックが今、家計に移って来たり、民間セクターに移って来ており、家計にはそれなりにお金があるけれども、先行きが見えなくて投資ができない状況で、消費がシュリンクしており、これから消費マインドが上がってくるきっかけを、ぜひ、信州の色々な産品だとか、観光サービスがきっかけになればと思っている。
 それともう一つ、設備投資も民間だけではなくて、ニューディール政策であったように公共セクターの投資とか、民間の設備投資をやる一番いいタイミングかと思っている。
 特に行政においては、IT、オンライン、AIの導入など、行政の効率化だとか、また医療部門における、医療ネットワークの整備とか、こういったものに、今は投資をすべきタイミングかと思うし、民間セクターにおいても、長野県のもっとも力のある輸送部門だとか、IT、また、医療機器、こういったところに、新たな波がアフターコロナには絶対くるはずであり、こういったところに、民間セクターも投資しやすくすることが重要ではないかと考えている。これによって、長野県がアフターコロナにおいて、医療だとか、健康だとか、癒しだとか、情報通信だとかの面においての素晴らしいブランドを勝ち得る県になりうると思うので、短期的には消費を復活させること、中長期的には長野県の強みを生かした、設備投資を公共から始まって民間へと伝播させていくことが重要ではないかと考えている。

【本郷委員】
 GDPの60%は個人消費で、今、これが閉塞気味である。そのインセンティブを行政なり議会がしなければならない。そのためには、より強烈なこういうことをしているというプレゼンテーションが今、比較的、まだ、県民の中にない。そういう意味において、長野県行政、長野県議会が果たすべき役割が非常に大きなものがあるので、長野県経済の復権のために、最善のご努力をされたい。

令和2年6月定例会 産業観光企業委員会(観光部関係)
観光需要の早期回復に向けた今後の誘客施策について

【本郷委員】
 世界経済、日本経済もおよそ5、6%のマイナスという状況で、これはもう経済学的な言葉でいうと世界恐慌である。1930年の恐慌に次ぐものである。特に今日、一番新しい情報では、日本を代表する旅館やホテルの老舗が45件倒産ということで、潜在的にはもっと多くのものが内在していると思われる。そういう意味で6月以降、後半戦、どのくらい持ちこたえられるかという状況で、去年は約3000万人のインバウンドがあったわけで、そのうち台湾を含めての中国が約1000万人、それがほとんどストップしている状況であるので、観光立県長野県は、日本を代表する観光立県であるが、長野県観光はこれまでに経験したことがない危機的な状況である。
 県では、緊急事態宣言が解除されて以降、観光需要の早期回復に向けて、宿泊割引である、ふっこう割を実施するなど、緊急的な需要喚起に積極的に取り組んでいることを高く評価している。ただし、マクロ的には、そういう環境であるから、大体3年ぐらい普通に戻るのにかかるし、また、日本を代表するシンクタンクは、6年ぐらいかかるだろうと言っている。1919年、20年、21年まで3年間かかったわけで、もう少し広い視野では4、5年かかったわけで、そういう意味では、長期的な視点に立たないと、この問題は解決できなくて、観光部だけの問題ではなくて、社会経済をどういう形に方向性をもたせるかという視点が大事かと思っている。
 5月の専決に引き続いて、6月補正でも様々な施策を通じて、切れ目なく手を打っているが、今後、どのような誘客施策を戦略的に展開していくのか、観光誘客課長に伺う。

【大槻観光誘客課長】
 反転攻勢のステップとして、7月に入って、県内の観光需要を引き続きしっかり掘り起こすということは当然であるが、あわせて、感染状況を注視しながら、誘客エリアを近隣県から全国へということで今拡大しているところで、夏の観光需要を確実に取り込むとともに、秋冬シーズンに備えて、この誘客事業につなげていきたいと考えている。
 今後の主な施策については、国内・県外誘客の第1弾として、先月26日から新潟、富山、岐阜、山梨など近隣7県と誘客事業を始めたところである。宿泊割引事業を中心に、約2万人泊の誘客効果を見込んでいる。また、第2弾として、国内全域を対象に、7月中旬から、インターネット予約、OTAを活用した割引事業を予定している。この事業については、先日、委員会からもご意見をいただいたので、平日限定の割引メニューを設けて、週末の混雑、密の回避と宿泊の平準化、稼働率アップを誘導していきたいと考えている。そのほかには、小規模宿泊施設への支援、交通機関との連携ということで、タクシー、バス、観光列車の事業を順次、それぞれの団体と連携して進めている。
 今後、国のキャンペーンと連動した連泊事業を実施することによって、リゾートテレワークといった、長期滞在のニーズをしっかり取り込む、また、長野県の強みである、癒し、自然、アウトドア、サイクルツーリズムなど、ウィズコロナ時代に即した3密回避の旅行スタイルを県外へしっかり発信して、他県との差別化を図っていきたいと考えている。
 また、冬のスキーシーズンに備えて、「スノーリゾート信州」プロモーション委員会において、スキー場の感染症対策の取組を今、スタートして、シーズンに備えている。各観光事業者の声をお聞きして、きめ細かい施策を展開することで、観光産業、また、地域経済の早期回復に努めていく。

山小屋の担う役割、山岳観光の環境維持、登山者に対する安全登山の考え方について

【本郷委員】
 山岳観光については、本県の重要な観光コンテンツであって、一方、新型コロナウイルスのもっとも脅威にさらされている環境である。山小屋についてはソーシャルディスタンスを始めとする基本的な感染対策を実施することが困難な特殊な環境であることはいうまでもないわけで、たびたびテレビでも特集を組んでいるが、登山者が減少している中、経営的にも極めて困難であり、30万円、4500万円の対応をしていることには敬意を表する。全国で初めての対応で一つのインセンティブになればありがたいと思っている。
 本格的な登山シーズンを迎える中、様々な困難を抱える山小屋に対して、6月補正も支援策を盛り込んでいるが、県としては山小屋が担う役割をどのように認識し、良好な山岳観光の環境維持に取り組んでいくのか。
 また、登山者に対して、安全な登山の啓発、今のまま放置しておくと非常に危険なようであるので、登山ブームとは違う視点から、観光部としての専門的立場からご意見を伺う。

【田中山岳高原観光課長】
 山岳の豊かな自然環境は、観光面には欠かせないものであるが、県民においても欠かすことができない、貴重な財産と認識している。そういう認識の中で、6月3日に、主な山域の山小屋の皆さんと意見交換会を行った。意見交換会の中で、山小屋の皆さんからの報告として、日々の登山道の維持管理であるとか、それを通じた高山植物の保護、あるいは遭難時の対応とか、安全登山の日頃の普及啓発とかを行っているとの報告があった。
 実は、こういった活動の取組は、行政が本来であれば行うべきものであるが、それを山小屋の皆様が、日々行政が行う業務を補完してもらっていることをあらためて再認識したところである。そういう意味で良好な山岳環境の維持、環境を維持するうえで、山小屋の担う公益的な活動に対して、直接的に支援を行うものである。
 あわせて直接的に支援するとともに、こういった知られていない活動があると広く、知っていただく必要があり、あわせてこの全国の山を愛する方に対して、クラウドファンディングの形でこういった山小屋の置かれている厳しい現状と非常に大切な役割を知ってもらうとともに、支援の輪を広げていきたい。このクラウドファンディングについては、本日7月1日から8月末までの2か月間、集中的に公表して、目標額である1000万円を、広く支援の輪を広げるためにも集めていきたいと考えている。
 安全登山については、これから登山シーズンとなり、遭難事案が非常に多く出てくるシーズンでもある。この新型コロナウイルスの状況では、今までとは違う状況、例えば、遭難事案が発生した場合、長野県警が救助活動に駆け付けるが、事前の情報で、遭難者の方が、万が一感染の疑いがあるということを県警が認識した場合は、防護服など、県警においても、一定の感染防止の対策をした上で、出動したり、実際の救助活動を行うので、救助にも一定の時間を要する。
 今までとは、山の状況は一変しているというか、違うということを、より慎重な登山が必要ですよということを、登山者に対して非常に分かりやすい形で、呼びかける必要があるため、さきほど説明した、5つのお願いという形をつくって、その周知、徹底としては、県のホームページを始め、SNS、登山のサイトという合計で130万人の登山者の方が登録している、SNSのサイトにも呼びかけたり、あるいは登山用品店へのチラシ、山岳総合センターでの動画配信などを通じて、広く周知するとともに、5つの登山者へのお願いについては、長野県だけでなく、隣の富山県、山梨県とも同じメッセージで伝えていこうということで、3県、同じメッセージで6月から発信をしている。
 こうした様々な啓発を通じて、山の状況はこれまでと違うということを周知するとともに、より一層の安全登山に向けた取組を進めていく。

今後のインバウンドの取組について

【本郷委員】
 インバウンドの再開については、外国人延べ宿泊者数は、152万2千人、前年比3%の微増であったが、今年になって、新型コロナ感染症の世界的な感染拡大によって、国をまたいだ旅行者の移動が停止している状況である。今日の朝のテレビを見ると、EUが10数か国、日本を含めて解除する方向で検討しているようである。各国によって、EUも非常に難しい問題を抱えていて、各国の主権をどうするかということで、やはり日本的な2週間ぐらい、一旦、滞在することも含めて、いくつかの選択肢があるようであるが、方向性としては、EUにおいては解除の方向で、検討しているようである。
 これまで、インバウンドを我が国の成長戦略と位置づけて取り組んできたところであるが、外国人旅行者が戻ってくるには、相当な時間がかかると考えなければならない。今後、どのようにインバウンドに取り組んでいくのか、長野県を世界に対して、外国人旅行者に対して、どういうディスティネーションであると発していくのか、観光戦略は、中長期的に見なければならないので、今年の後半戦をどうやって乗り切るのか伺う。

【小林国際観光推進室長】
 短期的には、インバウンドは難しい状況であるが、中長期的に日本の戦略として見ていったときに、大変、重要であると同時に、事業者の期待も大変、高い分野であり、コロナの状況になっても変わらないので、しっかりと準備を進めていくことが大事だと考えている。
 では、今、具体的には何ができるのかということで、私どもの取組ですが、4月以降、特に新しい体制になってから、ズームを使ったウェブの会議とか、行くのではなく、居ながらにして世界とつながって、リモートで会議をする機会が大変多くなった。海外に配置しているコーディネータとか、現地駐在員を拠点に、アレンジしておいてもらって、向こうの旅行会社の皆様を集めて、私どもの方でそこで、PRをするということは既に先月から行っている。
 実は、今日も早朝、アメリカの時間と合わせまして、オールジャパンツアーというアメリカの会社とウェブによるプロモーションという形で、先月から行っている。逆にコロナだから分かったこととすると、タイムリーに日本に居ながらに、向こうにつながっていって訴求できるということも事実で、感染症が終息した暁には、確実に長野県にお越しいただけるように働きかけていきたい。
 どのように訴えるか、ご指摘のとおり世界から選ばれる、世界中のツーリストが憧れの地として長野県を選んでいただけることに尽きると思っていて、戦略としては、行政であるので、今までの継続性も持たせながら、インバウンドのこれまでの取組や継続性、それから昨年度、政策対話というものを行って、いろいろインバウンドの課題というのも洗い出している。そいったものを実現していくためには、スノーリゾートとしての長野県の知名度が定着した欧米豪に向けては、特にグリーン期もいいところであるとさらに強化していく取組とか、さらには中国であるが、スノーリゾートの伸び代が見込める国に対しては、冬の誘客を進めていくという形で、それらを上客ととらえて、進めていきたいと考えている。
 それから、一昨年度、長野県インバウンド推進協議会というところで、明神館の齊藤茂行さんを会長に進めているが、民間の皆様、各部会の皆様と連携しながら、コロナの状況下においても、情報共有を密に図りながら、今できる受け入れの環境の整備もあわせて、インバウンドの取組を進めてまいりたいと考えている。

将来を見据えた持続可能な観光地域づくりについて

【本郷議員】
 来年の税収は、財務省の発表によると、60兆1800億円の税収があって、来年は多分、58兆円の前半か、58兆円を切るということで、これは地方の税収も同じ状況であるが、財政出動によってしかディフェンスできない。1930年の世界大恐慌の時、高橋是清内閣総理大臣、大蔵大臣が果敢に財政出動して、先進国で1番早く、脱出をしたわけで、このときには財政出動しかないわけで、金融面も無担保、無利子であるが、10年で3年据え置きで、4年目から返すということであるが、日本経済はこの20年間デフレであったので、OECDの中では、大体30何番目であり、GDPにおいては第3位であるけれども、個々の生活については、実質賃金、マイナス4.1%、アメリカはプラス14.1%であるから、日本経済全体が下り坂にあるところに、この問題が来たということで、戦後75年の成長をもう一度やり直さなければならない状況ではないかと思う。     
 そういう意味において、観光需要が元の水準、今年の1月に戻るまでには、見通しが非常に不透明であること、他県との競争、都道府県間競争も非常に激化すると思うが、世界経済がこういう状況であるが、いずれにしても、長野県が県観光の魅力をさらに磨きをかけていかなければいけないと、そういう意味では、ウィズコロナ、アフターコロナの議論もあるが、当面この3年間で戻さなければならないので、持続可能な観光づくりに取り組んでいくという発想が非常に重要である。
 将来を見据えて、さきほど茅野市の例もあったが、地域の魅力を磨き上げていくために、地域が主体的に取り組む観光づくりに対して、県としてどのような視点で、中長期的に戦略的支援をしていくのか伺う。

【中村観光部長】
 感染症の対策が、現在は一番、眼目と思うが、新型コロナウイルスは、長期化せざるを得ないということで、共存、ウィズコロナという表現で言っているかと思うが、こういう時期にあっては、安全、安心ということがどこでも言われると思うが、観光客の皆さん、地域の皆さん、それから受け入れ側といったところが大事だなと思うが、それ以上に、そこに納得感がないと駄目であって、やっているというだけでは駄目で、受け手がどうやって納得するかというところをしっかりやっていく、これが一丁目一番地で、そういう視点で取り組んでもらう、しかもこれ一つの施設だけでなくて、地域全体で取り組んでもらわないと発信にならない。個別に力のあるホテルはしっかり発信できるところもあるけれども、地域全体でこういう地域だということをやっていく、そこを応援していく、これが一つの視点と思っている。
 アフターコロナという時代がいずれ来ると思うが、今の状況の中で大きな社会変革というか、働き方にしても、テレワークとかが出てきており、そういったところを見据えた形で今何をやるかというところがあると思っている。長期滞在とか、泊食分離だとか、今までも少しはやってきてはいるが、それを本格的にやっていかなければならない。
 アフターコロナというところで、何を目指すのか、方針、方向付けを今検討しているが、そういったところを示ししながら、そういった視点のところをしっかり、応援していく。例えば、泊食分離とか、最近、マイクロツーリズムと言われているが、域内観光の重要性というか、そういったところにしっかりと取り組んでもらうところをしっかりと応援する。また、おもてなしの形態がこれまでと変わってきている。どういうおもてなしをしていくかというところもしっかり考えていただき、主体的に考えていただくところをしっかり応援したいと思っている。
 委員ご指摘のとおり各県と競争になって来るし、そういったところを取り組んでいかないと持続的な観光地域になっていかず、県としてもそういった地域が広域的に主体的にそういったいろんな視点で次のところを見据えたところをしっかりと応援していく形にしていきたい。

令和2年6月定例会 産業観光企業委員会(企業局関係)
「長野県気候危機突破方針」を踏まえた、今後の電気事業の取組について

【本郷委員】
 現在のグローバリズムという時代において、新型コロナウイルス感染症の拡大リスクが顕在化し、持続可能性そのものが危うくなりかねない状況であることを顧みると、新しい歴史的転換期を踏まえ、今こそSDGsの取組が重要と考えている。SDGsは国連において決定され、17項目の中長期的な人類のあるべき姿を提示した極めて重要な理念で、その点については先ほどご説明があったとおりで、より一層、努力願いたい。
 SDGsの推進、それに伴う危機突破方針の実現のためには、企業局においても再生可能エネルギーの更なる普及拡大や今回のような新型コロナウイルス流行下においても、安全、安心な水道水を安定供給するなど、持続可能な業務体制の構築といった取組が必要と認識している。
「長野県気候危機突破方針」を踏まえ、再生可能エネルギーの普及拡大やエネルギー自立分散型で災害に強い地域づくりの実現のため、現在、新規電源開発や既存の水力発電所の大規模改修に取り組んでいると聞いているが、電気事業では、今後さらにどのような事業を展開していくのか。

【小林電気事業課長】
 電気事業の取組みは、「長野県気候危機突破方針」にある、エネルギー自立地域の確立を目指す、地域主導による再生可能エネルギー事業を実践しているものである。
 この気候危機突破方針では、再生可能エネルギー生産量を2050年度には2016年度比で3倍以上に拡大することとされており、そうした中で、私どもとしては、新規水力発電所の建設や既存発電所の大規模改修を一層加速化させている。
 こうした中、今後、発電所の数が増え、長野県内に分散することになるため、AI、IoTなどの先端技術を生かし、発電所の運転監視について高度化や効率化を図る、「スマート保安」を推進し、発電所の遠隔操作や自動制御機能の向上を図っていく。
 また、水力発電所の特性を最大限生かし、大規模災害等における長期停電時にも停電せずに自立運転する発電所を目指すとともに、企業局の発電所が立地する地域の役場や避難所等に電源を供給する地域連携水力発電マイクログリッドの構築について研究を進めていく。
 一方、発電した電力の売電については、今年度スタートした信州 Green でんきプロジェクトを推進することにより、企業局の電力をブランド化し電力の地消地産と大都市圏との連携をさらに推進する。
 また、地域主導による再生可能エネルギー事業をさらに推進するため、未来に向け、売電のあり方についても検討する。
 これらのほか、先端技術等を活用して中山間地域の課題解決を図る発電所立地市町村の取組を支援するとともに、企業局の事業創出も図ってまいりたい。

水道施設に対するテロ対策について

【本郷委員】
 新型コロナウイルス感染症に限らず、近年多発する自然災害や事故に対しては危機管理、リスクマネジメントに取り組まれているが、最近の国際情勢等の流動化を踏まえると、ライフラインに対するテロ攻撃等の備えも大変心配をされる。したがって、安全・安心な水道水の供給に当たって、企業局の水道施設について、それを守っていくための具体的にどのような対策を行っているのか。
 松塩地区の施設は山の中腹にあるが、テロというものが国際社会で大問題になっているので、現代文明の基軸である、水道、電気は基本中の基本であるので、テロ対策について見解を伺う。

【塩沢水道事業課長】
 水道の安定供給に対するリスクは、幅広いものがあって自然災害や事故、機器の故障、そしてテロといったことを想定しなければならない。
 テロ対策は、厚労省等から示された指針を参考にして講じてきている。具体的には、特に不審者への対応として、監視カメラの設置、24時間の巡視・監視や侵入防止柵の設置を行っており、一部のフェンスでは赤外線センサー付きのものもある。また、ステンレス錠への交換、状況に応じた地域との連絡会議の場での不審者情報の提供依頼、警察のパトロール等、サイバーテロに対しては、専用線の活用や、県のセキュリティポリシーによる対策を行っている。
 危機管理の面で、警察との連携が重要になるため、企業局では平成29年度から警察OBを「危機管理推進員」として配置し、併せて、現地機関にも技術の職員を危機管理担当次長として配置し、マネジメントを強化してきている。推進員には、警察との連携、企業局全般のリスク対応の見直し、職員研修等を主導していただいている。
 今後も、訓練や研修等の機会を捉えて、職員の意識を高め、PDCAのプロセスで改善に努めていく。

新型コロナウイルス感染症の拡大に対する職員の業務体制、仕事改革、働き方改革の取組について

【本郷委員】
 新型コロナウイルス感染症の拡大は県民の日常生活に重大な影響を及ぼした。先ほど、管理者から業務継続体制の確保についての説明があったが、例えば末端給水事業や用水供給事業では24時間、365日、水道水の安定供給のために職員が体制を取っていく必要があるが、今回、そのため、どのような対応をしてきたのか、今後更なる感染拡大などにどのような対応をしていくのか、また、感染症の拡大の中において、仕事改革、働き方改革に取り組んできたとのことであるが、どのような取組を具体的にしているのか伺う。

【竹花経営推進課長】
 新型コロナウイルス感染症が拡大する中においても、ライフライン、とりわけ住民の皆様方に水道水を供給する業務を継続していくことが企業局の使命であると考えている。
 このため、企業局の職員はもとより、管理事務所で業務を受託する民間業者の職員が感染ないし濃厚接触者とされた場合でも、組織として業務が継続できるよう、職員の感染リスクの低減と万が一感染が発覚した場合のバックアップ体制の確保の2点を、対策の基本として取組を進めて来た。
 一つ目の「感染リスクの低減」については、職員同士の感染を防止するため、本庁においては2チーム制を取り入れ、出勤日とテレワークによる在宅勤務日をチームごとに設定することで、執務室の職員数を通常の7割から最大半分まで減らす勤務シフトを実施した。
 現地機関では、本庁のように出勤者数を減らすことがなかなか難しいことから、事務所の会議室をオフィス化し、執務空間を分離することにより、物理的な距離を確保したほか、受付窓口へのアクリル板による仕切りの設置や、定期的なドアノブの拭き取りや換気により、来客者等による感染予防の徹底に取り組んだ。
 二つ目の「バックアップ体制の確保」については、水道管理事務所において、職員の不足が生じて、業務に支障が生じるおそれがある場合には、本庁ないしは他の現地機関から職員を派遣する体制を整備するとともに、水質検査業務を行う化学職等の専門の職員については他部局からも応援していただくよう協力依頼をしている。
 幸い、これまで業務の運営に支障が生じるような事態は生じてないが、今後、第2波発生の可能性を常に意識するとともに、感染拡大と自然災害の同時発生という事態もあるいは想定されることから、OB職員の活用や他部署業務の研修など、更なる体制の強化を図っていく。
 また、企業局が進めてきた「しごと改革・働き方改革」の中で、職員に1台ずつ配備したモバイルPC等を活用し、テレワークやウェブ会議などの実践を進め、例えば5月下旬の一週間、県全体では2割の出勤抑制を目標とする中、企業局では、本庁でも30%以上の出勤抑制を図ることができた。
 今後も、職員が自らの仕事をマネジメントしながら、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を定着させて、生産性の向上とワークライフバランスの両立を図るとともに、感染拡大といった危機管理面においても的確に対応する業務体制の強化に取り組みたい。

将来を見据えた戦略の改定にあわせた事業展開の方向性について

【本郷委員】
 経営戦略の改定に当たり、現在、県民生活に欠くことができない、電気水道事業を公営企業として担っている企業局ならではの将来を見据えた長期的な観点からの事業展開の方向性について、管理者の所見を伺う。

【小林公営企業管理者】
 昨年度の台風災害、やゲリラ豪雨、グローバルな感染症の爆発的な拡大などのなかで、県民の豊かな暮らしのため、ライフラインを維持確保していく企業局の使命というものは今後も大きくなっていくものと考えている。
 ポイントとすれば、電気事業では自立分散と地消地産、水道事業で広域連携と情報共有がポイントで、これを支えるのは先端技術の活用と人材確保・育成だろうと考えている。
 さらに現下の状況から、新しい仕事の進め方、新しい働き方を進める中で、職員を組織として支えていく体制が必要と思っている。
 こういう方向性を、経営戦略の中で見定め、関係機関や関係者、企業局職員と思いを一つにして、一丸となって難局を乗り越えていく体制を作っていくことに取り組んでまいりたい。


令和2年6月閉会中委員会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
県内経済の現況及び今後の経済、雇用政策の展開について

【本郷委員】
 今回の問題について分析すると、過去100年の中で、もっとも深刻な経済、社会、国内情勢となっている。
 ある意味では2度目の世界恐慌であり、1928年に世界恐慌が起こって、1939年に非常に不幸な難しい戦いが進んだわけであるが、人類史的にも現代文明においても大変な危機的な状況である。
 しかし、そういう中において、ダボス会議において、クラウス・シュワブ会長は、世界の社会経済システムを考え直す必要があり、経済発展とともに、医療、福祉、防災、教育といった社会サービス、社会的市場経済の造形が必要であるとダボス会議のトップが述べているところであり、今回の大変な事態を新しい、いい方向性にもっていくことがもっとも重要ではないかと思っている。
 思い出すと2000年に地方分権一括法が制定されて、機関委任事務については、国と地方は同等となっているが、財源については裏付けがなく、そういう観点から、皆様方は御苦労されていると拝察する。
 地方債の発行についても規制力を持っているわけで、来年の税収も踏まえて、当面、この6月をいかに乗り切れるか、今、選挙区において政務調査を行っているが、本郷県議、7月以降の話はしないでほしい、6月を乗り切るのがやっとだと。中小企業の資金需要は大体約2か月。4月、5月、あるいは5月、6月、それから先については見通しが立たないと。メディアにおけるデータでも、そういう方向性も8割ぐらいでており、なお一層、行政、あるいは議会の指導力が問われている。
 今日の日経に出ていたが、休業者が全国で597万人、前年比で420万人のプラスということであり、これと失業者の問題を絡めていくと内在している問題は極めて深刻である。
 したがって、雇用調整助成金のスピード化の問題、持続化給付金の問題、真水で第一次補正においては約25兆円、第二次においては約32兆円出しているが、倒産件数が2、3日前の資料では200件を超えて全国で、正社員の7700人が打撃を受けていると。長野県は6件で負債総額は42億ぐらい、これから6月、7月が顕在化してくるということで、10月の第2波も予測しながら、行政と議会は相互に連携をよくとりながら、この過去100年、もっとも深刻な事態に対して対応していかなければならない。
 世界経済は、940兆円の損失があるとアジア開発銀行が試算している。アメリカは、GDP850兆円の下振れ予測がされており、これを回復するには10年以上かかるという試算が出ている。2度目の世界恐慌と、歴史的に2020年はそういう指摘がされるのではないか。
 概括的には部長から説明があったが、今回の新型コロナウイルスが長野県経済に与える影響について、数字で表れない社会経済活動の改革も含めてどのようにとらえているのか。影響が長引くことも想定して、一般のエコノミストはだいたい3年と言っているし、野村証券は6年という試算を出している。長引くことを想定した場合は、県では今後どのような戦略的意味で、経済、雇用対策を展開していくのか、産業労働部長の所見を伺う。

【林産業労働部長】
 県内経済は、4日の日に日本銀行松本支店が公表した、金融経済動向でも一段と厳しさを増しているという中、雇用情勢についても、大変、求人の減少など弱さがみられる中で、いっそう注視していくところで、危機感を持って受けとめている。これまで、事業者の皆様が直面している、特に売り上げ減少の対応として、資金繰り、雇用維持といった課題に対して講じられている、例えば、持続化給付金や雇用調整助成金、資金繰りの支援ということに注力しており、委員が御指摘のとおり、このコロナウイルスの影響は当面続くと思っており、そのためには、外需が戻るのには非常に時間がかかるだろうと受け止める中で、内需主導による需要喚起もあわせて行っていく必要があるという認識である。
 各課長から事業の概要を申し上げたが、中でも県民支えによる観光振興、あるいは事業者の新しい生活様式への移行支援、業態変更、具体的には、飲食サービスにおける対策応援事業であるが、こうした事業を着実に事業者の皆様方にお届けしながら、その下支えをしていきたいと思っている。
 このたび、国においては、32兆円に及ぶ大型の二次補正を予定しているが、そうした施策を十分に活用することで、まずは県内の景気回復に努めてまいりたいと思っている。
 医療、あるいは福祉、教育といった分野と経済、そして財政という、時にはトレードオフの関係にある要素を、バランスをとりながらしっかりと実行していくことが肝要かと思っている。
 議員各位の、委員皆様方のお力をお借りしながら、議会ともしっかり連携しながら取り組んでいきたい。

今後の雇用対策について

【本郷委員】
 一般の中小企業なり、個人事業主は、毎月、固定費が300万円から400万円かかるといわれており、国としても県としても対応しているが、県も専決予算等により、総合サポートセンターの設置等を通じて、給付金、調整金の対応・活用支援などで手を打っているが、長引けば影響が雇用にまで及ぶことを考えれば、中長期の視点での対応が求められることが当然である。途切れることがない雇用対策が必要と考えているが、県としては今後どのような雇用対策を取り組んでいくのか。労働雇用課長に伺う。
 
【労働雇用課長】
 雇用対策については、まずは雇用の維持、継続が一番重要な観点と考えている。
 これは長年就業してきた労働者皆様の蓄積された企業独自の経験値は、企業経営における、まさに財産であり、これを一度失ってしまうと、再雇用がかなわなかったり、あるいは、あらたな人材育成には大変時間がかかるといったことが考えられるからである。
 そこでまずは、事業者の方々には、事業を継続する体力をもっていただくこと、そして業績が厳しい状況下においても、従業員を解雇せず、休業等により難局を乗り切っていただく手立てを講ずることが必要であると考えている。
 経営支援については、先ほど各課長から説明のとおり、持続化給付金、補助金等の国の制度の活用や、あるいは県の制度資金の貸付け等を拡充して、5月の専決で各地域振興局に、総合サポートセンターを設置し、それをサポートしていく予定としている。
 また、休業手当を支給する雇用調整金についても活用が非常に難しいという声が出ているので、事業者の皆様が活用いただけるように、総合サポートセンターに、社会保険労務士を配置して、事業者の支援を行っていく体制を整えていく。
 そのほかにも、労政事務所に緊急労働相談的口を開設するとともに、労働局やハローワークとも連携して、今後も雇用継続のための支援を行っていく。
 また、不幸にして、離職を余儀なくされた方については、さきほどご説明のとおり緊急対応として、生活資金に困っている方々を就労させる、緊急就労支援事業を社会福祉協議会に基金を造成して、県、市町村、それから事業者の方々と協力して、まずは生活維持のための就労支援を行っていく予定である。
 現在のところ、新規の有効求人数は、新規の有効求職者数を大きく、まだ上回っている状況であるが、現在の政策としてはミスマッチをうまく解消していけば、とりあえずは失業された方に就職先を確保していけるのではないかと考えており、まずは離職者の方の求職に対して、しっかりとした就職支援を実施していく体制をとっていくこと、これが第一段階であると考えている。
 しかしながら、議員ご指摘のとおり、経済の復興には時間がかかるという状況、また、失業による求職者の大幅な増加、求人数の大幅な減少、これがリーマンショック後の状況以上に起こった場合、有効求人倍率の大幅な落ち込みや、完全失業率の急上昇に対応するためには、雇用の創出を行っていくことが重要であると考えており、これが第2段階目の施策として、雇用創出に係る事業を考えていく必要があると考えている。
 リーマンショック後の対応策などを参考にして、今後は、雇用創出を図る事業をどのような形で行えるかということも検討していきたいと考えている。
 状況の変化に対応した雇用対策を切れ目なく実施していくので、今後もご協力願いたい。

令和2年6月閉会中委員会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
観光誘客の反転攻勢に向けた取組について

【本郷委員】
 観光の問題について、マイクロツーリズムという新しい概念が出てきた。国内に非常に大きな資源がある。
 そこから着実に回復方向にもっていこうではないか。つまり26兆円の観光のうち、20兆円は国内であり、インバウンドは4兆円である。つまり、今までインバウンド、インバウンドということで、いろんな表現をされてきたが、もう一度、原点に帰って、そうした視点を大事にしていくことが大事でなかろうかと思っている。
 落ち込んだ観光需要をリカバーするために、まず、県内からの誘客に軸足を置いた緊急対策に乗り出しているが、感染の状況を見極めながら、切れ目なく手を打ってほしい。
 今後、どのようにして反転攻勢を戦略的に展開していくのか、観光誘客課長のご意見を伺う。

【大槻観光誘客課長】
 今後の反転攻勢のステップとして、資料17、18で説明した事業を確実に実施する中で、域内流動・域内観光から、県内の観光需要喚起、県内誘客に拡大をしていく。
 その後、国内誘客を展開していくが、具体的な取組みとしては、国の誘客キャンペーンに先行するかたちで、近隣県からの誘客を促す施策、まさにマイクロツーリズムを掘り起こす施策を展開して、そして、7月下旬の海の日の4連休に照準を合わせて、国内誘客のスタートダッシュを図っていく、本県観光のトップシーズンである夏には本格的に国内誘客に取り込んでいきたい。
 さらに、国の「GoToキャンペーン」開始に合わせての連動施策、他地域との差別化戦略として、県内での長期滞在を後押しする事業や、国のキャンペーンの支援から外れるであろう施設への支援策などに取り組み、国のキャンペーンを最大限活かし、全国との競争に勝っていきたいと考えている。
 また、今回大きな影響を受けているバス、タクシー、観光列車などの交通事業者に対しても、県内周遊ツアーを活発化させることで支援をしたいと考えている。
 併せて、前回の信州DCのテーマの一つである長野県の強みである「自然」「アウトドア」は、三密回避の旅行スタイルとして適していると言われているので、この点もしっかり県外へ情報発信していきたい。
 観光は裾野の広い産業であり、各業界、観光事業者全体へ経済効果が波及するようにきめ細かい施策、事業を展開していくとともに、今回の専決処分に続き、6月補正等も含め切れ目なく支援をしてまいりたい。

アフターコロナ、ウィズコロナ時代の今後の観光振興について

【本郷委員】
 ウイルスと共存し新しい生活様式の定着を求める中、アフターコロナ、ウィズコロナを見据え、どのような視点で今後の観光振興に取り組んでいくのか大局的な観点から意見を伺いたい。

【中村観光部長】
 宿泊旅行統計調査の3月の状況は先ほどご説明した通りで、4月、5月のデータは出ておりませんが、大きく落ち込んでおり、影響が大きいと認識している。
 こういった中で、一方で、社会が激変していると身近に感じるのではないだろうかと思っている。特に、働き方とか休日の境目がなくなるといった状況もあり、新しい生活様式の観点もあろうかと思っている。
 ようやく緊急事態宣言が解除された中で、5月末から6月に入って少しずつ経済が動き出している実感がでてきている、観光の分野も同様であるが、コロナウイルスと共存というか、ワクチンや治療薬が出てこない、完全ではない状態の中でどのように対応していくかということになってきている。そういう中で新しい生活様式ということが言われているが、まずは感染対策を徹底させる、ここをどうやっていくのか。これは、一つの事業者だけではなく県全体でしっかり徹底したうえで発信していくことが大事なので、しっかり取り組んでまいりたい。そうしたうえで、まずは国内需要の取り込みや、兆しはあったが団体旅行がなくなっていくだろうと、個人旅行へどうやってシフトしていくか、働き方改革や休日の境目がなくなっていく中で、どういう戦略を打っていくか。自然や健康は長野県のポテンシャルであるが、ただ単にポテンシャルと言っているだけではなく、こうだから感染対策をとってしっかりやっているんだとあり方みたいなものを今後どのようにするのかをしっかりと形作っていくことが必要だと思っている。
 これは、一つの事業者さんだけではできない、現在の観光戦略の中でも広域的なエリアで取り組んでいくこととしており、その発想はしっかりと根付いていると信じて疑いませんので、各エリアで考えてもらえるよう後押ししていきたいと思っている。
 また、関係者と連携を密にしながら、これからのあり方、振興の方針を早急にまとめてお出ししたいと思っている。


令和2年2月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
新型コロナウイルス感染症の影響について

【本郷委員】
 今日は緊急事態宣言を法制化するため、安倍総理は野党の各代表と話をしている。野党もこれについては同様の意向のようである。新型コロナウイルス感染症はしっかり抑えなければいけない。 
 今日も旅館ホテル組合の会長が阿部知事への要望にお見えになり、観光議員連盟会長の私が仲介役をしているが、観光関係も想像以上の事態である。
 国は2700億円の予備費を使うというが、日本の国力からいえば1兆円程度は出さないといけないと思っている。霞が関が立案し都道府県に丸投げしてくるので、理事者におかれてはご苦労が多いと思うが何分よろしくお願いしたい。
 特に世界不況一歩手前の問題であり、70か国が新型コロナウイルスに汚染されており、性質が違うがリーマンショック並みの影響が全産業に行きわたっている。商店街、飲食店も含め零細企業から大企業まで大変な事態である。
 昨日、FRBは追加の利下げをし、G7の財務大臣、中央銀行総裁も積極財政を打ち出すことを明言している。また、今日のニューヨーク市場や東京市場も極めて不安定な乱高下している。日本経済は2月17日発表時点では、昨年10月~12月のGDPは前期比1.6%減と5四半期ぶりにマイナスになるが、年率換算すると6.3%の大幅マイナスである。状況は変化しており、台風19号、暖冬、新型ウイルスの問題と、長野県は三重苦である。OECDは世界の今年の見通しは2.4%から1.5%まで下がる可能性があり、日本は実質マイナス成長と思われる。したがって、産業労働部では2月の経済情勢を正確につかんでいただきたい。例えば、百貨店では大丸の2月統計はマイナス45%であり、2月の新車販売台数はマイナス10%などとなっている。今回はウイルスと人類の戦いでこれを消滅させなければならない一方で、いろいろな強制力により経済が悪循環の方に進んでいる状況。リーマンショックとは性質の違う大型不況が来る予感がしている。今回の問題に対する2月、3月のデータをベースにした財政措置を取らなければいけない。
 新しい概念で、モダン・マネー・セオリー、現代貨幣理論がある。経済が疲弊したときは政府が積極財政論を取らなければいけないというケインズの有効需要を進化させた概念である。一部上場だけで470兆円の内部留保があるが、銀行が疲弊しているのは資金需要がほとんどなく、加えて中小零細企業が自転車操業をしている。発想を変えた緊急事態に対する大胆な戦略を組みなおさないといけない。一方でウイルスとの戦いにも勝たなければいけないという戦後最大の危機である。中国のサプライチェーンの断絶は世界経済にいろいろと影響が出ており、イベントの中止や延期が続出するなど、県会議員になって初めてのことである。経済活動も一気に非常時モードに入り、政治家も含め従来の行政的な発想力では対応できないことがはっきりしている。積極財政を大胆に行い、この危機を乗り切ることが大事である。長野県がどういう戦略的な対策をとるか、一番の担当である産業労働部はご苦労が多いと思うが、議会も全面協力したいと思っているので、2月、3月の統計をとり、最悪の事態を想定した準備をしていただきたい。
 グローバル時代のリスクは身近に存在し、対岸の火事ということはなく、我々自身の足元に確実に影響が及ぶ。今までにないこのウイルスの問題はパンデミック・世界的流行と、経済の劣化とを同時並行で対応しなければいけない。
 長野県には中国に進出している企業や中国と取引のある企業が非常に多いが、現在、こうした企業にどのような影響が出ているのか。また、これに対し産業労働部としてどのような戦略・政策をとっていくのか伺う。

【宮島産業政策課長】
 午前中説明した景気動向調査は1月末までのデータだが、2月はヒアリングを行っている。各企業の状況の聞き取りや、中小企業者との意見交換を行い、また、上海の駐在員からも状況を聞いて把握している。統計的なものはまだ難しいが、個別に話を聞く中では、中国でのサプライチェーンが復活せず、人の動きも止まっており、従業員が戻ってこない。マスク着用が義務付けられており、その対応に苦慮しているなどの声がある。また、中国との取引がある企業では、中国の部品停止により、在庫の減少や生産が縮小し、取引先の受注が減っている。事業活動への影響が顕在化している。駐在員からは、日本から中国への移動を制限する状況になっており、日本から中国への出荷にも制限が出てくることが考えられる。非製造業においても同様の状況があると考えられ、国内外の観光客が非常に少ないという大きな問題もあると認識している。
 産業労働部としては、国の施策を活用するとともに、県においても融資等により中小企業を支援していくが、グローバル化が進んでいることにより、人・金・もの・情報も国境を越えていくため、経済への影響も世界的なものになると考えている。一方で身近な問題としては、誤った情報・根拠のない情報による不安感や危機感による、トイレットペーパーの買いだめ、一斉購入などの消費行動にも留意しながら、状況を判断していく。
 各国の動向を注視するとともに、正しい情報を集め、2月、3月の経済状況など、経済への影響の把握に努めるとともに、県内企業からの相談や情報提供に丁寧に対応していく。
 新型コロナウイルス対策については、県にとどまらず全国的なものであり、国が責任をもって対応する必要があると考えているため、企業や商工団体の話を聞きながら、必要なものは国に対して要請していく。

【本郷委員】
 国の異次元の積極財政によりこの危機を回避していくことになるが、実際は47都道府県に丸投げをしてくると思われるため、都道府県の指導力が問われる。産業労働部においては、一番大変なところを耐え抜かなければならない。来年度予算は今の事態を想定していないため、発想を変えて、異次元の積極財政をとらないと、長野県の経済は委縮していってしまうので、配慮をお願いしたい。

信州ITバレー構想の推進について

【本郷委員】
 ITの分野で、日本は差をつけられている。中国においては、5Gについて、1兆5000億を使って対応しているが、日本は1500億円であり、4Gから5Gへ移ることに対応しているが、アメリカ、中国、韓国においては、すでに6Gに取り組み始めている。世界デジタル競争力ランキングにおいて、日本は23位であり、アジアの中でも韓国・中国・台湾の下に甘んじており、発展途上の段階である。1980年代はOECDの世界50か国のなかで日本の企業が32社くらい入っていたが、現在は50社のうち41位でトヨタが入っているのみ。これがいずれ消えてしまうかもしれない。財務省は考えが固く、今は賞などをもらっていても、それは今までの積み重ねによるものであるため、財政出動がやはり大事である。量子コンピュータが実現化しており、信州大学の副学長のお話でも、ここ1、2年を頑張らないと、日本はITの分野で発展途上国に落ちると言っていた。その意味では、産業労働部の責務は大きい。
 したがって、ITバレー構想については来年度飛躍の年にしなければならないので、問題は深刻な人材不足であるので、誘致に関して様々な事業を展開していくが、長野県の強みをどう活かして、具体的にどのようなアウトプットが長野県にもたらされるのか伺う。

【丸山創業・サービス産業振興室長】
 本件の強みは豊かな自然文化に囲まれた快適な環境、子育て環境の良さなどがあり、首都圏・中京圏への交通アクセスの良さもある。また、高い技術力をもつグローバルな製造業も多くこうした強みを国内外に効果的に発信することで、IT人材、IT企業を県内に呼び込んでいきたい。好機となるのが東京オリンピック・パラリンピックであると考えており、首都圏からの交通アクセスの良さを活かし、混雑する首都圏から、涼しい爽やかな軽井沢にお越しいただき、ワールドIT人材フォーラムやワーケーションEXPOなどのイベントを通じて、長野県の良さを理解していただく。
 長野県のブランド価値の向上を効果的に発信していくことで、アウトプットとして、IT人材や企業はもとより、デザインやコンテンツ開発といったクリエイティブな方にお越しいただき、信州ITバレー推進協議会等が開催するプログラムへの参加や、関係人口の増加、拠点設置へつなげていくことが求められる。さらには、県内IT企業の競合により、新しいITビジネスの創出ができることを期待している。

環境分野への技術支援について

【本郷委員】
 今年1月のダボス会議において、ステークホルダー資本主義という新しい概念が注目を集めた。1980年代に始まった新自由主義が行き過ぎたことが背景にある。オーナー企業というものは少ないため、サラリーマン社長が株主第一主義に陥ってしまう傾向がある。このステークホルダー資本主義というのは、顧客や地域社会、環境への貢献を重視しているのだが、労働分配率が低い日本はデフレの状態にあり、家庭の奥様方も働きに出て家計経済を維持しているのが現状である。従業員もお得意様もよくなる新しい資本主義の価値観を持つことがこれからの健全な資本主義社会の醸成における理念ではないかと思っている。
 昨年12月の県議会において気候非常事態に関する決議を受けて、長野県では全国の自治体に先駆けて気候非常事態宣言を行った。県内企業の持続可能性を高めることにつながると思う。そこで、企業の環境負荷の低減などを進めるため、産業労働部としては具体的にどのような技術支援を行っていくのか。

【西原ものづくり振興課長】
 企業が環境負荷低減に貢献できる分野として、3つあると考える。1つ目が自らの事業活動による環境負荷の低減で、省エネや廃棄物の削減など。2つ目がより環境負荷の低い製品やサービスの提供で、燃費のいい自動車や省エネ製品などを開発して売っていくことなど。3つ目が社会貢献であり、職員等による河川の清掃など。
 1つ目に対する支援としては、工業技術総合センターの環境・情報技術部門において、製造工程での損失を見える化するシステムの導入を支援している。また、エネルギー量をはかる機械を企業に持ち込み各機器の消費電力を調べ、どこを改善すればいいかわ分かるようにすることで、年間数十万円から数百万円のコストを削減につながっている。
 2つ目に対する支援としては、テクノ財団において、電気自動車の省エネ化につながる半導体の加工装置の開発支援や、きのこの廃培地から希少糖を作る技術の支援を行っている。さらに来年度、環境負荷低減等に向けた革新的材料技術活用促進事業において、大学等の革新的な材料技術を活用した環境負荷の少ない製品の開発を支援していく。また、令和元年度補正予算で工業技術総合センター材料技術部門に3D・デジタル生産技術実装化研究拠点を設けて、軽量、省資源で環境負荷の少ない製品開発を支援していく。
 3つ目に対する支援としては、テクノ財団のエアテクノバレー地域センターが伊那地域において、天竜川水系環境ピクニックを行って、地域の企業の社員やその家族が天竜川水系の河川の清掃を行っているが、最近では5000人くらい参加していると聞いている。ほかには、産業労働部でSDGsの推進企業登録制度を設けていたり、林務部でも森の里親促進事業において、森林整備や森林を所有する集落とお金や人手を出す企業とのマッチングに取り組んでいる。
 このようなものを通じて、企業の総合的な環境対策を積極的に支援していく。

格差解消に向けた非正規雇用労働者への支援について

【本郷委員】
 大阪や名古屋でも転出が多く、首都圏に多くの人が行ってしまう。アメリカでは東と西で政治と経済が分かれており、ヨーロッパでも地方に大企業の本社があったりするため、日本は異形な状況である。慢性的な人手不足が続いており、有効求人倍率が37か月連続で1.5を上回る高水準が続いている。このままだと長期化し、人手不足廃業も懸念される。産業労働部として、人手不足の解消に向けた人材確保の支援と、将来の懸念となる格差解消、非正規雇用をめぐる問題への対応について、それぞれどのような取り組みをしているか伺う。

【福田雇用・就業支援担当部長】
 有効求人倍率が高い状態が続いていたが、昨年から少し下がってきた。1.48とまだ高いが、この後の推移を注視していく。短期的には懸念される状況であり、中長期的には生産年齢人口の縮小、若い世代の絶対数が少なくなってくるということで、産業人材の確保が重要な課題になってくる。
 現在、県は経済団体、労働団体、労働局等と就業促進・働き方改革戦略会議において、取り組みの方向性を検討している。新卒者に限らず若い世代の県内への移住・就職促進を図ること、高齢者や女性などの多様な人材の就労促進を図ることや、企業ごとの判断にはなるが、外国人材の受け入れの促進を図ることなど、多様な意見をもらっている。来年度も、首都圏で仕事と暮らしをセットにした企業説明会を実施したり、外国人材を受け入れようとしている企業のための相談窓口の設置など、新しい取り組みを始める。
 経済格差の問題は、長野県の場合、非正規の方が37.6パーセントいるという状況だが、この4月重要な法改正が施行され、同一労働・同一賃金ということで、正規と非正規の間の不合理な待遇差が禁止ということで、これを浸透させる取り組みが必要だと考えている。
 また、正規雇用への転換の促進ということで、正社員チャレンジ事業として、座学と実習で正規雇用を目指す世代を応援する取り組みで、こうした事業で応援していく。

企業のニーズに合った高度人材の確保について

【本郷委員】
 アメリカの新自由主義によって日本の文化が相当破壊されている。日本の文化・伝統を主権国家として確立することが大事。日本が主権国家として自立するために、日本型の経営システムを自信をもって確立しなければいけない。また、ベーシックインカムやMMTについても、日本型のものを確立していくことが重要である。
 人口問題では、日本は1億3千万人いたが最悪8千万人まで減ると言われている。かつてホーキング博士が宇宙にあった地球のような惑星は文明が進みすぎて消滅したと言っていた。量子コンピュータや6Gなどの文明の進歩と、人間の幸せは乖離しているという認識を持つことは大事。あらゆるカテゴリーにおいて高度な人材確保は、アメリカは戦略的に行っている。企業ニーズを的確にとらえてマッチングし、高い技術やスキルを持った人材の確保は必ず必要となる。今後、高度人材確保を長野県としてどのような戦略を持って進めていくのか伺う。

【小林産業立地・経営支援課長】
 千畳敷カール周辺は貴重な氷河地形がある一方、ロープウェイにより多くの方々が訪れる場所であるため、まずはこの地域を特別保護地区に設定し、厳正な保護を図っていく。他の地域についても、無秩序な利用を防止するため、公園計画に野営場等の施設計画を明確化し、秩序ある利用を推進していく。保護対策については、地元関係者と連携し監視体制、マナー啓発の強化を図ってまいりたい。
 一方利用面については、千畳敷カール地域に集中する利用実態があるため、地元の意向に基づいた利用施設を公園全体に配置し、利用者の利便性と公園の魅力の向上を図っていくとともに、民間資本の導入、安全登山のための施設、ユニバーサルツーリズムなどを推進してまいりたい。
 これらの取組みにより、保護と適正な利用の一層の推進を図ってまいりたい。
 他の県立公園については、平成29年度に県立自然公園条例を改正し、地域関係者とともに公園の協働管理を実現するための地域会議と、適正な利活用を図るための公園事業制度を創設した。これらにより、地域の意向を反映した公園の利活用が図られる体制が整ったところ。今後は、公園事業制度の普及を図るためリーフレット等を作成し、周知を図ってまいりたい。
 また、来年度は、公園の魅力について山岳観光等を熟知した外部有識者から提言を頂き、利活用に反映させる取り組みを進めてまいりたい。

【本郷委員】
 これから、国が大胆な積極財政をするにしても、県が情熱をもって、産業労働部長を中心にこの難局を乗り切っていただきたい。

令和2年2月定例会 産業観光企業委員会(観光部関係)
気候変動や災害を前提とした観光振興について

【本郷委員】
 今回の新型コロナウイルス感染症については、WHOもパンデミックという非常に高いリスクがあることを発表した。国は153億円を支出し、2700億円の予備費も活用すると発表したが、ここ1、2週間がこの問題の分水嶺になる。この1、2週間で各都道府県は最大限の努力をしなければいけないが、国は新たな立法措置とり、財政的な裏付けをしてくとのことで、国の予算との連携について、部長の考えを問う。

【中村観光部長】
 コロナウイルスの関係で、国の2700億円の予備費を活用した財政出動を観光事業者への経営支援や資金繰りなどに、県として最大限に活用したい。
 雇用対策助成金の拡充により、イベントの中止などにも対応すると聞いており、産業労働部と連携し活用したい。
 今後、終息してきた段階で、観光キャンペーンを打っていくことを、国に対し要望していきたい。

【本郷委員】
 観光需要を喚起・回復するための緊急対策に取り組むとともに、来年度も緊急対策事業を予定しているが、県内各地の状況をどのように捉えているか。

【中村観光部長】
 台風19号災害や雪不足、新型コロナウイルスの影響を受けている。雪不足に対しては、東信地域や木曽地域は人工降雪機により対応してきたことで、前年を大きく上回ったが、野沢温泉村、志賀高原など天然雪が売りのところは大きく落ち込んでいる状況である。
 台風19号災害の関係では、上田地域や別所温泉や諏訪地域は回復できていない。また、コロナウイルスでは中国からのキャンセルは戸倉上山田や軽井沢において影響が大きい。県内でも感染者が出ている中、キャンセルや手控え、イベントの中止・延期の影響が出ている。
 来年度の春に向けて、不安のある地域が多くある。地域によって、状況が異なるため、地域での対策を一緒に講じていくことが大事。国の予算を活用しながら、県の予算の前倒しや内容を変えていくのか、柔軟に検討していきたい。

【本郷委員】
 気候変動や災害を前提とした観光振興のあり方について考える必要があると思われるが、所見は。

【中村観光部長】
 台風19号を通して感じたことは、情報収集や情報発信などは行政だけでなく、地域の市町村、交通事業者、企業と連携しながら進めていくことが大事。
 雪不足など気候変動による影響について、冬の観光を見直しする時期であると考えており、冬の観光は雪があるのを前提にしている状況があるため、冬キャンプなど雪に頼らないコンテンツ開発が必要。
 また、年間を通して、マウンテンバイクなどグリーンシーズンにもスキー場をどのように活用していくか、地域全体で検討することが必要。
 冬の観光のあり方について、来年度から研究に着手したい。

広域型DMOを核とした観光地域づくりの推進について

【本郷委員】
 県で進めている広域型DMOの形成については、昨年6月にHAKUBAVALLEY TOURISMが重点支援の対象として県下初の指定となり、来年度から3年間にわたり全部局をあげて重点的に支援していくとのことであるが、今後、どのようにして県内各地域に広げていこうとしているのか。

【塩原山岳高原観光課長】
 日本における成長戦略の柱である観光については、地方創生の重要なカギ。訪日外国人観光客が3千万人を突破し、国内各地域を訪れるようになった今、世界的な視点での魅力発信や受入体制の整備が急務となっている。
 地域の「稼ぐ力」を引き出すためには、市町村単位ではなく、広域で地域の魅力を発信することや、地域の各産業が役割分担しながら観光客を受け入れる協力体制を整備すること、また、マーケティングに基づいて観光地経営を行うことが必要。
 その舵取り役を担う広域型DMOが、県下各地に形成されることにより、県が観光戦略で目的としている「世界を魅了する観光地域づくり」を実現することにつながると考えている。
 今回、HAKUBAVALLEY TOURISMを重点支援広域型DMOとして指定し、来年度から3年間、重点的に支援していく予定だが、先ほど説明したとおり、来年度は建設部、環境部、県民文化部の事業も含めて約2億円の支援を予定している。このうち、観光部としては、新たな補助メニューを創設し、年額2千万円、最大3年間の支援を行う予定。この補助制度は、第2弾以降の重点支援広域型DMOにも適用していく。
 この重点支援を通じて、HAKUBAVALLEYが目指す「世界のリゾートと競い合う通年型山岳高原リゾート」の実現が、一歩でも二歩でも進むことにより、県内の他の地域への良い刺激になって、広域型DMOの形成が県下各地で進むことを狙っている。
 HAKUBAVALLEY TOURISMがモデルとなるように支援をしていく。

本県の観光ブランド構築、具体的な観光誘客について

【本郷委員】
 長野県が持つ、世界に誇れる優れた自然環境や歴史・伝統文化など、地域にある豊かな観光資源を十分活かし、世界級リゾートとしての本県独自の観光ブランドを創造し、観光地域の基盤づくりを進めていく必要がある。今後、こうした「観光ブランド」をどのように構築し、観光誘客に結びつけていくのか伺いたい。

【大槻観光誘客課長】
 「長野県観光戦略2018」においても観光ブランドの構築について記載がされており、地域の多様な主体が参画して見出した地域のストーリーに従い、官民が協力して、地域のポテンシャルを世界レベルで磨き上げることで、本県独自の魅力ある観光ブランドを創造・構築していく必要がある。
 そのため、県としては、昨年度まで実施した「信州デスティネーションキャンペーン」において、長野県独自の価値・ブランドである「山岳高原」を活かし、大自然がもたらす「癒し」を中心に、「アウトドア」、「歴史・文化」、「食」の4つをテーマに、官民が一体となって、地域資源の発掘・磨き上げ等を通じて、観光地域づくりやおもてなしなど様々な取組みを展開し、「ブランド」の構築と、誘客を行ってきた。
 今後、こうしたブランド構築には、世界標準となりつつあるSDGsを基本的な方向性として、よりサスティナブルで、持続可能な観光地に高める努力を重ねていくことが重要となる。こうした中で、今後の観光ブランド構築と観光誘客施策の具体的な取組みとして、2点挙げる。
 1点目は、資料5で説明した「サイクルツーリズム」である。本県の雄大な景観や起伏に富んだ地形は、サイクリストが目指すべき聖地となり得る大きな魅力を持っている。こうした世界レベルのポテンシャルを活かして、官民一体で、「Japan Alps Cycling」ブランドの構築を目指し、国内外への情報発信や、サイクルロード・サイクルステーションなどのハード整備など基盤づくりをしっかり行い、自転車を活用した観光地域づくりを進めるとともに、サイクリストや、自転車で自然を楽しむ一般の観光客の誘客に結びつけていく。
 2点目は、部長の総括説明や、国際観光推進室長からの説明にもあった「アドベンチャーツーリズム」である。このツーリズムは旅行者が地域独自の自然や地域のありのままの文化を、地域の方々とともに体験していただくもので、本県としてはかなりのポテンシャルがあるものと考えている。昨年度から、県観光機構を中心に地域と連携して、ガイド研修や旅行商品の造成等を行っており、本県の優れた各種の観光資源を組み合わせ、最大限活かすことで、「アドベンチャーツーリズム」のブランド構築を進め、インバウンドを中心に新たな誘客につなげることができると考えている。
 このような新たな「ブランド」構築を進めるとともに、既に本県の観光ブランドとして確立しているであろう「スノーリゾート」や「山岳リゾート」をさらに磨き上げ、観光客の多様化するニーズや旅行形態に確実に応えることで、今後の観光誘客や、地域経済の発展・活性化に結びつけていきたい。

中国団体旅行禁止の影響と今後の戦略について

【本郷委員】
 中国の団体旅行が禁止されたが、インバウンドは我が国の成長戦略でもあり、昨年度は3000万人のうち約1000万人が中国人の現状で、本県のインバウンドへの影響はどのような状況か。また、中長期的にインバウンド戦略をどのように考えていくのか。

【小林国際観光推進室長】
 1月27日から中国の団体旅行が禁止となり、その時点でのキャンセル状況は26日まとめで6800人と確認した。
 仮に5月までこの状況が続いた場合には、20億円の影響があると試算しているところ。
 最近の状況は中国を含む、日本、韓国など、アジア全体に影響が拡大しており、その他の国からの旅行等、様々な需要の減少が懸念されているところ。
 過去、2003年SARS蔓延の際も「チャイナリスク」という言葉が飛び交ったことがあるが、今や経済大国となった中国の影響は非常に大きいと認識している。
 今後、インバウンドを進める中で、世界中の市場を見渡すことが必要であり、特定の国・地域に偏ることなく、アジアも大事だが、欧米の富裕層等への取組みも重要と考えている。
 具体的には、大きく伸ばす余地のある欧米をターゲットに、今や一兆円市場とも言われる「アドベンチャーツーリズム」の取組みを本格化させ、アドベンチャー、自然、異文化を組み合わせたコンテンツを地域とともに発掘し、商品として造成・販売していくことが重要であると考えている。
 中国とは様々なネットワークを構築しているが、依然最重要マーケットと位置づけるものの、欧米、オーストラリアといった富裕層の多いマーケットにも、アドベンチャーツーリズム等を核として推進する戦略で、インバウンドに取り組んでまいりたい。

キャッシュレスの取組状況と今後の対応について

【本郷委員】
 世界の多くでキャッシュレス化が進んでいるため、外国人にはストレスになる。
 文化の違いもあり、キャッシュレスがすべて良いというわけではないが、受入環境整備という観点から、3000万人のうち1000万人が中国人である点を踏まえても、キャッシュレス対応は重要な課題のひとつであると認識しているが、これまでの取組状況と、今後の対応について伺う。

【小林国際観光推進室長】
 外国人のお客様が、ストレスなく買い物や日本での滞在を楽しんでいただくというのがインバウンドの基本であり、その中でもキャッシュレスは重要な要素であると認識している。
 今年度、総務省の実証実験が4県で行われており、そのうちの1県が長野県で実施され、JPQRの導入を進める際に外国人向けにアリペイ、ウィチャットペイも併せて導入していただくよう、産業労働部を中心に進めてきた。
 その結果、小売店や飲食店などで約3千店舗がJPQRに加盟していただくとともに、併せて販促したアリペイとウィチャットペイが約千店舗ずつ、新規加入したとお聞きしている。
 観光部としても、重要な課題であるため、昨年6月と本年2月にキャッシュレスセミナーを開催し、JPQRと併せて外国人向けキャッシュレスの導入を呼び掛けたところ。
 また、今年度観光戦略推進本部内に、IT環境整備推進プロジェクトチームを立ち上げ、今回お諮りしている予算の「白馬バレー地区」の支援の中で、キャシュレスを進めていく整備の経費を要求させていただいている。
 白馬バレー地区などに対し、県が後押ししながら進めていく方向であるため、これを成功した事例として水平展開されるよう、地域と連携して次のエリアに展開できるよう取り組んでまいりたい。

令和2年2月定例会 産業観光企業委員会(企業局関係)
経営戦略の改定作業ついて

【本郷委員】
 現代社会は恵まれた生活を送っており、何より重要なものは水と電気である。水についてはなにかあったら大変であるということで災害対応を考えており、電気についても中央集権化ではなく、分散していくということで、前向きな施策であると捉えている。
 経営戦略については、台風第19号の被災状況を教訓とし、大規模災害への備えやリスクマネジメントの強化等、内容の充実を図ることとして、策定時期を延長するとの説明をされたが、令和2年度に向け、今後、具体的にはどのように改定作業を進めていくのか。

【藤森経営推進課長】
 台風第19号災害の発生後、水道事業中心に、関係市町村等と防災対策・リスク対策などに関して意見交換、協議をしてきており、来年度は、これを踏まえ、令和2年度上半期に公営企業審議会に改定案の概要をお示ししていきたい。その後、パブリックコメントを行い、令和2年度下半期に公営企業審議会の答申を経て、令和3年度予算を見据えながら、改定作業を進める。
 企業委員会においても、ご意見をお聞きしながら、作業を進めていきたい。

気候非常事態宣言を踏まえた電気事業について

【本郷委員】
 昨年12月に知事が宣言した気候非常事態宣言を踏まえ、「再生可能エネルギーの普及拡大」や「エネルギー自立分散型で災害に強い地域づくり」の実現のため、電気事業では、令和2年度に具体的にはどのような事業を重点的に取り組んでいくのか。

【青木電気事業課長】
 再生可能エネルギーの普及拡大としては、現在発注している新規建設や大規模改修についてR2年度中は着実に安全に進めていく。それとともにFIT認定が得られるよう着実に進める。
 また、FITの抜本的な見直しを見据え、FIT認定が短期間で得られるものとして短期間で建設可能な地点を優先的に進めてきたが、R2年度と同様のR3年度単価が示されたことから、1000kW以上の水路式の発電所の建設に向けた調査にも取り組んでいきたい。
 水素ステーションや太陽光発電の取り組みについても国や民間企業、大学などと協力して充実を図っていきたい。また、水素エネルギーの広報が必要なことから、各種イベントなど戦略的、効果的に行うなど広報に努めたい。
 エネルギーの自立分散型で災害に強い地域づくりのための地域マイクログリッドについては、既存の発電所のすべてが自立運転可能ではないため、自立運転化の課題の洗い出しや改修費用の見積もりを予定しており、地域性からまずは菅平と大鹿発電所から検討を行う。現在建設中の新しい発電所については、発注仕様の中に自立運転機能を盛り込んでいる。
 また、防災拠点などへの供給は、市町村等と連携し、モデル地域を選定し、自営線を布設するなど調査を行う予定。
 それとともに、地域への電力供給についても、電気事業法の規制がありすぐにとはいかないが、国の動向などを見ながら、電力会社の協力を得て、電力会社の送電網を活用した広範囲な地域への送電も検討したい。
 こうした取組も地域に水力発電所があることが前提であることから、小さくてもより多くの発電開発地点の発掘にも取り組んでいきたい。

【本郷委員】
 台風災害でも分かるように水と電気は生活の基礎である。水量調節するなど、複合的な防災、減災対策にとってもダムが果たす役割は大きく、企業局が果たす役割は大きいため、取り組みを進めてほしい。

水道の広域化・広域連携に果たす企業局の役割について

【本郷委員】
 昨年10月の改正水道法の施行を受け、持続可能な水道事業体制の構築を進める上で、知事部局と連携して、広域化・広域連携の動きをさらに加速化させる必要があると思われるが、企業局も経営環境が一段と厳しくなっていく中で、令和2年度に具体的にはどのような役割を果たしていくのか。

【竹花水道事業課長】
 本格化する人口減少に伴い、企業局の末端給水区域における給水人口も、2012年をピークに年々減少傾向にあるなど、今後の経営見通しは大変厳しいものと考えざるを得ない中、住民生活をこれからも健全に維持していくためには、広域化・広域連携の検討は待ったなしの状況であると考える
 企業局は、これまでも、末端、用水の各事業に関係する市町村と共に、災害時連携協定の締結や合同防災訓練の実施、また昨年5月に設置した各市町村の経営トップの方々との「県営水道関係市町村等懇談会」において、お互いの課題を共有し、意見交換や現地視察を行うなど、連携推進の下地作りに取り組んできたところである。
 このたびの改正水道法では、都道府県が広域連携の推進役を担うこととされている中で、企業局としては、事業者としての知見と「お出かけ相談」の実施など、市町村支援の取組等を通じて培ってきた市町村の方々との関係を活かし、企業局がリーダーシップをとりながら、まずは末端、用水の経営区域に関係する市町村の方々と検討を始め、あわせて、私どもの取組を他の市町村にも積極的にご案内し、将来的には他の地域においても同様の取組が展開することも目指して、環境部や企画振興部の知事部局とともに取り組んでいく。

【本郷委員】
 水道事業にかかわらず、人口減少が加速し、基礎的自治体の市町村の財政力は下がっていくため、都道府県の果たす役割は大きい。県の広い視野での知見を活かして、水道事業が健全に推進されるようにお願いする。

長野県企業局の今後の事業展開の方向性について

【本郷委員】
 経営戦略の改定にあたり、県民生活において、一日として欠くことのできないライフラインである電気・水道事業を、地方公営企業として将来にわたり担っていく上で、今後の事業展開の方向性について所見をうかがう。

【小林公営企業管理者】
 電気と水道は、県民生活に欠かせないライフラインであり、事業を推進していくためには、長期的視点と短期的視点の両面を考える必要がある。
 例えば、電気について言えば、一旦、水力発電所を建設すれば60年使っているわけで、再生可能エネルギーとしてCO2フリーという面でいえば、最もフリーなエネルギーである。今の戦略も10年という長いスパンで策定し、3年ごとに見直すということで、長いスパンで事業運営を見据えることになる一方、FIT制度は来年度に見直しが予定されることから、短期的には制度の動向が事業に与える影響なども見ていく必要がある。水道事業についても、現在企業局が進める市町村への支援の取組については、全国的に例がなく、国からも「長野モデル」として位置づけられているが、今後の社会情勢の変化を見据え、広域化・広域連携の取組を県内一円で考えていかなければならない。
 その上で、これらの取組を進めるため、オフィスのフリーアドレスやテレビ会議、携帯端末の導入などによる「しごと改革・働き方改革」を更に推進する中で、俊敏で柔軟な組織づくり進めていく。
 長期的なスパンと短期的なスパンを見据えながら機動的な事業展開を図っていく必要があり、これらの視点を改正する経営戦略に反映していきたい。

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