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平成23年11月定例会 健康福祉委員会 本郷委員 質疑要旨
1.社会保障制度改革について
【本郷委員】
国では「社会保障と税の一体改革」の検討が進められており、県でも「現場の視点でとらえた社会保障あり方懇話会」を設置するということだが、長野県として今後の社会保障の展望についてどのように考えているか伺いたい。
【清水健康福祉政策課長】
現行の社会保障制度の大きな柱は皆保険・皆年金であり、これは昭和36年にできたものだが、その頃は平均寿命が男性65歳、女性70歳程度で今より15年くらい短い。合計特殊出生率は2を超えており、高齢化率も6%くらいだった。景気は高度経済成長、岩戸景気で2ケタの成長があった。今は少子高齢化が進み、就業形態なども変わり続けている。
社会保障ニーズが増加する中で世代間の給付と負担のバランスなどの課題にしっかりと対応し、同時に中長期的に持続可能な制度としていくため、給付の重点化、制度運営の効率化とともに、安定的な財源の確保が求められている。
地方に関係することについては、地方単独事業の扱いをどう考えるか、医療保険の広域化の対応をいかにすべきか、税配分をどうするかなどの課題がある。
このことについては、国に対し、寿命が長く、医療費が少なく、保育も充実している長野県から提言するとともに、県として対応が可能な施策については、取り入れていく。
2.TPP交渉について
【本郷委員】
TPP交渉への参加について、中長期的に皆保険制度に影響が及ぶとの懸念もあるが、医療分野への影響としてどのようなことが予想されるのか。
【清水健康福祉政策課長】
11月に三師会で声明が発表されるなど、懸念の声がある。それによると、混合診療の全面解禁で保険対象の医療が縮小するとされている。また、医療への営利企業の参入、薬価の問題など、これまでにアメリカが要求してきたことがTPP交渉の中で改めて要求されることを見越しての懸念であると思われる。
交渉の対象となっている21分野の中に、医療のことは直接にはなく、社会保障制度に交渉が及ぶことはないのではないかと言われている。また、2国間交渉でもそういった事例はないとか、あるいは混合診療も一部解禁されているが影響は出ていないという意見はあるものの、医療がTPP交渉の対象になる恐れはあるとされている。政府は、仮にこれらの議論がされても、国民皆保険制度を維持し、必要な医療を確保していく姿勢に変わりはないと説明しているが、慎重な対応が求められる。
【本郷委員】
県として、どのように対応していくのか。
【清水健康福祉政策課長】
11月末に知事、副知事、部局長で構成する「国際的な経済連携に関する対策会議」を設置した。
当面は、関係国協議の進展を注視していくが、健康福祉部としては、根幹である社会保障制度の維持が大切だと考えている。
3.第6次長野県保健医療計画について
【本郷委員】
第6次保健医療計画に着手したと聞いているが、4年目を迎える第5次保健医療計画の進捗状況はどうか。
【山本医療推進課長】
第5次保健医療計画については、毎年、施策と数値目標について、進捗状況の評価を実施している。全体的に見て、施策については、おおむね順調に展開しており、数値目標については、DMATを有する災害拠点病院数は達成しているが、医師数、小児救急医療体制整備についてはまだ達成しておらず、計画期間があと1年あるので、達成に向けて引き続き努力していきたい。
【本郷委員】
第6次に向けての国の考え方は示されたか。
【山本医療推進課長】
国は基本指針策定に向けて、11月18日に第8回の検討会を開催したようであるが、国の方針が出るのは、来年1月頃になる見込みである。
【本郷委員】
第5次と第6次の差異・ポイントは何か。
【山本医療推進課長】
国の検討状況や、議論の経過を見ると、現在のがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4疾病に精神疾患を追加して5疾病にすることと、二次医療圏が人口20万人規模を目安に検討されていることがポイントである。また医療と介護の連携である在宅医療も柱に検討されていると聞いている。
【本郷委員】
第6次保健医療計画策定に向けての現在の準備状況はどうか。
【山本医療推進課長】
11月2日に第1回保健医療計画策定委員会を開催し、計画策定に向けて着手したところであり、年明けにはワーキンググループ(WG)を開催していきたい。今後は、5つのWGを設けて、専門的なご意見をいただきながら、検討を進めていきたい。
【本郷委員】
議会でも中期総合計画の研究会が発足する予定になっているが、中期総合計画との整合性はとっていくのか。
【山本医療推進課長】
中期総合計画との整合性を図って、計画を策定していきたい。
4.介護センターについて
【本郷委員】
介護センター廃止に伴う条例の改正案について、介護センターは、16年の歴史の中で重要な役割を果たしてきたと思うが、センター設置当初の役割と現在の役割について伺いたい。
【吉川地域福祉課長】
平成7年に介護保険制度の知識・技術の普及、特に介護機器の普及を目的に設置された。平成12年にスタートした介護保険制度は、課題を持ちつつも普及してきた。当初、ヘルパー養成研修も実施していたが、民間でも養成できるようになり、役目を終えて、現在は、ケアマネ研修を実施している。
制度の立ち上がり時期、民間が育つまで研修を実施してきた。現在、ケアマネ研修を直営で実施している都道府県はほとんどない。介護機器も16年前のものが多く、民間に任せることが適当である。
【本郷委員】
健全な意味での官から民への流れと認識している。今後、研修については、どのような機関を指定していくのか。
【吉川地域福祉課長】
県社会福祉協議会を県福祉人材研修センターとして、唯一指定しているので、できるだけここに一元化していきたい。蓄積したノウハウを十分活用できると考えている。
【本郷委員】
社会福祉協議会は複合的な要素を持っており、専門性も高い。研修受講者に不利益がないよう総合的な配慮をお願いしたい。
5.看護師確保について
【本郷委員】
民間の看護師養成校への補助を拡大できないか伺いたい。
【山本医療推進課長】
県も国に対し補助金の増額について要望している。今年度、一部は拡充されたが、今後も継続的に増額要望を行いたい。
【本郷委員】
慢性的な看護師不足に対処するために、看護師確保対策室を設置し、課長職の看護師を配置することはできないか伺いたい。
【山本医療推進課長】
県では医療推進課内に看護係を置き、保健師、看護師を配置し、他の医療対策と併せ、総合的に看護師確保対策を行っている。なお、他県にも看護師確保単独で室を設置した事例はなく、今後も医療推進課において、総合的に対策を進めたい。
6.歯科保健について
【本郷委員】
歯科保健事業実施における県単独予算の確保を要望する。
【小林健康長寿課長】
歯科保健事業については、国庫補助メニューの活用だけに頼っていられない。計画策定の協議会の中でも検討し、予算の確保、事業の実施に取り組みたい。
【本郷委員】
県民歯科保健実態調査結果では、成人の定期的な歯科健診を受けている者の割合は前回調査と同様に低い現状であり、青・壮年期における歯科健診事業が充実できる基盤整備をお願いしたい。
【小林健康長寿課長】
昨年、県民歯科保健実態調査を行ったところ、青・壮年期の歯周疾患者が、前回の調査よりも増えていることが浮き彫りになっている。大人の歯周疾患は歯を失う大きな原因ともなるので、歯科健診事業の重要性は認識している。現在、健康増進法に基づき、市町村が行うとともに、事業所でも行われている。県の協議会の意見も聞きながら、効果的な実施方法、体制整備について検討していきたい。
【本郷委員】
在宅歯科医療連携室整備事業を本年度から実施するということだが、継続実施できるよう要望する。
【小林健康長寿課長】
在宅要介護高齢者や障害者のQOLの大きな課題である歯科保健は重要と考えているが、今まで、在宅の方々について具体的に把握する仕組みがなかった。現在、県内の在宅の方々の口腔衛生についても、条例に基づく計画策定に合わせて、実態の把握を始めている。
また、在宅で困っているとき、相談できる窓口を設置し、訪問歯科を行う歯科診療所の情報も備え、歯科医師への橋渡しができるような事業を計画し、今年度中に開始する予定である。歯科医師、歯科衛生士、介護の現場の方々の資質の向上も含め、在宅の歯科を向上させていきたい。
【本郷委員】
在宅歯科医療に従事できる資質の高い歯科衛生士の育成・確保についてお願いしたい。
【小林健康長寿課長】
歯科衛生士は歯科診療所で、歯科医師の補助的な役割を担っているが、在宅に出るということは、診療所の業務とは大きな違いがあり、人数がそろえばよいということではないと認識している。どのように歯科衛生士に、在宅の口腔ケアを担ってもらえるか、歯科衛生士会と協議しながら、歯科衛生士が活躍できる環境整備を進めていきたい。
【本郷委員】
歯科技工士会への講習会、研修会への費用の補助をお願いしたい。
【小林健康長寿課長】
県の歯科保健推進とどのように協調して進めていくか、協議の場で意見を頂きながら、取組んでいきたい。
7.災害時の薬局開設対応及び在宅医療について
【本郷委員】
東日本大震災において、薬局が壊滅的な被害を受けたため、臨時となる薬局の開設を検討したが許可には至らなかった。災害時は行政の柔軟な対応及び災害時の拠点薬局の設置が必要ではないか。
【丸山薬事管理課長】
災害発生時等の緊急時における、いわゆる「あおぞら薬局」などの許可については、今回被災した3県及び薬剤師会との情報交換により情報を共有し、問題点を整理した上で、今後の対応に活かしていきたい。県では薬剤師会と災害時の薬剤師の派遣に係る協定も締結しており、その中でも考えていきたい。
【本郷委員】
在宅医療の支援、推進のための基幹となる薬局の整備や、医薬品・衛生材料の供給体制の整備等に係る予算措置をお願いしたい。
【丸山薬事管理課長】
在宅医療については、現在診療報酬上からも議論されているところであり、国の状況を見ながら検討してまいりたい。
【本郷委員】
医薬品の進歩は急速なものがあり、関係機関との連携、情報共有を一層図るようお願いする。
8.柔道整復師の業務について
【本郷委員】
柔道整復師会は、県と災害時に応援協定を結んでいるが、柔道整復師は、搬送役に回るのではなく、軽症被災者に対して、応急の仕事をすることを認められないか伺いたい。
【山本医療推進課長】
内容を確認して、今後対応できるものは対応していきたい。
平成23年11月定例会 健康福祉委員会 本郷委員 質疑要旨
1.社会保障制度について
【本郷委員】
県予算に占める健康福祉部の予算の推移はどうなっているか。また、県の社会保障給付の動向はどうなっているか。
【清水健康福祉政策課長】
23年度当初予算だと、民生費は1128億円で県予算の13.3%、衛生費が226億円で2・7%、計16%となっている。
過去の推移を普通会計の決算ベースでみると、20年前の平成2年には県予算8380億円に対し民生費は420億円で5%、平成12年には1兆580億円に対し690億円で6・5%、平成20年には8160億円に対し950億円で11・7%と、金額も比率も倍以上になっている。
県民所得と社会保障給付をみると、平成2年に県民所得が5兆8000億円に対し、社会保障給付は8500億円で14・5%、平成12年には6兆7000億円に対し1兆2800億円で19%、平成20年には5兆9000億円に対し1兆6000億円で27%と、こちらについても金額、比率ともに、ほぼ倍になっている。
2.県立病院の運営課題について
【本郷委員】
自治体病院の7割は赤字で、民間病院の経営も苦しく、今後総合病院の経営は相当な努力と才覚を持たなければ維持できないのが現実である。
こういった社会的背景の中で、独法に移行した県立病院に対する評価委員会の初年度の評価は、結論として「着実な第一歩を踏み出していることを確認できた。このまま行けば中期計画の達成の可能性は高いと思われる。」というものであった。
これは初年度の評価として認識しているが、評価書に記載されていない課題があれば、ご提示いただければと思う。
【小林県立病院機構連携室長】
評価書における様々な課題は、機構において、今後の病院運営に反映していただきたいと思っている。
プラスの評価の中には成果が上がったものもあるが、一方で、初年度に取り組んだことに対する評価というものもある。
具体的には、評価できる取組の中に看護師確保に対する積極的な取組があるが、現実的には確保が難しいという問題がある。随時採用、修学資金貸与制度の創設など様々な取組を行っているが、今一歩踏み込んだ努力が必要かと思っている。
このような課題は、中期計画の残りの3年半の期間の中で結果を出していかなければならないと思うが、今後、毎年の評価委員会による評価を踏まえて、注視していきたいと思っている。
【本郷委員】
独法化は長野県の病院経営の一つのモデルともなり得る。全体像をよく見ていただいて、病院ごとの地域における意味合い、歴史を踏まえながら、より健全な医療体制が堅持できるようにご指導願いたいと思う。
3.長野県地域医療支援センターについて
【本郷委員】
医師確保対策については、これまでも県政の最重要課題の一つとして取り組まれているが、10月に医師確保対策室に地域医療支援センターを開設されるとのことだが、新たなセンターの役割や設置の効果について、見通しを伺いたい。
【眞鍋医療政策監兼医師確保対策室長】
地域医療支援センターについては、主に県内の医師の地域偏在解消を目指して設置する。平成18年頃から、医師不足が深刻になって以来、医師確保対策については、目の前の対策と中長期的な対策ということで、大きく2つに分けて取り組んできた。
中長期的対策として、平成18年度から取り組んできた修学資金の貸与者が、平成26年度頃から本格的に出てくることになるが、この方々に地域医療に貢献していただくこと、また、キャリアパスをどうしていくかという問題が出てきていることから、この方々が将来的に歩んでいく道をきちんと作ってあげたい、そして支援していきたいということで、センターを設置した。
国でもセンターについては、医師の偏在解消のためのコントロールタワーと位置付けている。
センター長は医師確保対策室長が兼務し、相談等にあたる専任医師には信大の医師をお願いしたいと考えている。
【本郷委員】
長野県の特徴として中山間地や限界集落が多く、あらゆる問題のベースに過疎の問題があり、偏在は大きな問題であり、地域独自の事情がある。センターが当初の目的を達成できるよう指導を発揮していただきたい。
4.地域生活定着支援事業について
【本郷委員】
 地域では再犯防止につながる大事な事業であるが、事業仕分けで要改善、民間委託等の実施という結果となったが、事業の概要と本県の実施状況について伺いたい。
【吉川地域福祉課長】
出所者の中に高齢者、障害者が多いことから、一昨年度より、厚生労働省が始めた事業で、直接地域に入るのが難しい方の調整のため、各県に地域生活定着センターを設置した。
長野県と石川県が直営で、他県は民間団体が実施しており、今年度までに全国に設置される予定。
長野県も昨年度センターを設置し、住所の無い方や、北海道等遠方の難しい方も含め、12人のコーデイネートを実施した。
【本郷委員】
刑務所定員がオーバーしている状況である。昨年滋賀県のセンターを視察し、非常に重要な事業と認識しているが、県直営を含めた今後の見通しは。
【吉川地域福祉課長】
直営の理由は、施設や市町村との調整が難しいこと、また、費用面で抑制できることから、県において、国庫10/10の補助で実施した。
県としても直営2年目を迎え、社会福祉士の資格を持つ職員の人事異動もあることから、今後専門知識のある民間団体へまかせていければと考えている。
5.社会福祉法人の新会計基準の制定について
【本郷委員】
社会福祉法人の新会計基準が制定されたが、大規模な制度改正となっており、公益事業・収益事業を含めた社会福祉法人の全事業が、この基準により会計処理するとなれば、社会福祉法人の現場職員に過大な負担や不安が生じる可能性があるので、県として今後どのように支援を行っていくのか。
【藤澤福祉監査室長】
新会計基準の導入は、社会福祉法人にとって大きな規模の改正であると認識している。
県内の社会福祉法人は、現在333法人あり、新しい拠点という考え方で数字を上げると、全部で1012拠点が生じることとなる。
新会計基準へ移行するにあたっては、今までになかった観点に立って、経理処理を組み立てていくこと、また経理処理のためのソフトウェアの入れ替え作業が必要であること等が現場では大きな負担になっていく。このため、新会計基準の内容を理解するだけではなく、ソフトウェアの理解、またサービス種類ごとの業務の理解など、理解する分量が多くなる。
これに関しては、現在、県社会福祉協議会と共同で研修会を開催しているところである。具体的には、県社会福祉協議会主催の研修会に企画段階から参加し、現在、県下4会場で研修会を開催した。本日も塩尻市で実施されているが、全会場で450人位の方々に御参加いただいている。
今後は、移行するための作業に関する研修会を県社会福祉協議会とともに実施するだけではなく、福祉施設関連団体とも連携して支援してまいりたい。また各法人に対する指導監査を2年に1回実施しているので、その際にも指導してまいりたい。
【本郷委員】
私も縁があって社会福祉法人の理事や評議員に就任しているので、この件の報告を受けている。県で適切な指導を行っていることは承知しているが、社会福祉法人の規模によって温度差があることに配慮してほしい。大改正であるので、法人の職員がいい形で理解できるよう、また職員の負荷が軽減されるよう、指導を柔軟に行っていただきたい。
6.社会福祉法人の新会計基準の制定について
【本郷委員】
歯科保健の予算に関し、次の3点についてお伺いしたい。
まず、今年度の当初予算の国庫金は20489千円であったが、実際はどうか。半年を切った期間で事業は円滑に実施できるのかどうか。
次に、計画策定が24年度予算にどう反映されるのか。
次に、国庫補助金だけでなく県単独事業による予算を確保すべきではないか。
【小林健康長寿課長】
国庫補助金は19150千円で、内示率は93%であった。内示が遅くはなったが、県歯科医師会とも事前に協議を行っており、確実な事業の実施に努めていく。
計画は策定中であるが、条例にも記載されているフッ化物応用、高齢者への歯科保健、医科歯科連携などは重要性が指摘されており、24年度当初予算に組み込んでいく予定である。
また、予算については、国庫補助事業や県単独事業にこだわらず、必要なものは要求していく。
【本郷委員】
歯科衛生士養成と質の確保について、在宅歯科医療に従事できる歯科衛生士の確保に関しては、養成による質の向上が必要である。また、離職者も多く、未就業者への復職支援等の対策も必要であるが、どうなっているか。
【小林健康長寿課長】
県歯科医師会、県歯科衛生士会と協力し、在宅歯科医療研修会等開催している。しかし、離職者はその研修会の情報も届かないので、対応は困難だが、歯科衛生士会と連携して情報が届くようにしたい。
また、今年度より在宅歯科医療連携整備事業を立ち上げ、在宅歯科医療の充足を図る中で、歯科衛生士業務を県民に確実に届けられるようにしていきたい。
7.赤ちゃん「ほっと」ルーム整備事業について
【本郷委員】
市町村ではなく、民間事業者を実施主体としている。民間事業者に直接補助を行うということは、単なるその商店の顧客サービスになるのではないかという疑問がある。この点についてどうか。
【北澤こども・家庭課長】
 本来、子育て支援事業は、地域に密着したより身近な市町村が一義的には行うべきものであり、基本的に県は後方支援という立場であるが、今回は、長野県全域を対象に統一的に行い、これにより一定の方向性を示すなかで、民間も含めて県全体で子育てしやすい環境づくりに取組んでいくということで、この事業を考えた。速やかな経済執行という一面もある。この事業により整備した施設は、県のホームページ等で公表し、その旨を表示するなどして、誰もが気軽に利用でき、また、活用できる施設として広く県民に周知していきたいと考えている。
平成23年06月定例会 健康福祉委員会 本郷委員 質疑要旨
1.社会保障と税の一体改革について
【本郷委員】
社会保障・税一体改革成案が決定されたが、最初は消費税を2015年に10%に上げると言っていたが、2010年代半ばとアバウトになった。社会保障給付費は2011年に108兆円、2025年には150兆円にまで伸びる。消費税は1%当たり2.5兆円の税収が見込まれ、44%が地方に交付されるが、高齢者3経費の必要額とされる17.2兆円には足りない。このことは、財政学的に根が深い問題だ。今回の政府案に対し、長野県ではどう評価しているのか。
また、経済産業省でも社会保障に関する報告書を出しているが、こうしたことについてどう考えるか。
【清水健康福祉政策課長】
平成23年度の国の一般会計予算は92兆円で、社会保障関係費が29兆円。一般会計予算のうち公債費や地方交付税を除いた一般歳出予算は54兆円であり、社会保障費はこの半分を占める。低成長でGDPを上回る公債残があり、社会保障給付費も2025年には150兆円に拡大する。そうした中、昨年10月以来、社会保障改革が検討され、閣議に報告された。
中身を見ると、機能強化や重点化などの内容が具体的に明らかにされておらず、将来像が描き切れていない。地方の意見により、国と地方の協議、地方単独事業、税源の配分などについて6月中旬までに修正され、一定の評価を受けている点もある。しかし、踏み込みが足りない部分が多い。都道府県ごとの医療費は1.5倍の差があり、介護予防などによる費用の抑制を考えていくべきであり、引き続き国に対して提言していく。
経済産業省の報告については、県内の総生産額8兆円のうち、製造業で28%、サービス産業で2割強であるが、その差は縮小している。高齢化により福祉産業が増えている。福祉は労働集約産業であり、雇用面では有望だが、経済成長につながるかは疑問である。福祉も生産性を上げる必要があるし、さまざまな民間参入規制があることも課題である。
2.高齢者等実態調査結果の概要について
【本郷委員】
4万人の高齢者と900か所の介護サービス事業所の協力を得て大規模な調査を実施したことについて、敬意を表する。
調査結果の特徴的なことと言えば、在宅の高齢者の6割は、住み慣れた住宅での介護を希望していること、また一方で特養の入所必要者は3000名以上いることなどである。
本来、介護保険は、施設介護から在宅へという基本理念が出発であったと認識しているが、現状は特養、老健、ケアハウスなどが全部ダブってしまい、ケアハウスや老健も特養化してしまっている。
今回の高齢者実態調査の結果を踏まえ、どんな長野県モデルを創っていこうとしているのかお伺いしたい。
【有賀介護支援室長】
今回の調査は、3年に1度の定例なものに加え、非常に膨大な調査を実施し、結果については、各市町村にフィードバックをしている。議員ご指摘のとおり、介護保険のスタート時は在宅介護が中心であり、住み慣れた所で尊厳を持ちながら介護の社会化をしてみんなで支えていくというのがスタートで、今もその理念は変わっていないと認識している。しかしながら、独り暮らし高齢者や老老介護という現実もあり、核家族化が進む中で、希望は在宅だが施設入所を余儀なくされる人が多くいるのが実態である。
今回の調査は、全体では200頁になり、市町村ごとにみると、もっと細かい結果がわかってくる。
例えば中学校区などにおいて、どんな高齢者がいてどんなニーズがあるか、何が不足していて何を必要としているか、例えば施設が足りないとか、配食サービスが足りないとか、エリアごとにわかってくる。これらの結果をもとに計画を策定していくが、すぐにこういったサービスが実現されるものではなく、地域包括ケアが具体化するまでには3年から6年といった時間がかかるものであると認識している。
また、介護予防の面からも、介護の給付の対象とならないような元気でいられる方を増やしていくには、何が足りないかが今回の調査で分かってきたので、そういったこともあわせて今回の計画の中で対応していきたいと考えている。
【本郷委員】
結果について、複合的に分析し対応願いたい。
3.認知症高齢者グループホームの整備方針について
【本郷委員】
認知症が増えてきており、データによれば2015年までに、グループホーム、特養などは現在の何倍かの需要になると言われている。認知症高齢者グループホームの将来構想について、県はどう考えているか。特養、老健、グループホームがひとつのパッケージになると自己完結型になると思うが、将来構想を教えてほしい。
【有賀介護支援室長】
介護保険法の一部改正の説明をしたが、日本全体の問題として、認知症対策は改正のひとつの柱になっている。
資料13の参考にもあるが、グループホームの整備数は平成23年度の目標が2567という数字で、特に平成22年から平成23年にかけて、300以上も増えるという状況である。この数字は特養も同じだが目標を大幅に上回っている。これは経済対策などにより整備された分もあることによる。
将来的な見込みであるが、第5期の高齢者プランにおける市町村ごとの状況については、これから細かな調査をさせていただく。グループホームは地域密着型サービスとなり、市町村が主体となって整備していくサービスであるが、より一層伸ばしていく必要があると考える。具体的な数字については、年度末にご説明したい。
【本郷委員】
ぜひ、いっそうご努力願いたい。
4.新体系サービスへの移行について
【本郷委員】
障害者制度改革推進会議において、障害者自立支援法に替わる新たな法律について、平成25年8月の施行に向けて検討が進められているが、新たな法律が施行されるまでの当面の課題を埋めるための支援策はいかがか。
また、旧法施設は平成24年4月1日までに新体系サービスに移行しなければならないが、今後の見通しはどうか。
【佐藤障害者支援課長】
平成18年10月から在宅サービスは全て新体系に移行したが、施設サービスは平成24年4月1日までに新体系に移行することになっている。
平成18年9月30日現在の入所・通所施設は全部で150施設。徐々に移行が進み、平成22年10月1日現在の移行率は本県は47.6%、全国平均は56.7%。本年6月1日現在の本県の移行率は67.3%で、残り49施設である。
新体系移行等の支援として、臨時特例基金事業により、施設の改修・増築、備品購入等に対する助成を従前から実施しており、今補正予算案でもお願いしている。
また、報酬の日額化に伴う減収を補てんするための9割保障などのソフト対策も行っている。
今後の新体系移行に向け、事業者からの相談に親切に対応するほか、収支シミュレーションへの協力等を行い、24年4月に指定申請が集中しないよう、早期に指導していきたい。
5.自治体病院の赤字経営について
【本郷委員】
自治体病院の赤字の根源的な要因というのはどのあたりにあるのか。
【山本医療推進課長】
県内公立病院の平成21年度の決算状況は19病院中15病院が経常収支比率が100%未満という状況である。
こうした状態を受け、総務省が公立病院改革ガイドラインを作成し、それを受けて県でも市町村課で公立病院改革に関する基本的な考え方を取りまとめている。その中で、機能の分担と連携を進めていくことが重要とされている。
元々、採算性の面からは民間病院が提供困難なものを提供しているという面があり、一概には言えないが、医師あるいは看護師の不足が赤字の一因になっていると考えられる。
県立病院が全て黒字化した原因は、診療報酬のプラス改正に加え、独立法人化したことより経営の自由度が増しより、効率的な経営ができることにあると考えられる。
6.県立病院の運営費負担金について
【本郷委員】
22年度の県立病院の決算は、4億円近い黒字となった。一方、23年度に、県は一般会計から病院機構へ51億円出しているが、22年度は23年度と比べて1億8,000万円ほど支出が多かった。
支出が多かった理由と、この経費拠出の組み立ての中身についてお聞きしたい。
【小林県立病院機構連携室長】
県からの運営費負担金は、23年度は51億円で、22年度は52億8,000万円であった。これは、駒ヶ根病院の改築による初度調弁などで、22年度だけ1億8,000万円多かった。23年度以降は51億円で固定しようと考えている。
運営費負担金の積算の根拠は2つある。1つ目は県の一般行政的費用である。具体的には救急医療に関するもの、看護職員の養成にかかるものなどである。
2つ目は病院として採算ベースに乗らないものの費用である。小児や精神といった高度専門医療、へき地医療に係るものである。これらについては、一定のルールに従って、県が負担している。
【本郷委員】
過疎地域の医療は非常に重要である。先ほどの特殊要因を除けば、これからは51億円とのことである。そういった意味で、行政がサポートしていくという考え方は、県民の理解が得られる範囲だと思う。
均衡ある医療を受けるのは県民の権利でもあるので、4億円近い黒字を出したことを前向きに評価したい。
7.中長期的な医師確保対策について
【本郷委員】
国は医師数を増やしているが、マクロ的に考えた場合、中長期的な医師数の見込みはどのように考えているか。
【三村健康福祉参事兼医師確保対策室長】
国では、昭和の頃から医学部定員数を増やしてきており、ここ5年で1,200人ほど増加し、過去最大の規模となっている。今後は増加傾向が落ち着き、このまま右肩上がりで推移するとは考えづらい。
また、医師数の増加のほかに地域偏在の問題がある。本県では、直近の調査で400人以上足りないという結果が出ており、また、県内で廃止・休止している医療機関もあることから、この課題については、取組んでいかなければならないと考えている。
8.がんの粒子線治療施設について
【本郷委員】
がんの治療も進んでいて、陽子線治療とか、その上の重粒子線治療があり、国内で数か所しかないと聞くが、どんな状況か。
【小林健康長寿課長】
陽子線は水素を使い、重粒子線は炭素を使うものであり、治療施設は少なく、本年2月の状況で、陽子線治療施設は7箇所、重粒子線施設は3箇所、1箇所に両施設を備えるとことがあるので、箇所としては9箇所という状況である。
【本郷委員】
最先端技術と言うことだが、がんは2人に1人がかかると言われており、技術革新も必要と言うことで、質問させていただいた。
9.発達障害について
【本郷委員】
最近、発達障害者の問題が各自治体の重要項目になっているが、発達障害の定義は一言で言うと、どういうものか。
【小林健康長寿課長】
発達障害という言葉から先天的な障害、知的・精神等の発達上のことのように聞こえるが、実際には狭い意味で使われており、一言では、コミュニケーションの障害であり、社会生活上、支障が生じることが大きな特徴である。
【本郷委員】
本には、出生時や母体の中での影響があるとなっていたが。
【小林健康長寿課長】
現在確定された原因はない。一般に、病気や障害には先天的なものと環境的なものが原因となるが、発達障害の場合には、それがどのように作用してどうなるのか不明であり、何か一つをとらえて断定するのは適切ではないと考える。
10.リスクマネジメントの構築について
【本郷委員】
今回のような未曾有の大震災では、中核病院が機能しないなど、従来のような危機管理体制では対応できない。抜本的なリスクマネジメントの構築が必要だと思われるが、部長の所見をお聞きしたい。
【桑島健康福祉部長】
委員、ご指摘のように、病院機能がダウンする中において、DMATが初動時でうまく機能した。その一方で、ドクターヘリがうまく機能せず、期待された県外へ搬出し都心の病院等へ運び込むことができなかった。
今回、東北地方へ派遣した職員に聞いてみて分かったことは、被災地での情報を伝達する手段がないこと。携帯など通信手段が使えない状況の中で、リスクマネジメントとしてコマンドシステムを構築することは大変重要だと感じた。今回の教訓を活かしてサポート体制を真摯に考えてまいりたい。
11.リスクマネジメントの構築について
【本郷委員】
本会議における、西沢議員の知事答弁に、市町村との間で、放射能に関する知識、情報を共有して、測定体制の強化を図ると共に、妊婦或いは乳幼児の保護者等を対象に研修会を開催して、健康への影響について正しい理解を広めてゆきたいとの答弁であったが、具体的にはこの研修会のプログラムは非常に重要であると考える。特に、お子さんや妊婦の皆さんは心配しているので、その点についてどのように考えるか。
【北澤こども・家庭課長】
妊婦や乳幼児の保護者を対象とした研修会については、本会議でも知事が答弁したが、こういった状況の中で、放射線による健康への影響を心配している皆さん、特に妊産婦の方や乳幼児を抱える保護者の皆さんの不安を少しでも解消するため、子どもたちのための放射線に関する正しい知識の習得と、現状に対する理解を深めていただくため、研修会を実施する。
開催にあたっては、こども病院で行っている「こども病院公開講座」と連携しながら「放射線の健康への影響を学ぶ研修会」と銘打ち、県下2会場での開催を予定している。
1回目は、7月31日(日)、主に中南信地区を対象として、会場は松本市旭の「看護総合センターながの」において、2回目は、9月4日(日)、東北信地区を対象として、長野市の「生涯学習センター」で開催予定である。内容は、こども病院副院長で総合周産期母子医療センター長である中村友彦氏、信州大学医学部小児医学教授で副学長の小池健一氏、そして菅谷昭松本市長の3名に講演をお願いし、約300名の参加者との質疑を交え、概ね2時間の研修会を予定している。
一般県民向けの研修会は以上だが、これとは別に、妊産婦や子どもなどに直接接する機会の多い、保健師や保育士、さらには市町村の母子保健・保育担当者など関係者向けに行われる様々な研修会において、こうした放射線に関するテーマを取り上げてもらうよう計画し依頼をしている。これを受けて、早速、長野保健福祉事務所では、7月20日に長野赤十字病院で開催される研修会に、放射線に関するテーマを取り入れ実施していただけることとなった。引き続き、他の圏域でも同様な取り組みをしていただくようお願いしているところである。
こうした研修会や情報提供など様々な取り組みを通じて、妊産婦や育児中の親の皆さんの不安解消につなげていきたい。
平成23年02月定例会 健康福祉委員会 本郷委員 質疑要旨
1.組織について
【本郷委員】
 健康福祉部が設置されて1年が経とうとしているが、これまでどのような視点で取組んできたか。
【桑島健康福祉部長】
 6月の委員会でも申し上げたところであるが、
(1) 大きな組織の業務間の「すき間」をつくらないこと
(2) 現場の意見をできる限り取り入れること
(3) 常に県民の目線に立つこと
(4) 危機管理体制を構築すること
 この4つを重要な視点として取組んできたところである。また、社会部と衛生部が統合した健康福祉部では、地域医療再生や認知症対策など、福祉・医療分野の連携を深めて取組んでおり、また、案件によって教育委員会や警察など、他部局とも連携して取組んできた。今後も、課題解決に向けて様々な意見に耳を傾けながら一生懸命取組んでまいりたい。
【本郷委員】
 保健所と福祉事務所が統合して2年が経とうとしているが、その現状と課題についてお聞きする。
【野池参事兼健康福祉政策課長】
 保健所と福祉事務所は、本庁より1年早く組織再編を行い、医療部門と福祉部門を一体化した。業務面で言えば、疾病対策がある一方で生活保護やこどもの安全対策など、医療・福祉両面からのアプローチが必要であり、事務所の統合により、これまで以上にワンストップ化が進んできている。
 また、新型インフルエンザへの危機管理対応や特定検診の向上、がん対策、地域医療の再生など、新たな課題にも対応する必要があり、これらに対応できるよう、組織の強化対策が必要であると認識している。このため、昨年は、保健福祉事務所長会議などで「組織のあり方」について議論しており、例えば、事務所内の各課の有機的連携や人員増など様々な方策について、検討を進めている。
2.県民医療費等の動向と医療費適正化計画について
【本郷委員】
 長野県の県民医療費の動向や、社会保障費関係の動向はどうなっているか。また、医療費適正化計画の中間報告の概略説明に関し、その評価により見えてきた課題に対してどのように対応していくか。
【野池参事兼健康福祉政策課長】
  県民医療費について、一番新しい平成20年が約5,500億円、9年前の平成11年が約4,800億円であり、9年間で14%の大きな伸びを示している。
 また、去年と一昨年の1年間だけを比べてみると、後期高齢者医療は5%強、介護給付は4%強、生活保護費は8%弱と、大変大きな伸びを示している。医療費適正化の中間評価について、一人当たりの老人医療費が18年間全国で最も低かったが、45位になった。また、それと関係が深い平均在院日数が、これも全国で最も低い状況であったが、45位になった。ただしこの評価が難しく、長野県において入院医療費が伸びたというところまではわかるが、なぜ伸びたのかは、個人の受療動向や、医療体制の整備などの要因があって、一概には言えない。
 医療費の適正化は、保健・医療・福祉介護の総力を挙げて政策を行った結果、適正化することであるが、いろいろ重要な課題があるので、県庁をあげて取り組んでいきたい。行政だけではなくて、保健補導員、企業、いろいろな方々のご協力を頂きながら、推進をしなければいけない。
【本郷委員】
 複合的、重層的な要素がからんでいるので、一層適切な分析を期待する。社会保障費は給付と負担のバランスの問題であり、単に医療費を抑制するというのは、全く違う。いざというときに適切な医療が受けられることが基盤である。財源が緊迫した折であるが、是非ご努力願いたい。また議会としても、当事者意識を持って考えなければいけないと思っている。
3.医師確保対策について
【本郷委員】
 1月20日付の毎日新聞に、松本市の菅谷市長が自ら北海道に出向き、北原さんという先生が松本に来ることになったことが載っていたが、首長自らがトップセールスを行なうことに関して所見を伺いたい。
【鳥海衛生技監兼医師確保対策室長】
 各地で医師不足問題が顕在化している。長野県で働いていただける意思を持った先生がいれば、医師確保対策室として情報が入ってきた時点で全国どこへでも行ってお会いしている。先日も関西方面や九州であるとか、情報が得られた時点で接触し、先生のご意思、また、どんな希望があるのか、さらには、県内の受入側の条件とかをお聞きし、誠心誠意対応していく中で、ドクターバンク事業を行なっている。先方のご都合もあり、情報が得られた時点でなるべく早く接触し対応することを心がけている。
【本郷委員】
 県もそれぞれのお立場でご苦労していただいているが、さらにフットワークをよくして、スピード感を持って対応いただきたい。松本市長の事例は一つの参考例として受け止めておいていただきたい。
4.老人福祉施設整備について
【本郷委員】
 広域型特養の整備は、県単補助事業として32億と膨大であるし、認知症高齢者グループホーム等の整備も基金事業として33億と、合計65億の非常に大きな予算が計上された。大変ありがたいし、第5期分も前倒して整備していることは承知しているが、第5期計画がスタートした場合、どの程度の施設整備が必要と考えているのか。
 また、24年度からスタートする介護保険事業支援計画にどのように反映されるのか。加えて、介護保険料の改定の影響をどう考えているのか。新しいコンセプトの老人福祉施設整備もあり、種種の制度や仕組み、国との関係も変わる中、基本的に介護保険制度の導入は施設から地域、また在宅へという理念の中で、今回の新たな考え方について答弁いただきたい。
【有賀介護支援室長】
 老人福祉施設整備については、委員会資料1の24P、29Pで説明申し上げたが、24Pにあるとおり、22年、23年と大きな予算をお願いしている。22年度予算は61億で、前年の12倍であるし、今回の予算も前年より3億以上増の大きな予算をお願いした。広域的な特養は、29Pにあるように5期の前倒しを認めていただくものであり、広域型特養と小規模特養を合わせると第4期目標の1,110ベッドを、698ベッド上回る。広域型特養は、562ベッド多くなるものである。第5期分のベッドは、本来なら24年度から整備するものであり、第5期に位置付けられるものである。広域型特養は、第4期では3年間で770ベッド確保する計画だが、前倒しで562ベッドの着手を認めることとなるので、第4期相当分のレベルでは、既に前倒しで73%の整備を進めたこととなる。
 特養は、待機者が多く要望が多いが、第5期の整備量については、今後、市町村とのヒアリングにもよるが、現在の770の整備目標をかなり上回るのではないかと考えている。具体は、保険料の絡みもあり、これから市町村と話を進めてまいりたい。
 保険料は、施設整備の推進につれて高くなる状況にある。介護保険のスタートした段階では、全県平均で2,346円であったものが、第4期では4,039円と全国より若干下がるものの、毎回高くなってきている。特養待機者は多くいるため、整備分については100%入所につながる。在宅サービスも当然必要ながら、特養も必要であり、整備を進めているが、施設整備割合が増えるほど、保険料を押し上げることとなる。今後、第5期の保険料は、第4期同様、サービスの供給量や被保険者数の動向、また、国でアナウンスしているが、保険料が急激に上がった場合、第4期もそうであったように、引き下げの対策が行われるので、こうした状況を踏まえ、検討していく必要があると考えている。
【本郷委員】
 地域社会では、高齢者福祉が最大の課題と言えるが、広域型にせよ市町村型にせよ、イメージではそろそろ限界だと感じる。厚生労働省の役人に対する質問のようでもあるが、自分も特養、老健、ケアハウスに絡んでおり、待機者がどんどん増えてくる中、日本のこれからの高齢者福祉、施設福祉の問題は、極めて深刻な問題と思うが見通しはどうか。
【有賀介護支援室長】
 施設の必要量について、データでは、先ほど団塊の世代の話もあったが、特養入所者の大部分が75歳以上の高齢者で、平均介護度が4程度の状況となっている。その75歳以上の方の今後の推移は、日本あるいは長野県でも、あと20年先までは増える一方である。今レベルの特養の人数からすれば分母が増えるので、施設の必要度はますます増えることとなる。
 かたや、特養だけ造ればよいのかという議論もある。介護を受ける方、要介護者に対するアンケートでは、なるべく在宅でサービスを受けたいというニーズが7割を超えている。特養だけに頼らず、どうしたらよいかということは今後考えていく課題である。来年度以降、第5期計画の中で、国では、特養ではなく、在宅サービスや国交省、厚労省とのタイアップなど色々なサービスを考える流れになってきている。介護付アパートや有料老人ホームも増えているので、特養ではない中間的な居宅系の住宅サービスを、今後増やす必要があろうかと考えている。
【本郷委員】
 入れない人はどうなる、待機者はどうなる、といった、特養に話が特化してしまう面があるので、多重的、対極的、複合的な観点に基づく高齢者福祉の対応について、今後も教示いただきたいと思うので、よろしくお願いしたい。
5.西駒郷基本構想の見直しと今後の障害者施策の方向性について
【本郷委員】
 障害者のグループホームが各地で整備されているが、利用者が高齢化した場合や障害が重度化した場合なども、そこで生活ができるのか、また、対応ができるのか。
【寺沢参事兼障害者支援課長】
 西駒郷の地域生活移行を契機に整備が進み、現在368箇所、約1,900人の利用者がいる。障害の重い方についても地域で生活できるよう、県単の補助制度も含めて進めてきた結果、看護師を配置し医療的ケアができるケアホームや強度行動障害といった自閉症の重い方が利用できるケアホームが9箇所運営されている。重度の方もグループホーム(ケアホーム)で生活し、昼間は、日中活動へ出掛けるということができてきている。
 高齢化し、寝たきりになった場合にどこまで面倒を見られるかとなると疑問がある。障害程度区分6で重度包括のグループホームもあり、報酬改定で夜間体制等も改善されてきてはいるが、最後まで看れるかということでは自信のない部分もある。グループホームの65歳以上の利用者は、約10%、200人程度と見込まれるが、介護保険のデイサービス等の利用者もいる。個々に応じた個別支援計画を策定し、サービスを提供できるかが大切である。
【本郷委員】
 国では所得保障を含めた障害者制度改革の検討を行っているが、これまで取り組んできた中で見えてきた、更なる地域生活に向けた課題とは、どのようなものがあるか。
【寺沢参事兼障害者支援課長】
 国においても地域生活支援や共に生きる=インクルーシブといったことを言われている。また、障害者年金を含めた所得保障の検討も行われているが、方向性は見えていない状況。何かあった時にいつでも相談を受けてくれたり、困った時に預かってくれるショートステイの体制をもっと作っていかなければならない。
 金銭管理や契約に関する支援等被害防止の手段として成年後見制度の取り組みが重要であり、伊那、松本、長野などで始まるが、課題に応じてサポートできる仕組みが必要である。また、国では、グループホーム利用者への家賃補助といった補足給付制度を今年の10月から実施する予定である。
【本郷委員】
 施設から地域への支援は施策の流れであると思うが、家で面倒を見ている親が高齢化したときの対応や障害者の重度化・高齢化を考えると、入所施設本来の機能も必要と考える。地域生活支援などの、入所施設の役割や重要性について見解を伺いたい。
【寺沢参事兼障害者支援課長】
 昨年度の特別支援学校高等部の卒業生約300人の進路は、60人程度が一般就労し、7割が福祉的就労の場に、入所施設利用は知的障害者が2名、重症心身障害者が6名程度となっている。両親が見られるうちは、自宅またはグループホームを利用しながら日中活動に通うという傾向が強い。
 施設には、専門性や24時間の安心があり、訓練をした方がいい方もいる。最近は強度行動障害だけではなく、一人ひとりが地域で生活できるような訓練の場となっている。また、触法・虞犯障害者が、一定期間施設での訓練を経て地域社会に戻ることができるような役割もあると考える。さらに、在宅支援につながる24時間いつでも対応ができるショートステイなどの充実が必要である。
6.災害医療本部について
【本郷委員】
 ニュージーランドで起きたのは、大変な事態である。クライストチャーチは、私も行ったことがあるが、あの街は、高台から見るとニュージーランド一のきれいな街である。そこの教会が見事に半分以上も壊れてしまった、
 本会議でも質問があったが、耐震化の推進と適切な災害医療活動は、極めて大事であり、今後の災害発生時には、災害対策本部に併せて、災害医療本部を立ち上げることとなっているが、具体的な構成と任務、役割分担について、構図ができたようなので、それをお聞きしたい。それから、本当の災害発生時において、現場との連携が大事だと思うので、連携方法について、答弁をいただきたい。。
【角田医療推進課長】
 県の災害医療本部の構成と任務、役割ということでご質問。県の災害対策本部自体の構成は変わらず、その中に県の災害医療本部を設けたいというのが、第1の主眼。かつての医務班との違いは、構成自体は変わりないが、本部という名称の下で健康福祉部長が本部長となって、調整に入るということである。県の災害対策本部として、医療に特化した業務を行いたいということである。災害医療の初期の対応というのが、全国レベルでもかなりシステム化がされており、県の災害医療を担う拠点病院の県内でのシステム、災害時に派遣されるDMATといった専門家チームなどが、システム化されてきたことを背景として、県の災害医療本部というものを位置づけたいというのが、主眼である。
 また、その任務は、非常に多岐にわたるが、2つ目のご質問の連携方法とも関係してくると思うが、特に現地での情報収集とか、状況分析に基づいての判断ということになる。ただ、災害の現場と本部のズレ、時間感覚を含めたズレというのが、よく言われている。
 しかし、現地と災害対策本部が一体となってしまうのは、冷静な分析ができなくなってしまうので、あえて災害対策本部は冷静な立場で分析し、関係機関との調整に入るというのが任務だと考えている。
 医療の分野でも、同じであり、県内の限られた医療資源を、どう効果的に活用するかといった検討をするのが、任務であり、県の医師会、医療関係者にアドバイスチームとして入っていただき、医療資源が最も効果的に活用できるように、また、救命に結びつくように調整に努めるというのが、連携の根幹と考えている。
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