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平成26年11月定例会 環境産業観光委員会【環境部関係】質疑要旨
生物多様性確保の取組について

【本郷委員】
 環境部の基本的な理念として、近代・昭和40年以降の高度成長、新興国の発展等からみて、生物多様性が重要であるところが認識されているところ。
 平成26年6月に国際自然保護連盟(IUCN)が公表した「レッドリスト」に ニホンウナギが絶滅危惧種として掲載、先般さらに、太平洋のクロマグロも絶滅危惧種として掲載されたことが報じられ、ユネスコ無形世界文化遺産ともなった「和食」の先行きにも少なからぬ影響が懸念される。
 世界的な規模で生物多様性の損失が急速に進んでおり、国際的な視野での対策や取組が求められている。
 平成4年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(地球サミット)において「生物多様性条約」が採択され、我が国も翌年の5月に18番目の締約国としてこの条約を締結している。
 条約では「生物多様性の保全」及び「その持続的な利用」等を掲げており、我が国では、生物多様性条約に基づく生物多様性の保全と持続可能な利用を目的とした国家戦略として、平成7年に最初の「生物多様性国家戦略」を策定し、その後の改訂を経て、平成22年の生物多様性基本法の制定・施行 及び 同年に愛知県名古屋市で開催されたCOP10の成果を踏まえ、平成24年度に改訂された「生物多様性国家戦略2012−2020」に至っている。
 これらの国際的な動向と、我が国も含めた世界的な生物多様性の状況について、どのように受け止めているか自然保護課長の見解を伺いたい。

【山崎自然保護課長】
 生物多様性という言葉は、私たちにどんな影響があるのか、なかなかピンとこない言葉であるが、私たちの生活を見つめてみると、動植物を食料とし、木材を住宅に活用するなど、衣食住すべてにおいて、多様な生物が関わりあってもたらされる生物資源の上に成り立っている。また、子供たちの豊かな感性も、多様な生き物との関わり合いの中で育まれるもの。
 こうした恩恵をもたらす生物が絶滅の危機にあり、現在、地球上から年間で4万種、100年前に比べると、そのスピードは100倍から1,000倍で進行しているとされている。ただいまお話のあった生物多様性条約への加盟は、平成24年には、既に193の国・地域に及んでいる。
 県としても、地球規模の取組に加え、身近なところから、私たちの郷土の未来のために、今、対策を講ずるべき重要な課題であると受け止めている。

【本郷委員】
 生物多様性基本法第13条には、地方自治体が「生物多様性地域戦略」を定めるよう努めなければならない旨が記載されており、長野県ではこれを受けて平成24年に「生物多様性ながの県戦略」を策定したと承知している。
 「生物多様性ながの県戦略」の策定から2年が経過した訳であるが、これまでの取組の成果と今後の課題について伺いたい。

【山崎自然保護課長】
 成果としては、10年振りのレッドリストを通じて、それぞれの地域で生息環境の保全に改めて配慮すべき種が明らかになるとともに、改訂を通じ、様々な生物の保全活動に取り組んでいる団体等の皆さんとの信頼関係が構築できたことがあげられる。
 一方で、戦略に位置付けられている、登山道などの山岳環境の整備については、現在、長野県山岳環境連絡会を立ち上げ、各山域で議論を進めているところであり、山岳県にふさわしい方向性を整理するのはこれからの課題である。
 また、豊かな山岳環境の指標となるライチョウの生息調査や、レッドリスト調査により、今まで人が農林業などを通じ維持してきた農地、里山や草原をいかに持続的に確保していくかというのは今後に向けた大きな課題である。

【本郷委員】
 欧米等から始まった近代的な産業が今日の豊かな社会造成に役立ったことは言うまでもないが、人間の生命・存在がどのように維持されていくか、山川草木あらゆるところに命があり、日本人としての理念の育成についても人類にとっても重要な問題であると認識しているところ。
 去る9月に、県内の希少な動植物の保全に向けて  企業の力を環境保全に役立てる「生物多様性ネットワーク(仮称)」を設立する旨のメデアの報道があった。同報道によると、このネットワークは県が策定した「生物多様性ながの県戦略」のプロジェクトに位置づけられるものであるとされている。企業各社も社会貢献活動(CSR)を進める意欲は高いので、このような取組へのニーズは高いのではないかと推察しており、興味深くこの記事を読んだ。
 このネットワークについて、詳しい内容や今後の展望などについて伺いたい。

【山崎自然保護課長】
 生物多様性の損失の速度を遅くするためには、企業の取り組みの推進も不可欠として、平成21年には日本経団連の生物多様性宣言が出される等、企業にもこの様な動きが徐々に進みつつある。
 このような連携は、生物多様性ながの県戦略の柱となる課題である。そのなかで、策定委員会の座長を務められた中村寛志信州大学教授がちょうど来年度、退官される。これを一区切りとして、民間レベルで、団体・NPO等の連携を一層強化する組織を立ち上げていただけるということで、私どもも大変期待しているところ。この組織により、○情報の共有による各地域活動の効率化、○多様な主体による異なる視点での対策、○官民の支援の受け皿強化に繋がるものであり、事務局も信州大学農学部においていただける方向で現在、調整が進んでいる。
 全国的にも珍しい民間主導型の産学官連携の組織であり、長野モデルともなり得るモデルである。12月6日に準備会が発足して今後、幅広い組織、取組みに繋がると考えている。

【本郷委員】
 スピード感を持って幅広い取組みを期待している。

【本郷委員】
 今までの話の中で、生物多様性の保全は、長野県にとって地方創生を含めてのキーワードになる。原生的や豊かな自然環境に恵まれている長野県では、私たちに身近な里山の自然環境が豊かであることが一番のキーワードであると思っている。
 先ほどの危機感を持ちながら、全国の中でも指導的な役割、素材を持っているところと考える。地方創生に向けて自然環境の資産を認識することで地域力を向上していく新たな視点も重要ではないかと考えている。
 企業も利潤追求と同時に、先ほどのような活動支援が重要で、県政にとっても重要な課題と考える。
 今後の生物多様性の確保に向けた県の取組みについて山?自然保護課長にお聞きしたい。
 最後に、生物多様性の確保に対する所見を山本環境部長に伺いたい。

【山崎自然保護課長】
 長野県の豊かで多様な自然は、3,000m峰を頂点として、湖沼、田園など様々な地形が育む長野県の魅力、強みであり、観光・交流にも活かせる資産と考えている。
 3種類のトノサマガエルの生息状況や全国の中でも一番多い149種のチョウが見られる等の資産は、地域にとっては、意識されていないばかりか、知られてもいない場合が多い。
 そうしたことから、まず、地域の誇りとして生物多様性が豊かであるという情報を共有していくこと、さらには、様々な立場で協調して持続的に保全していく体制を地域ごとに創っていくことが必要。
 ただし、金銭的にも、あるいは人的にも、地方の力だけで活動を支え切れる状況ではない。
 こうした中で、地方創生という国家的課題の面からも、民間企業や都市部自治体等に参画・貢献いただく仕組みをつくりながら、豊かで多様な自然を未来に引き継げるようにネットワークの皆さんとともにこの生物多様性の確保に向けた取組みを進めてまいりたい。

【山本環境部長】
 長野県は、豊かな自然環境の宝庫であり、「生物多様性ながの県戦略」にも触れているように、世界的にも日本の中でも、重要な地域としてホットスポット中のホットスポットである。
 この美しく豊かな自然は県民の財産であり誇りでもあり、かけがえのない資産である。
 しかしながら、多くの馴染み深い生き物が絶滅の危機にさらされている現状は、長野県版レッドリストの改訂でも明らかとなってきており、生物多様性を次の世代へ健全に引き継いでいくためには、全ての人が生物多様性の価値を認識し、その保全と適正な利用に向けて社会全体が具体的な行動を起こす時期にきていると認識をしている。
 そのようなことにあたり、生き物の生息環境の維持だけでなく、都市部の力を地方へ呼び込むという地方創生の観点及び生物多様性の確保を社会全体で支えるという観点からの新たな仕組みづくりが今後における保全対策の根幹をなすものと考え、県としては企業などの多様な主体と地域の保全活動をつなぐ新たな仕組みづくりを積極的に展開して参りたいと考えている。

平成26年11月定例会 環境産業観光委員会【産業労働部関係】質疑要旨
ヘルスケア産業について

【本郷委員】
 超高齢化社会の中におけるいわゆるヘルスケア産業、これをどうするか。健康福祉部の概念だが、地域包括ケアシステムとかも含めて、一番大事なのは医療、介護サービスのイノベーションを新しい概念、コンセプトを持って対応していくことがひとつの視点ではないか。県は、産業イノベーション推進本部を立ち上げて、産業構造の転換に正面から向き合っている。
 松本市もヘルスバレー構想ということで、市単位で今いろんな構築しているが、11月27日の第10回本部会議で、長野県のヘルスケア産業の振興に向けて大変濃密な議論がされたようであるが、ぜひ基本的な産業施策として、メディカル、医療機器も含めれば、成長戦略の5本柱の一つにこの分野はあるので、その基本的な考え方と方向性について。

【吉澤産業労働参事兼産業政策課長】
 健康寿命延伸産業の関係については、国が成長戦略を昨年6月に定めた中で、国としても産業育成を図っていくという基本的姿勢が示されて、昨年の12月に国にヘルスケア産業協議会が設置されている。実はその中にワーキンググループがあって、10月30日に長野県として考え方を説明してほしいということで私が伺って、長野県の現在の健康長寿のあり方等について詳しく説明してきた。
 国は今基本的な形を検討しているが、来年度地域版の協議会に対して国が支援をしたいという話があるということ伺っているところ。そこで今委員ご指摘のとおり、非常に長野県は健康長寿ということで、また資料12だったと思うがメディカル産業の振興について県内さまざまな動きがあると説明させていただいたところ。その他にも森林セラピーとか温泉とかを利用したヘルスツーリズムとかの動きも出てきているので、機器、ツーリズムとかさまざまなものを含めた形で関係者と一緒になって協議会を設立して取り組みを進めていきたいと考えている。今関係者に対して事前の説明をしているところ。年度内に立ち上げさせていただいて、長野県としての取組みを大きな形で進めていきたいと考えている。
 国のほうでも単に口だけ出すという形ではなく、一定程度財政支援というような話もでてきているので、そういったものも使いながら、県としての取組みを躍動感のあるものにしていきたい、と考えている。

【本郷委員】
 そういう認識で正しいと思う。この前委員会で行ったときに神戸港の中にあった、ポートアイランドの医療特区、当選2回ぐらいのときに一般質問したら県で答えられなくて、あれが今日本を代表する医療特区になっている。ある意味パッケージで包括的なものをしないと現実の産業振興に結びつかないので、苦労も多いと思うが、ぜひヘルス部門についてなおいっそうのご尽力を賜りたい。


ローカル経済圏の確立について

【本郷委員】
 ローカル経済圏は、GDPの7割が非製造業で占められている。したがって、そういう視点からグローバル経済圏とローカル経済圏を両睨みしながら、将来、長野県が製造業を基盤としながらも、ローカル経済圏の新しい理念のもとで経済政策をなさなければいけない。 
 例えば福岡市は、ほぼサービス産業で集約されている。問題は、第三次産業、サービス産業は、労働集約型で、労働生産性が低くかつ賃金が低いということである。そうした全体像を構造的に俯瞰する中で、長野県としてどのようにローカル経済圏を確立していくのか御所見をお伺いしたい。

【石原産業政策監兼産業労働部長】
 グローバルな経済圏とローカルな経済圏、この二つがある中で、長野県としてどのような対策をして、生き残っていくかという質問。
 グローバル経済圏の特徴、ローカル経済圏の特徴、それぞれいくつかあると思う。
 グローバル経済圏の中で強いのは製造業。逆にローカル経済圏の中では地域の市場を対象とするサービス業、これが重要であると考えている。また、グローバル経済圏では外貨を獲得してくること、ローカル経済圏では内需の拡大又は地域内で循環させることにより付加価値をつけていくこと、といった特徴があると考えている。
 県では「貢献と自立の経済構造への転換」を目指しており、「貢献」がグローバル経済圏への対応、また「自立」がローカル経済圏への対応と考えている。
 「貢献」における具体的な取組として航空機分野がある。製造業としてアジアナンバーワンの生産拠点を作りたいと考えており、今まで自動車で培ってきた技術の先を行く、精度を上げていくということで南信の企業を中心に進めている。また信州大学のナノカーボン技術を用いて、世界の課題である水問題を解決する取組も来年度本格化してくる。
 ローカル経済圏の対応としては、非製造業ということで、県内サービス産業の約7割の雇用が確保されているサービス産業が極めて重要であると認識している。今春、サービス産業振興室を新設し、現在サービス産業の振興に向けて骨子を作っているところ。
 方向性を申し上げれば、サービス産業の中で、大きな市場を持っている情報通信分野、今後発展が期待されるヘルスケア分野、商業を含めた足元の経済ということでスモールビジネス分野、この三分野を重点的に検討していきたいと考えている。
 また、6次産業等農政部と連携したものも重要な柱と考えている。農政部だけではなく、健康福祉部等とも連携しながらローカル産業についてしっかりと対応していきたい。


北陸地域との連携強化について

【本郷委員】
 北陸新幹線の問題。北信地区、マーケットとしては全県全部と連携しているが、経済効果、富山県では88億と言っているし、石川県では120億と言っている。相手は加賀百万石なので、そういう意味から長野県も相当の戦略性を持って、他県とイーブンな形で連係プレイを取らなければいけないと思っている。例えば石川県の有名な小松製作所、東京に本社があったが最近一部、本社機能を小松市に戻している。こういったことも非常に大きなインセンティブにもなるし、地方創生の一つの証左ではなかろうかと思っている。また、石川県は有名な金沢市、加賀友禅や九谷焼などの漆器、加賀百万石のきわめてハイブローな文化性を持っているわけで、上質な日本を代表する伝統工芸品等を見ても、なかなか強敵である。
 また、富山県は不二越やその他の金属メーカー、あるいは有名な医薬品メーカーなどが多く立地していて、大変な企業集積が行われている。
 そういう意味からこの北陸新幹線の金沢延伸を契機として、北信地区、長野県全体にいい経済効果がビジネス面で出てくるためには、広域的な連携、協力体制をなおいっそう現実性のあるものとしてしなければならない。
 そういう意味において、吉澤課長からもう一回、現在の状況と今後の展望について。

【吉澤産業労働参事兼産業政策課長】
 北陸との連携強化とのご質問。産業労働部では現在様々な事業を始めており、私のほうからまとめて状況について説明する。委員ご指摘のとおり金沢にまで延伸するということになると、今まで2時間以上かかっていたものが、わずか1時間で行けるようになるということで、早くなる、時間が短くなるということで、一つには人と情報の流れが速くなるというのが大きな特徴。物の流れという点では高速道路があるのでそこまではないが、一つのビジネスチャンスと大きく捉えてよいのではと考えている。実は24年度から富山県との間でそれぞれ知事をトップとして連携会議ができている。経営者協会をはじめとする経済団体、関係する沿線市も参加いただいて2回行われている。この中でどのような形で進めていくかというようなこともすでに話がされているということで、少しずつ話が進んでいる状況。
 今われわれが行っている事業としては、北陸地域の見本市への出展、企業訪問というような事業があり、25年度から行っている。見本市については昨年富山市、今年は金沢市ということで、それぞれ立地の相談についても21件、14件ということでいただいている。また、企業訪問も去年は富山市だけだったが、今年は富山、石川、福井の企業を訪問させていただいている。また海外バイヤーを招いて、長野県と富山県の企業で一緒に商談会を行うといった事業を始めたところ。きちんとした形で商談の話が持ち上がっている。
 連携会議から始まった話だが商工会同士が4つ連携がなされている。具体的には長野市の商工会と高岡市の商工会が地域特産品の販売で協力しようと、そして工業が盛んな坂城町と富山県の南砺市の商工会は、ものづくりの技術支援をして行こうと、いうような形で進んでいるところ。産業労働部の方向とすれば今少しずつ取り組んでいるものをきちんとした形でグレードアップしていきたいというのがひとつ。
 この他とすると、人と情報の流れということになると少し知的な面での交流の可能性があるのではないかと考えている。そういう意味では、試験研究機関の誘致やコンテンツ産業を中心とするICT産業の関係であればそういった意味で大きな起爆剤になるし、またテクノ財団を中心とした、支援機関同士の連携なども力を入れていく必要があるのではないかと考えているところ。
 いずれにしても、産業労働部として大きなビジネスチャンスと捉えて取り組んでいく。

平成26年11月定例会 環境産業観光委員会【観光部関係】質疑要旨
誘客の前提となる「スキー場の安全対策」について

【本郷委員】
 専決処分による「木曽観光振興緊急対策事業」、一昨日早期議決された「北アルプス地域冬季観光緊急対策事業」、全県を対象とする「冬の信州観光 新戦略」、「スノーリゾート信州プロモーション」、それぞれ的確なる方法ではないかと認識しておりますが、その前提になるのは、今回の色々な災害を含めて、「スキー場の安全」を基盤におかなければいけないと思っています。
 特に木曽の「開田高原マイアスキー場」は御嶽山の山麓に位置しており、入山規制エリアである4kmからわずかに外れている状況を踏まえ、万が一、更に大きな問題が発生することは予断を許さないわけです。
 まず1点は、木曽及び北アルプス地域のスキー場の安全対策は、どのようになっているか。現状をお聞かせ願いたい。
 また、安全対策は、本来は事業者の責任であると思われますが、火山防災などについては、日本の火山防災の学術的なレベルも非常に教授陣が少ないということも含め、大変不安感がありますが、「開田高原マイアスキー場」の安全対策については、県や高度な専門家の支援が必要と思われますが、この2点について、現在の御認識をお願いします。

【戸田観光誘客課長】
 スキー場の安全対策と、それを講ずる上での専門家の方々の支援についてですが、スキー場の安全対策は、お客様に安全にスキーを楽しんでいただく上で基本となる重要な点であると認識をしています。
 北アルプス地域では、発災の11月22日以降、余震確立が発表されていましたが、12月1日で終了しました。スキー場の皆さんは、会議を開催して、雪崩や万が一の場合の速やかな避難誘導等について確認しているところです。
 また、木曽の場合は、御嶽山の噴火が懸念されますが、今期営業予定の3つのスキー場のうち「きそふくしまスキー場」「やぶはら高原スキー場」については噴火口から20km前後離れているため、噴石等の影響はないと考えています。
 ただ、「開田高原マイアスキー場」については、その上部が入山規制の4kmからわずかに4.3kmという状況であることから、万が一に備え、新たに「サイレン」や「避難施設」非常に頑丈な60人が入れる物置を設置しましたし、「ヘルメット」も120個配備しております。また、有事の際の連絡体制も検討をしていただいており、避難手順をPRするための「案内板」、お客様にリフト券購入の際に配付できるような御案内「携帯できる小型の避難マニュアル」を作成(英語版も用意)し、しっかりとした対策が為されています。
 対策を講ずるに当たりまして、専門家の支援ということですが、現地ではなかなか直接入手できないということで、観光部の職員が東京あるいは富山の方に参り、火山の専門のシンクタンク、大学の火山の専門家の先生にお話を伺い、その結果を踏まえてス事業者、木曽町の方に伝え、対策を検討しているところです。
 また、「おんたけ2240スキー場」についても、シーズン途中でオープンできるようになった場合に備え、そのような考え方に基づき対策を講ずるよう、現地で検討を進めています。

【本郷委員】
 そいずれにしても、実戦態勢の時に、対応が出来るように、きちんとした詰めを更によろしくお願いします。


銀座NAGANOについて

【本郷委員】
 オープン後1か月半が経過したが、当初立てていた成果目標に鑑み、現状をどのように認識しているか。
 また、運営している中で、内在している、あるいは表面化している課題が出てきていると思うがどうか。
 今後10年間は運営していくことになるが、首都圏における活動拠点としての取組の方向性を聞きたい。

【中村信州ブランド推進室長】
 成果目標は年間35万人で設定している。現在の状況は、1日あたりの来場者が3,300人、累計では11月末までで122,000人余り。オープン直後のご祝儀相場であると思うが、多くの方に来場いただいている。今後の推移を見る必要があるが、まずまずの出だしと考えている。路面店であるので、雨の日は極端に出足が鈍いので、対策を講じていきたい。売上では、人気商品が多く、長野県ゆかりの方や出身の方が多く来場していると思われるが、より幅広い方々を取り込んでいく方策も考えていきたい。
 課題は、施設面と運営面がある。施設面では、見えにくくわかりづらいということがある。(1)階段や2階に危険な箇所がある。(2)2階への誘導案内がわかりづらい。(3)4階の導線がわかりづらい。(4)ストックスペースが少ない。運営面では、(1)作り手の想いなど商品の説明が不足している。(2)信州の「美しさ」と「健康」を打ち出す店舗展開に工夫の余地がある。(3)商品の在庫管理がスムーズにいっていない。(4)産地等POPの見せ方に工夫の余地がある。(5)イベント展開については、時間配分、切り替えに課題。すぐできることと、時間をかけていくこととあるが逐次改善していきたい。
 今後の方向性としては、今回のような災害が起きた際には、首都圏で正確な情報発信ができる点に大きな価値があると考える。また、本来のねらいである信州の暮らしのよさ、「美しさ」と「健康」を知っていただくような情報発信、移住や田舎暮らしの面で有効に活用していきたい。リピーターを増やすために、情報の鮮度を保つ、例えば、季節感、地域性、生産者の顔が見えたり、期間限定などといった工夫やお客様目線や交流ができる仕掛けが必要。長野県を訪れていただき、できれば移住していただけるようにしていきたい。


長野県登山安全条例(仮称)について

【本郷委員】
 条例と言うと県民には規制されるという印象が強いが、登山計画書提出義務化以外に、規制的なものはどのようなことを考えているのか。
 また、他県では、登山計画書提出義務違反に対し罰則をつけているが、本県は、罰則についてどう考えているのか。
 条例化に際し、外部の専門家による「委員会」の設置についてどう考えるか。
 知事は、「できるだけ早期に条例化」と言っているが、議会への提案はいつごろを考えているのか。

【浅井観光参事】
 登山安全条例についての御質問でございます。
 今回検討している条例の目的は、山を安全に楽しむための条例で、そのために登山者が注意すべき点や県がやるべきことを明示したいと考えており、原則的に規制が目的ではない。
 4月以降、登山関係者と意見交換してきた。登山計画書は、登山者にとってセオリーと認識されていると聞いているので、登山計画書については、最低限のルールとして義務化をしていきたい。なお、登山関係者からも、義務化に対して大きな異論はなかった。
 しかし、義務違反に対する罰則については、多くの方から違和感があると意見があったので、慎重に判断すべきと考える。
 外部検討委員会であるが、昨年「山岳遭難防止対策検討会」を設置し、専門家から意見を聞いてきた。
 その後、火山噴火災害があったが、火山噴火の観点では専門委員会の検討を行っていない。
 今後、火山防災などの専門家の意見は必要に応じて個々にアドバイスいただくほか、県議会にも御説明し、またパブコメを通じて県民の意見をお聞きしながら条例の検討を進めていきたい。
 条例の提案時期であるが、県内の広範な山岳を対象にするため、関係市町村や隣接県が多く、調整に相当の時間を要すると考えられる。その進捗状況によるが、できるだけ早期に提案したい。

平成26年9月定例会 環境産業観光委員会【環境部関係】質疑要旨
水資源の保全について

【本郷委員】
 水資源の問題は、現在70億人の世界人口は、2050年には93億人に増える推計が出ている中で、「水メジャー」といわれる外国資本の水源地の買収という動きもある。県内における外国資本による土地の買収の状況を報告して欲しい。
 こうした状況を受けて、昨年(平成25年)3月、「長野県豊かな水資源の保全に関する条例」を制定したわけだが、現在の条例の現在の運用状況は、どうか。
 そして、市町村が水資源の保全について重要な位置付けにあり、地下水の取水規制を行うことについて期待するところであるが、市町村の地下水の取水規制に関する条例の制定状況は、どのようになっているか。
 また、国においては、本年3月、水循環基本法が制定されたところである。水循環基本法が制定されたことをどのように受け止めているか、また、法律の制定を受けての国の取組状況を伺いたい。
 水循環基本法には、地方公共団体の責務も規定されているところであり、法律の制定を受けて、県として今後の取り組んでいくこととして検討していることはあるのか。
 最後に環境部長に水資源の保全に対する所見を伺いたい。

【村田水大気環境課長】
 県内における外国資本による土地の買収の状況については、林野庁及び国土交通省において、平成18年1月から平成25年12月までの国内の状況を調査している。それによると、本県では、平成22年に1件・2.7ha、平成25年に1件・0.3ha、計3haの買収事例があり、いずれも軽井沢町であるが、別荘地造成とか資産保有という目的であり、水資源という観点からは問題のない事例と考えている。
 条例の運用状況については、本年2月に小海町五箇地区について水資源保全地域の指定を行ったところであり、現在、駒ヶ根市中沢地区の5地区8水源について指定の手続を進めており、11月には指定を行いたいと考えている。その他幾つかの市町村で指定の申出について前向きに考えていただいており、協力等を行っていきたい。水資源保全地域の指定については、地権者の理解が必要であり、市町村においてきめ細かく行っていただいているのが実情である。
 市町村の地下水の取水規制に関する条例の制定状況についてだが、県の条例と市町村の取水規制に関する条例とが両輪相まって水資源の保全を図っていこうとしているところであり、現在、77市町村のうち50市町村で制定している状況。条例を制定していない市町村に対しては、他の市町村の条例制定状況について情報提供をしているほか、規定内容についてのアドバイスをしているところである。
 水循環基本法については、超党派の国会議員による水制度改革議員連盟で立案が行われ、全会一致で成立した法律であり、この7月に施行され、国においては、1年程度かけて水循環基本計画を策定する予定だと聞いている。法律自体は、基本法ということで理念的なものではあるが、水循環基本計画ができれば、具体的な支援なども期待できるのではないかと考えている。来年1月頃には、計画のパブリックコメントを予定しているということであり、その頃までには内容が明らかになってくるかと思うので、国に対する働きかけなども行っていきたい。
 水資源の保全に関する今後の取組については、昨年度及び本年度の2か年で、水資源実態調査を行っており、この調査結果により、水資源が豊富な地域とそうでない地域が明らかになるので、水資源が足りない地域はその保全策について、水資源が豊富な地域はその活用策について、市町村と連携して検討していきたい。

【山本環境部長】
 本県は、犀川、千曲川、木曽川、天竜川という大きな4つの河川の最上流部に位置しており、豊かな水源に恵まれていると言われているし、自負もしている。外国資本など目的不明の土地取引への適切な対応を含めて、信州の水を将来へ引き継いでいく大きな責務があり、また、上流域にある県として大きな責任があるものと認識している。水資源の保全は、「しあわせ信州創造プラン」のプロジェクトにも位置付け、大きな施策の柱として位置付けているところであり、今後も条例の適切な運用も含めて、関係部局や市町村と十分連携して水資源の保全を図ってまいりたいと考えている。

平成26年9月定例会 環境産業観光委員会【産業労働部関係】質疑要旨
サミットについて

【本郷委員】
 現在の立候補状況、長野県の基本戦略、現在作成中の誘致計画案について特にアピールポイントは何か、さらにサミット開催の効果を県内全体に波及させるためにはどうするのか。

【吉澤産業労働参事兼産業政策課長】
 誘致を公表している自治体は7つ。広島市、神戸市、名古屋市、浜松市、新潟市、仙台市と長野県軽井沢町。
 広島市は、核廃絶についての取組、神戸市、仙台市は、阪神大震災、東日本大震災からの復興をアピールすると言われている。
 外務省によると、公表を望まない自治体については、外務省も公表していないとのこと。したがって、先ほどの7都市以外にも立候補している自治体があるかもしれない。
 県の基本戦略は、軽井沢町以外はすべて政令指定都市であり、近年のサミット開催状況は、2013年はイギリスのロック・アーンという郊外、来年はドイツのシュロス・エルマウというバイエルン州にあるシャトー(城)のホテルで開催予定。
 このように、最近はリゾート地で開催される傾向。したがって、軽井沢町は最近の傾向に合致するのではないか。
 いままでのサミット同様、各国首脳が落ち着いた雰囲気の中で、じっくりと課題について語り合うのに相応しい土地ではないかと考えているところ。
 誘致計画案のポイントとして、アピールポイントは3つ。「トラディショナル」として、伝統的な食、和食の発信。「インターナショナル」として、全国唯一、夏、冬のオリンピックが開催された土地であり、2020東京オリンピックの機運醸成を図るには絶好の土地である点。「ラグジュアリー」として、天皇、皇后両陛下出会いの地から、観光立国JAPAN、しあわせ信州を発信、と考えている。
 あわせて、県全体の魅力発信も重要と考えており、歴史と自然の宝庫、食の宝庫、健康長寿日本一もあわせて発信していきたい。
 さらに、現在、安倍内閣が地方創生施策を進めているので、現在作成中の誘致計画案においては、「ひと」「まち」「しごと」ということで、人口が増加しており、女性が働きに来ている、地方創生に相応しい街であるところもアピールしていきたいと検討している。
 県内全体への波及という点については、北海道洞爺湖サミットの際にも、道内各地で関連行事・イベントを開催したと承知している。
 軽井沢で開催する際にも、県内各地で様々なイベントを開催することによって、サミットの開催効果が全体に及ぶようにしてまいりたい。
 各部局からもいろいろな提案をいただいているところなので、これらを精査して計画案に盛り込んでまいりたい。


サービス産業の振興について

【本郷委員】
 2040年には長野県人口は166万人になる。長野県人口の社会増と人口定着のために、産業労働部として産業政策の推進の観点から、今後力を入れていかなければいけない施策に関して産業労働部長の見解をお聞きしたい。

【石原産業政策監兼産業労働部長】
 人口減少社会に向かって、どのように長野県経済を立て直していくのか、その方向性についてのご質問。もう一度ローカル経済を強くしたらどうかという委員の御指摘にはまったく同感。県内の企業を見ると、海外と取引のある企業はそれほど多くはない。その中で現在の円安は、長野県の中小企業にとって厳しい状況と考えている。人口が減少していく地域経済において、どのようなことをやっていったらいいかということだが、国では「まち、ひと、しごと創生本部」をつくって現在進めている。県も「人口定着・確かな暮らし実現」本部をつくり、自然減を止めること、社会増を増やすこと、確かな暮らしを実現することをテーマに進めている。
 産業労働部はその中で仕事の面でできることがあると考えている。御指摘のとおり長野県の産業は、これまで製造業を中心に動いてきたところがある。
 一方、サービス業(第3次産業)の占める割合は、県内の総生産においては66%程度、従業員においても68%程度と3分の2を占めており、ここに対する政策をしっかりとやっていかなければいけない。サービス産業は製造業に比べて生産性や賃金が低い現状がある。 
 この底上げをどのようにするかを今年度いっぱいかけて方向性を出してまいりたい。サービス産業は大変広く、娯楽、飲食、物品賃貸、機械修理、ITまである。関係者の意見を聞きながら絞り込みを行い、そこを伸ばしていきたい。製造業についても技術によって新しい価値をつくることができると考えている。アクアイノベーション拠点づくりや下伊那の航空宇宙の関係、こうしたところで新しい技術の蓄積をしたい。

【本郷委員】
 従来のものづくりは大事にしなければいけないが、情報通信業や健康サービスなどサービス産業の振興策について、現状認識と方向性について産業労働部長にお伺いしたい。

【石原産業政策監兼産業労働部長】
 サービス産業の振興について、あえて方向性を申し上げれば、サービス産業の中で、大きな市場を持っている分野、IT産業みたいなところが重要であると考えている。また、発展が期待される分野、例えば介護や健康づくりなどが一つの目安になると考えている。 
 最後は地域経済に密着した分野で、身の丈に合った誰もが挑戦できる分野、これらを狙いながら今後いろいろな方々と協力しながら作っていきたい。

平成26年9月定例会 環境産業観光委員会【観光部関係】質疑要旨
御嶽山以外の常時監視火山の状況と火山における登山者への安全対策について

【本郷委員】
 現在、県内常時監視火山が、御嶽・浅間山・焼岳・乗鞍岳の4つあり、大変人気があるところであるが、御嶽以外の3つの山の現在の火山活動状況及び入山規制の状況はどうであるか。
 また、今後の火山における安全登山について長野県の見解はどうか。

【浅井観光参事】
 御嶽山に関連しまして、他の火山の状況についての御質問でございます。
 県内で常時監視している火山は御嶽山を含めて4つある。御嶽以外の3つの火山の状況であるが、まず浅間山は噴火警戒レベル1で平常であり、火山活動は静穏という状況。
 入山規制については、火口付近500メートル以内に関しては、立ち入り禁止である。
 それから、松本にある焼岳に関しては、噴火警戒レベル1で平常であり、火山活動は静穏という状況である。
 入山規制については、焼岳の2つの峰のうち、北峰は、特に規制はないが、 南峰の火口付近は、立ち入り禁止である。
 最後に、松本にある乗鞍岳については、噴火警戒レベルという制度は現在導入していないが、火山活動は静穏であり、入山規制は特に行われていない。


御嶽山の噴火災害による県内観光への影響について

【本郷委員】
 現在、警察、自衛隊、消防がまさに命がけで活動しているところだが、平行して観光問題にも対応しなければならない。
 まず、宿泊キャンセルが木曽だけで950人、全県では1300人と大変な被害となっている。木曽地域への対策についてどのように考えているか。
 また、県全体の風評被害についてどのように考えているか。

【戸田観光誘客課長】
 木曽地域については、2月には豪雪災害、7月には南木曽の土砂災害、特急しなのが復旧後には夏場の天候不順と大きな打撃を受けている。
 御嶽山への登山はできないが、王滝村の自然湖や開田高原など他の観光地への影響はなく、例年どおりに観光を楽しんでいただける状況にあると認識している。
 現在のところは正確な情報をもってお客様に誤解のないよう木曽へ来てもらうのが主であるが、引き続き全国へ正確な情報を発信するとともに、一段落した後に、どのような対策が必要・効果的か木曽観光連盟、木曽町観光協会と相談しながら対策を検討していきたい。
 風評被害については、諏訪で100名ほどの外国からのお客様のキャンセルや、浅間山でも火山ということでキャンセルが発生している。
 多くの県外の方にとっては御嶽山がどこにあるのか把握してないことから問合わせが多い状況。
 ホームページに地図を掲載し、影響のある範囲を示している。また、詳しく説明することにより、キャンセルを取りやめたとの話も聞いている。
 引き続き、県や観光協会のホームページを通じて正確な情報を発信し風評被害の防止に努めたい。

【本郷委員】
 知事も世界的な山岳観光を大きな目標としているのでなお一層尽力いただきたい。王滝も開田も素晴らしい景勝地。長い目で頑張っていただきたい。
 次に、今後の火山における登山者の安全対策についての御質問ございます。
 今回の噴火に際し、常時監視火山を抱える松本市や小諸市などは、自主的に防災用品の補充や防災点検等を行っていただいき、必要に応じてヘルメットやマスクを補充等の御努力をいただいている。
 今後の県の火山における登山者安全対策としては、火山を抱える地方事務所において、市町村と緊急にどのような対応が必要か協議する場を今月中に設けたい。
 協議の具体的な中身としては、非常時における登山者に対しての火山情報の周知、ヘルメット等の防災用品の配備、シェルターなどの防災設備・施設の設置、国への要望等の内容を検討していきたい。


信州マーケティング担当部長の活動について

【本郷委員】
 新たにマーケティング担当部長が設置されたが、この半年間で、長野県におけるマーケティング活動について、方向性、課題、問題点等が見えてきていれば、現状について報告いただきたい。

【長谷川信州マーケティング戦略担当部長】
 年度当初にマーケティング活動の数値目標を立てているが、商談会、フェア等の開催については、年間目標が74回に対し現時点で52回。参加企業数は1,448が目標だったが、現時点で919となっている。
 個別のマーケティング活動を行うにあたって課題として感じたのは、活動のための基本的なツールである購買担当者向けのガイドブック、提供するサンプルの購入費などが必ずしも十分でないこと。9月補正の際にお願いし、最終的に予算という形にはならなかったが、緊急雇用の予算を充てる等の対応を財政当局に認めていただいた。
 いよいよ10月26日に銀座NAGANOがオープンするが、首都圏の消費者に向けて直接、物品を販売することが可能になり、B to Cの部分に本格的に参入できる。また、場所が銀座の一等地であるので、ブランディングを進める上でも格好の場所かと思う。東京に配置されていた、農産物マーケティング担当、中小企業支援センター、観光協会のスタッフが銀座NAGANOに集結し、B to B、ブランディング等とも十分に連携して、相乗効果がフルに発揮できるようにしていきたい。
 予算の時期であるので、各部局のマーケティングの横の連携を十分行い、横串を入れる観点からの調整も務めていきたいと思う。


銀座NAGANOの中長期的な展開等について

【本郷委員】
 銀座NAGANOは、他県と差別化し、創造的な拠点でなければならないという意味において、中長期的な展開をどのように考えているか。
 商品を中心とした信州のブランド力、価値を高めることにおいて、発想力を豊かにして、日本一の銀座NAGANOであるための、戦略性、戦術性について、教えていただきたい。
 先行する他県の年間の来客数や売上高、また目標とする来客数があれば、いただきたい。

【中村信州ブランド推進室長】
 中長期的な展開を含めた、他県との差別化であるが、銀座NAGANOのコンセプトはヒト、コト、モノをストーリー性をもって打ち出していくことなので、販売でもイベントでも、信州のよさ、背景にある風土などの説明を行いながら、打ち出していく。実際に販売するものも、各地域で通常置いてあるお土産だけでなく、一生懸命作っている方々のものを発掘しながら、首都圏で販売するルートを目指していく。また、軽井沢の丸山珈琲が飲める店といったことも打ち出しながら、集客を図っていきたい。
 イベントについては、市町村から魅力的な内容のものが上がってきており、4階の移住交流相談、コワーキングスペースについても、他県にはない強みと感じている。
 商品のブランド力の向上については、単なる商品販売だけでなく、新しい商品を販売するテストの実施、また、売ってみての情報や評価を地元に返しながら、売り方、見せ方などの工夫を研究していく場所にしていきたい。この繰り返しで、磨きをかけていきたいと考えている。
 他県の事例については、公表している県は限られているが、高知県の「まるごと高知」では昨年ショップだけで2億4400万円の売上げ、飲食を含めて69万人の来客。昨年の9月末にオープンした三重県の「三重テラス」では、8月末までの11カ月で、ショップだけで1億400万円の売上げ、飲食を含めて44万人の来客。有楽町の北海道のショップは、8億9000万円の売上げ、212万人の来客。長野県の目標は、年間35万人。売上げは平年ベースで1億9000万円。

平成26年9月定例会代表質問質疑要旨
御嶽山噴火被害について

【本郷議員】
 自由民主党を代表し、今回の御嶽山の噴火災害に関し質問させていただきます。この27日に発生いたしました御嶽山噴火により、お亡くなりになられました皆様に衷心より哀悼の意をささげるとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、多くの負傷者の皆様、さらには、恐怖の中無事下山されました皆様にも改めてお見舞いを申し上げます。
 発災以来、不眠不休で救助に当たられている警察、自衛隊、消防、さらには政府をはじめ、知事を先頭に対応されている県当局、地元王滝村など各行政機関やディーマットなどの医療関係者に加え、災害の初期対応に全力を尽くし被害を最小限に抑えていただいた山小屋の皆様にも心から平成26年9月定例会代表質問質疑要旨敬意を表する次第であります。
 噴火活動は今も続き、予断を許さぬ状況にありますが、二次災害に十分気をつけていただき被災者の救助に全力を挙げていただきますよう切にお願いをいたします。
 さて、秋の行楽日和のまさに昼食休憩の時間帯に、非情にも御嶽山が噴火し、刻々と被害の情報が入るにつけ、犠牲者の数が増えており、専門家でも予知は困難と言われますが、災害発生前に御嶽山という火山の危険性が分かっていればと思わざるを得ません。火災噴火予知連絡会の会長からは今後の警戒レベルの設定について考えていかなければならないとも発言されているようです。
 いずれにしても終息までには時間がかかると思いますが、土石流災害の危険性や農作物被害対策なども含め、執行部と議会が共通の認識の上に今後の対応を考えねばならないと考えます。そこで、知事に、現在把握されている状況について、ご説明願いたいと存じます。

【阿部知事】
 9月27日に発生いたしました御嶽山の噴火についてのご質問にお答え申し上げたいと思います。まずご答弁申し上げる前に、お亡くなりになられた方々、そしてそのご家族の皆様方に、謹んでお悔やみを申し上げます。また大変な怪我を負われた方々をはじめ、被災された皆さん、被害に遭われた皆様方に、心からお見舞い申し上げたいと思います。併せまして、現在、安否不明の皆様方のご家族の皆様、ご心労、ご心痛いかばかりかとお察しを申し上げる次第でございます。
 これまで私ども、まずは人命救助を最優先ということで、被災された皆様方の救助救出に全力で取り組んできたところでございます。しかしながら、本日8時現在、死者12名、心肺停止者24名、重傷27名、軽症32名という、そうした人的被害の状況ということになっております。
 現在、火山性微動が増加としている状況の中で、一時活動を見合わせている状況でありますが、本日も、警察、消防、自衛隊による救助隊が救助活動を朝から開始をさせていただいているところであります。引き続き救出活動に全力を傾注して参りたいと考えております。
 私ども長野県といたしましては、災害発生後、直ちに情報収集に努め、27日の14時10分に「災害対策本部」を設置させていただきました。また、事の緊急性、重大性に鑑みまして、木曽町、王滝村と相談のうえ、14時31分に、国に対して自衛隊の派遣を要請させていただいたところでございます。
 また、消防庁長官に対しまして、火山性ガスへの対応の資機材を有している緊急消防援助隊、この派遣を依頼させていただきました。加えて、国とも協議の上、木曽町、王滝村に災害救助法を適用させていただいているところでございます。
 また、災害発生後直ちに、災害医療本部を設置いたしました。木曽病院に災害派遣医療チーム、いわゆるDMAT(ディーマット)の出動を要請させていただきまして、活動を開始いたしました。同日、県内の他の10病院についても出動要請をいたしました。さらに、翌日28日には、新潟、埼玉、群馬、山梨、岐阜、隣県5県と国立災害医療センターに対しましても応援を要請して、28日には最大26チームが木曽病院等において活動をいただいたところでございます。医療救護班につきましては、28日から1チーム、そして29日には更に4チームが活動を開始したところでございます。
 私ども長野県といたしましては、現在も各部局を挙げて、総力でこの御嶽山の噴火災害に対応させていただいているところでございます。今回の大規模な災害に適切に対応していくうえでは、県議会の皆様方のご理解、ご協力が不可欠だと思っております。
 そういう中で、今回の災害への初期対応のために、県議会にも日程上のご配意を頂きますよう、既に私から議長にお願いをさせていただいたところでございます。県議会の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと思います。
 また、政府の対応でございますが、27日、全閣僚によります関係閣僚会議が開催されました。翌28日には災害対策基本法に基づきます、非常災害対策本部が設置をされたところでございます。28日同日の夜には松本洋平内閣府大臣政務官を本部長とする非常災害現地対策本部がこの長野県庁内に立ちあがったところでございます。政府の皆様方にも全力を挙げてご支援をいただいているというのが今の現状でございます。
 国、関係者の皆様方の全面的かつ迅速な御対応、そして近隣都県を始め関係の皆様方のご協力に対して長野県知事として、心からこの場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
 次に地元の対応でございます。木曽町、王滝村におきましては、災害発生直後に災害対策本部が設置されました。登山者を対象とした避難所の設置、そして現在は安否不明者の方々のご家族を対象とした待機場所を開設するなど、被災をされた登山者、そしてそのご家族のケアに努めていただいているところでございます。
 また、県の災害対策本部木曽地方部におきましては、木曽町、王滝村の災害対策本部へ情報連絡員を派遣させていただき、災害情報の収集、そして町、村との連携確保に努めているところでございます。
 次に、被災者、そしてそのご家族の皆様方に対する精神的なケアについてでございます。現在、県内の3つの精神医療チームを現地に派遣をするとともに、保健福祉事務所の保健師を待機施設等に終日派遣をいたしております。精神面での不調を訴えっていらっしゃる安否確認家族等の皆様方に対して、心のケアを含む健康相談、あるいは医療的支援を行える体制を整えたところでございます。
 次に、降灰の状況と土石流対策でございます。山頂あるいはその周辺の降灰につきましては、国土交通省のヘリコプターでの調査の上で、上流域に広範囲にわたって降灰が確認されております。
 また、土石流対策につきましては、9月28日そして29日に御嶽山周辺の10渓流そして砂防堰堤20基、緊急点検を行ったところでございます。
 これまでに、降灰によります渓流への異常流出あるいは砂防堰堤への堆積は確認をされておりませんが、二次災害を防止するため、山麓を流れる、木曽町の湯川流域の砂防堰堤の除石工事に本日着手することといたしております。
 また、道路関係でございますが、国道361号線ほか4路線のパトロールを実施いたしております。被害状況の確認と通行止め等必要な措置を取りますとともに、降灰が確認された県道並びに町道につきましては、国とも連携して、路面清掃車等により灰の除去作業を行ったところでございます。
 また、降灰の状況等から、今後、その対応が必要な渓流につきましても、関係機関と連携して検討を行う等、二次災害への対策について、万全を期してまいる所存でございます。  
 次に、農業関係でございます。農業関係につきましては、今回の噴火に伴いまして、木曽町、木祖村、2町村のはくさい、18ヘクタールにうっすらとした降灰が確認されておりますが、品質に問題がなく影響は出ていないというふうに報告を受けております。
 その他、そば、水稲などにも降灰が認められますが、農作物の収量あるいは品質への影響は、現時点ではないというふうに考えております。
 県としては、27日に農作物の降灰にかかわる技術対策を出しまして、木曽農業改良普及センターが、市町村、生産者団体と連携して、農作物の管理や、収穫・出荷時の対応等について農家への指導を行っているところでございます。
 今後も、風向きあるいは降灰の状況を注視いたした上で、農作物への被害防止に努めていきたいと考えております。
 最後に、今後についてでございます。引き続き政府を始めとする、関係機関と連携をする中で、人命救助を最優先で取り組んでまいりたいと考えております。救助、救出活動を進めますとともに、被災された全ての方々を一刻も早くご家族のもとにお送りすることができますように、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 また、応急対策の後は、木曽町、王滝村を始め、被災地や、経済的打撃を被った地域について、総力を結集して、復興、再建に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。


県の財政運営について

【本郷議員】
 地方交付税別枠加算について、国の財政当局が、国よりも地方に財政の余裕があると主張している中でなんとか維持されているものであるが、国の平成27年度予算編成が始まっている中で、地方自治体の財政責任者として今後どのように対応していく考えか。

【阿部知事】
 リーマンショック後の対応として地方財政計画に「歳出特別枠」、そしてこれを受けて地方交付税に「別枠加算」が措置されたところ。
 今年の6月閣議決定された「骨太の方針」を見ると、「リーマンショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えを進めていく」ことが記載されている。年末の予算編成に向けて、この見直しが議論されるものと思われる。
 地域経済は緩やかに回復しつつあるものの、地方税収は未だリーマンショック以前の水準まで回復していない状況。また、地方創生が日本全体の大きな政策テーマとなる中で、地域社会の維持・活性化の取組がこれまで以上に重要になると考えている。
 こうした観点で、歳出特別枠の堅持、そして別枠加算も含めた地方交付税総額確保について必要なものと考え、引き続き国に対して強く要望していきたいと考えている。

【本郷議員】
 県の基金残高について、平成24年3月の「行政・財政改革方針」での推計、平成26年2月の「中期財政試算」、平成26年9月の「長野県財政の状況」の見込を見ると、2年程度のうちに上方修正されてきている。これ自体は喜ばしいことだが、この数値改善の理由がどこにあるのか、改めて所見を伺いたい。

【阿部知事】
 平成25年度末の基金残高実績は513億円と、「行政・財政改革方針」策定時の推計値318億円と比べて195億円の増となっている。
 これは、景気回復による税収等の増加に加え、「行政・財政改革方針」に基づく歳入確保・歳出削減の取組を徹底して行ってきた成果であり、方針策定後2年間で、計画を大きく上回る効果額が生じている。引き続き、「行政・財政改革方針」に基づく取組を徹底してまいりたい。

【本郷議員】
 県債の残高は、平成12年度をピークに減少してきているが、臨時財政対策債の増発などにより、平成20年度以降は増加に転じている。そのような中、建設事業に充てる通常債については、発行抑制に努め今後も着実に減少させるとしている。公的部門があまりにも抑制的過ぎたことがデフレスパイラルの一因ではないかとも考えるが、県債の元利償還のピークがいつであったのか、確認のため伺う。

【阿部知事】
 元利償還金については、平成13年度がピークであり1,667億円。以後数年間は同程度で推移した後、減少傾向となり、平成26年度は1,387億円を見込んでいる。


超高齢化社会の到来に向けての課題について

【本郷議員】
 人口減少問題について伺います。本年5月の日本創成会議の提言では、東京一極集中と少子化により地方の自治体の約半数が2040年には消滅する可能性があるとし、少子化問題に立ち向かうため、いくつかの提言がなされています。政府においても平成26年6月に閣議決定された骨太の方針2014の中に、50年後に1億人程度の安定した人口構造を保持することを目指し、少子化、人口減少の克服や地方再生などに総合的に取り組む方針を盛り込んだところであります。
 安部総理は緊急に取り組む重要課題として人口減少問題を掲げ、第二次安部内閣では、地方創生担当大臣を新たに置くとともに、総理を本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」を本年9月に設置し、人口減少の克服と地方創生に向けて全力を挙げて取り組むこととしています。加えて、去る9月16日に開催された内閣総理大臣と都道府県議会議長との懇談会の場で、安部首相から、この地方創生の取組は従来の霞が関主導の枠組みを超えて各自治体が主体的かつ創造的な取組を行えるよう次元を超えた対応を行うと明言されたとのことであります。
 すなわち、創意と工夫ある自治体については国が積極的に支援する意向を表明されたわけで、既に熊本県ではこの課題に対応すべく「まち・ひと・しごと」を冠した「幸せ実感まち・ひと・しごとづくり本部」という組織を立ち上げ、国とも緊密な連携をとっているようであります。進取の気性を持つ長野県としても、この機会を積極的に捉え、全国に先駆け、従来の発想にとらわれない本県の特性を踏まえた地方創生策を早急に練り上げ、発信していくべきと考えますが知事の所見を伺います。

【阿部知事】
 まち・ひと・しごと創生に関する県の取組についてでございます。人口減少を真正面から受け止め、地方創生に全力で取り組んでいきたいと考えております。
 そのため、「長野県人口定着・確かな暮らし実現会議」を、市町村、経済団体、労働団体等の参画を得て既に設置し、庁内の企画チームで検討を始めています。
 「総合戦略」を策定していきたいと思います。この「総合戦略」は、国の総合戦略を踏まえて、「まち・ひと・しごと創生法案」に基づくものという形で平成27年度中に策定したいと考えております。今年度末までには「総合的な子育て支援戦略」も含めまして、大胆な施策展開の方向性を取りまとめて、必要なものについては平成27年度予算で具体化していきたいと考えております。
 また、国の対応が必要なものについては、国に直接出向くなりして、私どもの考えをしっかりと伝えて、単なる要望ではなく、具体的な施策提案を行う中で対応を求めていきたいと考えております。

【本郷議員】
 財源確保が大きな課題となる医療介護の連携についてうかがうこととします。従来、地域医療計画は県が、介護計画は市町村が作るということでありましたが、社会保障制度改革国民会議の報告書では、地域医療・包括ケア計画という概念が提示されています。
 超高齢化社会を迎える中で、第一次ベビーブーム世代が2025年には75歳という後期高齢者に到達することになりますが、その時点の社会を想定した医療・介護体制をどう整備していくのか、少なくとも医療と介護を有機的・一体的に整備しなければならないであろうことは、医療関係者・福祉関係者の見解が一致しているのではないかと思いますが、県行政もしっかりとこのことを前提にした準備を進めなければならないと考えます。
 そして、急性期病院から在宅までを総合的にとらえながら医療と介護をどう連携させていくのか、医療資源等に地域格差がある中で、地域ごとに創意工夫が必要となるが、こうした計画を作り上げていくには核となる人材が必要なことはいうまでもありません。
 知事が県づくりのトップに挙げているのは人材教育県づくりでありますが、この分野でも人材の養成が急がれているのであります。医療介護計画策定に携わる人材育成には、早急に取り組むべきと考えますが、ご所見を伺います。

【阿部知事】
 人材教育県づくりを掲げていることから、医療・介護の人材の確保・育成は県としても大変重要なテーマだと考えております。
 まず、保健医療計画、高齢者プランなどの計画の立案・評価を担当する県の行政職員、保健師の育成については、国の研修機関に派遣し、専門知識の修得等を行っています。
 また、地域においては、在宅医療を担う医師あるいは訪問看護師、介護を担う介護支援専門員あるいは社会福祉士等、医療と介護の連携を担う人材を育成することが急務でございます。
 こうしたことから、在宅医療や介護に関して市町村が開催する研修会により医療と介護の連携ができる人材を育成してまいります。また、医療、介護の多職種が協働してケア方針を検討する地域ケア会議における取組みを通じて、相互に顔の見える関係を構築してまいります。県といたしましては、人材育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

【本郷議員】
 さらに、国民健康保険を都道府県に移行して、地域医療を立案する都道府県が、財政についても責任を持つことで、地域医療を立て直すということも論じられています。そこで知事に伺います。国民健康保険の都道府県移行について、どのような見解をお持ちでしょうか。

【阿部知事】
 続きまして、国民健康保険の都道府県移行についてでございます。本県におきましては、小規模な保険者が多数存在して、健康保険の財政が不安定化しやすいという懸念がございます。市町村からも都道府県への移行を推進する要請がございますので、財政運営を都道府県が担うことにより、国民健康保険を広く支え合う仕組みというものは必要性があるというふうには考えております。
 しかしながら、被保険者の年齢構成が高く医療費水準が高いこと、あるいは保険料負担が重いといったこと、こうした国保の「構造的な問題」、これを解決することなしに広域化だけをしても本質的な解決にはならないのではないかというふうに考えております。
 したがいまして、まずは国の責任において、国保に対する財政支援を拡充するなど、抜本的な解決を図るべきというふうに考えておりまして、引き続きこうした考え方を国に対して説明して、国の対応を求めていきたいと考えております。

【本郷議員】
 知事が、選挙中に訴えられた、子育ての孤立化防止のため、妊娠から子育てまでを一貫して支援する「県総合母子保健センター」の設置構想でありますが、このスキームはどのようなものなのか、この際知事に伺います。

【阿部知事】
 総合母子保健センターについてでございます。母子保健業務につきましては、平成8年度に、県から市町村に移管されて、現在、健康診査や訪問指導など基本的な母子保健サービスについては、市町村で実施していただいているところでございます。
 しかしながら、最近の医療の進歩や母子保健の課題の複雑化に対応した人材の育成は、市町村だけではなかなか困難でございますし、昨今、少子化対策ということがクローズアップされているなかで、母子保健についても県としてもしっかりとした役割を果たしていくことが必要だと考えております。
 こうしたことから、県として、市町村をバックアップする「長野県総合母子保健センター(仮称)」を設置して、県民の皆様の妊娠、出産、子育てを、一貫して支援する体制づくりが必要であるというふうに考えております。
 このセンターの構想を今後具体化していかなければいけませんけれども、市町村の母子保健サービスの水準を高めるための技術支援などといたしまして、例えば、乳幼児健診や訪問指導などのマニュアルの作成でありますとか、市町村の母子保健事業に関する情報収集、そして分析、さらにはその結果のフィードバック、また、専門性に応じた研修会の開催や、県と市町村との保健師の交流、こうしたことを、医療機関や大学等、専門的な知見を有する関係者の協力を得て、実施していきたいと考えております。
 今後、県民の皆様、市町村、関係機関のご意見をお聞きするなかで、具体化を進めてまいりたいと考えております。 


農業振興について

【本郷議員】
 地球温暖化の影響は耕作適地の変動をもたらし、農業者一人ひとりの工夫では対応が難しくなっている中、県では農業関係試験場で温暖化への対応を図るための品種改良に取り組んでいるとのことだが、その成果はどのようになっているのか。

【阿部知事】
 温暖化に対応する品種改良についてでございます。県では地球温暖化に対応するための品種改良を重要課題と位置付け、研究開発を進めてきたところでございます。
 今後の更なる温暖化に備えるため、昨年度、農業関係試験場に高温環境で試験栽培できる施設等を整備し、本年度から水稲、リンゴ、レタスについて、プロジェクト研究に着手し、研究開発を加速しているところです。これまでの成果といたしましては、平成25年に、高温による品質低下を回避できるお米の「風さやか」、また着色が良く蜜も入るリンゴの「シナノホッペ」を開発し、県内への普及を進めているところです。
 特に水稲「風さやか」は生産者の関心が高く、栽培面積は平成25年182ha、平成26年700haと急増しております。今後も、高温条件下でも安定生産できる品種の育成、技術開発を進めてまいります。

【本郷議員】
 品種改良を商品生産ベースに乗せるには、ある程度のリードタイムが必要になると思うが、農業者と試験場の情報共有を図りながら、信州農業を強い農業に導くための施策展開の方向性について、どのように考えるか。

【阿部知事】
 信州農業を強い農業に導くための、施策展開の方向性についてでございます。農業振興にあたっては、マーケットインの視点に立ち、国内外の市場で高く評価される品種を開発し、生産拡大とブランド化による所得向上に繋げることが重要と認識しております。
 例えば、「信州ひすいそば」は、試験場が、生産性に加え実需者や消費者ニーズを踏まえて「新そばの色」に着目した品種を、平成24年に育成したもので、生産拡大にあたっては、農業改良普及センターと試験場とが連携して生産者に対する技術指導に取組み、販売にあたっては、平成25年に製粉業者やそば店などの実需者を含む協議会を設立し、商標を活用したブランド化を進め、本年から本格的な生産販売に取り組んでいるところでございます。
 今後も、試験場・農業改良普及センターが連携して、生産者や流通・販売関係者と一体となって、市場で高く評価される県オリジナル品種の育成、生産拡大とブランド化がスピーディーに進むように努めてまいります。


県内産業成長に向けた取組について

【本郷議員】
 新たな成長戦略として、宇宙航空機分野、医療機械分野、ロボット機械分野など日本が蓄積してきた技術力の能力ボルテージを活かせるような産業構造を実現するために、長野県としても積極的な対応が求められるところであります。将来的に有望な産業分野には地域間競争をリードできるような条件整備が重要です。国の政策をいち早く取り込み、研究開発拠点の整備や人材養成につなげていかなければ高付加価値産業を展開していくことはできません。更に、県内経済を支えてきた中小・零細企業への目配せも大変重要な取組みと考えます。
 県の機構改革で産業労働部ができ、産業を正面から捉えることのできる体勢が整ったわけですから、具体性を持った県の産業政策についてのスピード感を持って示し、中小・零細企業の方とも一緒になって県内産業を成長させるべく早急に取り組むべきと思いますが所見を伺います。

【阿部知事】
 県では、信州の強みに立脚した「貢献と自立の経済構造」への転換を進めるため、「産業イノベーション推進本部」を設置し、6つのタスクフォースにより、今後成長が期待される分野への中小企業の進出を目指す等、具体的な事業の実現を全庁を挙げて進めております。
 例えば、そのうち一つのタスクフォースにおきましては、今年度から、医療機器産業の振興を図るために、県内の中小企業と医療機関が連携して行う機器の開発に対する支援事業を始めております。
 この事業で現在進められている試作開発テーマとしては、県立こども病院のニーズに応じた、子ども向けの「ポータブル眼底カメラの開発」や人工透析患者の負担軽減を図るための「超音波を活用した血液流量計の開発」などがあり、本年度中に具体的な成果が出てくる見込みでございます。
 県としては、こうした取組によりまして、基幹産業でありますものづくり産業の成長期待分野への進出を積極的に支援してまいります。また今後、雇用の受け皿として期待される「情報通信」、「健康関連サービス」分野など、サービス産業の振興策につきましても、今年度中にその方向性の骨子を作成し、早急に具体化していきたいと考えております。


建設産業の基盤強化について

【本郷議員】
 今年2月の大雪の際ほど、除雪体制が脆弱になっていると感じさせられたことはありませんでした。そして、その中で感じたことは、除雪業務に関わる建設業の皆さんのご苦労であります。
 長野県では、いち早く、公共や県単の建設工事費を大幅に削減し、更に、コンクリートから人へという政策転換もあり、建設投資額に大きな期待ができない中で、入札制度も大幅に見直されるという、建設産業を持続することが、非常に困難な時期が、この10年余り続いてきました。
 何とか費用を圧縮して会社を維持するということで、大型機械は、リース化が進んでおり、更には、若い人たちが将来に希望を持って就職するという環境ではなかった時期を経てきております。
 道路という基幹的なライフラインが維持できない程に、建設産業が追い込まれていることを、多くの県民も、初めて知ったのではないかと思うのであります。

【阿部知事】
 建設産業の基盤強化についてでございます。本年2月の大雪、あるいは今年の夏の豪雨災害をはじめ、様々な局面で建設業の皆さま方には、昼夜を分かたず大変な御尽力をいただいております。この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
 建設産業、公共投資の縮小など経営環境が変化する中で、従事者の高齢化や技術者の減少などの課題を抱えております。
 他方で、社会資本の整備やメンテナンスを通じて地域社会を支えていただく重要な産業であると考えております。
 「しあわせ信州創造プラン」などにおきまして、中期的な目標を定め、計画的な投資を進めると同時に、維持修繕に係る予算の重点的な措置、あるいは景気動向を踏まえた補正予算、また、債務負担(ゼロ県)の活用による端境期対策など、年間を通じた発注にも配慮してきております。
 また、本年4月1日に施行しました「長野県の契約に関する条例」に沿いまして、受注機会の確保、あるいは技術の継承などの取組を進めていきたいと考えております。
 これからの公共投資は、限られた財源の中、選択と集中により着実な投資効果の発現とともに、既存ストックの有効活用に意を用いることが必要だと考えております。

【本郷議員】
 加えて、トンネルや橋梁など、道路の重要工作物の寿命という危険も、クローズアップされてきたところであります。今までに整備された社会基盤を、どのように維持していくのかは、財源も含めて大きな課題でありますが、その基盤のメンテナンスを行う産業として、建設産業の重要性は、再認識されるべきと考えます。
 建設産業の土木部門は、国や地方自治体が発注主体の大半を占めていますので、公共投資の基本的な方向付け、発注の平準化対策など、中長期的な整備方針や、そのための財源確保策などを示していくことが、極めて重要と考えますが、いかに対処されていくお考えなのか、知事にお伺いいたします。

【阿部知事】
 持続可能な財政運営を行う観点からも、とりわけ、インフラの維持管理については、中長期的な見通しを持ちつつ、事業を進めていきたいと考えております。


信州まつもと空港について

【本郷議員】
 平成6年にジェット化開港し20年が経過した松本空港は、関係者の努力により各就航便も高い利用率を上げているが、方向性としては次のステージを目指すべき時期に来ていると考える。長野県の高速交通整備の中核を担うべき松本空港を次のステージに引き上げるため、今後如何に取り組むのか具体的な見解を伺う。

【阿部知事】
 信州まつもと空港が、本県交通体系の中でより大きな役割を果たすためには、現在の福岡便・札幌便の複便化、大阪便の運航期間拡大はもとより、国内の国際空港あるいは東アジアまでを視野に入れた就航路線の拡充等、こうしたことについて具体的に考えていかなければいけないと思っております。
 まずは、旅客需要等の基礎的調査を早急に実施したいと思います。また、専門家の意見をお聴きしながら、MRJ等新しい航空機材の松本空港への就航可能性等についても検討を行い、来年度には、県としての「路線拡充と空港機能強化に向けた方針」を明確にしていきたいと思っております。
 その上で、必要な施設整備も含めて、松本空港の抜本的な活性化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。


教育に関する問題について

【本郷議員】
 次に教育に関する問題について何点かお伺いいたします。昨今の教育問題と言えば教員の不祥事対策というような、本来あってはならないし、問題として議論すべきでないようなことが、教育問題の全面に出てきていることに忸怩たる思いを持っております。しかも、多感な子どもたちの模範となるべき教師が反社会的な行為を行うことにより、教育そのものの信頼を失うことになるのは間違いありません。そしてこの問題は、長野県ばかりでなく、全国でも頻発していると言っても過言ではないと思います。
 テレビで教育長や校長先生が頭を下げて謝罪している映像が何度も流れ、あってはならないことが起きてしまい、綱紀を粛正すると表明されても、その効果が上がらぬうちにまた不祥事がという、何とも言えない状況が現出しているのであります。
 これらは、どこに原因があると考えればよいのでしょうか。これだけ頻出すれば、教員個人の責任に帰すだけではなく、組織運営上にも問題があると考えるのが当然だと思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。

【教育長】
 まず、教員の不祥事の原因についてのお尋ねをいただきました。不祥事を起こした教職員本人から聞き取りをいたしますと、他で起きた不祥事を自分事として捉えられていなかったなど個人の資質に基因することが根本にはあると認められますものの、周りに悩みを相談できる人がおらず孤立感を覚えていたなど、組織に関する課題があることも窺えるところでございます。
 また、様々な問題を学校だけで抱え込むなど学校自体の運営面の課題も存在しており、「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」の提言におきましても、学校運営のあり方の見直しの必要性が指摘されたところでございます。
 こうした点を踏まえ、県教育委員会では、学校における風通しの良い職場環境づくりや地域に開かれた学校づくりを進めているところであり、今後もこうした取組を含め、様々な施策を実施し、教員の不祥事防止に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

【本郷議員】
 経済協力開発機構から先般、主として日本の中学校と同等クラスの先生を対象とした国際教員指導環境調査の結果がレポートされました。それによりますと、日本の先生は、国際比較の中では、相当忙しく負担が大きいことが分かります。日本の先生の1週間の労働時間は53.9時間で、調査対象の国の平均が38.3時間ですから15時間以上多く働いているということです。内訳を見てみますと、授業に使った時間は平均より少ないとのことで、課外活動や一般的な事務仕事が多くなっており、授業以外のことに忙殺されている姿が浮き彫りとされてきております。非違行為を起こすのは一部の先生で、多くの先生は教育現場で真摯に対応しておりますし、これを裏付ける客観的なレポートが先生たちの真の姿を現していると思います。先生方の忙しすぎる状況を早急に改善し、先生方に自信をつけていただき、正当な評価の下に学校現場における運営を進めていくことが昨今の不祥事への対策につながるものと考えますが、いかがでしょうか。
 そこで、教育長にお伺いしますが、この経済協力開発機構のレポートをどのように評価しているのでしょうか。また、先生方の多忙な状態を改善するための方策を早急に取るべきと考えますが、所見を併せてお伺いします。

【教育長】
 次に、経済協力開発機構の調査結果の評価と改善の方策についてのお尋ねでございます。本年6月、経済協力開発機構が発表いたしました中学校教諭の勤務状況に関する調査結果によりますと、週当たりの勤務時間は日本が53.9時間と調査参加国中、最長でございます。特に部活動などの課外活動に当たる時間が長いことが、主な要因となっていると認識してございます。
 長時間勤務につきましては、本県におきましても同様の課題があり、県教育委員会では、教職員の時間外勤務時間の縮減を始めとする業務の改善について、解決すべき喫緊の課題と受け止めております。
 このため、今年3月には、「教職員の業務を改善し、子どもと向き合う時間の確保・充実を図るための総合的な方策」を策定いたしまして、公立小中学校の時間外勤務時間を本年度から毎年10%程度、3年後に30%程度の縮減を目指し、各学校に対して、教職員の勤務時間の把握や時間外勤務の原因分析を行い、業務改善計画の策定を求めているところでございます。
 また、県教育委員会といたしましても、各種会議や調査等の見直しや中学生期のスポーツ活動指針に沿った適切な運動部活動の推進など、教職員の時間外勤務時間の縮減を始めとする業務改善に取り組んでいるところでございます。

【本郷議員】
 さて、地方教育行政法の改正により、首長の権限が強化されることになりました。従来は政治の教育への介入を避けるように教育委員会が運営されてきた訳ですが、いじめ問題への対応など、責任の所在が判然としていないということもあり、首長に責任を持たせる方向での改正で、知事も主張されてきたことが法制化されたと捉えております。
 そこで知事に伺いますが、信濃毎日新聞の対論の中で、知事の発言として「最終的に知事が責任をとる仕組みと、すべてにおいて権限を振りかざすことは、必ずしも同じではない。」との記事が掲載されておりました。知事は今回の改正を受けて、教育委員会とどのような関係を構築したいと考えているのか、この際お伺いいたします。

【阿部知事】
 順次ご質問にお答え申し上げます。まず教育関係、教育委員会との関係構築についてでございます。教育、人づくりは、すべての施策の基本だと考えております。教育行政は、子育てや青少年の健全育成、地域振興、文化振興等々、知事部局として所管する様々な分野と深く関わりがあるというふうに考えております。
 教育委員会とはこれまでも、連携を図りつつ本県の教育行政の充実に努めてきたところであります。こうした連携を一層深めていくという観点で、総合教育会議を年内に設置することといたしたところであります。こうした場を活用して、教育委員会とは忌憚のない、率直な意見交換をさせていただき、目指す方向性をしっかりと共有をしていきたいと考えております。

【本郷議員】
 少子化の歯止めがなかなか効かないまま、学齢期の子供は確実に減少しており、社会的な移動を積算対象としなければ、これからの児童生徒の規模はかなりの精度で予測できるので、着実・計画的な学校の統廃合をどのようにしていくのか、地域の皆さんと論議を重ね結論を出していかなければなりません。残された時間もそう長くはないと思っています。地域にとって学校はシンボルでもあり、地域活力を維持する上で極めて重要な施設ですから、この調整には教育委員会だけではなく、地域振興を担う知事部局も積極的に関わらねばまとまらない事案も出てくると思います。地域高校の存続に多くの県民の視線が集まっていますが、知事はこの問題にどのように対処していく所存なのか、お伺いいたします。
 県立の中高一貫教育校が屋代についで諏訪清陵にも設置され、県下各地から生徒が集まっています。長野県は全国4位の面積を有し 南北に長く、山や川で生活圏が分断され、あたかも信州合衆国という様相で、交通の便も生活圏も跨ぐ地域は枚挙にいとまがありません。県立の中高一貫教育校の整備も地域バランスを考えて統廃合だけでなく、知事の公約である人材育成に繋がるよう積極的に対応することをこれは強く要望しておきます。

【阿部知事】
 地域高校についてでございますが、地域高校、高等学校のあり方については、本県の地域振興あるいは産業振興、さらに今テーマとなっている地方創生そうしたものと、重要な関連性を有していると考えております。このため、今後の高等学校の将来像検討におきましては、地域の活性化、地域の産業を担う人材の育成等、地域振興あるいは産業振興の観点から各部局の施策と積極的に関連を図っていくことが、ご指摘にもありましたように重要な視点だと考えております。
 私も地域の皆さんの声を充分お伺いするとともに、今後設置いたします「総合教育会議」を活用するなどして、教育委員会と充分に連携を取りながら、進めていきたいと考えております。


新県立大学について

【本郷議員】
 新県立大学が、県内の高校生に真に魅力あるものとして評価される必要がある。また、大学を卒業しても大半の学生が県外に就職してしまうことにならないよう、今から準備していく必要があると考えるが、今後、県内既存大学との高等教育についての合意形成・連携が進み、予定通りの開学ができるのか、改めてその見通しと対応策を示していただきたい。
 また、開学時に受験年齢を迎える生徒に対する県立四年制大学の独自性とアドバンテージをどのように考えているのか、所見を聞かせていただきたい。

【阿部知事】
 新しい県立大学についてでございます。予定どおりの開学ができるのか、そして独自性とアドバンテージについてというご質問でございます。
 先月初め、安藤理事長予定者、金田一学長予定者に、私立大学の学長の方々とそれぞれお会いいただいているところでございます。
 お二人からは、新しい県立大学をつくることに対して、それぞれの私立大学の学長からエールをいただき、同じ大学人という立場で、率直な意見交換ができたと伺っております。
 今後、長野県の高等教育振興に共に取り組んでいくこと、また、引き続き意見交換をしていくということで、各大学の学長と意見が合致したということでございます。お二人を中心として、各大学の皆さんと意見交換を継続していく中で、県立大学構想について、今後の具体化についてご理解を得ていきたいと考えております。
 私立大学からは、県としても志を下げることなく質の高い大学をつくるということをご要望いただいてきております。安藤理事長予定者、金田一学長予定者、お二人とも高い志を持って大学を実現していこうという強い意志をお持ちであります。平成30年の開学に向け、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 また、県立大学の独自性とアドバンテージということでございます。学長予定者の金田一先生は教育重視の大学という視点で考えていただいておりますし、私も同じ考え方でございます。
 例えば、地方の小規模な大学だからこそできることがあるだろうと、大規模校ではできない少人数でフェイス・トゥー・フェイスの質の高い教育を行っていきたいと考えております。
 また、「厳しい大学」であり、「身に付く大学」にしていかなければいけないと思っております。日本の大学生、アメリカの大学生等と比較して勉強しないということをよく言われるわけであります。新しい県立大学では、全寮制も活かしながら、学習習慣そして健康な生活習慣を身につけさせていきたいと考えておりますし、また初年次教育を重視する中で、入学したときのやる気を持続させ、学ぶことはおもしろいことだと思ってもらえるようにしていきたいと考えております。こうした観点で全寮制ということは、効果があると考えております。
 また、全ての学生が海外プログラムを履修あるいは地域の企業の皆さんにご協力いただく中で地域の企業と連携したインターンシップを行っていきたいと考えております。こうしたことを通じて、未来を担う若者たちが夢をかなえることができる大学にしてまいりたいと考えております。多くの県内高校生の皆さんに志願していただけるように、私どもとしてもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。


県土の均衡ある発展について

【本郷議員】
 知事は今回の選挙を通じて県内を一巡し、地域の皆さんの声をしっかり受け止められてきたと存じます。その中で、県都が県の北よりにあることから、かつては信州南北戦争と言われた分県論や県庁移庁論があったように、県内各地の県政を見る目は、今日でも地域ごとに大きく異なっているように思っておりますが、知事はどのように受け止められておるのでしょうか。
 特に、県土の均衡ある発展という言葉は、誰から見ても、県内のどの地域から見ても、長野県政に寄せる期待を総花的に表すフレーズでありますから、その方針について批判はありませんが、具体的な施策を展開する場面では、県民が望む県土の均衡ある発展に関して意見が相違するということも往々にして出てまいります。地域から選出される我々議員としては、執行機関とは異なる観点から県民意見を集約していくという、合議機関としての議会に課された使命を今後も果たしていく所存でありますが、知事の基本認識について、二期目のスタートにあたり改めて伺います。県土の均衡ある発展ということについて、知事はいかに受け止め実践していこうとしているのか、基本的な考え方をお聞かせください。

【阿部知事】
 各地域の県政を見る目に対する受け止めというご質問でございます。広大な県土を有している長野県、地理的・社会的に様々な個性・魅力を有する県であります。
 今回の選挙戦を通じて県内くまなく回らせていただくなかで、改めて、県庁からの距離感というもの含めて様々、それぞれの地域の皆さんの思いがあるなということを改めて認識したところでございます。行政の利便性の向上等によって、県政をより身近に感じていただける取組ということをしていかなければいけないと思いますし、また、様々な特色がある県土を抱える長野県として、それぞれの地域の皆さんの思いにしっかりと寄り添った取組が重要だろうと思っております。
 県土の均衡ある発展ということでございますが、分野によって、施策によって、大きく県全体をしっかり見ていかなければいけない施策と、各地域の個性・魅力を伸ばしていく視点との2つが必要ではないかと考えております。
 福祉、医療、あるいは教育といった基本的な行政サービスにつきましては、どの地域でもあまねく提供していくことが重要だと思います。
 また、まちづくり、地域の活性化については、各地域の思い、そして取組、こうしたものを尊重しながら地域の個性を伸ばしていくことが重要だと考えております。
 こうした視点を持ちながら、「確かな暮らしが営まれる美しい信州」の実現に取り組んでまいりたいと考えております。

【本郷議員】
 移動知事室について、現時点でどのようなスキームで実施しようとしているのか。また、地方事務所の機能強化についてもどのような方針で臨むのか伺う。

【阿部知事】
 移動知事室についてでございます。長野県は県庁への移動に多くの時間が必要な地域がございます。こうした地域の皆様が県庁にお越しいただく際には、時間的あるいは金銭的にも負担があるという状況がございます。こうした皆様方の負担についても配慮しなくてはならないと思いますし、また、それぞれの地域の皆さんの思いや声といったようなことを、私としても、また県全体としてもしっかりと受け止めて、尊重していくことが重要だと思っております。
 これまでも、タウンミーティング等の開催もしながら、県の各地訪問してまいりましたが、移動に多くの時間を要し、また、単発の用務でうかがうと、用務が終わればまた長野に戻って仕事ですとか、そういうことも多々ございました。
 移動知事室は、私が地域へお伺いをして、一定期間一つの地域で腰を落ち着けて執務をしながら、各地の皆様方と意見交換をしたり、それぞれの地域をご訪問させていただいたりということで、長野県のそれぞれの地域の皆様の思いを直接お伺いすることが出来ると考えております。また、様々な立場の方のご意見、そして地域や現場の専門家のご意見をお聴きする中で、長野県としての課題の検討を行っていくということもできると思っております。
 加えて、やはり県政を進めて行く上では、県職員の協力ということも不可欠だと思っております。現地機関の職員ともこうした折にしっかりと意見交換するなどして、膝を交えて人間関係を作っていきたいと言うふうに思っております。こうしたことを通じて、それぞれの地域の思いをしっかりと受け止めて、そして、そうした地域の思いを具体化する上で重要な一歩をまずは上伊那地域で踏み出して行きたいと思っているところでございます。
 地方事務所の機能強化方針についてでございます。先程も申し上げたように、長野県、それぞれの地域の個性、特色がございます。私が出掛けて行くということだけではなくて、やはり、現地機関がしっかり現地の声を把握して対応していくことが重要だと思っております。これまで以上に現場のことについては、極力現場で対応できる形というものを、この地方事務所の機能強化の中でしっかりと考えて、県民の皆様方にとって良い形になるようなものを目指していきたいと考えております。

【本郷議員】
 さて、知事もあらゆる場面で人材育成の重要性に言及されていますが、県行政を担う県職員の人材育成についても急務であると考えています。とりわけ、地方事務所の機能強化ということになれば、どうしても考えておかなければならないことがあります。
 高速道路等を始め、高速ネットワークの急速な整備により、県内の通勤事情は大きく改善され、長野市を起点としますとその通勤範囲は松本市、大町市、中野市、佐久市等に大きく広がっております。
 これを異なる側面から見ますと、かつては通勤に長時間を要したため人事異動があると居所を在勤地周辺に確保する必要があった地域も現在では通勤可能地となっており、これが県行政に与える影響についても考えておかざるをえません。
 特に問題になるのが、災害時の対応であります。
 災害は勤務時間中に起きるだけでなく、夜間、休日等いつ起こるか予測不能であります。今回の広島豪雨災害は午前3時と、未明に災害が発生しました。また、台風災害等であれば、ある程度の準備期間が確保できるので、人的体制整備も可能と思いますが、大規模地震やこの度の御嶽山の噴火なども予測レベルがどの程度のものか判然とせず、準備時間がほとんどないだろうと想定せざるを得ません。
 その時、県内情報収集の拠点である各合同庁舎の人的体制整備がどのようなものであるのかしっかり確認しておく必要があると思っています。
 県内の合同庁舎で休日に突然地震災害が起きた場合、どのような人員配置が可能となるかシミュレーションしているならば、合同庁舎ごとに実態を教えていただきたいと思いますので、知事のご所見を伺います。

【阿部知事】
 次に、合同庁舎の危機管理体制についてのご質問でございます。県の合同庁舎におきましては、地方事務所をはじめとする現地機関等による地方部体制を構築して災害の対応別に非常時の参集体制を確保しております。各地方部におきましては、「災害応急対策活動要領」等を定めて、基本的に平日時間外そして土日・休日におきましては、職員2名程度を防災当番として指定して災害の発生に備えております。
 また、災害の影響によりまして自らの所属に参集できない場合であっても、最寄りの現地機関、市町村に参集することとしております。
 今回の御嶽山噴火災害には、今総力を挙げて対応中でございますが、発生当日、土曜日でございまして、発災後に第1回本部会議を開催いたしましたが、私も木曽の合同庁舎で本部会議に参加をいたしました。その際、合庁の職員約50名既に対応にあたっていたという現状でございます。
 非常時も想定した人員配置に今後とも努めていきたいと考えております。

【本郷議員】
 県職員の生活の本拠地がどこにあるのかという情報も重要となってくるが、県職員の生活本拠地を10広域別に見た場合、どのような状況なのか。【総務部長】

【総務部長】
 県職員の生活の本拠地の状況についてのお尋ねでございます。本年4月1日現在の県の一般行政職員数6,047名でございまして、これを職員の世帯の住所であります「生活の本拠地」、例えば職員が単身赴任している場合には、その家族が暮らす場所と捉えまして、10の広域別に見ますと、順次申し上げますが、佐久地域377名、上小地域378名、諏訪地域201名、上伊那地域396名、飯伊地域365名、木曽地域97名、松本地域1,004名、大北地域115名、長野地域が一番多くございまして2,843名、北信地域207名、そういう状況でございます。

【本郷議員】
 本県と同様に県土が広い新潟県では、県職員採用に「魚沼勤務」枠を設けたという記事を目にした。本県でもこうした視点を導入する必要があるのではと考えるが所見を伺う。

【阿部知事】
 勤務地域を限定する職員採用についてでございます。面積の広い長野県でございます。こうした御指摘を受けたわけでございますので、やはり私としては検討していかなければいけないテーマでないかと思っております。
 県職員が県内の様々な地域の勤務を経験していくということは、幅広い経験をする上で有意義な面もあると思っています。
 しかしながら、他方で、議員御指摘のとおり、災害対応を始めとして、職員の生活の本拠地ということも考慮した人員配置も必要だというふうに思っております。
 今後、人材確保に向けて職員採用の在り方を検討する予定でございます。勤務地域を限定する採用の必要性についても、他県の取組も参考にしながら、検討していきたいと考えております。


危険ドラッグについて

【本郷議員】
 危険ドラッグ使用による交通事故及び事件の発生状況等について

【阿部知事】
 本年は、8月未現在、長野県下において、危険ドラッグに関連して発生している事件・事故は、5月14日、中野警察署管内で発生した死傷者を伴う多重交通事故1件であります。なお、薬事法に係わる指定薬物事犯の検挙はありません。
 危険ドラッグについては、乱用した者による事件・事故が全国的に発生しており、依然として予断を許さない状況にあります。政府では、本年7月、薬物乱用対策推進会議において、危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策が策定され、これを受けて、長野県馨察ではこの8月8日に、各部門横断的な組織で構成する対策会議を開催し、危険ドラッグ対策プロジクトとして、「危険ドラッグ」対策に対する認識を共有し、組織的に取り組むべき3点の対策について、意思統一を図ったところであります。
 具体的には先ず、1点日として、「実態把握と指導の徹底」であります。 現在のところ、県内で危険ドラッグを販売している店舗は把握しておりませんが、情報収集活動を強化しており、今後、危険ドラッグを販売する可能性のある店舗を把握した場合には、その経営者、管理者(店長)に対して、県薬事管理課と連携し販売自粛等の指導を、行うこととしております。
 次に、2点目として、「取締りの徹底」であります。交通事故捜査等のあらゆる警察活動において、危険ドラッグを念頭に置いた捜査を推進して各種法令を駆使し、乱用者及び供給源に対する積極的な取締り等に努めて参ります。
 最後に3点目として、「広報・啓発活動の推進」、であります。薬物乱用防止教室の開催のほか、交通安全教室、防犯教室等の各種会議・会合やミニ広報誌の発行、巡回連絡等あらゆる警察活動により、危険ドラッグを話題にした広報啓発活動に努めて参ります。

【本郷議員】
 新聞で情報を得たのでありますが、岐阜県では、危険ドラッグの濫用が社会問題化しているのを受け、危険ドラッグを独自に指定し、所持や使用などを規制する条例案を9月議会へ提出するとのことであります。
 そして同様の条例は、東京都など6都府県で施行されている状況です。本県でも、本年5月に中野市で19歳の少年が危険ドラッグを吸って車を運転し、1人が死亡、4人がけがをするという重大事故が起きています。その後も全国で、連日、危険ドラッグを使用して自動車を運転するという事案が度重なり、大きな問題になっているのは御承知のとおりです。
 長野県でこの事故が起きた時、その広がりの速さに驚くとともに、都会だけではなく地方都市もこうした社会問題のただなかにあり、平穏な生活を維持するためには毅然とした対策が、どうしても必要だと認識させられました。
 国の法整備が後手、後手になっている現状では、地方自治体がその持てる力を全力で発揮して、不幸な事案が起きないように、最善の努力をすべきではないでしょうか。
 知事には、警察と連携を強化して、条例化を視野に早急に取り組むべきと存じますが、所見を伺います。

【阿部知事】
 危険ドラッグに関してでございます。この危険ドラッグの問題、私も深刻かつ重要な問題ととらえて対応しなければいけないと考えております。
 条例についてのご質問がありました。今、全国的には、6都府県で条例を制定しているところでございますが、その主な内容は、法律による指定に先駆けて薬物を指定し、販売、所持等を規制しようというものでございます。
 こうした中ではありますが、国において、実は本年7月以降、従来3カ月程度かかっていた指定までの期間を、パブリックコメントの省略等によりまして、最短3週間程度に短縮したということで、かなり国の対応がスピードアップしてきている状況であります。
 こうしたことによりまして、法律による指定と条例の指定との時間差がほとんどなくなってきているという状況でございまして、9月末現在で、6都府県で条例による指定薬物はないというふうに聞いております。
 従って、現時点で直ちに条例の制定の必要性は少ないものというふうに考えておりますが、引き続き情報はしっかり収集していきたいというふうに思っております。
 なお、本県には現在、危険ドラッグを扱う店舗は確認されておりませんが、引き続き警察と情報共有をして店舗の把握に努め、発見された場合には、警察とも連携して立入検査を行うなど、迅速に取り組んでいきたいと考えております。


国土強靭化に向けた取り組みについて

【本郷議員】
 最後に、国土強靭化に向けた取り組みについて伺います。毎年、異常気象、異常気象と言い続けてきていますが、本年の夏の大雨は、観測史上初めてという一時間降雨量を各地で計測し、長野県では南木曽の土石流災害、そして広島の豪雨災害、さらには礼文島の豪雨災害など死傷者が出た災害だけでなく、床上浸水や河川の氾濫など日本中が豪雨災害のニュースに連日占拠されているような状況で、国土の脆弱性、県土の脆弱性を思わずにはいられない夏となりました。
 お亡くなりになられた方々に対しては、心からご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様には衷心よりお見舞い申し上げる次第であります。
 それにしても、2月の大雪から始まり台風災害、豪雨災害、御嶽山噴火と、自然の驚異を思い知りながら、これからも地域の発展を遂げるためには、災害に強い地域づくりが急務であると実感されています。
 さて、昨年十二月に強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法が成立し、大規模自然災害等に備えるには、事前防災・減災と迅速な復旧・復興に資する施策の総合的、計画的な実施が重要であり、国際競争力向上に資していくことを基本理念としています。
 そして、国土強靭化に係る指針として基本計画を定め、国土強靭化に関しては、国の定める整備計画等、他の計画は本計画を基本とするということで、この基本計画をアンブレラ計画と称しています。
 国土強靭化基本法第十三条では国土強靭化地域計画について規定し、都道府県が定めることができる計画で、その都道府県の地域における国土強靭化に係る当該都道府県の他の計画等の指針となるものとされ、個別事業については、重点化・優先順位付けを行うことが肝要で、組長の指導力がカギとされています。
 今年度は、モデルとなる地方自治体を選定し専門的知見に基づく助言等を通じ、地域計画の検討過程等について情報を収集、集約する調査を実施し、計画策定にあたってのノウハウ等の蓄積を図り、全国の地方公共団体等に提示し、共有することにより、地域計画の策定を全国的に促進しようとしています。
 長野県に隣接する山梨県、静岡県、愛知県、岐阜県がモデル地域として、この六月に選定されたと伺っています。
 本県もこうした動きを十分承知されていることと思いますが、火山噴火、土石流や地滑り等脆弱な県土の抱える災害の危険性の中に暮らしている県民の生活の安全を守るということは県政最大の課題であります。
 モデルに選定された県は一足早く準備が進むことになりますが、その調整過程も十分参考にして、本県の今後を左右するとも言える計画が、モデル県の水準を凌駕する計画となるよう、策定に万全を期していただきたいのですが、知事のご決意をお聞かせください。

【阿部知事】
 最後に国土強靭化に向けた取り組みでございます。これはやはり災害に強い県土づくり、これは長野県としても重要な施策として位置付けて、全力で取り組んでいかなればいけないというふうに考えております。
 この強靭化に向けた計画の策定につきましては、今回の噴火災害等を含めて、過去の災害経験、そうしたものを十分踏まえていかなければいけないというふうに思っておりますし、また、本年度末にとりまとめを予定しております新しい地震被害想定等も踏まえて、長野県の災害特性に詳しい精通された防災の専門家の意見も十分に取り入れまして、今までの取り組みにさらに重層的な施策となるように、しっかりと検討を進めていきたいと考えております。
 先行して策定いたします国のモデル調査実施県、あるいは本県と同じような脆弱性を持つ県の策定過程も参考にしていきたいと思いますし、また東日本と西日本の結節点としての地理的な特徴を生かすなど、広域的な視点を持ちつつ、綿密なしっかりとした計画にしてまいりたいと考えております。以上でございます。

所信表明
 今日、日本は戦後最大なる予断を許さぬ歴史の十字路に立っており、国・地方ともに新しい発想力をもって、この閉塞的環境に果敢に挑戦しなければなりません。
 なおかつ、政治経済の重心がアジア太平洋に移行しつつある中、数百年に一度とも思われる大転換点という認識に立つ時、これは産業革命以来ともいえる歴史的変化であり、まさに現代政治は新しいベクトルによる戦略性に富んだ政策と明確な理念を構想すべき、厳峻なる政治の時代となりました。
 このような潮流の中、無限の可能性を秘めた長野県は、成熟化という新たなる概念が到来し、結果、総合五ヵ年計画が策定され、この大きな時代の変化に対し、長野県自身の方向を定める意思決定機関として県議会が果たす役割は益々重要であり、県議会に対する県民の期待も大きなものがあると認識しています。
 私は、このような時代の変化に対応すべく、長野県議会が築き上げてきた良き伝統を守りつつ、常に時代に対応した改革の意識を持ち、長野県議会の発展に尽くしてまいりたいと思います。
 そこで、まず一点目は、地方分権の時代に相応しい議会についてであります。明治維新、戦後改革に次ぐ、第三の改革と呼ばれた「地方分権改革」について、国会決議がなされて以来、20年が経過しました。 明治維新は、約20年で国のかたちが大きく今日、日本は戦後最大なる予断を許さぬ歴史の十字路に立っており、国・地方ともに新しい発想力をもって、この閉塞的環境に果敢に挑戦しなければなりません。変わりましたが、「地方分権改革」は未だにパラダイムシフトと言えるまでには至ってはおりません。
 しかしながら、地方分権改革は着実に進めなければならないものであります。地方分権が、今後更に進めば、地方自治体の自己決定、自己責任がこれまで以上に問われることとなります。それに伴い、二元代表制の一翼を担う議会の責任が増すことは言うまでもありません。
 議会としても、知事、執行部において、県民にとって適切な事業展開がなされるよう厳格なチェック機能を発揮すべく、議会としての「監視機能」を一段と高めていきたいと考えます。これまで、長野県議会は、決算特別委員会の機能強化などに取り組んで来たところですが、更なる「監視機能」の強化に向け、どのような方策が良いのか、ご議論いただき、方向性を見出してまいりたいと考えます。
 また、議会には、執行部側と競えるだけの政策立案能力も求められるところです。議会の監視活動、会派や議員の政策立案などをサポートするため、議会事務局の機能強化に取り組んでまいります。
 それと併せまして、やはり地方分権の時代において議会が果たすべき役割、県議会議員の活動の実態なども踏まえ、地方議会議員の責務について地方自治法において、より明確に位置付けるよう、求めてまいりたいと考えます。
 二点目としては、「開かれた議会」「分かりやすい議会」を目指します。長野県議会における情報公開のレベル、政務活動内容、意見書、決議の提出数は全国トップレベルにあり、長野県議会は全国的に見ても「開かれた議会」であります。このことは活力ある議会活動の証左であり、今後とも誇るべき伝統を堅持するよう務めてまいります。
 更に、これからの議会には、議案の議決などについて、県民に対して説明する責務、いわば「議決責任」ともいうべきものを果てしていくことが重要ではないかと思います。申すまでもなく、社会工学的視点に立ては、政治は最も人間社会に強い規制力を持つ故に、県民へのそうした道義的責任を自覚し、県民への積極的なアプローチに務め、県民にとって長野県議会が更に「分かりやすい議会」となるよう、努力してまいりたいと思います。
 最後になりますが、地方自治法では、「議会の議長は、議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理し、議会を代表する」ものとされております。
 議長とは、議会を代表し、会議を主催する立場にあるからこそ、その職務の執行にあたっては、公正中立さが特に強く要請されるものと認識しております。
 したがいまして、議会の運営にあたりましては、各会派や個々の議員のご意見に真摯に耳を傾け、常に公正・公平な立場で健全な寛容性を軸に、議論の過程を明らかにしながら議会制民主主義の本旨にのっとり、丁寧にその方向性を決してまいりたいと考えます。
 以上、申し上げましたことを私の基本姿勢とし、もとより微力ではありますが、県民の英知に満ちた選択と努力によって醸成された歴史・伝統・文化を尊重しながら、格調ある議会のもと長野県の発展と県民福祉の向上のため、誠心誠意、議会運営に務め、もって県民からの信頼性を一層高める県議会の造形に努力する所存であります。
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