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コラム(61) 2012年12月
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現在の日本の政治経済社会状況を考察すれば、あきらかに今後10年は戦後最大なる国難の年になると思われます。従ってこの国難に挑戦する国民的意思さえ持てば、日本再生の10年にもなり得ますし、またそれだけの力が日本にはあると私は思えます。
近現代史を想起すれば、明治維新の諸改革は近代史において奇蹟ともいえる評価を世界的に得ており、中国・韓国をはじめアジア諸国の発展に与えた影響は計り知れないものがあります。今後とも日本の持つ高いテクノロジーは、経済的社会的にも世界に大きく貢献するものと思われます。もちろん昨今の日本を代表する名門弱電機メーカーの巨大な赤字決算は、日本発の恐慌の引き金を引くとの指摘や、年率にしてマイナス3・5%のGDPが予測されるなど連続して起こる経済指数は深刻に受け止めなければなりません。一方、別の角度から日本の環境を分析いたしますと、例えば平均寿命・インターネットインフラ・通貨・失業率・建築・経済・空港・まちづくり・その他を先進各国と比較した場合、いずれも優位なポジションにあり、むしろ日本社会はモデル的ケースだとの指摘もあります。ノーベル経学賞を受賞したポール・クルーグマン教授も世界の中で日本以外にモデルケースはないのかと言わしめた日本の実力について、私達は再認識する必要があると思われます。
成熟した日本の経済構造は、貿易よりも所得収支で黒字を稼ぐ傾向にあり、GDPに占める輸出比率は11%であります。従って、財務当局が発するプロパガンダに傾注することなく、日本経済の再生は財政出動と金融の量的緩和をダブルアクセルで推進する必要があると思われます。更に、経済成長戦略をよりプラクティカルに捉え、その素材としてIPS細胞を活用した再生医療、創薬支援、有機EL・ナノテクノロジー・LED・家庭用燃料電池・再生可能エネルギー・農業の6次産業化・スーパーデバイス・シェールガス・メタンハイドレード・ロボット・航空機等、それらを総合的にパッケージとして政治は国家戦略として打ち出さなくてはなりません。
一方、平成13年6月ごろまで世界の景気後退期は続くと思われますが、その要因はアメリカの「財政の崖」であり、中国をはじめ新興国経済も足踏み状態にあり、欧州も弱含んでおります。従って最も重要なことは、日本の政策運営に帰結いたします。真の経済成長をブロックしている非合理な制度の改善、税制改革や先ほど指摘した新産業の育成などを集中的に実施し、安定した長期政権による経済財政政策がなによりも漂流する日本再生へのブレイクスルーであります。
日本は今、「持続できる発展」という基本理念を持たなければならず、その基本は経済であり、更には社会的安定つまり格差の解消、環境問題が三本柱と思われます。加えて大切なことは、政治の復権であり政治への希望の回復こそが全ての根本であり、今日の政治に喪失された指導者としての責任ある決断につきます。明白な戦略なり価値観を持たず、現状維持を是とし強気リーダーを排除する日本の政治文化の弊害が極限に至ったのが今日の日本の政治の全体像であります。
21世紀という未曽有の可能性を秘めた道の世紀に向けて、政治家は時代精神の体現者として新しい発想力を持って、社会に対し果敢に挑戦する意思を強く持つことこそが新しい時代を切り拓くことになると思われてなりません。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(60) 2012年11月
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EUの債務危機、中国・新興国の経済成長の鈍化、アメリカ経済の不透明感等、世界経済は乱気流状態に入りつつあります。加えて、主要各国の首脳の交代や政治の流動化は日本自身にも大きな影響を与えております。このような潮流の本質はグローバル化がその根本にあり、改めてグローバリズムとは何かを再考する必要があると思えてなりません。
各国ともに政治・経済・社会の混迷が確実に進行しております。戦前の世界的大恐慌も実は根底にグローバル化が大きく作動し、保護主義と経済のブロック化により残念ながらその解決は第二次世界大戦によって終結いたしました。
失われた20年を総括し、今後の20年、21世紀の歴史をどのように展望すべきか、危機の全体性をつかみ今ほど高い知見・見識が政治家に求められている時はありません。
急速なグローバル化は各国とも所得格差、雇用問題が顕在化し政治的不安定化を招き、その帰結が2008年のリーマンであり、その克服が今日の資本主義の最大なるテーマとなっております。市場原理主義は一方で公正の理念が喪失しがちとなり、人間社会にとって真に重要な価値がアウトサイダー化され、現代社会はまさにサルトルが指摘したごとく強い疎外感にさいなまれております。
従って、日本という高度な成熟社会が今後指向すべきは、新たなる経済社会の理念とビジョンの再構築に他ならないでしょう。主権国家日本は、歴史・伝統・文化・習俗といった守るべき価値を再認識し、明確な国家意思の発信とともに、ふるさとの共同体意識の醸成こそが最も基本的な柱であります。
公正な社会と政治的安定を実現すべく、社会に対する複層的な視点に立った歴史的自覚が今、問われております。そのような観点から、地方の振興、復権が日本政治の第一義であります。故に長野県の主体性に富んだ創造力溢れる戦略がリーダーの責務であり、議会も二元代表制の一翼として、その責任は極めて重く新しい時代の新しい未来を切り拓く理念こそが、その鍵に思えてなりません。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(59) 2012年10月
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激動の戦後史を想起いたしますと、いくつかの重要な転換期がありましたが、平成24年はいわばそうした67年を総括すべき極めて意義深い起点と思われてなりません。
領土、安全保障(防衛・エネルギー・食料)、社会保障、経済等の日本の社会像をどのように確立していくのか本質的な認識が強く求められております。とりわけ昨今、国と地方の統治のあり方についてスローガンばかりが提示されますが、世界を代表する成熟国家日本を再起するには、あまりにも奥行きがなく単線的であります。 日本の政治行政機構は、複層的であり法治国家として緻密な構成要素から成り立っており、適切なプロセスを経ずして真の国民のための統治機構は成り立ちません。経済の側面から考察しても、1人当たりのGDPは1993年において先進国中第1位となりましたが、その後2007年には19位まで落ち込んでおります。1990年以降の失われた20年の潮流は容易に反転するものではなく、成熟経済国家の宿命として停滞回路の流れに入った感覚がいたします。日本に限らず世界の先進国全体がその傾向にある現状を見る時、私達は新しい進路を見出さなければなりません。
経済成長の3大要因は、労働生産人口の増加、労働生産性の向上、貯蓄率と言われていますが、日本はそのいずれも低下傾向にあります。現代の技術革新のリード役であるIT革命、金融革命は社会全体に劇的な変容をもたらしましたが、雇用には大きく寄与いたしませんでした。従って、今日の様々な技術革新は有効需要の視点からは大きな進展は見られず、労働分配率においても同様の結果でありました。
振り返ってみますと、ローマクラブの「成長の限界」が皮肉にも1972年であったことを思えば、1970年の万国博を頂点に実質的には日本の高度成長は終幕したという冷静な認識が必要かもしれません。だとすれば1980年代以降の新自由主義経済マーケット第1主義、効率性の追求は今日の日本社会の本質的問題と深く連関し、新たなる経済社会の理念の構築が求められます。ポスト工業社会における効率第一主義から社会全体の公共性への価値観の転換も留意しなければなりません。
今回の不安定なグローバル資本主義の結末は、リーマン及びEU危機でした。グローバリズムとは、新興国に一時的には飛躍的発展をもたらしますが、結果的には雇用問題が急激に顕在化することは、枚挙にいとまがありません。所得格差と中間層の没落は、先進各国の共通の最大のテーマであり、今や適格なる財政金融政策を打てず、景気対策は迷走の一途を辿っております。グローバリズムは大恐慌を誘因するとのマスコミ論調が出てきておりますが、いずれにしても主権国家それぞれの歴史、伝統、文化の多様性を基本とした国内の経済基盤の確立に重点を置き、雇用の増大と内需の振興こそ日本経済の最重要政策であります。
2050年に日本の人口は9500万人になるという現実の中、私達は新しい社会のモデルを構築しなければなりません。トインビーが奇跡とも指摘した日本の経済成長を礎に豊かな発想力と構想力を持って次なる時代の社会形成に向けて、果敢に挑戦することこそが今日政治に課せられた最大なる責務であります。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(58) 2012年09月
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国家観と共同体意識を欠いた現代日本の大計薄き状況にあって、私達は新しい発想力を持って未曽有の方法論を造形し、新しい価値体系を想像しなければなりません。とりわけ国際社会の多極化は、日本政治に対し流動化する政治情勢を生み出し、主権国家日本は真の自律性が求められておりますが、現実の世界の歴史は益々国家対国家、宗教、民族対民族間の激しい競争が押し進められるものと予測されます。
日本は近代国家として初めての敗戦というトラウマ状況から未だ脱出できず、安全保障(食料、エネルギー、防衛)を含め他力本願、理想主義ともいえる国家観や歴史的認識の中で67年の時が流れました。自らの属する祖国日本の政治に対する人々の不毛感は今や危機的状況にあります。この時にあたり、真の国益、国民益とは真のナショナルコンセンサスの形成であり、国家意思の確立に他なりません。自分自身の確固たる理念の上に、自らの国家社会のイメージを取り戻すことなしに日本の抱える政治・経済・教育・文化の諸課題に対し、いかなる復権もあり得ません。
現実の政治への失望感から新しい時代への挑戦力をいかに醸成するかは、極めて困難な作業ではありますが、自身の情念に立脚した政治や社会に対する想像力から創造力への努力と喚起力が今ほど求められる時はありません。日常生活に追われる日々の中で、政治に対し怪しげな公約や表層的な政治的理念に惑わされることなく、我々はごくわずかな真の勇気と決意を政治に対し持つことによって、必ずや日本の閉塞的状況を打破できるものと思われます。
現代という成熟した文明社会は、皮肉にも人間にとって本質的に重要な身体性、精神性を喪失させつつあります。いずれにしても今日の我々の不安は一体どこから来るのだろうか。精神の空洞化をもたらした文明、失格しつつある教養、感性薄き芸術、画一的教育、無理念とも思われる政治状況の中、それに立ち向かう気概さえ失いつつある日本社会の現況は、実は深刻なものであります。
そうした全体性に立った今、政治の関わる一人として新しい時代に対し、未来への責任と責務を深く自覚し次なる時代に備えるふるさと再生のため、微力ながら私は県議会という政治行為に全勢力を傾注する所存であります。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(57) 2012年08月
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急速なグローバル化とIT社会の進化は、日本社会の政治・経済・教育・文化に劇的な変化をもたらしました。加えて領土問題を含めて主権国家日本は、かつてない衰亡の危機に直面しており、未来への責任として日本人自身の定点が揺らぎ、明確な歴史観を喪失しつつあります。
そうした深刻な歴史認識の今、政治に課せられた責務は極めて重大であり、新たなる時代の造形のため、この状況の超克に向けて長野県政も成熟社会における主体性に富んだ総合政策判断を求められております。文明史的転換期の視点に立てば、中央と地方、所得の格差問題は今日の政治の最重要課題であり、私たちは再度原点に立ち戻り、地域社会が醸成した歴史・伝統・文化・習俗という貴重な遺産を基軸とした、家族が労り合い地域が支え合う心豊かな人間社会を再構築しなければなりません。
そうした価値観の上に立った時、ふるさと松本市は全国を代表する地方都市としての品格ある都市政策を先人の努力により実現し、芸術・文化・教育・医療・福祉・経済等、各分野が複合的に連関しながら誇るべき実績を残してまいりました。
一方、長野県は各種社会資本整備・年金・介護・雇用・危機管理等をはじめ山積する諸課題を抱えておりますが、正当性のある新しい時代への再生構想力を持って、この難局に挑戦することこそ政治家としての使命と思われます。
早いもので本年も残すところ4ヶ月となりましたが、私も議会人の一人として情熱を持って真摯に県議会活動に邁進する所存であります。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(56) 2012年07月
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戦後67年が経過し、現在日本は成熟国家として21世紀の新しい社会のビジョンを本格的に造形しなければなりません。国際社会は政治経済とも極めて不安定であり、冷戦構造崩壊以後、一層多極化が進行し新たなるシステムなり秩序の方向性が全く見通せない深刻な位置づけにあります。
日本自身は、失われた20年から30年とも指摘される如く、政治の劣化、経済の低迷、財政危機、格差問題、超少子高齢化社会、地方の疲弊等、課題は山積し抜本的方針を明確にしなければ破局のシナリオさえ現実味を帯びてきております。
文明社会の歴史を想起すれば、大きなサイクルではこうした危機に対し人類は英知を振り絞り、その時代を超克してきたわけですが、今、私達はその歴史の危機に直面しているという強い自覚を持たなければなりません。かつて国土の均衡ある発展を目指し、政治は社会資本整備に全力を傾けましたが、結果的には一都三県で3500万人という世界に例がない一極集中を生み、政治・行政・司法・マスコミ・金融のセンター化を実現し、関西方面の経済の凋落は想像以上のものであり、ましてや地方経済・都道府県の財政の逼迫は極めて厳しい環境にあります。
農業社会から工業社会への移行の中で、家族制度が崩壊し無縁社会が漂流する中、今こそ日本の進路あるべき国家観について本質的な議論と的確で力強い政治の指導力が問われております。従って今日の時代の根源的変化を冷静に解析し、停滞から脱出するべく少子高齢社会のモデルを構築すべく、日本の文化伝統を基盤とした独自の理念に基づく新たな資本主義の構想を確立しなければなりません。その為には1人当たりのGDPに軸足を置くこと。女性や高齢者の労働参加を進める為の環境整備。これらにより労働生産性を高め高付加価値の成長分野に新たな雇用を発生させなければなりません。
生産労働人口の減少問題に関しては、都市国家の規模であるモデル国家シンガポールにおいても、現役世代が減少傾向である事実を見ても、豊かさを達成した国は出生率が低落に陥るのは共通の生物学的現象であります。かつてないほどの金融緩和、イノベーションに努力しながら、成長路線の軌道に乗れない状況に対し、戦略的な解決策を抜本的に磨き上げなければなりません。人口減少に対する現実認識の希薄性は各分野において共通しており、従来のマクロ的視点での政治経済理論を越えた新しい経済社会のビジョンの創造こそ今、政治に課せられた最大なる責任と思われてなりません。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(55) 2012年06月
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混迷を深める日本の政治は社会保障と税の一体改革の全体像を含め、膠着状況から一向に展望が開けておりません。状況論や政局に政治が傾斜し、政治の本質論に向けての解析、例えば国家戦略としての経済成長戦略における経済課題等の問題について、未だ本格的議論がされていない現実は極めて深刻であり、20年に及ぶ不況からの脱出について抜本的政策論が、先ずなされるべきであります。経済問題の最大の要因はデフレであり、偏った日本のデフォルトの可能性や財政危機から来る財政再建至上主義に陥ることなく、適切な財政金融政策の出動がカギであり、まさに力強い政治主導こそが、そのソリューションであります。
フランスとギリシャの選挙結果はユーロ危機の再燃も予測され、円高・株安を含め日本経済への影響は避けられませんが、いずれにしても政治の安定と明確なビジョン・実行力なくして日本の再生はあり得ません。冷戦構造が崩壊し、資本主義による新たなる秩序への予感が実現せず、現況の市場原理主義への批判が強まる中、真に人間のための資本主義へのパラダイムシフトが求められております。
その為には、金融・財政政策の閉塞的現実を超克すべく、イデオロギーの終焉の今、世界規模の協調路線に立った政策の統一感がなければ、その実効性は困難であり、その柱は強力な政治に他なりません。戦後日本の復興は、積極的設備投資と技術革新によるものでしたが、その背景は昭和30年保守合同による55年体制下の安定した政治体制でありました。池田総理による高度成長政策、田中総理による日本列島改造計画はまさに真の政治主導による成長路線の基盤を造形しました。
しかしながら、平成21年の衆議院選以後、実体的には政治主導は衰退傾向に歯止めがかからない実情であります。小選挙区制と二大政党制について、今日各般の議論が湧き上がっておりますが、いずれにしても今日の政治の衰退に構造的要因があると思えてなりません。
世界経済の一層の不安化の足音が近づく中、日本は各界の衆知を集め、この危機を乗り越えなくてはなりませんが、政治家は率先してステイツマンとしての責任に深く思いをいたし、優れた国家観や歴史観、社会的知見、見識、政治的実行力を備えなければなりません。更には政治と行政が不自然に分離した状況下、双方が良質な意味で補完しあい、日本社会の機能向上に向けて努力することが重要であります。
政治行政の主要課題は、安全保障はもとより所得の公正な再配分、格差の是正、社会の安定を担保することにありますが、カオスともいえる日本政治を蘇生され、国民の為の真の政治行政システムの再生の為、政治の責務は計り知れないほど重要なことを私は改めて県会議員として強く自覚しております。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(54) 2012年05月
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今日の日本は、デフレ不況が長期化し社会が強いネガティブバイアス(悲観的圧力)にかかり、戦略思考を喪失し戦後最大なる政治的経済的危機を迎えております。
世界を代表する日本の三大弱電メーカーの赤字総額が1兆数千億円という創業以来の決算の公表を見る時、本質的な産業構造のシフトチェンジの証左であります。メディア全体の論調は、世界経済がメルトダウン寸前という表現が多い中、この時こそ私たちはマーケットが発するメッセージを冷静に多角的に分析する必要があります。心理的に負のスパイラルに陥っている現在、次の時代に対する展望を明確に提示し、負のスパイラルから脱出する決意こそ政治の最大なる責務であります。
賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験から学ぶという例えがありますが、歴史の法則や周期性を明晰に取得することが日本経済再生への健全な道程であり、来たるべき21世紀の新しい時代の方法論であります。そのような観点から主要課題はデフレの克服であり、政府・中央銀行が適切な対応を怠ってきたことは事実であります。
中央銀行が通貨供給量をインフレターゲットに向けて迅速に対応すればデフレ脱却は可能であります。同時にインフレ圧力を実効性あるものにするには為替相場にその鍵があり、いかに円安基調に向かわせるかが重要な方向性であり、インフレと円安を視野に入れた複合的思考が問題解決へのポイントと考えます。
1971年のニクソンショックにより、ブレトンウッズ体制の終わりを告げたことが1973年の変動相場制へのインセンティブとなり、以後日本経済は円高ドル安傾向のスタートを切ったわけであります。
尚、今日の世界経済の今後の推移の中で、原油価格の動向は注視せざるを得ません。歴史を想起すると1973年10月第4次中東戦争が勃発、これが現在の原油価格高騰の起点であります。昨年の福島原発事故は結果的に発電の主力は火力へとスライドし、原油輸入量の増大を招き、円安基調の要因の1つとなることでしょう。今すぐに現実感はありませんが、主要各国が一段と財政再建に強く舵を切れば、各国はデフレ基調の低迷経済へとシフトしていくと思われます。
株価の側面から分析した時、2003年4月の日経平均7604円が最低値と認識した場合、2008年10月のリーマンショック、2011年の3.11震災は経済的には2003年に比較して不況の度合いは、やや希薄という解釈も出来ると思われます。従って、予測としての日本経済が円安とインフレが進むことが可能であるとすれば、経済のトレンドが回復傾向に戻ることも決して実現不可能でないという予測もあり得ると思われます。
内需型産業、とりわけ現在極めて厳しい環境にある製造業も円安トレンドが仮に安定すれば、必ずや生産拠点を日本に取り戻す可能性が出てくると思われます。デフレからインフレへの経済変質、円高から円安をどのように評価するか決定的意見を分断することは予測の範囲内でありますが、今日の経済の根源的問題がデフレと円高である以上、適切なるインフレの効用は債務の軽減そのものであり、それ故に融資拡大による積極的経済行動を可能にならしめ、雇用問題にも展望が開けてくると思われます。
更に、今日の重要問題点の1つに格差問題がありますが、資本主義の基本理念である適切なる競争原理の上に、富の再配分を実行し、税制改革・社会保障制度の変革、また社会インフラの充実により所得の移転も実現可能であります。グローバルリズムの急進は、同時に政府の役割の重要性を再認識させました。従って政府が誘発する適度なインフレは、富の配分機能が実効可能となりますし、まさに今政治のなすべきことは、真に公正な社会を構築すべく未来への責任として希望の持てるビジョンを明確に国民に提示し、実行することにつきると思います。それこそが日本が課題先進国から解決先進国への本質的転換の出発点になると思われてなりません。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(53) 2012年04月
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グローバルリズムと金融資本主義が急速に進んだ現代日本は、結果的に伝統や歴史に支えられた経済社会システムが極めて希薄となった新自由主義の理念のもと価値観は個人主義・拝金主義に陥り、良質なコンサーバティブ(保守主義)が喪失し、日本社会は極めて危機的状況と認識しなければなりません。経済の側面に視点を当てても先進国中、唯一のデフレが続きその脱出の糸口さえ見いだせない深刻な事態であります。
文明の転換期の今、都市と地方、所得の格差は広がる一方であり、行き過ぎた構造改革路線から、今ほどポスト構造改革の構築が求められる時はありません。そうした意味で将来の日本イメージ像を提示するのは、政治の最大なる責任であり、自由を過度に基軸とした近代合理主義は、あらゆる分野において対立と矛盾を生じ、社会の閉塞感は深まるばかりです。
歴史を回顧すれば、このような決断できない政治環境の中において、いつの時代にも切れ味の良い表現者が注目されたことは事実でありますが、同時に真の議会制民主主義はコストと時間がかかるものであり、真に憂国の政治行為とは何かを今ほど自分自身の問題として考えなければならない時はありません。
そうした中、主要国の一部は覇権主義的傾向が顕在化し、軍事力・経済力による新たなる世界秩序の造形を目指しており、日本はそうした情勢を冷静に分析し、政治は主権国家としての意思を提示し真に国民のための国益を体現する新しい社会システムの設計をしなければなりません。
以上のような全体情勢の中、地方自治も主体性ある方法論をいかに進めるかという新しい局面を迎えておりますが、基本的に認識しなければならないことは、地域共同体が醸成した歴史・伝統・文化・習俗という貴重な遺産を基軸としながら、守るべき価値とは何かを明確にし、その上に正当性ある新しい時代の新しい価値観の確立こそが今、政治の果たすべき最も重要な使命に思えてなりません。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(52) 2012年03月
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現代日本を含む先進資本主義経済は、各国ともに構造的長期不況に陥り、加えてEU・米国ともに極めて不健全な財政危機から脱出困難な状況下にあります。従ってグローバルリズムの問題点がリーマンへと帰結した訳でありますが、日本経済自身もその影響下にあり、デフレ低収益による企業環境は史上空前であり、大手電機メーカーの赤字総額は、1兆数千億円という現況であります。更に31年ぶりの貿易収支の赤字は一過性のものではなくて、今後経常収支の赤字も予感され、日本の経済戦略の再構築が求められております。
一方、日本財政は閉塞感に包まれ決められない政治という環境下、国政への失望感は想像以上のものであります。GDPは540兆円から470兆円に、格差社会は現実のものとなり一億総中流社会は雲散霧消し、2000万人ともいえる非正規社員という事実であります。
この困難を超克すべく、政治はポピュリズムから脱却し真剣に本物の政治を実現しなければなりません。このような状況下、長野県政は真に長野県の再生をめざし、平成24年度予算の基本姿勢を「信州らしさを活かした元気創出」として予算案を計画し、5本の柱「経済・雇用対策の実施」「教育・子育て先進県の実現」「産業力・地域力の強化」「暮らしの安全確保」「県民主役の自立した県政の実現」が知事より提示されました。
私は、去る2月23日の本会議において自由民主党を代表して、これらに関わる重要問題10項目について知事と議論をいたしました。その内容については、ホームページに掲載いたしますのでご覧いただければと存じます。いずれにしてもグローバル資本主義は、世界経済を混乱に陥れ政治は流砂のごこく不安定化をしてまいりました。マクロ的には、文明の転換期ともいえる現在、政治は成熟した議会制民主主義のもと新しい時代に向けた新しい文明観や価値観の想像を希求しなければならない時代の分水嶺に差し掛かっております。私もそうした基本認識の上で、地方議員の1人として新たなる発想力を持って、真の政治の復権のため全力を傾注する所存であります。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(51) 2012年02月
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急速なグローバル化とIT革命の進化は国際社会の政治経済に劇的な変容をもたらし、これらの事実は単なる経済現象としての問題に留まらず、政治や社会、文化、思想、哲学などに及ぶ複合的危機であり、国家や市場の本質を見据えた未来についての議論を総合的に進める時であります。 そうした中、日本は失われた落日の20年が経過し、国際社会における我が国の政治的プレゼンスは低下し、国際競争力、国民所得は大きく後退しました。危機が一向に収まる様子を見せないのは、ユーロ崩壊という結末の可能性を否定しきれないことが大きな要因であり、明らかに1つの時代が終焉しつつあるのに、新しい時代への展望が開けない深い歴史的危機の中に私達は位置づいております。 従って、人間の本質について新しい価値観や文明の本質についての考察が今ほど必要な時はありません。現代文明の環境、人口問題は各般に渡りますが、その対策の1つでも誤れば50年以内に現代文明全体が崩壊の危機に陥るという指摘もあり、危険な時代への予兆でもあります。 2012年は、世界各国で政権交代が予測され、政治は流砂のごとく流動化しており、日本においても、欧州危機に類似する日本発の信用不安を阻止し、朝鮮半島をめくる外交安全保障への適格な対応、政治の大局観に立った総合力、大戦略の早急な構築が求められております。 とりわけ、経済成長戦略(デフレ脱却)、社会保障と税の一体改革、財政再建に対し抜本的対策の先延ばしは、歴史の教訓として許されるものではありません。日本に限らず各国の政治の停滞は目に余る状況であり、経済社会の不協和音のその根源的原因は、政治の機能不全という深刻な事実であります。 2008年のリーマンショックは効率優先の市場経済のマネーゲームの結果であり、4年目の本年は、そうした深刻な日本の経済構造を超克し、社会的公正を理念とした真に新しい時代のスタートの年にしなければなりません。明治維新、戦後復興を果たした国民的活力が衰弱し、一方日本政治は、複合的諸課題の袋小路から脱出できず、国家意思も国家戦略もなく漂流し、国民は日本政治に対し失望から脱力感ともいえる心理状態にあります。
現代社会に生じる諸課題は、政治、経済、文化などが総合的に関連している現象でありながら、あらゆる分野が専門的に分化し、重要問題に対応できない状況下にあり、21世紀の社会のあり方を方向づけるには、文明論的視点に立った大きな枠組みで考察する必要があります。 近代社会が閉塞感にさいなまれ、米国を中心として推進できたグローバルリズム、自由主義のみならず、近代合理主義そのものが1つの歴史的分水嶺に差し掛かっております。つまり近代資本主義をどのように捉えるかは、いくつかの分析がありますが、第二次大戦直後の米国のGDPは世界の40%を占め、それを支えたのはブレトンウッズ体制でありましたが、1971年のニクソンショックを経て冷戦崩壊から9・11そしてリーマンへと、その根底には、ものづくりから金融資本主義、金融工学の転換という本質を認識する必要があります。 ロバート・ルービンがゴールドマン・サックスから財務省の代表となり、「強いドルはアメリカの国益」と発言した頃から、金融の肥大化が始まったと言われております。従って、日本型資本主義、日本型経営について私達は再評価しなければならず、政治は明快な方向感覚と戦略的な思考を持ったシステムとしての日本を描き、壮大な構想力を求められており、新しい政策科学、新しい社会工学(ソーシャルエンジニアリング)の造形がきっきゅうの課題に他なりません。
このような環境下、長野県政に期待されるものは主体性ある政治行為による成熟社会にむけての、経済・雇用・社会保障の安定であり、ビジョンを語ることは容易でも、行政実務の中で困難なことは、政策目標の実行プロセスと実現性であり、政治は極めて繊細な舵取りと正確な時代認識に立ち統治に対する新しい制度設計の造形にコミットし、それへの深い知見を持った議会の覚悟こそが県民の望む議会像であると思われます。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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コラム(50) 2012年01月
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新たなる2012年を迎え、心からお慶び申し上げます。
急速なグローバル化とIT革命の進化は国際社会の政治経済に劇的な変容をもたらし、地球規模で「社会システム」の破綻が予測される危機的状況であります。そうした日本はその自覚の希薄さ故に、国際社会のスピードに対応出来ず、失われた落日の20年が経過し国際競争力、国民所得は大きく後退しました。
2008年のリーマンショックは効率優先の市場経済のマネーゲームの結果であり、4年目の本年は、そうした深刻な日本の経済構造を超克し、社会的公正を理念とした真に新しい時代のスタートの年にしなければなりません。経済の成長戦略、行財政改革、社会保障制度(年金・医療・介護)を軸に、新たなる方針を明確に提示するのが政治の責任であり、閉塞感につつまれた政治に求められるものは強い指導力、決断力に他なりません。明治維新、戦後復興を果たした国民的活力が衰弱し、一方日本政治は、複合的諸課題の袋小路から脱出できず、国家意思も国家戦略もなく漂流し、国民は日本政治に対し失望から脱力感ともいえる心理状態にあります。今こそ政治は人間のための復権を果たさなければなりません。国、県、市町村の三層構造の政治行政システムの中で、長野県政に期待されるものは主体性ある政治行為による成熟社会にむけての、経済・雇用の安定こそが根本的課題であり、それへの力強い危機感を持った議会の覚悟こそが県民の望む県政像であります。本質的に変質した国際情勢が直截に地方にも連関する時代の中、県会のなすべき使命に深く想いをいたし、私も未来への責任を担う政治家の一人として、本年も情熱をもって全力で総合行政を視野に県議会活動を貫徹する決意であります。
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長野県議会議員
自由民主党県議団
団長 本郷 一彦
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本郷一彦公式ウェブサイト
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