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県議のコラム


コラム(143) 2019年12月
日本の教育は新しい発想を
 現代政治は多くの課題が山積しておりますが、その根源は教育問題に他なりません。先進国40数カ国の中、GDPに占める教育費の割合は日本はなんと40位であり、深刻な現況であります。とりわけ北欧諸国スウェーデン、ノルウェー、フィンランド等は高等教育の80%〜90%公費で負担し、誰でもが家庭経済に関係なく進学する一方、日本38%に過ぎません。その要因として日本は競争原理を理念として経済格差が進む中、自己肯定感がなくなる傾向にあります。
 もう1つは教員の資格としてフィランドでは修士課程修了を基本としており、高度な教育哲学を身に付けております。更に加えるならば生涯学習が徹底しており、25歳以上で4人に1人が大学に入り直しており、学歴が形式化におらず人生の中で複合的に教育のチャンスがあり、一方日本は1.9%に過ぎません。
 新しい人生観を見出し新しい考え方や技能を身に付け、単線的な人生ではなく生涯通じて大学教育を受け、柔軟な発想を持って挑戦し続ける社会規範が定着しています。現代産業の49%がAI・ロボットに変わる第四次産業革命を迫る中、6Gへのアプローチを国家戦略している国もある中、日本は真の先進国となるべく本質的な転換が今ほど必要な時はありません。
長野県議会議員
自由民主党県議団 相談役
本郷 一彦

コラム(142) 2019年11月
現代文明の本質的危機
 21世紀の課題は地球規模で数多くありますが、人類に共通する問題は地球の温暖化問題に他なりません。
 近年頻発する大型災害は、日本に限らず世界中で多発しており、文明の発達は産業革命以来、人間社会に多くの恩恵を受けましたが、同時に地球自身に本質的変容をもたらし、10月12日の台風19号が直近の大災害となりました。
 海面気温の上昇、台風の超大型化は、従来の1000年に1度発生する基準を根源的に変更しなければならない事態に陥っております。
 24時間で1000ミリを超える雨量は戦後最大のものであり、都市部においても大型マンションの電気、水道機能が機能不全となり、このような状況を見ても現在の一級河川の堤防は、これらを想定したものではなく、内水氾濫を含め新しい発想力が急がれます。
 長野県においては、東北信全地域において想像を超える大災害が発生し、現在でも自衛隊・消防・警察・自治体・ボランティアの実動部隊による全力の救援にも関わらず大変な事態であります。
 県内被害額は1,297億円とも言われ、今後更なる拡大が予測されます。政府は激甚災害指定を表明し全力を傾注しており、県も知事を中心に最善の努力をしておりますが。いずれにしても災害については新しい厳しい時代が来たことは事実であります。
 多くの政治課題の中、内政的には地震や台風をはじめ防災が主要な柱であります。今回の台風19号を教訓に私達はシリアスな当事者意識を高め、県民の安全や安心をキープすべく私も県政を通じて全力を傾注する決意であります。
長野県議会議員
自由民主党県議団 相談役
本郷 一彦

コラム(141) 2019年10月
今後の長野県の観光産業振興について
 今年は梅雨以降不純な天気が続き、8月も盆から雨がちで県内観光への影響もあったのではないかと思われます。
 さて、平成30年の全国訪日外国人旅行消費額は4兆5千億円となり、5年前よりおよそ3倍になりました。長野県では、訪日外国人の観光消費額でみると5年前より1.6倍となっており、全国ほどではありませんが増加しております。
 この状況からみますと、長野県においては外国人観光客がまだまだ増加する余地があると思われますし、このような観光の形の変化に積極的に取り込んでいくことが大切と思われます。
 また、訪日外国人の増加もあって、団体旅行よりも個人旅行の割合が増えております。過去には国内の観光客を中心に考えて、長野県に呼び込もうという取り組みが盛んだったこともありますが、人口減少の中では各県で取り合いをしても限りがあります。であれば、インバウンドに積極的になり、外国人の旅行嗜好に合った旅行商品の開発や旅行のし易さを提供していくことが急務ではないかと思われます。
 そこでまず重要であると考えられるのが2次交通の充実です。拠点となる空港や鉄道の駅から観光地までの観光バスを主体にした交通を一層充実させることが必要ですし、更には到着した観光地で地域の路線バスなどを利用することによって、もう一歩二歩と足を伸ばしてもらえるような、やや広域の観光をしやすくすれば個人旅行も増えるのではないかと考えます。
 そのためには公共交通機関の路線や接続などの利便性を高めることや、観光の目玉となるものを掘り起こす努力を進めていくことが必要だと感じております。例えば、松本で5月〜6月に行われた信州花フェスタも70万人という来場がありました。再来年には善光寺御開帳が行われますが前回は700万人を超える参拝者数だったということで、こうした大きな催しがあれば多くの方々に来て頂ける機会を最大限に活用しなければならないと思われます。こうしたイベントはチャンスがあるので、県全体に波及効果が出るように県や市町村の努力も必要ですが、観光産業に携わる方々が主体となって二次交通も含め、大きな収入に繋がる方策を考えていくべきだと思われます。
 行政の対応不十分な点や補完すべきことについてはご提言いただき、私も長野県観光産業振興のために努力して参ります。
長野県議会議員
自由民主党県議団 相談役
本郷 一彦

コラム(140) 2019年09月
かくあれ令和日本
 近代主義の節目に当たり新しい文明観が求められる今、その造形に日本が果たすべき役割は極めて大きなものがあります。
 令和の時代に正しい方向を政治が示唆し、政治に関わる者がその指導的役割を提示することが、今ほど求められる時はないと思えてなりません。
 国際社会の多極化、流動化が加速する中で、FRBのパウエル議長は世界経済の減速化が現実性を帯びてきたと発言されました。とりわけ米中貿易摩擦がその主要因と思われますが、いずれにしても世界経済が新しいステージに入り、FRBは追加金利下げを10年ぶりに実施するとの認識をすべき状況にあります。
 一方フランスでのG7は、首脳宣言を採択しないとのことであり、世界情勢は21世紀の新しい時代の模様を呈してきました。世界の方程式市場が不安定の中、主要各国の長期金利の急落下を踏まえ、今後の経済展望は未知の段階に入ったと思えてなりません。
 一方韓国による日韓軍事情報包括保護協定GSOMIA(ジーソミア)の破棄は、北東アジアの安全保障に大きな影を落としております。
 これに対し米国防総省は強い懸念を表明し、日米韓による健全なるパワーバランスに空白を与え、次なる時代に対応する日本の主体的責務は、一層重くなると思われます。こうした事は、中朝ロが利するとの予測もありますが、抑止力としての視点からは適切な対応をすべきであります。
 こうした中、私達は大局的な提言である国連が提示した「持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて、より積極的な対応が求められております。国連加盟国200ヶ国がそれぞれ自国第一主義を強く主張すれば、まさに現代社会の持続可能は極めて困難であります。環境問題、貧困格差の拡大、異常気象問題をはじめ、現代文明が抱える問題は地球的観点で俯瞰する必要が今ほど必要な時はありません。昨年他界された宇宙物理学者ホーキングの指摘のごとく、「惑星は文明の高度な発達により、むしろ消滅する」という指摘は、今日の地球自身の問題であります。
 SDGs持続可能な社会を実現すべく、政治・経済を軸に令和の時代に向けて日本はそのイノベーション戦略に対し、高い構想力を持って世界をリードする能力の活用と強い意志を持たなければなりません。戦後74年間、日本は敗戦の荒廃から国民各位の努力により、世界第3位の経済大国に復権致しました。私達は先人の努力に深く敬意を表するとともに、更なる新しい時代に対する発想力を持って、この困難な時代に立ち向かう責務があります。従って誇れる日本創造に向けて、政治の責務は社会に対して強い波及力を持つ故に、極めて重大であります。
 私も県政の立場からそのような強い認識の上に立ち、議会人として最大なる努力をする所存であります。
長野県議会議員
自由民主党県議団 相談役
本郷 一彦

コラム(139) 2019年08月
令和という新しい時代
 内政の最大課題は社会保障制度の持続可能性であり、外政では東アジアにおける安全保障問題であります。
 超高齢化社会、少子化、生産年齢人口の減少による国力の低下は、世界200ヶ国の中でNo1の急激な状況下にあります。従って先進国でも同様な傾向はありますが、日本の場合は世界が注視するほどの激変が予測される訳であります。
 将来的にはGDP3位の日本はインド・ドイツに抜かれ世界5位というシミュレーションが現実味を帯びてまいりました。30年前の日本経済は、OECDの中でもトップクラスの企業が多くを占めておりましたが、現在は総じて30位前後ともいわれております。よって、企業も社会も真の変革が求められております。
 社会システムを本質的にどのように変革するのか、日本だけでなく人類に投げかけられたテーマに他なりません。AIが人類を凌駕する時代が来るという予言もあり、人間に取って真の価値とは何かという哲学的思考が今ほど求められる時はありません。従ってその証左として世界をリードした日本の電機企業が平成の時代に敗戦という結果になりました。AIの時代に日本は総合的にいかに復権再生できるのかが、マクロ視点での重要問題であります。
 一方AIは基本的にはソフトウエアという見解も一方にはあり、計算可能なカテゴリーはその力量を発揮しますが、理念や哲理と言った人間にとって根源的な意味については解析不可能であり、AIが人間を越えることは出来ないという解釈もあります。つまり典型的な分野はAIがコミットし、産業構造も大きな変化が具現化することは事実ですが、産業革命におけるテクノロジー革命ではなく、デジタル革命としてのAIの分析はより複合的なものであります。
 高度に進化し続けるAIの基本的認識はソフトウエアであり、それらは人間の造形であり、いかにイノベーションが進もうとも人間にとって真の人と人との結びつき、真の人間性の回復、人間の幸福という課題について政治が社会工学的に強い波及力を持つ以上、政治へのアプローチが令和の時代も忘れてはならない大切な基本姿勢と思えてなりません。
長野県議会議員
本郷 一彦

コラム(138) 2019年07月
G20の意義について
 世界が注目する(G20)首脳会議が6月28日、29日に大阪で開催されますが、国際情勢の流動化や多極化が加速化させる中、米国・イランの緊張関係にとっても分岐点となり、日本は議長国としてのその責務は重いものと思われます。
 とりわけ米中貿易摩擦の長期化は、いわば文明の衝突とも言える大問題であり、ロシアの台頭等、これからの国際情勢は極めて不透明であります。
 歴史家トインビーは、日本の近代化の成功は歴史上の奇跡と指摘いたしましたが、明治以降日本がこれほど重要なステージに立ったのは初めてのことと思えてなりません。
 安倍総理はトランプ大統領、習近平国家主席、プーチン大統領との健全な連携プレーが可能な唯一のリーダーであり、G20の良き結果が強く期待されております。
 G20は内在化する多くの問題を各国が抱え、国際社会のこれからの大きな方向性を緩やかに合意できれば成功と思えます。日米は非常に良好な関係であり、日中関係も以前と比較すれば改善の状況にあり、後は日本のリーダーシップに比重がかかっております。
 いずれにしても参議院選挙とG20が重なる中、世界平和と日本の政局にも重大な影響を与えるG20の行方が今ほど注目される事はないであろうと思えてなりません。
長野県議会議員
本郷 一彦

コラム(137) 2019年05月
米中貿易摩擦と日本経済について
 内閣府の3月の景気動向指数が発表され、6年2ヶ月ぶりの景気の「悪化」が明確となりました。生産・雇用・消費など主要データを全体像として捉えたものであり、日本経済情勢が先行き下降局面に入ることが予測されます。とりわけ10月に予定されている消費税率10%への引き上げにも影響を及ぼす可能性があり、政局絡みの事案となりつつあります。
 今月下旬に発表される5月の月例経済報告、6月7日の4月の景気動向指数、6月8日9日のG20財務相、中央銀行総裁会議等への判断が更に正確な今後の経済情勢の方向性が示されるものと思われます。
 景気後退濃厚の主要因は米中貿易摩擦であり、想定以上の中国経済の減速により、国内の輸出や生産が打撃を受けていると思われます。従って今回の景気拡大期が戦後最長と言われておりましたが、これが腰折れする可能性が高まってきたと考えられます。故に昨年10月がピークで11月から後退局面に入ったと表現するエコノミストの指摘が現実性を帯びてきました。
 いずれにしても米国と中国という経済大国の貿易摩擦は長期化する可能性が高く、国内の設備投資や対中輸出に悪影響が出ることが加速化され、今ほど政府の経済対策についても高度な戦略性が強く求められる時はありません。
 一方、長野県経済への影響も真剣に考えなくてはならないと思われます。グローバルシンキング、ローカルアクティブという概念がありますが、現代社会は世界経済と地方経済は密接不可欠の関係であり、長野県政と議会も一体となり、今日の新たな危機に対し未来志向で本格的対応策を立案する責務を痛感しております。
長野県議会議員
本郷 一彦

コラム(136) 2019年04月
 この度は、県政7期目の挑戦を力強くご支援いただき、信任いただきましたことを心から感謝申し上げます。
 そして、松本市・東筑摩郡に立候補させていただきました自公の全候補者に信任をいただきましたことも重ねて御礼申し上げます。
 獲得議席状況は、推薦を含めると与党で過半数獲得でありますが、長野県全域で57議席のうち自公25議席獲得、選挙戦前より自民党単独では3議席を減らし、自公合わせて1議席を減らしている状況であります。県民の皆様の声を真摯に受け止めて参ります。
 投票率は全体で47%台、松本市・東筑摩郡では42%台と県政への関心を高められていない現実があります。県民の皆様の県政への関心を高めていただくために、政策実現に全力で取り組み、松本市・東筑摩郡の更なる発展を推進します。さらに、長野県全域の更なる活性化に繋げて参ります。
 また、今回の選挙戦を通じて自由民主党県議団団長として身の引き締まる思いであります。
 市町村が主役の魅力ある長野県の実現にむけて、全県民の声なき声を受け止め、長野県を着実に前へ進めて参ります!
 皆様におかれましては、今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
長野県議会議員
自由民主党県議団 団長
本郷 一彦

コラム(135) 2019年03月
保護主義傾向を打破すべく 長野県は営業局を設置
 米中貿易摩擦は世界経済に大きな影響を与え、具体的には2019年の世界貿易の伸び率が前年比3.6%と予測されます。
 とりわけ輸出や製造業がその中心で顕著な傾向として現れております。加えて金融市場の流動化も加速化され、世界の実質成長率は本年2.9%と思われます。一方、日本は幾つかの要素により実質成長率は0.9%の説が有力であります。
 いずれにしても失われた20年、30年から本質的に脱出できず、世界の成長率とは大きな差があり、人口減少問題、働き方改革、生産労働人口の減少などが複合的に絡み合い、より抜本的な経済戦略が強く求められます。とりわけ自分の国第一主義、保護主義的な傾向が世界主要国に平準化され、新しい壁に足踏み状態と言えるでしょう。
 こうしたマクロ経済環境の中、長野県はこの閉塞的状況を打破すべく、行政としては新しい視点である営業局を産業労働部内に設置することを決めました。民間の外部人材を起用し、実践的な実動部隊としてマーケットに対し有効な手段として、高い評価を得る事を期待しています。
長野県議会議員
自由民主党県議団 団長
本郷 一彦

コラム(134) 2019年02月
感性を育む教育理念の実践
 教育のシステムが構造的に検討されつつある昨今、とりわけ高等教育とは別の意味で高校生活3年間は、まさに青春という時間帯の中で、とりわけ一生の中で最も鮮烈に記憶される時であります。
 価値が多様化し、教育理念も単に偏差値重視ではなく、より広い視野からの人間性、心の豊かさ、個性の発揮、生きる力が尊重される時代となり、画一的教育方法が本質的に転換される状況になってきております。
 人口減少が予想を超えて加速化される中、若者が希望の持てる社会像の造形が今ほど求められる時はありません。
 その意味で今後各校の建学の理念は時代を先取りし、人間復権を求め新しい発想力と創造力に重点を置いた感性を重視した学びの場とすべきと思われます。
 そうした中、在学生におかれては21世紀の主役という認識を持ち、一層研鑚に励んで頂きたいと思います。
 最も尊重されるべきは、人間としての理念の持ち方であります。学校教育で学んだ基礎知識に磨きをかけ、社会的現実という壁を乗り越え、人間として個性的現実を体現するには、やはり高い志と精神性、文学・哲学・社会科学を自信の血肉として純化させ、厳しい社会に挑戦する強い意志をいかに醸成させるかにかかっていると思えてなりません。
長野県議会議員
自由民主党県議団 団長
本郷 一彦

コラム(133) 2019年01月
新年明けましておめでとうございます
 旧年中は皆様方に大変ご支援を頂き、心から感謝申し上げます。
 2018年は昨年以上に歴史的にも予測を超えたパラダイムシフトの1年でありました。国際社会は益々多極化し、アメリカンファーストの顕在化、北朝鮮問題、中国の台頭、ヨーロッパの混迷、アジア諸国の急成長、中東諸国の一層の不安定化等、引き続き課題山積であります。思いつくだけでも大変な状況であります。
 一方、日本はあらゆる分野で加速する人口減少がその前提となり、働き方改革、入管法の改正、人手不足の中、急速な超高齢社会は現実のものとなり、他国に例をみない人口構成であり、社会保障制度の新しい構造をいかに造成するかが、最大なる政治テーマとなってきております。地方創生の理念は継続しておりますが、引き続き首都圏への人口流入は止まらず、地方創生は大きな社会的課題であります。
 そうした中、長野県は平成31年からの総合5ヶ年計画が2年目を迎え、学びと自治を基本理念の柱として、各分野ごとに新しい発想力と新しい時代への挑戦を果敢に進めなくてはなりません。
 いずれにしても人類がかつて経験したことのないAI・IoT時代の中、私達は過度な悲観論に陥ることなく、この時代を乗り越える決意と意思こそが今ほど重要なことはないと認識しております。
長野県議会議員
自由民主党県議団 団長
本郷 一彦

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